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○「医薬品の製造に当たり承認書の「別紙規格欄」及び「規格及び試験方法欄」に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取扱いについて」に関する質疑応答集(Q&A)について

(令和6年6月24日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課通知)

医薬品における承認書の「別紙規格欄」及び「規格及び試験方法欄」に規定された試験方法に代用しうる試験方法を行う場合の取扱いについては、「要指導医薬品及び一般用医薬品の製造に当たり承認書の「別紙規格欄」及び「規格及び試験方法欄」に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取扱いについて」(令和5年6月21日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長及び監視指導・麻薬対策課長連名通知)及び「医療用医薬品の製造に当たり承認書の「別紙規格欄」及び「規格及び試験方法欄」に規定する試験方法に代用しうる試験方法を実施する場合の取扱いについて」(令和5年6月21日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課及び監視指導・麻薬対策課連名通知。)(以下あわせて「代用法通知」という。)によりお示ししてきたところです。

今般、代用法通知について、円滑な運用を確保するためQ&Aを別添のとおりとりまとめましたので、御了知の上、業務の参考として貴管内関係業者等に周知方よろしく御配慮願います。

(別添)

【全般事項】

Q1

代用法通知が示す代用法と、「新医薬品の規格及び試験方法の設定について」(平成13年5月1日付医薬審発第568号厚生労働省医薬局審査管理課長通知。以下「ICH Q6A通知」という。)で定義されている「代替法」との違いは何か。

A1

代用法通知は、ICH Q6A通知で定義されている「代替法」の運用実態に鑑み、あらためて承認書に規定されていない試験方法を行う場合の一部を「代用法」と「別法」に分類し、それぞれの場合に製造販売業者が取るべき対応を定めたものである。

なお、規格及び試験方法について、承認書に規定されていない試験方法を行う場合の考え方は、「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検の実施について」(平成28年1月19日付薬生審査発0119第1号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長通知)及び「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検後の手続きについて」(平成28年2月12日付薬生審査発0212第4号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長通知)並びにその質疑応答集も参考にすること。

表1:代用法と別法の概略


一時的に使用する場合

継続して使用する場合

代用法通知の2.(1)から(3)及び3.(1)のいずれも満たす

代用法(一部変更承認申請等は不要)

代用法通知の4.(1)の対応が必要

代用法通知の2.(1)から(3)を満たすが、3.(1)を満たさない

別法(医療用医薬品については代用法通知の4.(6)、要指導医薬品及び一般用医薬品については代用法通知の4.(5)の対応が必要)

代用法通知の2.(1)から(3)を満たさない

日本薬局方又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第42条に係る基準(以下「42条基準」という。)に収載されている各条の場合は、各自の規定に従う。それ以外に関しては規定の試験方法により実施することが求められ、試験方法を変更する場合は、その内容を承認書に反映する必要がある。

【基本的な考え方】

Q2

代用法通知の「1.基本的な考え方」に、「医薬品原薬等の供給元の多様化等を背景に、承認書に規定する規格及び試験方法を前提にしつつも、運用実態として承認書に規定する規格及び試験方法の実施が困難な場合がある。」とあるが、運用実態として、どのような事例が該当するか。

A2

機器の故障・修理・更新及び保守・メンテナンスにより承認書に規定する規格及び試験方法を実施できない等一時的に製造所ごとに試験方法の違いが生じる場合が該当する。

Q3

代用法通知の「1.基本的な考え方」に、「既承認医薬品に係る通常時の試験方法として、今後も代用法を継続する場合」とあるが、「通常時」とはどのように考えればよいか。

A3

一時的ではなく代用法を恒常的に継続して使用する場合が該当する。

Q4

代用法通知の「1.基本的な考え方」に、「既承認医薬品に係る通常時の試験方法として、今後も代用法を継続する場合は、製造販売承認事項の一部変更承認申請等を行うこと。」とあるが、「一部変更承認申請等」の「等」はどのような事例が該当するのか。

A4

MF変更登録申請が該当する。

Q5

承認書と製造実態との定期的な照査において、従来から代用法を通常時の試験方法として継続的に実施していることが判明した場合、医薬品変更届出事前確認簡易相談又は後発医薬品変更届出事前確認簡易相談を経た上で承認書の記載事項を是正することでよいか。

