添付一覧
○中等度変更事項に係る変更手続の導入の試行に関する質疑応答集(Q&A)について
(令和6年9月27日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課通知)
「中等度変更事項に係る変更手続の導入の試行について」(令和6年9月27日医薬薬審発0927第4号厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)の発出に伴い、関連する質疑応答集を下記のとおり取りまとめましたので、御了知の上、貴管内関係事業者に対し周知方ご配慮願います。また、本事務連絡の写しについて、別記の関係団体等宛てに事務連絡するので、念のため申し添えます。
記
問1 中等度変更事項は、どのような考え方に基づき特定すればよいか。 |
(答)
中等度変更迅速審査は、一部変更申請の一形態であり、従来一部変更申請の対象とされてきた事項のうち、変更に係るリスクが相対的に低く、簡素な審査等により承認可否を判断可能な事項が対象となる。
リスク分類の基本的な考え方は、「「医薬品のライフサイクルマネジメントにおける技術上及び規制上の考え方に関するガイドライン」について」(令和3年10月29日付け薬生薬審発1029第1号、薬生監麻発1029第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、監視指導・麻薬対策課長連名通知)に従うが、米国のCBE30やEUのType IB又はそれらよりリスクの低い変更区分の対象とされている事項についても対象となり得る。
なお、従来、軽微変更の対象となっていたものは、今後も軽微変更として取り扱う。ただし、中等度リスクの変更に伴い、関連する製造パラメータ等のうち軽微変更届出対象事項として承認書に記載された事項も併せて変更する必要がある場合、当該軽微変更届出対象事項の変更の適切性は中等度変更迅速審査の中で確認される。
問2 今後新規申請等を行う場合、中等度変更事項の設定要否は検討する必要があるのか。 |
(答)
中等度変更迅速審査の利用は任意であり、本制度を利用しない場合は、中等度変更事項を設定する必要はない。
問3 通知記の2において、通知別添に示す内容が中等度変更事項になるとされている。中等度変更事項が承認書上で特定されていない場合であっても、通知別添に記載された変更であれば、通知記の3(1)②の医薬品手続相談を省略できないか。 |
(答)
試行においては、省略することはできない。
米国のCBE30やEUのType IBにより変更済みの変更においても同様に、省略することはできない。
問4 通知記の2において、米国のCBE30やEUのType IBの手続により認められている変更については、対象になる場合があるとされているが、具体的にどのような場合に対象となるか。 |
(答)
当面の間、米国若しくはEUにおいて当該変更手続が実際に行われた変更又は今後当該変更手続を予定している変更については、通知別添に記載の対象事項以外であっても、対象となる場合がある。通知記の3(1)②による医薬品手続相談時に、相談資料にその旨と、米国又はEU(米国とEUの両方の場合を含む。)での提出(予定)年月日を記載すること。
問5 通知記の2において、GMP適合性調査が必要となる変更事項は対象としないとされているが、調査要否はどのように判断すればよいか。 |
(答)
判断基準は、本邦の通常の一部変更申請におけるGMP適合性調査要否と同じ判断基準によることで差し支えない。
なお、米国のCBE30やEUのType IBの手続により認められている変更等に関し、GMP適合性調査の要否、GMP適合性調査結果通知書及び基準確認証の利用可能性について確認を希望する場合は、通知記の3(1)②による医薬品手続相談時に相談すること。また、医薬品手続相談に先立って、GMP適合性調査の要否の確認のみを希望する場合は、PMDAの事前面談を利用すること。
問6 通知記の3(1)②による場合、医薬品手続相談の相談資料にはどのような事項を記載すればよいか。 |
(答)
通常、以下の内容を簡潔に記載することで十分と考えられるが、変更内容を踏まえて追加すべき事項があれば相談資料に含めること。なお、医薬品手続相談の資料整備を目的とした事前面談は要しない。
・ 変更の概要、経緯及び中等度変更事項に該当すると判断した理由
・ 承認申請書記載の新旧対照表
