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○血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインの一部改正について

(令和6年3月29日)

(医薬発0329第16号)

(一般社団法人日本血液製剤協会理事長あて厚生労働省医薬局長通知)

(公印省略)

血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関し、平成11年8月30日付医薬発第1047号厚生労働省医薬安全局長通知「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインについて」において、ウイルスクリアランス試験についての原則的な考え方等を示してきたところです。

血漿分画製剤のウイルス安全性を図るためには、献血者の問診、検査、製造工程でのウイルス除去及び不活化処理及びそのウイルスクリアランス能の評価、採血後情報及び輸血後情報等の遡及調査を適切に実施することが重要であり、これまでも、厚生労働省において、平成15年11月7日付厚生労働省医薬食品局審査管理課長、安全対策課長、監視指導・麻薬対策課長、血液対策課長通知「血漿分画製剤のウイルス安全対策について」に加え、「血液製剤のウイルスに対する安全性確保を目的とした核酸増幅検査(NAT)の実施に関するガイドライン」及び「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」を示しております。

また、原料である献血血液に対して、採血事業者が、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、ヒトパルボウイルスB19などに対する抗原抗体検査、核酸増幅検査(NAT:Nucleic Acid Amplification Testing)を実施しているほか、ウイルスの選択を含むウイルスクリアランス試験についても、国際的に改良が図られているところです。

さらに、製造工程における検査についても、平成23年度第1回薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会において、安全性確保の観点からは、最終製品でのウイルス検査ではなく、原血漿等の出発原料における適切なウイルス検査が重要とされたところです。

これらの状況を踏まえ、別紙のとおり血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインの一部を改正することとしましたので、貴職におかれても御了知の上、貴会会員に対し周知をお願いします。

併せて、平成11年8月30日付医薬発第1047号厚生労働省医薬安全局長通知「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインについて」は廃止とします。

なお、本ガイドラインについては、血漿分画製剤の総合的な安全対策を図るため、採血事業者である日本赤十字社にも通知していることを申し添えます。

[別紙]

血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン

目次

1 序論

1.1 目的

1.2 対象

1.3 感染性因子

1.4 安全性確保の基本

1.5 検査の限界

1.6 ウイルスクリアランス試験の役割

2 原料

2.1 分類

2.2 ドナー(献(供)血者)の適性と血液のスクリーニング検査

2.3 採血後情報及び輸血後情報システム

2.4 検体保管

3 製造及び検査

3.1 工程前検査

3.2 中間血漿分画物(中間原料)の工程前検査

3.3 製造工程でのウイルス検査

4 ウイルスクリアランス試験

4.1 ウイルスクリアランス試験の目的

4.2 ウイルスの選択

4.3 ウイルスクリアランス試験の設計

4.4 ウイルスクリアランス能の評価

4.4.1 ウイルスクリアランス指数の評価

4.4.2 ウイルスクリアランス指数の計算法

4.4.3 データの解釈上留意すべき事項

5 ウイルスクリアランスの再評価が必要な場合

6 ウイルスクリアランス試験に用いる測定法

6.1 ウイルス感染価の測定法

6.2 核酸増幅検査(NAT)

6.3 統計

7 記録と保存

8 その他

1 序論

1.1 目的

本ガイドラインは、血漿分画製剤のウイルスに対する現時点での総合的な安全確保対策についての原則的な考え方を示すものである。具体的には、血漿分画製剤の製造工程でのウイルス除去及び不活化能(以下「ウイルスクリアランス能」という。)を評価するために実施するウイルスクリアランス試験に関して、使用するウイルスの種類、試験の立案、実施、データの解釈、製品の安全性の指標について提示するものであり、また、混入するリスクのあるウイルスに係る試験のタイミング及び試験法についての考え方を示すものである。本ガイドラインは、血漿分画製剤の製造上の一連のウイルス安全対策を全て網羅している。したがって、本ガイドラインに沿った、献(供)血者の選択、個別血液のウイルス検査、プール血漿のウイルス検査、製造工程でのウイルス除去及び不活化処理、製造工程でのウイルス検査、並びに採血後情報及び輸血後情報等の遡及調査を適切に行うことにより、血漿分画製剤の安全性の向上を図ることが可能である。