A5

代用法通知の「2.本取扱いの対象となる試験方法」に示す対象であっても通常時の試験方法として恒常的に実施されている場合には代用法には該当しない。医薬品変更届出事前確認簡易相談又は後発医薬品変更届出事前確認簡易相談の対象とはならないため、速やかに一部変更承認申請等を行うこと。

Q6

2か所以上の製造所で原薬の製造、試験を行っており、製造所によって日常管理に用いる試験方法の一部が異なる状況において、承認書の別紙規格には一方の試験方法しか記載していない場合は、どのような対応が必要になるのか。

A6

原則として、承認書に記載された別紙規格に適合する原薬のみ使用すべきであり、外部試験機関の利用等を含めて規定の試験方法が実施できる試験機関での試験に切り替えること。

Q7

規定の試験方法と異なる試験方法を継続して実施している場合、承認書において、規定の試験方法と併記することは認められるか。

A7

製造方法が異なる等(製造に使用している残留溶媒が異なる場合や合成方法の相違により類縁物質プロファイルが異なる場合等)の理由により、異なる試験方法の設定が必須である場合を除き、規格及び試験方法の併記は認められない。

Q8

基本的な試験方法は同じであるが、標準溶液及び試料溶液の測定濃度範囲のみを機器等に合わせて変更する場合は、通知4(1)の「一時的に代用法により試験を行う場合」に該当するか。

A8

一時的な変更であれば、製造販売承認事項の一部変更承認申請等の措置又は新規申請時の承認申請書への記載は要しないものに該当し得る。

Q9

代用法通知の「1.基本的な考え方」に「それが真度(正確さ)、精度(精密さ)等の分析能パラメータにより規定の試験方法と同等以上の分析性能があることや当該方法により承認規格への適合・不適合が確認できること等が検証及び文書化され、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号。以下「GMP省令」という。)に基づく管理が適切に行われている場合は許容され得る。」とあるが、どのような事例が該当するか。製造所ごとの試験方法の微細な違いに伴うものは含まれると考えてよいか。

A9

例えば、機器の故障・修理及び保守・メンテナンスの際の代用法の利用が該当する。

当該記載は代用法に関して述べたものであり、製造所ごとに通常時の試験方法に違いがあることに関してはGMP省令に基づいた管理だけで行うことはできない。試験方法を統一の上、代用法通知に示されたとおり一部変更承認申請等を行うこと。

なお、別途、「医療用医薬品の承認申請書の規格及び試験方法欄にかかる記載の合理化について」(令和4年1月28日付厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課事務連絡)にて示している規格及び試験方法における合理化記載を利用することで一つの試験方法として記載可能な試料調製等の相違であれば、合理化記載に基づいた規格及び試験方法に変更する一部変更承認申請を行うことを前提に、製造所ごとに実際の操作手順等を統一する必要はない。

Q10

代用法通知の「1.基本的な考え方」の「既承認医薬品に係る通常時の試験方法として、今後も代用法を継続する場合は、製造販売承認事項の一部変更承認申請等を行うこと」について、機器のメンテナンスや故障の際にその都度代用法により試験を行う場合は、「継続」に該当するか。

A10

メンテナンス等の際に一時的に代用法により試験する場合は、定期的に実施される場合においても「継続」には該当しない。なお、代用法として、それが真度、精度等の分析能パラメータにより規定の試験方法と同等以上の分析性能があることや当該方法により承認規格への適合・不適合が確認できること等が検証及び文書化されている場合においても、代用法により実施せざるを得ない状況となった際には、その都度同等以上の分析性能を確認できるデータの取得がなされる必要がある。

Q11

代用法通知の「1.基本的な考え方」に、「製造販売承認事項の一部変更承認申請等が行われていること及び製造販売業者の責任において、医薬品の品質を適切に保証可能と判断できることを前提に、代用法による出荷を継続することができるものとする」とあるが、例として、医薬品の安定供給の観点から、代用法による出荷を継続せざるを得ない場合が該当すると考えてよいか。

