添付一覧
○要指導・一般用医薬品の承認申請区分及び添付資料に関する質疑応答集(Q&A)について
(令和6年10月9日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課通知)
要指導・一般用医薬品の承認申請区分及び添付資料については、「要指導・一般用医薬品の承認申請区分及び添付資料に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成28年6月24日付け事務連絡)により取り扱ってきたところですが、今般、スイッチOTCWGにおける報告を踏まえ、要指導・一般用医薬品の承認申請区分及び添付資料に関する留意点について、質疑応答集(Q&A)を別添のとおりとりまとめましたので、御了知の上、貴管下関係業者に対して周知願います。
なお、「要指導・一般用医薬品の承認申請区分及び添付資料に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成28年6月24日付け事務連絡)は廃止いたします。
また、本質疑応答集は、原則的な考え方を示したものであることを申し添えます。
(別紙)
【全般事項】
Q1 申請区分と要指導・一般用医薬品部会、薬事審議会、再審査及び製造販売後調査との関係は? |
A1
申請区分と要指導・一般用医薬品部会、薬事審議会、再審査及び製造販売後調査との関係は、以下のとおりである。
区分(1)~(4)、(5)―①、②、④は、要指導・一般用医薬品部会で審議、薬事審議会で報告される。区分(5)―③及び区分(6)は、要指導・一般用医薬品部会で報告される。
再審査が課されるのは区分(1)~(3)、製造販売後調査については区分(4)、(5)―①、②、④である。また、先に承認された品目の再審査又は製造販売後調査の期間中に承認された品目については、先に承認された品目の残余期間、再審査又は製造販売後調査が課されるものとする。
薬事審議会規程区分 |
部会 |
審議会 |
再審査/製造販売後調査 |
|
1 |
新有効成分含有医薬品、新投与経路医薬品、新効能・剤形・用量医薬品 |
○ |
△ |
再審査 |
2 |
既承認の要指導医薬品及び一般用医薬品の有効成分として含有されていない成分を含有するもの並びに既承認の要指導医薬品及び一般用医薬品と投与経路、効能、用量が明らかに異なるもの |
○ |
▲ |
製造販売後調査 |
3 |
既承認の要指導医薬品及び一般用医薬品と剤形、有効成分の組合せ等が明らかに異なるもの |
△ |
× |
― |
4 |
その他 |
× |
× |
― |
○:審議(諮問あり)、△:報告(諮問なし)、▲:文書配布による報告、×:審議・報告なし
(注1) 申請区分(5)―②で、審議会規程区分4に該当するものと考えられる事例としては、ソフトコンタクトレンズへの適用を有する承認基準内処方の一般点眼薬などがある。また、配合剤のうち成分の組合せにより新効能となるが、効能自体は既に一般用医薬品等として認められている効能の範囲内であるものなども該当する場合があるが、申請に当たっては必要に応じて個別に医薬品審査管理課に相談すること。
(注2) 申請区分(5)―④で、審議会規程区分4に該当するものと考えられる事例としては、1回量が増量されているが、医療用医薬品の通常用量の範囲内であって、1日量は既に承認されている一般用医薬品の範囲内である内用剤などがあるが、申請に当たっては必要に応じて個別に医薬品審査管理課に相談すること。
(注3) 申請区分(6)で、審議会規程区分4に該当するものと考えられる事例としては、既承認の要指導医薬品及び一般用医薬品との組合せの相違に該当する成分の組合せが、異種の薬理作用の組合せであり、かつ、その薬理作用の組合せが同一薬効群の既承認一般用医薬品の範囲内であり、薬理作用の増強がないと判断されるものが挙げられるが、申請に当たっては必要に応じて個別に医薬品審査管理課に相談すること。
【申請区分の判断基準】
Q2 複数の区分にまたがる場合は、どのように取り扱うのか? |
A2
その場合は、該当する複数区分のうち、区分表で最も上位となる区分を申請区分とするが、添付資料については各々の区分において必要とされる資料が求められる。
Q3 区分(2)「新投与経路医薬品」及び区分(5)―①「要指導(一般用)新投与経路医薬品」の判断基準は? |
A3