1.2 対象

本ガイドラインは国内で使用される全ての原血漿、中間原料、及び製品に適用し、安全性確保対策の対象とするウイルスは、「生物由来原料基準」(平成15年厚生労働省告示第210号)の「第2 血液製剤総則」の「2 血漿分画製剤総則」において検査対象とされているB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)に加え、健康被害をもたらす可能性が指摘され血液に混入リスクのあるその他のウイルスも含むものとする。

1.3 感染性因子

血漿分画製剤はヒトの血液を原料として製造されることから、血液を介して伝播するウイルスに対する十分な対策を講じなければならない。現在、HBV、HCV及びHIV等に係る高い感度のスクリーニング検査や製造工程でのウイルス除去及び不活化処理が実施されており、血漿分画製剤の安全性は格段に向上している。一方、血液を介したウイルス感染の歴史的経過を顧みると、ウイルス肝炎についての報告や1980年代の血漿分画製剤によるHIVやHCV感染があったことに加え、その後も国内外で複数の新興・再興感染症の発症が報告されている。血漿分画製剤の安全性確保の上で問題になりうる主なウイルスとして、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のほか、A型肝炎ウイルス(HAV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、ヒトパルボウイルスB19などが挙げられる。さらに血漿分画製剤は、多くのヒトの血漿をプールして製造されるため、検査対象とされていないウイルスや未知のウイルスなどが潜在している可能性があり、安全対策を徹底して実施する必要がある。例えば、新興感染症として新たなウイルスが出現した場合、原料となる血液に混入するリスクが否定できない場合はウイルス検査の必要性について検討するとともに、製造工程での十分なウイルスクリアランスが得られるか評価する必要がある。さらに、原血漿以外の材料、例えば、動物由来の酵素やモノクローナル抗体を用いて製造する場合における動物由来のウイルス汚染の可能性や製造環境からのウイルス汚染の可能性も推定されることから、注意深く安全対策を講ずることが必要である。

1.4 安全性確保の基本

血漿分画製剤のウイルスに対する安全対策は、次に示す複数の方法を適切かつ相補的に行うことにより達成される。

(1) 献(供)血者の問診を行う。

(2) 献(供)血血液、ミニプール血漿又はプール血漿のウイルス検査を行う。

(3) 製造工程でウイルス除去及び不活化処理を実施する。

(4) 必要に応じて、製造工程でのウイルス検査を実施する。

(5) 原血漿に関する最新の感染症情報を採血事業者等より入手するよう努める。

(6) 採血後情報及び輸血後情報について遡及調査を行う。

(7) 製品との関連が疑われる感染症の情報を集める。

1.5 検査の限界

ウイルスの検査方法は技術の進歩とともに向上するため、検査の実施に当たっては常に科学的に最高水準の検査技術を取り入れるとともに適切に検査を行わなければならない。いかなる検査にも検出限界が存在するため、ウイルス検査の結果が陰性であっても、ウイルスの存在を完全に否定できないこともある。また、血液中には検査対象とされていないウイルスや未知のウイルスの存在も考えられる。したがって、現在採用している検査技術には検出限界のあることを認識し、プールした血漿を原料として製造される血漿分画製剤は、ウイルスが潜在する可能性を常に有することを前提とした上で安全対策を講ずる必要がある。

1.6 ウイルスクリアランス試験の役割

原料の血液には常にウイルスが潜在する可能性があることを前提にすると、製造工程においていかに既知及び未知のウイルスを除去又は不活化できるかが安全対策上重要である。ウイルスクリアランス試験を実施する目的は、血漿分画製剤の製造工程に導入されているウイルス除去技術及び不活化技術が、期待された効果をもたらしているか否かを実験的に検証することである。