A11

該当するが、代用法による出荷の継続については、別法による出荷の継続とは異なり、継続のためのやむを得ない理由が必ずしも必要というわけではない。

【代用法の対象】

Q12

代用法通知における「化成品」には何が該当するのか。

A12

化学合成されたものであって、試験の対象であれば原薬、原薬中間体や出発原料、添加剤のいずれも適用対象となる。

なお、整腸生菌成分・生薬・漢方・バイオ製剤等については化学合成品に該当しないため、代用法通知の対象外である。

Q13

漢方・生薬製剤等の化成品以外のものについては、代用法はどのような考え方となるのか。

A13

漢方・生薬製剤等の化成品以外のものであっても、化成品である原薬を含む場合、その化成品である原薬にかかる試験については代用法通知の対象になりうる。

一方、漢方又は生薬が原薬である場合や生薬中の特定成分等の化成品以外のものにかかる試験については、代用法通知の対象外であり、日本薬局方又は42条基準に収載されている各条の場合を除き、承認書に記載した試験法以外の試験法は認められない。そのため、「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検に関する質疑応答集(Q&A)について(その3)」(平成28年3月22日付厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課事務連絡)において周知しているように、試験方法を変更する場合は、その内容を承認書に反映する必要がある。なお、「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検の実施について」(平成28年1月19日付薬生審査発0119第1号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長通知)及び「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検後の手続きについて」(平成28年2月12日付薬生審査発0212第4号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長通知)並びにその質疑応答集も参考にすること。

Q14

代用法通知では、「化成品」のみが対象となっているが、例えば製剤として、化成品成分と生薬の配合剤であった場合、原薬の化成品成分の別紙規格だけでなく、製剤の規格及び試験方法についても化成品成分に係る試験であれば適用対象か。

A14

対象となる。

Q15

「化成品に係る試験であること。」とあるが、これは「化成品たる医薬品のみに対し適用される試験」という意味か、それとも「医薬品の本質の如何に関わらず、試験法で確認しようとしている対象事項が化成品(成分等)で説明される試験」であれば対象なのか。

A15

「医薬品の本質の如何に関わらず、試験法で確認しようとしている対象事項が化成品(成分等)で説明される試験」であれば対象である。

ただし、例えば、原薬である生薬に係る試験は、測定対象が化成品であっても、対象となる試験方法に含まれない。一方、生薬と化成品の原薬からなる配合剤であって、製剤の試験法のうち、化成品原薬に由来する成分を測定する試験については対象となる。

Q16

生薬原料中の指標成分が化学合成可能な成分である場合、代用法の対象となるか。

A16

対象とならない。

Q17

「規定の試験方法が現在の関係通知、科学的水準からみて不十分と認められる場合」とはどのような場合が想定されるか。

A17

新たな不純物が検出され、規定の試験方法では管理不能な場合などが想定される。

Q18

バイオ医薬品に化成品の添加剤を別紙規格として設定している場合は、当該添加剤(化成品)の別紙規格は通知の対象となると理解してよいか。

A18

添加剤である化成品に係る試験のみ対象となる。

Q19

日本薬局方等の公定書の試験については、当該公定書の通則の代替法に基づいて運用することが可能なのか。また、医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令(昭和41年8月31日厚生省令第30号。以下「タール色素省令」という。)により規定されている試験方法は対象となるのか。

A19

日本薬局方、42条基準の各条に定める試験方法又はタール色素省令により規定されている試験方法は代用法通知の対象外であり、当該基準等で規定されている範囲内で運用が可能である。

Q20

日本薬局方の各条に定める試験方法は代用法通知の適用範囲から除外されるところ、承認書の別紙規格欄又は規格及び試験方法欄に「日局一般試験法○○による」と記載している場合で、かつ、日本薬局方の医薬品各条に未収載の医薬品に対して日本薬局方通則14を適用している場合も、代用法通知の対象外となるのか。

A20

日本薬局方の医薬品各条収載品については、代用法通知の対象外となるが、医薬品各条に未収載の医薬品が日本薬局方の一般試験法を準用している場合は代用法通知の対象となる。

なお、日本薬局方の医薬品各条に未収載の医薬品が日本薬局方の一般試験法を準用している場合は、通則14は適用されないため、代用法を継続的に実施する場合には一部変更承認申請等の薬事手続きが必要となる。