区分(2)は、当該有効成分の既承認医薬品にはない初めての投与経路(医療用医薬品においても「新投与経路医薬品」として取り扱われるもの)となる場合であり、区分(5)―①は当該有効成分の投与経路として医療用医薬品では承認前例があるが、要指導・一般用医薬品としては初めての投与経路となる場合が該当する。
Q4 区分(3)―①「新効能医薬品」及び区分(5)―②「要指導(一般用)新効能医薬品」の判断基準は? |
A4
区分(3)―①は、当該有効成分の既承認医薬品にはない初めての効能・効果(医療用医薬品においても「新効能医薬品」として取り扱われるもの)となる場合であり、区分(5)―②は当該有効成分の効能・効果として医療用医薬品では承認前例があるが、要指導・一般用医薬品としては初めての効能・効果となる場合が該当する。
なお、医療用医薬品の効能・効果を要指導・一般用医薬品に単に読み替えたとみなされる効能・効果の場合は、区分(3)―①ではなく、区分(5)―②として取り扱われる。
Q5 区分(3)―②「新剤形医薬品」及び区分(5)―③「一般用(要指導)新剤形医薬品」の判断基準は? |
A5
区分(3)―②は、当該有効成分の既承認医薬品にはない初めての剤形(医療用医薬品においても「新剤形医薬品」として取り扱われるもの)となる場合であり、区分(5)―③は当該有効成分において要指導・一般用医薬品としては初めての剤形となる場合が該当する。
Q6 医療用医薬品において徐放化されていない成分を要指導・一般用医薬品において徐放化する場合の区分は? |
A6
区分(3)―②に該当する。
なお、徐放性製剤(経口投与製剤)の設計及び評価に関するガイドライン(昭和63年3月11日、薬審1第5号)に沿った資料が必要である。
Q7 既承認一般用医薬品と同一投与経路であって、剤形の相違が軽微とみなせない場合と軽微とみなせる場合の区分は? |
A7
剤形の相違が軽微とみなせない場合であって、薬物動態(主にヒトでの吸収)が既承認一般用医薬品と同様と考えられないものは、区分(5)―③、薬物動態(主にヒトでの吸収)が同様と考えられるものは、区分(7)―②に該当する。また、剤形の相違が軽微とみなせる場合は、医療用にはない剤形であったとしても、区分(8)に該当する。
【剤形の相違が軽微とみなせない例】
・内用固形剤(錠剤など)⇔トローチ剤⇔フィルム剤
・軟膏剤⇔パップ剤⇔テープ剤
・坐剤⇔軟膏剤
・含嗽剤⇔トローチ剤
【剤形の相違が軽微とみなせる例】
・内用の素錠⇔糖衣錠⇔フィルムコート錠(非徐放性、非腸溶性)
・内用の錠剤⇔カプセル剤⇔顆粒剤⇔散剤
・外用液剤⇔外用スプレー剤⇔外用軟膏剤⇔外用クリーム剤⇔外用ゲル剤
・坐剤⇔注入軟膏
Q8 スイッチOTCの製造販売後調査終了後に、医療用医薬品にはない剤形を申請する場合の区分は? |
A8
その場合であっても、A5~7と同様の考え方である。なお、必要に応じて個別に審査当局に相談すること。
Q9 区分(3)―③「新用量医薬品」及び区分(5)―④「一般用(要指導)新用量医薬品」の判断基準は? |
A9
区分(3)―③は当該有効成分の既承認医薬品にはない初めての用量(医療用医薬品においても「新用量医薬品」として取り扱われるもの)となる場合であり、区分(5)―④は当該有効成分の用量として医療用医薬品では承認前例があるが、当該効能としては初めての用量となる場合が該当する。
既承認医薬品の用量(内用剤の場合は「1日量」、外用剤の場合は「濃度や単位面積あたりの量」等)を上回る又は下回るものは区分(3)―③に該当する。
Q10 区分(6)「一般用(要指導)新配合剤」と区分(7)―①「類似処方一般用配合剤」の判断基準は? |
A10
既承認一般用医薬品の有効成分の組合せに対して、第一類医薬品成分又は第二類医薬品成分が変更(追加・削除を含む)されている場合は、区分(6)となり、第三類医薬品成分のみが変更(追加)されている場合は区分(7)―①となる。なお、第一類医薬品成分及び第二類医薬品成分が申請処方中1種のみの場合は区分(6)ではなく、区分(7)―①もしくは(8)となる。
Q11 区分(7)―①「類似処方一般用配合剤」と区分(8)「その他の一般用医薬品」の判断基準は? |
A11
A10にある第三類医薬品成分のみが変更されているもののうち、既承認一般用医薬品から、前例の範囲内で「作用緩和で薬効に直接関わらない成分」のみが変更(追加・削除を含む)されている場合は、区分(8)に該当し、それ以外は区分(7)―①に該当する。
