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○医療用医薬品の承認事項一部変更承認申請又は電子化された添付文書改訂においてレジストリデータを活用する際の留意点について

(令和6年10月4日)

(/医薬薬審発1004第4号/医薬安発1004第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

「「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」について」(令和3年3月23日薬生薬審発0323第1号・薬生機審発0323第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・医療機器審査管理課長連名通知。以下「基本的考え方通知」という。)において、レジストリデータを承認申請等に活用する場合の基本的考え方を示しているところです。基本的考え方通知の発出以降、承認申請等において臨床試験の外部対照データや参考データとしてレジストリデータが用いられるなど、レジストリデータの活用事例が徐々に増えているところです。

今般、リアルワールドデータの活用の更なる推進のため、別添のとおり、医療用医薬品における承認事項一部変更承認申請や電子化された添付文書の改訂手続において、レジストリデータを活用する際の留意点をまとめましたので、貴管内関係業者等に対して周知いただきますよう御配慮願います。また、本通知の写しについて、別記の関係団体等宛てに発出するので、念のため申し添えます。

[別添]

医療用医薬品の承認事項一部変更承認申請又は電子化された添付文書改訂においてレジストリデータを活用する際の留意点

1 背景と目的

昨今、本邦において、医療用医薬品の承認申請をはじめとして、Real World Data(以下「RWD」という。)を活用するための検討が更に進められている。RWDの一つであるレジストリデータについては、「「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」について」(令和3年3月23日付け薬生薬審発0323第1号・薬生機審発0323第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・医療機器審査管理課長連名通知。以下「基本的考え方通知」という。)により承認申請等への活用に関する考え方を示しているところである。

医療用医薬品の製造販売承認を取得するにあたり有効性及び安全性を示すためには、一般的には評価資料となる臨床試験を実施する必要がある。しかしながら、希少疾病のように患者数が極めて少ない等の理由により臨床試験の実施が困難な場合に、レジストリデータを外部対照や臨床試験の代わりとして用いることで医療用医薬品の開発が促進されることが期待される。

基本的考え方通知においても、レジストリデータの活用事例の一つとして、レジストリを臨床試験の補完又は代わりとして承認申請等における有効性及び/又は安全性の評価に用いることが挙げられている。その中で「既承認時に提出された臨床試験の組入れが一部の患者層に限られていたため、用法・用量の記載が臨床試験に基づき設定される又は添付文書において投与対象が制限されたものの、臨床現場では有効性及び安全性に大きな影響がないと考えられ使用されている場合に、適応拡大に係る開発や添付文書の改訂等に際してレジストリデータを用いて有効性及び/又は安全性を評価する場合が考えられる」ことが述べられている。

本通知では、基本的考え方通知に示されたレジストリデータの活用方法のうち、既承認医療用医薬品の効能・効果、用法・用量の追加に係る承認事項一部変更承認申請(以下「一変申請」という。)や電子化された添付文書(以下「電子添文」という。)における効能又は効果に関連する注意、用法及び用量に関連する注意、臨床成績等の改訂(削除、追加、記載内容の変更)において、レジストリデータを活用する際の留意点を示す。

2 医療用医薬品の一変申請において活用する場合

医療用医薬品の効能・効果又は用法・用量の追加あるいは変更に係る一変申請については、当該申請における利用可能性があり、対象集団の特性を適切に反映している既存のレジストリが存在し、そのレジストリから当該効能・効果等に係る有効性及び/又は安全性が評価可能で、信頼性が担保されたデータを取得することができれば、臨床試験の成績に代えて、レジストリデータを評価資料として活用できる場合がある。特に、臨床試験の実施が容易ではない希少疾病や小児に係る効能・効果、用法・用量の追加等については、レジストリデータを活用した一変申請の可能性について、検討する意義は大きい。

レジストリデータを評価資料とする場合には、収集されたデータを適切な調査計画等に基づいて解析すること、及び信頼性が担保されていることが前提となる。したがって、対象集団、評価項目、解析手法等に係る計画やレジストリデータの信頼性等について、調査計画等の立案の段階から独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に事前に相談することが強く推奨される。

なお、レジストリデータを活用した一変申請では、レジストリデータを用いた評価資料だけでなく、既承認の適応に係る承認時の臨床試験成績、一変申請を行おうとする適応に係る臨床現場での使用実態に関する資料、外国(本邦と同等の水準にあると認められる承認の制度又はこれに相当する制度を有している国(例えば、米国、欧州)をいう。以下同じ。)で薬事承認の際に評価に用いられた資料、国内外の診療ガイドライン等の情報が重要な補足情報となる場合がある。

臨床試験成績の代わりに既存のレジストリデータを評価資料として添付して一変申請を行うことを検討する場合には、レジストリデータの他に利用可能な情報についても検討し、申請データパッケージの適切性について、申請前までに機構と相談することが強く推奨される。