Q21

医薬品添加物規格(以下「薬添規」という。)のように自身の通則で日本薬局方通則14を引用している場合及び食品添加物規格(以下「食添規」という。)のように自身の通則で日本薬局方通則14と同様の規定を設けている場合は、日本薬局方医薬品各条の試験方法と同様に取り扱うことができるか。

A21

42条基準の試験方法は代用法通知の対象外となるが、42条基準には該当しない薬添規、食添規等に則して、当該規格の化成品の成分を試験する場合、代用法通知の対象となり、日本薬局方医薬品各条の試験方法と同様に取り扱うことはできない。

また、「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検に関する質疑応答集(Q&A)について(その3)」(平成28年3月22日付厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課事務連絡)において周知しているように、薬添規、食添規等の準公定書の各条に定められた試験方法を変更する場合は、その内容を承認書に反映する必要がある。

表2:QA20及びQA21について


日本薬局方収載品

日本薬局方に収載されていない品目において日本薬局方の一般試験法を引用している場合(QA20)、薬添規等で日本薬局方通則14を準用する場合(QA21)

代用法通知の対象

対象外

対象

継続して使用する場合

一部変更承認申請等は不要

一部変更承認申請等が必要

一時的に使用する場合

一部変更承認申請等は不要

一部変更承認申請等は不要

Q22

代用法通知の適用対象外である日本薬局方に定める試験方法については、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について」(令和3年4月28日付薬生監麻発0428第2号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)(以下「GMP改正省令公布通知」という。)記の第3逐条解説の10.(3)①イ.(イ)に従い、規定の試験法に代わる試験方法を定めることは許容されるのか。また、日本薬局方以外の規格集についても、代用法通知の対象範囲から除外され、GMP改正省令公布通知記の第3の10.(3)①イ.(イ)に従うことでよいか。

A22

GMP改正省令公布通知中の記載については、代替法が認められる場合でその代替法を使用する時は医薬品製品標準書にその試験方法等を記載しておくことを求めているものであり、この記載が根拠となり、薬添規等の規格集の試験法について代替法が認められていることを意味するものではない。

Q23

GMP改正省令公布通知記の第3の10.(3)①イ.(イ)の要件が満たされる場合、医薬品製品標準書に記載すれば、公定書や規格集以外の試験方法も認められると理解しているが、この考え方に変更がないことを確認したい。

A23

GMP改正省令公布通知記の第3逐条解説中の記載については、あくまで医薬品製品標準書に記載すべき事項を示したものであり、承認申請手続きの要否の基準ではない。

なお、GMP改正省令公布通知記の第3逐条解説の10.(3)①イ.(イ)は、日本薬局方等の公定書又は規格集を参照している試験検査について示したものであり、公定書や規格集以外の試験方法について言及していない。

Q24

日本薬局方の試薬規格適合品が市場になく入手できない場合において、例外的に代用法通知を適用してよいか。

A24

例外的な個別事例となるため、厚生労働省医薬局医薬品審査管理課に相談すること。

なお、恒常的に入手が困難ということであれば、代用法の対象とはならない。

Q25

日本薬局方の医薬品各条に未収載の医薬品において一時的に使用する試験方法が第十八改正日本薬局方第一追補に示された「2.00 クロマトグラフィー総論」の「4.クロマトグラフィー条件の調整」の範囲内の調整に該当する場合、代用法通知の対象となるか。

A25

一時的に使用する試験方法が第十八改正日本薬局方第一追補に示された「4.クロマトグラフィー条件の調整」の範囲内の調整に該当するか否かに関わらず、日本薬局方の医薬品各条に未収載の医薬品においては代用法通知の対象となる。「4.クロマトグラフィー条件の調整」の範囲内の調整であるか否かに関わらず、代用法通知2.(3)に該当し、規定の試験方法と同等以上の分析性能があること等を確認する必要がある。

なお、通常時に「4.クロマトグラフィー条件の調整」を行う場合は、「第十八改正日本薬局方第一追補の制定に伴う医薬品製造販売承認申請等の取扱いについて」(令和4年12月12日付薬生薬審発1212第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)に従い適切な薬事手続きを行う必要があり、「4.クロマトグラフィー条件の調整」の項の適用可否については個別の審査で判断されるものである。