ウイルスクリアランス試験においては、ウイルスの大きさ、形状、脂質膜(エンベロープ)の有無、核酸(ゲノム)の種類(DNA型、RNA型)、物理的化学的処理に対する耐性などの特性を踏まえて適切なモデルウイルスを選択し、実験室規模での添加試験(スパイク試験)を実施することにより、既知のウイルスのみならず未知のウイルスに対するウイルスクリアランス能を検討、評価することが必要である。実際にウイルスクリアランス試験を実施する際には、個々の製品ごとに製造方法を十分に考慮して適切にスケールダウンした評価系を採用する必要がある。また、原血漿への混入リスクのあるウイルスについてその感染評価系がある場合には、当該ウイルスそのものに対するウイルスクリアランス能を評価しておくことが望ましい。

このように、ウイルスクリアランス試験の役割は、製造工程におけるウイルス除去技術及び不活化技術の有効性と妥当性をスパイク試験により評価することにより、個々の血漿分画製剤の安全性に関する情報とその信頼性を確保することである。

2 原料

2.1 分類

わが国における血漿分画製剤の製造に用いられる原血漿としては以下のものがある。

(1) 国内献血原血漿

国内の献血による原血漿には、全血採血より得られる血漿と成分採血より得られる血漿とがある。

(2) 海外原血漿

外国で採漿された血漿である。

2.2 ドナー(献(供)血者)の適性と血液のスクリーニング検査

ドナーの適性については、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則」(昭和31年厚生省令第22号)及び「採血の業務の管理及び構造設備に関する基準について」(平成15年7月18日付け薬食発第0718005号厚生労働省医薬食品局長通知)に記載されている。血液のスクリーニング検査については、生物由来原料基準に記載されている。

2.3 採血後情報及び輸血後情報システム

採血事業者等と血漿分画製剤の製造販売業者との間に情報交換を可能とするシステムを確立し、採血後及び輸血後に原血漿の安全性に係る情報を得た場合は、関係者に速やかに情報を提供するとともに、適切に遡及調査を実施することが必要である。また、遡及調査機能を確保する上で、原血漿の貯留保管は重要な意義を持っている。

遡及調査については、「血液製剤の遡及調査について」(平成17年3月10日付け薬食発第0310012号厚生労働省医薬食品局長通知)も参考にすること。

2.4 検体保管

採血された血液の一部を適切な期間保存し、血漿分画製剤による感染症が疑われた場合に因果関係の解析に活用すること。

3 製造及び検査

血漿分画製剤を製造する際は、原血漿、その他の原料等及び製造環境に起因するウイルス等による汚染の可能性を極力低減させるため、適切な製造環境、条件及び技術を採用しなければならない。

製造工程における原血漿以外からのウイルス汚染の可能性として以下のことが考えられる。

(1) 製造従事者より汚染される。

(2) 製造施設環境より汚染される。

(3) 製造工程において用いる動物由来酵素やモノクローナル抗体等の原料等からウイルスが混入する。

近年の技術進歩はめざましく、有用なウイルスの検査技術、ウイルスの除去技術及び不活化技術については積極的に導入する必要がある。脂質膜を持つウイルスの除去・不活化については、可能な限り頑健性の高い2つ以上の原理が異なるウイルスクリアランス工程を導入すること。脂質膜を持たないウイルスの除去・不活化については、頑健性の高いウイルスクリアランス工程を少なくとも1工程導入するように努めること。また、製造工程にはウイルス安全性が確保された原料等を用いることにより、ウイルスの混入の可能性に対する安全性を高める必要がある。

