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○GMP事例集(2022年版)追補について

(令和6年4月10日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課通知)

標記について別添のとおり取りまとめましたので、貴課におかれましてはGMPの円滑な実施に資するようお願いいたします。

なお、本事例集の写しについて、別記の関係団体あて送付することを、念のため申し添えます。

(別記)

日本製薬団体連合会

日本製薬工業協会

日本ジェネリック製薬協会

日本医薬品原薬工業会

公益社団法人東京医薬品工業協会

関西医薬品協会

日本OTC医薬品協会

一般社団法人日本薬業貿易協会

米国研究製薬工業協会 在日執行委員会

在日米国商工会議所 製薬小委員会

欧州製薬団体連合会

欧州ビジネス協会 化粧品・医薬部外品委員会

別添

GMP事例集(2022年版)追補

承認事項の遵守

GMP追補1

[問]製造販売承認書(以下「承認書」という。)の記載内容を踏まえ製品標準書を作成しているが、承認書の記載内容と製造実態に差異がある場合、その差異が生じた理由や差異の程度によらず、GMP省令第3条の2に違反となるのか。

[答]差異があった場合のGMP省令第3条の2への適合性については、その差異が生じた理由や差異の程度等を踏まえて判断するものであり、差異があることをもって、直ちに省令違反になるものではない。なお、製品の成分若しくは分量(成分が不明なものにあっては、本質又は製造方法)又は性状若しくは品質が承認の内容と異なる場合には、法第56条(医薬部外品について、法第60条において準用する場合を含む。)の規定に違反することになりうるため、留意すること。

GMP追補2

[問]従前よりGMP事例集(2013年版)を参考にしていたが、一部のQ&Aは、GMP事例集(2022年版)では削除されている。削除されたQ&Aを参考にした運用について、今後は認められないのか。

[答]削除したQ&Aについては、現在の国際整合性の観点や、最新の知見、指導方針に鑑み、GMP事例集からは削除するのが適当と判断したものである。削除したQ&Aに関連する運用を継続することが適切かどうかについては、当該運用を開始するに至った過去の経緯等の確認も必要となり一概に判断できるものではないが、自社での判断が難しい場合においては、速やかに審査当局及びGMP調査権者へ報告又は相談すること。

文書等の管理

GMP追補3

[問]GMP20―3の[答]において、適切に管理されたコンピュータ化システムで、ER/ES指針の要件を満たした条件で保管することとした場合においても、データ・インテグリティを確保する観点から元の「手書きの記録」も別途保管する必要があるとされている。手書きの記録を廃棄してもデータ・インテグリティの確保に支障がないことを明確に説明できる場合であっても、例外なく手書きの記録を別途保管しなければならないのか。

[答]手書きの記録のようなオリジナルデータについては、例えば不本意な改変や不適切な修正等があった場合に、電子化することでその痕跡を判別できなくなるおそれがあるため、製造記録や試験記録のような特に重要なデータについては、原則としてオリジナルデータも適切な期間保管すること。ただし、以下に掲げる条件をすべて満たし、保存するデータが真正であること及びデータ・インテグリティの確保に支障がないことを製造業者として明確に説明できる場合には、製造業者の責任で判断することで差し支えないが、データ管理上の不備があればGMP省令に抵触する可能性があるため、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI041、GMP事例集(2022年版)GMP8―18等も参考に適切に管理すること。なお、感熱紙のように、保管期間中に判読不能になるおそれがある場合には、オリジナルデータを電子化し、オリジナルデータ自体を廃棄することでも差し支えない。

1.「手書きの記録」を電子化したコピーを作成することに伴い、オリジナルデータとなる紙の記録を廃棄することに支障がないかどうかについて、データの重要度及びデータの信頼性の両者の観点から評価し、その結果を文書化するとともに、GMP省令第20条第2項に基づき指定された者による確認を得ること。

2.「手書きの記録」を電子化する際に、オリジナルデータの情報が失われないよう、また不適切な加工又は修正等が施されることがないよう、真正であることを証明できる検証済のプロセスに従って電子化したコピーを作成するとともに、それが適切に行われたことがわかる記録を残すこと。

3.「手書きの記録」によってデータが生成された時点から、電子化したコピーを廃棄するまでのデータのライフサイクル全体にわたって、データの信頼性(完全性)の確保が適切に行われていること又は行われること。

4.上記1~3に関する具体的な手順が、GMP省令第8条第2項で求められる文書等に適切に定められていること。

試験検査の一部省略

GMP追補4

[問]GMP事例集(2022年版)GMP11―6について、けしがら濃縮物(CPS)由来の麻薬原料の受入時の試験検査を省略することが認められないのはなぜか。

[答]以前は国が調達したあへんのみが流通していたため、その希少性も考慮し、受入時の試験検査の省略を例外的に認めていたところである。一方で近年は、企業が調達した、けしがら濃縮物(CPS)由来の麻薬原料の使用に移行している状況であり、それらについては、例外的に受入時の試験検査の省略を認める理由がないことから、GMP事例集(2022年版)において明確化している。

バリデーション

GMP追補5

[問]GMP事例集(2022年版)GMP13―74は、けしがら濃縮物(CPS)由来の麻薬を原料として用いる場合にも適用されるか。

[答]けしがら濃縮物(CPS)由来の麻薬原料を用いる場合には、GMP追補4の趣旨と同様に、例外的な取扱いを認める理由がないため、GMP事例集(2022年版)GMP13―74の対象外であり、バリデーション指針による実施が求められる。