Q26

製造所Aのみであるところ、最新の試験機器を有する製造所Bを追加する製造所追加の一部変更承認申請をする場合、製造所の実態に応じて製造所Aにおける試験法Aと製造所Bにおける試験法Bの併記で対応することが可能か。また、製造所追加ではなく、完全に製造所Bに切り替えたものの、何らかの事情によって古い試験機器しか有さない製造所Cに製造所変更して試験法Cで試験する場合、試験法Bと同等以上とはいえないものの当初承認時の試験法Aと同等であれば試験法Cは代用法として認められるのか。

A26

原則、試験法Aと試験法Bの併記は認められない。

また、製造所Bに完全に切り替えた場合は、試験法Cは代用法として認められない。代用法としての試験法Cは試験法Bと同等以上である必要がある。

Q27

製造所AではHPLCによる規定された試験方法を実施しているが、所有している機器が異なるため、製造所Bではより真度・精度の高いUHPLC法を用いて製剤の出荷試験を行っている場合、製造所Bにおいて継続してUHPLC法を用いて試験を行う際には、承認書には製造所ごとに異なる試験方法を記載できるのか。なお、規格は同じである。

A27

HPLC法による規定された試験に対してUHPLC法を代用法として用いることはできない。

また、原則、承認書に製造所ごとに異なる試験方法を併記することはできない。

Q28

代用法の適用において、原理が異なる試験方法も条件に合えば対象となることが記載されているが、規定の試験方法と同等以上の分析性能があることに加え、代用法通知2(3)(イ)①~③の具体的な条件に適合する場合に限定しているのはなぜか。

A28

基本的には承認書に記載された試験方法を実施することが求められる。過去の事例を踏まえ、概ね例外なく認められる試験が2(3)(イ)①~③に示したものである。

Q29

代用法が、規定の試験方法と同一の原理の試験方法で、規定の試験方法と同等以上の分析性能がある場合として代用法通知に挙がっている事例の内容について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に相談する必要があるか。

A29

同等以上の分析性能があることの保証は製造販売業者の責任の下判断されるべきであるため、機構に相談する必要はない。

Q30

代用法が、規定の試験方法と同一の原理の試験方法で、規定の試験方法と同等以上の分析性能がある場合について、試薬及び標準物質グレードの違いは許容されるのか。また、測定原理が同様であり、得られる結果が同等の場合、サンプルの調製方法を変更した試験法を代用法とすることは認められるか。

A30

試薬及び標準物質グレードの違いは、規定の試験方法と同一の原理の試験方法で、規定の試験方法と同等以上の分析性能がある場合は許容されるが、一概には判断できないため、試験方法の検証結果を含めて保管の上、求めに応じて提出すること。

また、サンプルの調製については、承認書の規定と異なるのであれば、一時的なら代用法として薬事手続きは不要となりうる。

継続的に実施する場合は一部変更承認申請等をすること。

Q31

代用法通知2.(3)(ア)及び(イ)以外でも、緊急対応のため必要な場合等により、承認取得者によって「規定の試験方法と同等以上の分析性能があることや当該方法により承認規格に適合することが確認できること等が検証及び文書化され、GMP省令に基づく管理が適切に行われている場合」であれば、許容できる場合もあるか。

A31

認められない。代用法通知を適用する場合には、代用法通知2.(3)(ア)又は(イ)のいずれかを満たす必要がある。

Q32

代用法通知2.(3)(ア)及び(イ)以外でも3.(1)を満たすことで代用法通知に従った運用を行うことは認められるか。

A32

認められない。代用法通知を適用する場合には、代用法通知2.(3)(ア)又は(イ)のいずれかを満たす必要がある。

なお、2.(3)(ア)に該当するが、(ア)で示している事例とは異なる事例等で、疑義等がある場合は個別に機構又は承認権者である都道府県に相談すること。

Q33

代用法通知2.(3)(ア)に「規定の試験方法と異なるカラム、流速、移動相で行う高速液体クロマトグラフィー」とあるが、「異なるカラム」とは具体的にどの程度異なるものが含まれるか。例えば、逆相シリカから順相シリカへの変更は、原理が異なる試験方法と見なされるか。

