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○「「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」の一部改正について」の訂正について

(令和6年8月15日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課・厚生労働省医薬局医薬安全対策課通知)

「「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」の一部改正について」(令和6年7月18日付け医薬薬審発0718第1号、医薬安発0718第1号厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬局医薬安全対策課長連名通知)の参考として別添した改正後の通知において、一部誤りがありましたので、下表のとおり訂正します。なお、訂正後の通知を参考として送付します。

製造販売後調査等の実施計画については、承認時に具体的な安全性に関する懸念事項がありリサーチ・クエスチョンが立てられる場合には、承認前に検討することとなる(承認前には骨子のみの検討とし、詳細な実施計画については承認後に検討する場合もある。)が、それ以外の場合には、承認前ではなく、製造販売後の適切な時期(例えば、市販直後調査のデータが得られた時点や新たな懸念事項が生じ、製造販売後の安全対策上明らかにすべき安全性情報が得られた時点など、新たなリサーチ・クエスチョンが立てられた場合)に、その要否を含め、検討することとなる。

製造販売後調査等の実施計画については、承認時に具体的なリサーチ・クエスチョンが立てられる場合には、承認前に検討することとなるが、それ以外の場合には、承認前ではなく、製造販売後の適切な時期(例えば、市販直後調査のデータが得られた時点や新たな安全性情報が得られた時点など、新たなリサーチ・クエスチョンが立てられた場合)に、その要否を含め、検討することとなる。

[参考]

○「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」の一部改正について

(令和6年7月18日)

(/医薬薬審発0718第1号/医薬安発0718第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

医薬品の製造販売後調査等については、これまで、「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」(平成31年3月14日薬生薬審発0314第4号、薬生安発0314第4号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長連名通知)により、その実施計画の策定に関する検討の進め方を示してきたところです。

今般、近年の創薬環境の変化、国際整合、これまでの我が国の市販後安全対策の実績等を踏まえ、当該通知について別添新旧対照表のとおり改正することとしましたので、御了知の上、貴管内関係事業者に向けて周知方御配慮願います。なお、改正後の通知を参考として添付します。

(別添)「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」 新旧対照表

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[参考]

○医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について

(平成31年3月14日)

(/薬生薬審発0314第4号/薬生安発0314第4号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

改正 令和6年7月18日

(公印省略)

医薬品の製造販売後調査等の実施については、先般、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令等の一部を改正する省令(平成29年厚生労働省令第116号)が施行され、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第171号)において、新たに「製造販売後データベース調査」や「使用成績比較調査」の位置づけが明確化されたところです。

製造販売後の調査及び試験に際しては、目的に応じて科学的に最適な手法を選択して、効率的かつ効果的な調査又は試験が実施されることが重要です。今般、別添のとおり、医薬品の製造販売業者が製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について取りまとめましたので、貴管下関係事業者に対して周知方御配慮願います。

[別添]

医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について

製造販売後調査等の実施計画は、製造販売後に追加で検討が必要な場合の有効性に関する調査・試験計画と安全性監視計画から構成される。製造販売後調査等を実施する場合には、治験等の情報、対象となる疾患、医薬品の特性等を踏まえ、リサーチ・クエスチョンを明確にした上で、過不足なく適正に実施することが重要である。またそれと同時に、目的が不明瞭な調査を漫然と実施することがないよう留意し、あらかじめ調査目的及び必要性について十分に検討する必要がある。ここで示すリサーチ・クエスチョンとは、具体的かつ明確な調査・試験の課題のことであり、対象集団、主たる検討対象の薬剤、比較対照、対象とする有効性・安全性検討事項及び対象期間の要素が含まれる。設定された課題に従って、調査・試験デザイン、最終的に評価する指標値及び情報の取得方法等について十分な検討を行う。

一般的に、製造販売承認(以下「承認」という。)に足る有効性に係る情報は、承認時に評価された治験により収集されており、承認時に有効性に係る一定の評価がなされている。したがって、承認審査の過程及び製造販売後に、評価すべき具体的な検討事項が生じていない場合は、製造販売後の有効性については、製造販売後調査等によらない、文献の分析等による方法で評価することで差し支えない。一方、承認審査の過程及び製造販売後に、有効性に関する具体的な検討事項が生じた場合は、当該事項を科学的に確認することが可能となる製造販売後調査等を実施する必要がある。