3.1 工程前検査

工程前検査の対象となるのは、一人の供血者の血液から製造された血漿、少人数の血漿をプールしたミニプール血漿及びプール血漿である。一人の供血者の血液から製造された血漿ではその特異性や感度、精度が十分に評価された試験法を用いてHBV、HCV及びHIVの血清学的検査を行うこと。ミニプール血漿及びプール血漿についても、その特異性、感度及び精度が十分に評価された核酸増幅検査(Nucleic acid amplification test;NAT)を用いてHBV、HCV及びHIVの遺伝子検査を実施する。必要に応じてHBV、HCV、HIV以外のウイルスの試験の実施を考慮すること。既に採血時に個別NAT等による検査が行われている場合にはその結果をもって工程前検査が実施されたものとみなすことができる。

3.2 中間血漿分画物(中間原料)の管理

血漿分画製剤を製造する際に使用する原料は必ずしも血漿とは限らず、中間原料製造業者において製造された血漿由来の中間原料を、製剤の製造業者が原料として使用し、精製工程を経て製品化することがある。例えば、クリオ沈殿物(血液凝固第Ⅷ因子製剤原料)、コーンの低温エタノール分画工程から得られるPV(アルブミン製剤原料)、PⅡ+Ⅲ(免疫グロブリン製剤原料)、PⅡ(免疫グロブリン製剤原料)、そしてPⅣ―1(アンチトロンビンⅢ製剤原料)などの中間原料が挙げられる。

これらの中間原料を原料とし、血漿分画製剤を製造する場合においても、製剤の製造業者が原料の受け入れ試験として適切なウイルス検査を実施する必要がある。ただし、中間原料製造業者により、既に適切なウイルス検査が実施されており、その詳細を確認できる場合はその限りではない。

なお、当該中間原料については、中間原料製造業者により、既に適切なウイルス検査が行われている必要がある。また、中間原料の製造においてウイルスの除去及び不活化工程がある場合には、製剤の製造業者がそのデータを入手しウイルスクリアランス能などウイルスに対する安全性を説明できるようにしなければならない。

3.3 製造工程でのウイルス検査

出発原料に対する各種ウイルス検査の実施、製造工程におけるウイルス除去及び不活化を的確に実施するとともに、必要に応じて製造工程での適切なウイルス検査を行うこと。

4 ウイルスクリアランス試験

4.1 ウイルスクリアランス試験の目的

ウイルスクリアランス試験の目的は、原血漿に存在する可能性のある既知のウイルス及び未知のウイルスを、製造工程で効果的に除去及び不活化できることを検証又は推測することにある。

これは、原血漿又は工程途中の材料に意図的にウイルスを添加し、それぞれの製造工程の除去又は不活化の効果を評価することにより達成される。この試験により、ウイルスの有効な除去工程又は不活化工程が特定され、それぞれの工程のウイルスクリアランス能を加算することにより製造工程全体におけるウイルスクリアランス能の推定値が得られる。

ウイルスクリアランス試験の実施により、製剤のウイルスに関する安全性についての信頼性を高めることができる。しかし、この試験には多くの複雑な変動因子が関与しているため、試験方法や得られたウイルスクリアランス能の評価の妥当性については個別に検討する必要がある。

4.2 ウイルスの選択

広範なウイルスに対するクリアランス能を評価するためのウイルスクリアランス工程特性解析試験に使用される非特異的モデルウイルスは、広範囲なウイルスクリアランス能の情報を得るという観点から選択されるべきである。そのため、DNAウイルス及びRNAウイルス、脂質膜の有無、粒子径の大小を考慮し、さらに物理的処理及び化学的処理に対する抵抗性が高いものを選択することが望ましい。これらの特性を網羅するには少なくとも4種類以上の非特異的モデルウイルスを組み合わせることが必要になる。

一方、原血漿に存在しているかあるいは存在が予測される特定のウイルスに対するウイルスクリアランス工程評価試験では、関連ウイルスないしは関連ウイルスに類似した特性を持つ特異的モデルウイルスを用いた評価を実施することになる。原血漿に混在している可能性のあるウイルスに類似している、あるいは同じ特性を持っているなどの理由で2種類のモデルウイルスを選択することが可能な場合には、原則としてウイルス除去及び不活化処理に対してより抵抗性の強いウイルスを選択すること。