3 医療用医薬品の電子添文改訂において活用する場合

医療用医薬品の電子添文改訂時のRWDの活用に関し、「医療情報データベースを利用した調査結果に係る電子化された添付文書への記載要領の改正について」(令和5年2月17日付け薬生発0217第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)及び「医療情報データベースを利用した調査結果を電子化された添付文書に記載する場合の留意事項について」(令和5年2月17日付け薬生安発0217第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)において、電子添文の「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項に該当する患者群のうち、十分な安全性データが得られていない患者群について、「17.2 製造販売後調査等」の項に医療情報データベースを利用した調査結果を記載できることが示されているところである。

医療用医薬品の電子添文の「5.効能又は効果に関連する注意」、「7.用法及び用量に関連する注意」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」、「17.1 有効性及び安全性に関する試験」及び「17.2 製造販売後調査等」の項には、通常、臨床試験成績や製造販売後調査等に基づき、適切な投与対象者や投与方法に関する注意喚起やその根拠となる臨床成績が記載されている。既存のレジストリのデータから、承認を受けた効能・効果若しくは用法・用量に関して注意を要する結果が得られた場合、承認を受けた効能・効果又は用法・用量のうち、有効性データが得られていない患者群において臨床試験成績の代わりとなる主要な根拠の結果が得られた場合、又は十分な有効性データが得られていない患者群において「有効性及び安全性に関する試験」を補完する重要な結果が得られた場合等に、臨床現場における使用実態の反映等の目的で、電子添文の注意喚起の内容等を改訂できる可能性がある。

既存のレジストリデータを用いて、医療用医薬品の電子添文の改訂を検討する場合には、対象集団、評価項目、解析手法等に係る計画、電子添文改訂の必要性、レジストリデータの信頼性等について、調査計画等の立案の段階から機構に相談することが推奨される。また、レジストリデータを用いた解析結果が得られ、実際に機構に相談する場合は、機構が実施する医薬品の添付文書改訂に係る相談(医薬品添付文書改訂事前確認相談及び医薬品添付文書改訂相談)並びに医薬品添付文書改訂根拠資料適合性調査相談を活用すること。

4 その他の留意事項

① 本通知は、一変申請を目的として適応外投与を行うことを推奨するものではないことに十分留意すること。一変申請を目的として新たに適応外投与を行い、情報を収集しようとする場合は、臨床試験を実施すること。

② レジストリデータを利用して一変申請又は電子添文改訂を行う場合には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等に基づき、個人情報の取扱に留意すること。

③ レジストリデータを用いた資料を評価資料として一変申請の際に提出する場合、当該資料は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第40条第1項第1号のト(臨床試験等の試験成績に関する資料)として提出すること。

④ レジストリデータを用いた資料を評価資料として一変申請の際に提出する場合、又は電子添文改訂の根拠とする場合、当該資料の信頼性が確保されている必要がある。具体的には、根拠資料が適切に保存されていることや、適合性調査時又は相談時に根拠資料(レジストリ保有者の運営及び管理に関する資料並びに必要に応じて情報源における根拠資料を含む。)へアクセスできることが必要である。なお、レジストリデータの信頼性については、事前に関連通知等1)2)を参照の上、申請者又は相談者の責任において担保されていることを保証しておく必要がある。薬事利用の実績がないレジストリデータを利用する場合は、信頼性を担保するために必要な事項等について、特に計画立案の段階から機構と相談すること。

⑤ 本通知は、基本的考え方通知に示された考え方を踏まえ、適応拡大に係る開発や電子添文の改訂等に際して、レジストリデータを用いる場合の留意点を示すものであるが、診療記録等のデータを収集するデータベースなど、その他のRWDについても、データの特性等を鑑みた上で、本通知の内容に準じることが可能である。

⑥ 本通知は、現時点での留意点を示すものであり、活用例の蓄積、今後新たに得られる知見や科学技術の進歩、国内外の規制状況等により、変わり得ることに留意すること。

5 参考文献

1) 「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」について(令和3年3月23日付け薬生薬審発0323第2号・薬生機審発0323第2号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・医療機器審査管理課長連名通知)

2) レジストリ又は医療情報データベースのデータを医薬品の承認申請、再審査等申請に利用する場合の信頼性担保に係る留意点に関する質疑応答(Q&A)について(令和4年9月14日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課事務連絡)

(別記)

日本製薬団体連合会

日本製薬工業協会

米国研究製薬工業協会在日執行委員会

一般社団法人欧州製薬団体連合会

公益社団法人日本医師会

公益社団法人日本歯科医師会

公益社団法人日本薬剤師会

一般社団法人日本病院薬剤師会

公益社団法人日本看護協会

一般社団法人日本CRO協会

日本SMO協会

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

各地方厚生局