安全性検討事項は、「医薬品リスク管理計画指針について」(平成24年4月11日付け薬食安発0411第1号及び薬食審査発0411第2号、厚生労働省医薬食品局安全対策課長及び審査管理課長連名通知)に基づき設定されるが、安全性監視計画の具体化については、科学的な観点及び現行の承認審査の過程を考慮すると、1)各安全性検討事項における製造販売後に明らかにしたい懸念事項の明確化、2)懸念事項ごとの科学的に適切な対処方法の決定、3)各対処方法の関連法令下における位置づけの整理、4)詳細な調査計画(プロトコル)の策定、の大きく4ステップ(図参照)に分けることができ、原則としてステップ3までは承認時までに独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)と申請者間で合意される必要がある。それぞれのステップにおける特徴と留意点を以下に示す。また、これらの検討にあたっては、下記通知(以下「安全性監視関連通知」という。)も参照すること。

・ 「医薬品安全性監視の計画について」(平成17年9月16日付け薬食審査発第0916001号及び薬食安発第0916001号、厚生労働省医薬食品局審査管理課長及び安全対策課長連名通知。以下「ICH E2Eガイドライン通知」という。)

・ 「製造販売後の医薬品安全性監視における医療情報データベースの利用に関する基本的考え方について」(平成29年6月9日付け薬生薬審発0609第8号及び薬生安発0609第4号、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長及び安全対策課長連名通知)

製造販売後調査等の実施計画については、承認時に具体的な安全性に関する懸念事項がありリサーチ・クエスチョンが立てられる場合には、承認前に検討することとなる(承認前には骨子のみの検討とし、詳細な実施計画については承認後に検討する場合もある。)が、それ以外の場合には、承認前ではなく、製造販売後の適切な時期(例えば、市販直後調査のデータが得られた時点や新たな懸念事項が生じ、製造販売後の安全対策上明らかにすべき安全性情報が得られた時点など、新たなリサーチ・クエスチョンが立てられた場合)に、その要否を含め、検討することとなる。

なお、市販直後調査は、「医療用医薬品の市販直後調査の実施方法等について」(平成18年3月24日付け薬食安発第0324001号、厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)及び「医療用医薬品の市販直後調査に関するQ&Aについて」(平成18年3月24日付け厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡)において、その実施は医薬品ごとに検討されるべきものと位置づけられていることから、本検討の対象には含めない。

図.安全性監視計画策定の検討の進め方

ステップ1) 各安全性検討事項における製造販売後に明らかにしたい懸念事項の明確化

まずは、承認申請までに得られた情報に基づき設定された各安全性検討事項について、製造販売後の具体的な懸念事項(それぞれ何が明らかになればよいのか、懸念に対する対応策の要否及び内容を判断する材料として十分な情報とは何か、いつその対応策を実施すべきか)を明確化する。

安全性検討事項のうち「重要な特定されたリスク」については、医薬品と有害事象との因果関係が特定されており、基本的にはリスク最小化活動に重きをおくべきであるが、その好発時期や最適な処置、リスク因子の特定等についてより詳細な情報が必要と考えられる場合等では目的を明確にしたうえで調査の実施を検討した方がよい場合も考えられる。

安全性検討事項のうち「重要な潜在的リスク」については、医薬品と有害事象との因果関係が特定されておらず、基本的には、医薬品と有害事象との因果関係が製造販売後に明らかにすべき懸念事項となる。

安全性検討事項のうち「重要な不足情報」については、例えば、臨床試験の対象には含まれなかったものの、製造販売後に当該医薬品の使用が想定される集団において、既知の副作用の発現状況が他の集団とは異なる可能性等が、製造販売後に明らかにすべき懸念事項となりうる。