なお、申請の際に、区分(8)であることを示す資料として、各有効成分の組合せ前例を示す「前例一覧表」を添付し、その異なる成分が「作用緩和で薬効に直接関わらない」ことを示す必要がある。
Q12 漢方処方にビタミン等の作用緩和で安全性も十分に担保できる成分を配合する場合の区分は? |
A12
区分は(7)―①であるが、まず、組合せの妥当性について、十分な説明が必要であり、用法・用量、効能・効果は一般用漢方製剤承認基準の範囲内とする。その上で、必要な臨床試験を行う。
Q13 一般用漢方製剤承認基準に収載されている処方の経口液剤を申請する場合の区分は? |
A13
経口液剤として既承認一般用医薬品がない処方は区分(7)―②、前例があるものは区分(8)となる。なお、湯としての用法・用量を持つものであること。
Q14 当該薬効群で配合前例があれば、組合せに前例がなくとも区分(8)に該当する薬効群とは? |
A14
ビタミン含有保健薬、生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)については、組合せに前例がなくとも個々の有効成分の配合量が当該薬効群の前例の範囲内であれば区分(8)とする。
Q15 再審査又は製造販売後調査が終了した既承認一般用医薬品(投与経路、用法・用量、効能・効果及び剤形(剤形の相違が軽微な場合を含む)が同一)の有効成分の組合せに対して、当該配合成分を「水和物違い」の有効成分に入れ替えたのみである配合剤の手数料区分及び申請区分の取扱いは? |
A15
その「水和物違い」の成分が、同一薬効群の既承認一般用医薬品で配合前例があり、既承認成分と同じ有効性・安全性を示す場合においては、手数料区分は医薬品医療機器法関係手数料令第7条第1項第1号イ(9)及び同令第32条第1項第1号イ(11)に該当し、申請区分(8)に該当する。
【添付資料関連】
Q16 区分(4)「要指導(一般用)新有効成分含有医薬品」に必要とされるイの資料とは? |
A16
新有効成分の医療用医薬品での使用実態、海外でのスイッチOTC化の状況、適正使用推進策(チェックシート及び情報提供資材を含む)等を含めること。
また、公表されている医療用医薬品の審査報告書、再審査報告書、再評価報告書(薬効)、副作用報告等を参照し、OTCとしての意義、必要性、対象者及び有効性、安全性について十分に説明すること。
なお、参照した医療用医薬品の審査報告書、再審査報告書、再評価報告書(薬効)を引用文献一覧に記載すること。また、添付文書案と医療用医薬品の添付文書との比較表、確認できる範囲での医療用医薬品の添付文書改訂履歴を記載すること。
医療用医薬品の審査報告書、再審査報告書、再評価報告書(薬効)等が参照できない場合には、医療用医薬品の添付文書の引用文献に記載されている文献等を参照し、説明すること。
チェックシート及び情報提供資材の作成にあたっては、令和5年3月22日付薬機般発第14号「チェックシート及び情報提供資材の作成に際し留意すべき事項について」を参照すること。
(参考) https://www.pmda.go.jp/files/000251360.pdf
Q17 区分(5)―③「一般用(要指導)新剤形医薬品」において要求されている「吸収」に関する試験の考え方は? |
A17
既承認要指導・一般用医薬品との薬物動態(主にヒトでの吸収)を比較検討して、有効性・安全性について十分な考察を行う必要がある。
Q18 区分(6)「一般用(要指導)新配合剤」及び区分(7)―①「類似処方一般用配合剤」における添付資料の考え方は? |
A18
区分(6)においては、臨床試験が必要である。
また、区分(7)―①においては、関連成分の配合により副次的薬理作用も含めて薬理作用の増強がないことを示す必要がある。なお、示せない場合には臨床試験が必要である。
薬理作用の増強がないことを示すための資料の例としては、次のようなものが考えられる。
(1) 医療現場における十分な併用実績を示す資料(医療機関での処方実態調査など。院内約束処方報告例や今日の治療指針等がこれに代わり得る場合もある。)
(2) 薬理作用の増強がないと判断した成分に関する次のような資料。ただし、当該有効成分の併用例に関するもの。
・医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品の投稿文献
・医療用医薬品の再審査・再評価申請資料