・ 予定している申請添付資料の一覧(ロット分析結果、分析法バリデーション報告書等、資料名の記載のみで差し支えない)
複数の剤形、大項目、変更点にわたる中等度変更迅速審査を予定している場合も、同様の申請として処理可能な範疇であれば医薬品手続相談は1相談とすることで差し支えない。
なお、医薬品手続相談では通知に基づく中等度変更事項への該当性の確認はするが、申請添付資料の内容の十分性、変更管理の適切性に係る判断は行わないため、留意すること。
問7 中等度変更迅速審査に係る申請を行う際、一つの申請に複数の変更を含めることは可能か。 |
(答)
中等度リスクの変更である限りにおいて、可能である。ただし、中等度リスクの変更とは関連のない軽微変更届出対象事項の変更は、本制度の迅速審査の対象外である。
なお、変更点が多岐にわたる場合、担当審査部の中等度変更迅速審査に係る申請の受付可能件数に影響する可能性がある。
問8 通知記の4(3)において、過去の軽微変更届出の内容は確認しないとされているが、承認申請書等はどのように作成すればよいか。 |
(答)
承認申請書本体は、過去の軽微変更届出の内容を含めて作成することで差し支えないが、承認申請書 別紙として添付する新旧対照表では、中等度変更迅速審査における変更点のみに下線を付す等により明示すること。
問9 中等度変更迅速審査における申請添付資料として、どのような資料を添付すればよいか。 |
(答)
従来の一部変更申請にて添付が必要とされている申請添付資料を同様に添付するほか、変更の概要、経緯及び中等度変更事項に該当すると判断した理由等を簡潔かつ具体的にまとめた資料を添付すること。以上の申請添付資料は、CTD形式にて提出すること。また、通知記の3(1)①による場合、前回審査時点から追加検討されたリスク評価に関する資料等があれば、併せて提出すること。
なお、変更管理の根拠となるデータ等に不足を認めた場合、照会事項にて追加提出を依頼することとなるため、不足がないことを承認申請前に十分確認すること。
問10 通知記の3(1)②による場合、医薬品手続相談の記録確定を待たずに中等度変更迅速審査に係る承認申請を行ってもよいか。 |
(答)
医薬品手続相談において、中等度変更迅速審査への該当性についてPMDAと合意がなされている場合、差し支えない。
問11 「営業日」の算定方法を確認したい。 |
(答)
承認申請が行われた日(一部変更申請としての受理をした日が異なる場合は、当該日)、照会事項を送付した日、照会事項回答が提出された日を1営業日目として、土曜日、日曜日、「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号)第3条に定める休日及び年末年始休業期間(12月29日~1月3日)を除いた平日を数える。ただし、午後5時以降の照会事項送付及び回答提出は、翌営業日に行われたものとみなす。
承認申請者の全社休業日、海外の祝日・休暇期間等は特に考慮しないため、照会事項が発生した場合に対応可能となるよう、必要な調整を行っておくこと。
問12 通知記の3(2)④に記載のある「調査用資料」として、どのような資料を承認申請時に提出すればよいか。 |
(答)
PMDA Webサイト(「医薬品/再生医療等製品の信頼性保証業務」のページ)に掲載した資料作成の手引きも参考に、
① 承認申請の概要、
② ②申請資料作成のプロセス、
③ ②のプロセスが適切に実施されていることを承認申請者が確認する手順及び実際に確認した内容
を取りまとめ、PDF形式又はPPTX形式等の電子ファイルをゲートウェイシステムで提出すること。
問13 中等度変更迅速審査に係る申請から通常の一部変更承認申請に切り替えられた場合、標準的事務処理期間の起点はいつになるか |
(答)
中等度変更迅速審査に係る申請を起点とする。
問14 通知記の3(2)④に記載のある、新医薬品の「適合性書面調査の実施日」はどのように決定されるか。 |
(答)
中等度変更迅速審査は諸手続を簡素化することにより迅速処理を行うため、原則として日程調整は行わず、調査実施日は、申請受付け可の伝達後10営業日を目安とする。承認申請者は、適合性書面調査に対応可能な日程にて、計画的に承認申請を行うこと。
なお、通知記の3(1)②に規定の医薬品手続相談において、特に対応困難な日時の申入れが承認申請予定者からあった場合は、迅速処理が可能な範囲で考慮する。
問15 通知別添3③及び④に記載のある、「利用可能な」GMP適合性調査結果通知書、又は基準確認証とは、どのようなものを指すか。 |