A33

同じ原理のクロマトグラフィーであって、型番、メーカー、径、長さ等の異なる同種のカラムに限られる。それ以外のものは、当該試験法の内容による判断が必要であることから、個別に機構又は承認権者である都道府県に相談すること。

逆相シリカから順相シリカへの変更は、原理が異なる試験方法と見なされる。

Q34

代用法通知2.(3)(ア)の「注」に「疑義等がある場合は、個別に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談すること。」とあるが、「注」に示されたケース以外に代用法を適用する場合は疑義等に該当するか。

A34

「注」は一部を例示したに過ぎず、規定の試験方法と同一の原理の試験方法であって、規定の試験方法と同等以上の分析性能がある場合であり、特に疑義等がなければ、相談の必要はない。

Q35

代用法通知2.(3)(ア)に係る相談は製造販売業者からのみ可能なのか。

A35

原則として、製造販売業者からの相談となる。原薬等登録原簿に関しては登録者又は原薬等国内管理人からの相談も可能である。

Q36

代用法通知2.(3)(ア)に該当する場合として、日本薬局方「2.01 液体クロマトグラフィー」の「7.試験条件の変更に関する留意事項」にある測定条件の一部変更も含まれるのか。

A36

日本薬局方に未収載の医薬品が日本薬局方の一般試験法を準用している場合は、当該留意事項の測定条件の一部変更の適用範囲外であるため、代用法を継続的に実施する場合には、一部変更承認申請等の薬事手続きが必要となる。

【対応方法】

Q37

代用法通知3.(1)(ア)に「それぞれの試験方法」とあるが、規定の試験方法について既にバリデーションを実施している場合は、改めてバリデーションしなくてよいか。

A37

代用法のバリデーション結果との比較可能性を考慮の上、規定の試験方法におけるバリデーションの要否は判断すること。

Q38

代用法通知3.(1)(ア)のフルバリデーションとパーシャルバリデーションの定義は何か。

A38

フルバリデーションとは、ICH Q2や日本薬局方参考情報「分析法バリデーション」に示された全ての分析能パラメータについて実施されるバリデーションである。パーシャルバリデーションとは、試験法の変更の程度と性質により必要と判断された分析能パラメータについてのみ実施されるバリデーションである。パーシャルバリデーションにおける判断基準には、原則としてフルバリデーションと同様の判断基準を設定する。

Q39

代用法通知3.(1)(ア)において、パーシャルバリデーションを実施した場合に注意すべきことはあるか。

A39

パーシャルバリデーションを選択した場合には、その選択の妥当性及び評価項目の設定根拠を報告書等に文書化しておくこと。

Q40

代用法導入前に規定の試験方法とのクロスバリデーションを行うこととあるが、以下の理由で規定の試験方法が実施できない場合の対応方法はどのようになるのか。

・規定の試験方法に使用する装置が故障して修理の目処が立たない

・規定の試験方法に使用する試薬が終売となり在庫が少ない

・規定の試験方法に使用するカラムが終売となり、適切な分離性能を有するカラムの在庫がない

A40

規定の試験方法を残す理由がないため、このような事例では代用法として運用すべきではない。

Q41

代用法通知の2.を満たし、3.の対応を行った代用法については、一部変更承認申請等を行うことなく、継続して用いることができるのか。

A41

代用法を通常時の試験方法として使用する場合は、一部変更承認申請等が必要となる。

Q42

代用法通知3.(1)(ア)に「並行して試験を実施」とあるが、同一ロットで実施した規定の試験方法による過去の試験結果との比較は認められるか。

A42

認められない。同時に並行して実施する必要がある。

Q43

代用法通知3.(1)(ウ)について、承認書に記載されていない製造所又は外部試験機関で試験することが可能か。

A43

原則、承認書に製造所又は外部試験機関として記載された施設において実施すること。

Q44

代用法通知3.(1)(ウ)について、承認書に記載された施設の建て替え等、設備又は体制上で規定の試験方法の実施が困難な状況により代用法を用いる一定の期間においては、承認書に製造所又は試験機関として記載された施設において規定の試験方法で試験を行うことが必要になるものは対象外と考えてよいか。

