添付一覧
○デジタル原則に照らしたアナログ規制の見直し等に関するQ&Aについて
(令和6年6月17日)
(事務連絡)
(各都道府県、各保健所設置市、各特別区衛生主管部(局)薬務主管課、各地方厚生局医事課・薬事監視指導課、別記の登録講習機関及び研修実施機関あて厚生労働省医薬局医療機器審査管理課通知)
「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン及びデジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表を踏まえた対応について(医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品に関する常駐、対面講習、往訪閲覧等について)」(令和6年6月17日付け医薬機審発0617第3号、以下「デジタル通知」という。)に関し、別添のとおりQ&Aを作成したので、今後の業務の参考とされたい。
なお、本通知の写しを日本医療機器産業連合会会長、在日米国商工会議所医療機器小委員会委員長及び欧州ビジネス協会医療機器委員会委員長あて送付することとしている。
医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品(以下「医療機器等」という。)は多種多様な用途、種類、性質の異なる品目があります。デジタル通知に記載する留意事項等に関して、関連する法令、通知等を踏まえた取り扱いを周知します。
Q1 第2の1(2)で示す医療機器製造業者等の法令遵守体制に関する通知、事務連絡にはどのようなものがありますか。 |
A1 医療機器製造業者等の法令遵守体制の関連通知及び事務連絡として、次のものがあげられます。
① 「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドライン」について(令和3年1月29日付け薬生発0129第5号)
② 「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドラインに関する質疑応答集(Q&A)について(令和3年2月8日付け事務連絡)
③ 「医療機器の販売・貸与業及び修理業の法令遵守に関するガイドライン」について(令和3年6月1日付け薬生発0601第1号)
④ 「薬事に関する業務に責任を有する役員」の定義等について(令和3年1月29日付け薬生総発0129第1号・薬生薬審発0129第3号・薬生機審発0129第1号・薬生安発0129第2号・薬生監麻発0129第5号)
Q2 医療機器等の管理者等の業務の遂行が法令に適合することを確保するため、参照しなければならない関係法令にはどのようなものがありますか。 |
A2 A1のほか、以下の法令の条文等を参照のこと。
1) 製造業者
ア 医療機器責任技術者の意見申述 薬機法第23条の2の14第7項
イ 体外診断用医薬品製造管理者の意見申述 薬機法第23条の2の14第12項
ウ 医療機器責任技術者又は体外診断用医薬品製造管理者の権限 薬機法第23条の2の15の2第3項第1号
エ 再生医療等製品製造管理者の意見申述 薬機法第23条の34第7項
オ 再生医療等製品製造管理者の業務及び遵守事項 薬機法施行規則第137条の53第1項第2号及び同条第2項第1号
カ 再生医療等製品製造管理者の業務 再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第93号)第6条
キ 医療機器責任技術者又は体外診断用医薬品製造管理者の製造管理及び品質管理に関連する業務 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第169号)に関連する医療機器責任技術者又は体外診断用医薬品製造管理者の業務
等
2) 販売業及び貸与業
ア 営業所管理者の意見申述 薬機法第40条第1項において準用する同法第7条第3項及び第8条第2項
イ 営業所管理者の権限 薬機法第40条第1項及び第2項において準用する同法第9条の2第1項第1号
ウ 営業所の管理に関する帳簿 薬機法施行規則第164条
エ 苦情処理 薬機法施行規則第166条
オ 回収 薬機法施行規則167条
カ 営業所管理者の業務及び遵守事項 薬機法施行規則第172条
等
3) 修理業
ア 修理責任技術者の意見申述 薬機法第40条の3において準用する同法第23条の2の14第7項
イ 修理責任技術者の権限 薬機法第40条の3において準用する同法第23条の2の15の2第3項第1号
ウ 修理責任技術者の業務及び遵守事項 薬機法施行規則第189条
エ 修理、試験等に関する記録 薬機法施行規則第190条
等