血漿分画製剤のウイルスクリアランス試験に用いられるウイルスの例については別紙を参照すること。

4.3 ウイルスクリアランス試験の設計

ウイルスクリアランス試験は、対象となる特定の製造工程段階で意図的にウイルスを添加し、当該製造工程のウイルスクリアランス能を定量的に評価するものである。したがって、当該製剤の全ての製造工程を検証する必要はなく、ウイルスの除去及び不活化に寄与する製造工程だけについて実施すること。

ウイルスクリアランス能の評価においては、製造者がその製造工程を適切に反映した実験室規模で実施した結果に基づいて評価することを原則とする。いかなるウイルスも製造施設に故意に持ち込むことはできないため、ウイルスクリアランス試験は、製造設備とは別のウイルス試験設備で行わなければならない。このため、ウイルスクリアランス試験は、ウイルス学的研究を行う設備のある隔離されたウイルス試験設備において、ウイルス学の専門家と生産技術者が共同で行う必要がある。この製造規模を縮小して行うウイルスクリアランス試験は、実生産規模での製造工程との同等性が検証されていることが前提でなければならない。クロマトグラフィー工程については、カラムベッド高、線流速、ベッド容量に対する流速の比率(すなわち接触時間)、緩衝液、カラム充填剤の種類、pH、温度、タンパク質濃度、塩濃度、製品濃度に関しても、全て実生産スケールの製造に対応している必要がある。また、溶出のプロフィールも同様のものが得られるように設計するべきである。同様な考え方をその他の工程についても適用することが必要である。しかし、やむを得ない事情により実際の製造工程を反映させることができない場合には、それが結果にどの様な影響を及ぼすかを考察しておくべきである。

ウイルスクリアランス試験の計画を立案する際、検討することが望ましい留意点を以下に示す。

(1) 製造工程の設計にあたっては、ウイルスを除去又は不活化できる、機序の異なる2つ以上の工程の採用について検討するように努めること。

(2) ウイルスを除去又は不活化することが予想される工程について、その能力を個々に評価し、それぞれが除去工程なのか、不活化工程なのか、あるいは除去及び不活化のいずれにも関与しているものかを明らかにできるような試験を計画すること。

(3) ウイルスクリアランス能に影響を及ぼす製造工程上の変動因子について検討すること。

(4) ウイルスに対する抗体が出発原料に存在する場合には、ウイルス除去工程及び不活化工程におけるウイルスの挙動に影響を及ぼす可能性があるので、ウイルスクリアランス試験ではこのことを考慮して実施する。また、原血漿の混合により抗体が特定のウイルスの不活化に寄与することを評価する場合には、抗体の中和活性を適切に評価できるアッセイ法を用いる必要がある。

(5) 試料中に添加するウイルス量は、その製造工程のウイルスクリアランス能を充分に評価できる量とする。ただし、一般的にウイルスの添加量は、ウイルス溶液量として出発原料の10%以下とすること。

(6) 試料中のウイルスは、可能な限り超遠心分離、透析、保存などの操作を行わずに定量することが望ましい。しかし、試験に対する阻害物質や使用する細胞に対する毒性物質を除去するため、又は全ての試料を同時に定量するため、定量前に何らかの処理をすることが避けられない場合には、適切なコントロールを用いて、その処理の試験結果に対する影響を確認するとともに、試料による毒性発現などの検出系に対する影響も考慮すること。

(7) ウイルスの選択にあたっては、ウイルスクリアランス試験従事者に健康被害をもたらす可能性のあることに配慮すること。

4.4 ウイルスクリアランス能の評価

4.4.1 ウイルスクリアランス指数の評価

製造工程におけるウイルスクリアランス指数は、各製造段階での試験で得られたウイルスクリアランス指数の総和で評価する。製造販売業者は、得られたウイルスクリアランス指数が適切であるかどうかについて、原血漿及び製造過程に含まれる可能性のある全てのウイルスを念頭において評価し、その妥当性を示すべきである。