(答)
・ 基準確認証については、承認を受けようとする品目又は製造に用いる原薬と同一の製造工程区分に係るものであって、有効期間内のもの。
・ GMP適合性調査結果通知書については、以下のいずれかの場合であって、通知日が承認申請日から2年以内のもの(ただし、承認申請日から2年以内の日付で作成された調査結果報告書の写しを別途提出する場合は、写しを提出する適合性調査結果通知書は通知日が承認申請日から5年以内の日付のものでよい)。
(1) 原薬又は添加剤に関しては、原則として、承認を受けようとする品目の製造に用いる原薬又は添加剤と同一物に係るGMP適合性調査結果通知書であって、承認申請時に同一性に関する証明を併せて提出する場合。ただし、承認を受けようとする品目の製造に用いる原薬又は添加剤と、物理的化学的特性が類似した原薬又は添加剤に係るGMP適合性調査結果通知書を利用可能な場合もあるが、調査結果を利用することの妥当性を承認申請者自身が十分に説明できる場合に限る。
(2) (通知別添3③に関して)粉砕工程のみを行う製造所に関しては、使用する機器が承認を受けようとする品目の製造に用いる原薬又は添加剤と同一であり、粉砕前後の原薬又は添加剤の粒度分布が当該原薬又は添加剤と大きく異ならない品目に係るGMP調査結果通知書を利用することの妥当性を承認申請者自身が十分に説明できる場合。
(3) (通知別添3④に関して)非無菌製剤の一次包装工程以降を行う製造所に関しては、原則として同一剤形であって、錠剤、カプセル剤等については大きさが同様であり、水分、熱、酸素等に対し同様の安定性を有し、同一の包装機、包材を用いて包装を行う品目に係るGMP適合性調査結果通知書である場合。ただし、散剤と顆粒剤等剤形が異なる品目であっても、物理的化学的特性が類似している品目に係るGMP適合性調査結果通知書を利用可能な場合もあるが、調査結果を利用することの妥当性を承認申請者自身が十分に説明できる場合に限る。
問16 中等度変更迅速審査の審査期間中に、変更対象とされた大項目を変更する軽微変更届出を行うことは可能か。 |
(答)
中等度変更迅速審査では、原則として承認申請書の差し替えは行わないため、変更大項目が重複する軽微変更届出の提出は差し控えること。
製造実態に変更があり、軽微変更届出の提出が必要な場合は、届け出ることで差し支えないが、中等度変更迅速審査に係る承認申請書への反映は行わないため、中等度変更迅速審査に係る承認申請の承認取得後速やかに、再度軽微変更届出を提出すること。この場合、軽微変更届出の変更日は当該届出の提出日とし、届書のその他備考欄に「中等度変更迅速審査中の軽微変更届出を反映するための軽微変更届出」である旨を記載すること。
問17 通常の一部変更承認申請の審査期間中に、変更対象とされた大項目を変更する中等度変更迅速審査による申請を行うことは可能か。また、中等度変更迅速審査の審査期間中に、変更対象とされた大項目を変更する通常の一部変更承認申請を行うことは可能か。 |
(答)
いずれも、可能である。
ただし、中等度変更迅速審査では、原則として承認申請書の差し替えは行わないため、中等度変更迅速審査を優先的に対応する点、中等度変更迅速審査の施行後に、先行する通常の一部変更承認申請に係る承認申請書の差し替え等が必要になる点に留意すること。
問18 中等度変更迅速審査の過程で、一部変更申請対象事項として既承認の事項の変更区分を中等度変更対象事項に変更することはできるか。 |
(答)
変更することはできない。
中等度変更事項への該当性は体系的なリスク評価結果に基づき判断されるべきものであり、迅速審査の中で評価及び議論を行うことは困難である。
問19 原薬等登録原簿の登録内容に係る変更も、本制度の対象となるか。 |
(答)
対象となる。
通知記の3(1)②による変更を希望する場合、原薬等登録原簿の変更登録後、引用製剤の製造販売業者から医薬品手続相談を申し込むこと。
なお、中等度変更迅速審査の過程で照会への回答又は追加資料の提出が必要と判断された場合、原薬等登録原簿の登録業者又は国内管理人に照会事項を送付することとなるが、30営業日以内に回答が提出されない場合は通常の一部変更申請に切り替えるため、登録業者等と事前に十分な情報共有をしておくことが望ましい。
(別記)
日本製薬団体連合会
日本製薬工業協会
米国研究製薬工業協会在日執行委員会
一般社団法人欧州製薬団体連合会
独立行政法人医薬品医療機器総合機構