Q3 デジタル通知で言う「デジタル技術の活用等により、当該業務を当該施設以外の場所から適正かつ円滑に、実地に管理する場合と同等の管理運営ができる場合」の具体的な要件があるのでしょうか。 |
A3 適正かつ円滑に、実地に管理する場合と同等の管理運営ができる場合については、導入したデジタル技術の機能、個別の業務の内容や施設の手順等に基づくため、一概に具体的な要件を特定することはできません。
例えば、医療機器責任技術者が出荷判定に係る実務を行う場合に、対象製品の実地での確認作業に替えて、ネットワークカメラ、室温モニタリングシステム等のデジタル技術の導入が考えられます。ただし、必ずしもそれだけで適正かつ円滑に、実地に管理する場合と同等の管理運営ができるとは言い切れないことに留意が必要です。
また、個別の業務内容や手順等に基づき、自宅等でのテレワークなどにより遠隔で行う業務と、実地で行う業務を区分すること等も考えられます。
いずれの場合も、実地での確認作業と同等の確認が行える体制が必要です。
Q4 兼務についてはどのような取り扱いとなるのか。 |
A4 デジタル通知は、法令により常駐で行うことと規定されている管理者等の業務について、実地に管理する場合と同等の管理運営ができる場合に限り、デジタル技術の活用による遠隔での実施を差し支えないこととするものです。兼務の取り扱いについては従前と変わりなく、都道府県知事等の許可を受けた場合に限られます。個別の取り扱いは、兼務を行う施設の配置や施設間の業務の関連性等を踏まえて許可権者が判断します。
なお、従前より以下の通知により取り扱いを示していますので参照してください。
① 薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律等の施行について(平成16年7月9日付け薬食発第0709004号)の第26
② 薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律等の施行に伴う医療機器修理業に係る運用等について(平成17年3月31日付け薬食機発第0331004号)の第2の2及び3
③ 医療機器の販売業及び賃貸業の取扱等に関するQ&Aについて(その1)(平成17年3月31日付け事務連絡)のQ2―4
④ 医療機器の販売業及び貸与業の取扱いについて(平成27年4月10日付け薬食機参発0410第1号)の第1の4の(3)及び(4)
⑤ 「医療機器の販売業、賃貸業及び修理業に関しての質疑応答集」の情報提供について(令和2年12月25日付け事務連絡)
等
Q5 一般消費者の生活の用に供されることが目的とされているコンタクトレンズにおける小売販売業者においてはデジタル通知を踏まえてどのような配慮が求められているのでしょうか。 |
A5 デジタル通知第2の2(3)①において示すコンタクトレンズの販売にかかる販売業者の遵守基準として、次のことを求めています。
① 購入者に対する医療機関の受診確認及び受診勧奨
② 購入者への製品の安全性等に関する情報提供(※)
③ 小売販売業者、営業所管理者及び従業員の質の向上
営業所において上記の事項が遵守されるよう、管理者による適切な管理が求められます。購入希望者が未受診の場合、受診勧奨を行うことや、製品の安全性等に関する情報提供を徹底してください。(再掲)
(※) 不適正使用による重篤な眼障害の危険性等に関する情報提供、適正な使用方法(フィッティングに関するものを含む。)に関する情報提供、使用上の留意事項(医師の指示の遵守、装用の目安、取扱方法、定期検査受診等)に関する情報提供
Q6 講習のデジタル完結を実施するにあたり、例えば受講者が高齢等の理由でパソコン操作が苦手な場合や、より理解を深めるために対面での講習を希望される方などに対して、どのような取り扱いとなるのか。 |
A6 講習の実施について、対面の実施を否定しているものではありません。
例えば、対面とオンラインのハイブリッド形式での実施を検討するなど、すべての受講者が受講機会を得られるよう配慮することが求められます。
別記
公益財団法人医療機器センター
一般社団法人日本ホームヘルス機器協会
公益財団法人総合健康推進財団
一般財団法人保健福祉振興財団
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会
一般社団法人日本画像医療システム工業会
特定非営利活動法人ツルハ医療・介護サービス協会
一般社団法人日本医療機器販売業協会
公益社団法人日本薬剤師会
公益財団法人日本眼科医会
公益社団法人福岡県製薬工業協会
商工組合日本医療機器協会
一般社団法人日本歯科商工協会
一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会
一般社団法人イオン・ハピコム人材総合研修機構