ステップ2) 懸念事項ごとの科学的に適切な対処方法の決定

ステップ1で明確にされた懸念事項の特性に応じて、科学的に最も適切と考えられる対処方法を決定する。具体的には、ICH E2Eガイドライン通知の別添等を参照し、懸念事項ごとに検討する。懸念事項の特性によっては、副作用報告及び文献の分析等の受動的サーベイランスのみが選択される場合もあり、必ずしも全ての懸念事項に対して調査又は試験を実施する必要はない。単に治験の症例数(全体又は日本人集団)が少ないことや一部の患者集団における情報が不足していることのみが懸念事項である場合には、それが「重要な不足情報」等に設定されている場合であっても、一律に調査又は試験を実施する根拠となるものではない。なお、使用成績調査は、重要な特定されたリスクについて、その頻度調査を目的として行うことの意義は限られている。

調査又は試験を実施する場合には、個々の懸念事項の内容に応じたリサーチ・クエスチョンとして、対象集団、主たる検討対象の薬剤、比較対照、対象とする安全性検討事項及び対象期間を設定した上で、調査・試験デザイン、最終的に評価する指標値及び情報の取得方法等について、吟味する必要がある。

ステップ3) 各対処方法の関連法令下における位置づけの整理

ステップ2で決定した対処方法について関連法令下での位置づけを明確にする。副作用報告及び文献の収集等は「通常の安全性監視」として、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第135号。以下「GVP省令」という。)に基づいて実施される。一方、「追加の安全性監視」として実施される製造販売後調査等は、GVP省令に加えて、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第171号。以下「GPSP省令」という。)の適用を受ける。GPSP省令に基づく「追加の安全性監視」の枠組みとしては、使用成績調査(一般使用成績調査、特定使用成績調査及び使用成績比較調査)、製造販売後データベース調査及び製造販売後臨床試験があり、一般的には、以下のように位置づけられる。

・ 通常診療下で得られる情報を医療機関から直接取得する場合には、使用成績調査として位置づけられる。

・ 医療情報データベースから情報を取得する場合には、製造販売後データベース調査として位置づけられる。

・ 通常診療下で得られない、特異な検査の実施等の情報を取得する場合(介入する場合)等には、製造販売後臨床試験として位置づけられる。

また、「追加の安全性監視」として非臨床試験が実施される場合には、GVP省令に加えて、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第21号)の適用を受ける。

なお、一つのリサーチ・クエスチョンに対しては、GPSP省令に基づく追加の安全性監視として、原則、複数の枠組みの調査(例:使用成績調査と製造販売後データベース調査)が並行して実施されることはない。

また、一品目で複数のリサーチ・クエスチョンが存在する際には、それぞれの対処方法に応じた調査等が選択される。その時に、それらの調査等を併せて実施する際の実現可能性を吟味し、必要に応じて複数のリサーチ・クエスチョンに対応して実施可能な調査等を検討することもある。

なお、再審査の対象とされた新医薬品について、法令上、一律に製造販売後調査等を実施することが義務づけられているとは解されない。また、製造販売後調査等を実施することが再審査期間の付与の前提となるものではない。

ステップ4) 詳細な計画(プロトコル)の策定

ステップ3で位置づけを明らかにした各対処方法に対して具体的な計画(プロトコル)を策定する。プロトコルの作成にあたってはリサーチ・クエスチョンに照らし合わせて、科学的な観点から、対象集団の適格基準、曝露(薬剤服用)の定義、アウトカム定義、対象症例数及び解析方法等を含めて詳細な検討を行う。プロトコルの詳細については、PMDAが実施している対面助言制度「医薬品製造販売後臨床試験等計画相談」及び「医薬品疫学調査計画相談」等を利用して検討することも可能である。

なお、製造販売後データベース調査の計画にあたっては、安全性監視関連通知のほか、PMDAが作成しホームページに掲載している「医療情報のデータベース等を用いた医薬品の安全性評価における薬剤疫学研究の実施に関するガイドライン」(平成26年3月31日付け公表)、「製造販売後データベース調査実施計画書の記載要領」(平成30年1月23日付け公表)等を参照されたい。