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○チソツマブ ベドチン(遺伝子組換え)製剤の使用にあたっての留意事項について

(令和7年3月27日)

(/医薬薬審発0327第3号/医薬安発0327第1号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

チソツマブ ベドチン(遺伝子組換え)製剤(販売名:テブダック点滴静注用40mg、以下「本剤」という。)については、本日、「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌」を「効能又は効果」として、承認されたところです。

本剤は視力低下を伴う眼障害があらわれ、失明に至る可能性があることから、その使用にあたっては、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関に対する周知をお願いします。

なお、本通知の写しについて、別記の関係団体宛てに連絡するので、念のため申し添えます。

1.本剤の適正使用について

(1) 本剤については、以下の条件が付されている。

【承認条件】(電子化された添付文書抜粋)

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

(2) 眼障害に関する「警告」、「用法及び用量に関連する注意」、「重要な基本的注意」、「特定の背景を有する患者に関する注意」は以下のとおりであるので、特段の留意をお願いしたい。なお、その他の使用上の注意については、電子化された添付文書を参照されたい。

【警告】(電子化された添付文書抜粋)

・本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

・視力低下を伴う眼障害があらわれ、失明に至る可能性があることから、眼科医との連携の下で使用し、本剤の投与開始前に眼科医による診察を実施すること。また、投与中は定期的に眼の異常の有無の確認(問診、視診、眼球運動の評価等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うとともに、眼科医による評価を行うこと。

【用法及び用量に関連する注意】(電子化された添付文書抜粋)

・他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

・本剤投与に伴う眼障害軽減のため、副腎皮質ステロイド点眼剤を本剤の投与の24時間前から4日間、血管収縮点眼剤を本剤投与前に1回、ドライアイ治療用点眼剤を本剤投与開始日から投与終了後30日目まで投与すること。使用する血管収縮点眼剤はブリモニジン酒石酸塩点眼液0.1%とし、本剤投与直前に1~3滴点眼すること。

・本剤投与により副作用があらわれた場合には、以下の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。

減量段階

投与量

通常投与量

2mg/kg(最大200mg)

1段階減量

1.3mg/kg(最大130mg)

2段階減量

0.9mg/kg(最大90mg)

3段階減量

投与中止

副作用

程度注)

処置

角膜炎

Grade 1

臨床的に安定するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

Grade 2

Grade 1以下に回復するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。

Grade 3又は4

投与を中止する。

結膜潰瘍

Grade 1又は2

臨床的に安定するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。

Grade 3又は4

投与を中止する。

結膜瘢痕、角膜瘢痕又は瞼球癒着

全Grade

投与を中止する。

結膜炎及びその他の眼障害

Grade 1

臨床的に安定するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

Grade 2

・Grade 1以下に回復するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

・再発した場合は、Grade 1以下に回復するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。

・3回目の発現時には、投与を中止する。

Grade 3又は4

投与を中止する。

末梢神経障害

Grade 2又は3

Grade 1以下に回復するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。

Grade 4

投与を中止する。

重度の皮膚障害

疑い

休薬する。

確定

投与を中止する。

中枢神経系又は気道の出血

全Grade

投与を中止する。

その他の出血

Grade 3

・回復するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

・再発した場合は、投与を中止する。

Grade 4

投与を中止する。

好中球減少症

Grade 3

Grade 2以下に回復するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

Grade 4

・Grade 2以下に回復するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。

・再発した場合は、投与を中止する、又はGrade 2以下に回復するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。

注) GradeはNCI―CTCAE ver.5.0に準じる。

【重要な基本的注意】(電子化された添付文書抜粋)

・眼障害があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。

・本剤投与開始前に眼科医による診察を実施すること。投与中は定期的に眼の異常の有無の確認(問診、視診、眼球運動の評価等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導し、眼科医による評価を行うこと。

・本剤投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者に指導すること。

【特定の背景を有する患者に関する注意】(電子化された添付文書抜粋)

・合併症・既往歴等のある患者

・活動性の眼表面疾患、瘢痕性結膜炎の既往歴若しくは素因、又は眼の徴候・症状を伴うStevens―Johnson症候群の既往歴若しくは素因のある患者

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 眼障害の発現又は増悪リスクが高まるおそれがある。臨床試験では、当該患者は除外された。

別記

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公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会

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一般社団法人 日本病院薬剤師会

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