A44

対象外と考えてよい。

なお、その場合においても3.(1)の他の要件を満たしていることを確認すること。

Q45

代用法通知3.(1)(エ)の「実際の製造所」とは、委託先の製造所又は外部試験機関のことと理解してよいか。

その場合、求められる「代用法を用いることについて製造所と製造販売業者の間で十分な情報・認識の共有を行い、合意を得ておくこと」とは、具体的にどのようなことを想定しているか。

A45

実際の製造所については、その理解でよい。

また、「十分な情報・認識の共有」とは、代用法通知3.(1)(ア)~(ウ)の要件を満たすことを、委託先の製造所又は外部試験機関と、委託元の製造販売業者の間で情報・認識の共有をすることの意味である。

Q46

機器の保守・メンテナンス等のために定期的に代用法を実施することが分かっている場合、使用条件を付記するなどして予め規定の試験方法と併用することを医薬品製品標準書等に明記することでよいか。

A46

代用法通知3.(2)(ウ)のとおり手順等に定めておくこと。

【医薬品医療機器等法上の取扱いに関する留意点等】

Q47

代用法通知4.(1)のただし書について、GMP適合性調査において代用法の妥当性について評価が行われるのか。

A47

GMP適合性調査において、代用法の妥当性に関する疑義が検知されることはあり得るが、GMP適合性調査権者が代用法の妥当性を評価することを意図しているものではない。また、GMP適合性調査で代用法に対する指摘がなかったからといって、当該代用法が妥当と評価されたことを意味するものではないことに留意する必要がある。

Q48

代用法通知4.(1)について、新規申請品目に関する記載があるのはなぜか。

A48

既承認品目と同じ原薬を使用している等で、新規申請前から代用法が想定される場合を考慮している。

Q49

代用法通知のうち、医療用医薬品に対する通知の4.(2)について、「製造販売承認事項の一部変更承認申請等又は承認事項への記載を要しない範囲で代用法を用いる場合、将来発生しうる「別紙規格欄」若しくは「規格及び試験方法欄」に係る一部変更承認申請等又は新規申請の際に、代用法通知に則った代用法を実施している旨を備考欄に記載するとともに、審査部門の求めに応じて、代用法の内容及び妥当性を説明する資料を提出すること。」とあるが、これは、一部変更承認申請時点で利用している代用法を申請資料に含めることでよいか。また、機器のメンテナンスや故障の際にその都度代用法により試験を行う場合、代用法に変更がない限りは一部変更承認申請のたびに代用法の内容を申請添付資料に含める必要がないことでよいか。

A49

一部変更承認申請時点で代用法を利用している場合には、代用法通知に記載のとおり、代用法を実施している旨を備考欄に記載して審査において資料を求められた場合に適切に対応できるよう準備しておく又は代用法に関する資料を申請資料に含めること。また、この運用は、代用法を利用している限り、既に一部変更承認申請等で記載し、その後に変更がない場合においてもその都度行う必要がある。

Q50

代用法通知のうち、医療用医薬品に対する通知の4.(2)の代用法通知に則った代用法を実施している旨を備考欄に記載する場合、どのように記載すればよいか。また、【別紙規格】や【規格及び試験方法】の備考ではなく、FDの【備考2】【その他備考】欄に記載するという理解でよいか。

A50

代用法を実施していることの把握を目的としているため、試験項目名をFDの【備考2】【その他備考】欄に記載すること。

なお、審査において資料を求められた場合に適切に対応できるよう準備しておくこと。

記載例:

【その他備考】

代用法の利用については、以下のとおり。

・別紙規格●●(別紙規格欄における成分名を記載、複数の成分がある場合はそれぞれ分けて記載すること)

①確認試験、②純度試験、③定量法

・規格及び試験方法

①確認試験、②溶出性、③定量法

Q51

代用法通知のうち、医療用医薬品に対する通知の4.(2)について、代用法の内容及び妥当性を説明する資料を提出した実績がある場合、次回以降の一部変更承認申請時には「代用法を実施している.なお、○年○月○日承認時に確認済みである.」と記載可能か。

A51

実績がある場合においても、一部変更承認申請時には都度A50のように記載すること。

Q52

代用法通知のうち、医療用医薬品に対する通知の4.(6)のなお書について、一部変更承認申請を行うまでは、規定の試験方法に戻して試験を行わなければならないのか。