・医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品の副作用情報
・海外での試験成績
・市販後調査の結果、副作用報告
なお、上記のような資料で十分な説明が出来ない場合には、薬効薬理試験による相乗効果を否定する資料や毒性試験による毒性増強のないことを示す資料等により説明する必要がある。
また、いずれの区分においても、イ項において、配合の妥当性について十分に説明する必要がある。
Q19 区分(7)―②「類似剤形一般用医薬品」において要求されている「吸収」について、溶出挙動が同一であってもヒトでの臨床試験が必要か? |
A19
既承認要指導・一般用医薬品との溶出試験による比較検討により、溶出挙動が同等であることが認められる場合は、薬物動態(主にヒトでの吸収)の検討は必要ない。
Q20 区分(8)「その他の一般用医薬品(承認基準品目等)」に必要とされるイの資料とは? |
A20
承認基準に適合する医薬品については、承認基準と申請品目の有効成分及びその分量に関する対比表を添付することでよい。承認基準に適合する医薬品以外については、処方設計の根拠及び有効性・安全性等について十分説明すること。
【その他】
Q21 申請に必要な臨床試験成績の考え方は? |
A21
区分(1)~(3)については、医療用医薬品と同等の臨床試験成績が必要となる。
区分(4)については、下記の①③又は②③を満たす場合には、原則として、臨床試験成績の添付は不要である。ただし、これらへの該当性等の判断について疑義がある場合には、機構の相談制度を利用することが望ましい。
① 元となる医療用医薬品と生物学的同等性が確認されている場合である(※1、2)
② 元となる医療用医薬品と同一成分及び分量並びに剤形である
③ 効能又は効果が元となる医療用医薬品の承認事項の範囲内であり(※3)、各々の効能又は効果について用法及び用量が元となる医療用医薬品の承認事項と同一である(※4)
区分(5)において、医療用医薬品の申請時に実施した臨床試験成績等により要指導・一般用医薬品としての有効性及び安全性が説明できる場合には、新たな臨床試験の実施を要しない。
区分(6)については、当面は臨床試験を実施する場合、3ヵ所以上60例以上で差し支えないが、有効性及び安全性について、生物統計学的観点も踏まえ、科学的に説明できることが望ましい。
なお、区分(4)~(6)において、剤形の相違が軽微とみなせる剤形(Q&A7参照)を複数申請する場合には、1つの剤形について必要とされている症例数の臨床試験資料を添付すれば、他の剤形においては不要である。
※1 「元となる医療用医薬品」とは、有効性及び安全性を確認するための臨床試験が実施された上で承認された新医薬品を指す。
※2 元となる医療用医薬品と同一製剤でない場合は、生物学的同等性試験に関する通知及び事務連絡を参照し、実施された試験成績を添付すること。
※3 効能又は効果の読み替えについては、既存薬効群で要指導・一般用医薬品の承認前例がある場合には、その効能又は効果を参照し検討すること。
※4 元となる医療用医薬品の効能又は効果について、用法及び用量が幅で承認されている場合はその範囲内の用法及び用量を設定すること。
Q22 先に承認された品目の再審査期間中又は製造販売後調査期間中に申請する場合は、どのような取扱いになるのか? |
A22
再審査期間中又は製造販売後調査期間中に申請される品目については、先に承認された品目と同じ申請区分となり、申請に際しては先に承認された品目と同等又はそれ以上の資料の添付が必要である。
Q23 治験計画届書の提出を必要とする区分は? |
A23
一般用医薬品においては、医薬品医療機器法施行規則第268条の規定に基づき、区分(1)及び(2)において治験計画届書の提出が必要となる。
なお、区分(1)の既承認要指導医薬品の再審査期間中に、同一有効成分の製剤を申請する場合においても治験計画届書の提出が必要となる。
Q24 要指導医薬品として承認を受け、再審査期間又は製造販売後調査期間終了後に一般用医薬品(第一類医薬品)に移行後、一年を経過していない製剤の有効成分を配合した製剤(成分の組合せが同一の製剤は除く)を申請する場合の手数料区分は? |
A24
その場合の手数料区分は、当該成分を第一類医薬品成分とみなした際の、医薬品医療機器法関係手数料令第7条第1項第1号イ及び同令第32条第1項第1号イの該当する区分とする。