4.4.2 ウイルスクリアランス指数の計算法

ウイルス除去工程及び不活化工程のウイルスクリアランス指数Rは、次式で示される。

R=log((V1×T1)/(V2×T2))

なお、Rは対数で表される減少度、V1は工程処理前の容量、T1は工程処理前のウイルス力価、V2は工程処理後の試料の容量、T2は工程処理後の試料のウイルス力価である。

ウイルスクリアランス指数を算出する場合には、可能な限り、添加したウイルス力価ではなく、添加後の工程処理前の原料中に検出されるウイルスを検証しなければならない。

試験のばらつきは、希釈誤差、統計的な原因、各種測定法に特有な未知又は制御不能な要素の違いなどにより生じる。通常、独立して実施した試験間のばらつき(試験間変動)は、一試験内のばらつき(試験内変動)より大きい。

処理工程前の材料中のウイルス定量値の信頼限界が+Sで、工程処理後のウイルス定量値の信頼限界が+aの場合、ウイルスクリアランス指数の信頼限界は±√(S2+a2)である。

上記の要因を総合的に評価することにより、当該工程のウイルスクリアランスの有効性を適切に判断することができる。

4.4.3 データの解釈上留意すべき事項

製造工程のウイルスクリアランスの有効性の評価には、下記の要因が寄与しているので、データを解釈する場合には個々の要因について注意深く検討する必要がある。

(1) ウイルスの選択の妥当性

ウイルスクリアランス試験に使用するウイルスは、試験の目的に従って、適切な関連ウイルス及びモデルウイルスが選択されていたかを評価しなければならない。

(2) ウイルスクリアランス試験の設計の妥当性

製造工程の変動要因や規模縮小における変動要因などを考慮に入れ、適切な試験系が設計されていたかを確認すること。

(3) 製造工程の変動因子

製造工程の変動因子の僅かな変動に対しウイルスクリアランス能が影響を受けやすい場合は、当該製造工程のウイルスクリアランス能に対する影響を評価すること。

(4) ウイルスクリアランス指数の評価

製造工程の総ウイルスクリアランス指数は、一般的に個々の工程でのウイルスクリアランス指数の総和で示され、対数で表された各製造段階での減少度を加算することによって算出される。しかし、複数の工程(例えば1log10以下の工程)の減少率を加算すると、工程全体を通してのウイルスクリアランス能を過大評価してしまう可能性がある。したがって、ウイルスクリアランス指数が1log10以下の除去及び不活化工程は、合理的な理由がない限り加算されるべきではない。また、同一の、又は類似した方法を繰り返して達成されたウイルスクリアランス指数は、合理的な理由がない限り加算されるべきではない。

(5) 不活化の速度論の評価

ウイルス感染性の不活化は、しばしば急速な初期相とそれに続く遅い相からなる2相性の曲性を示す。したがって、試験に際しては、検体を時間を変えてサンプリングし、不活化曲線が描けるように計画すべきである。不活化試験においては、最短曝露時間でのポイントに加えて、曝露ゼロ時より長く、かつ最短曝露時間よりも短い時間でのポイントを少なくとも1点はとることが推奨される。このような工程で不活化を免れたウイルスは、次の不活化工程でより強い抵抗力を示す可能性がある。例えば、抵抗性画分が凝集形態をとるとすれば、各種化学処理や熱処理に対しても抵抗性を示す可能性がある。

(6) 製造工程でのウイルスの挙動

ウイルスクリアランスは、例えば、不活化工程が2段階以上ある場合、相互補完的な除去工程が複数ある場合、あるいは除去工程及び不活化工程が複数組み合わされている場合に効果的に達成される。除去工程においては、個々のウイルスがもつ特異的な物理化学的特性がゲル・マトリクスとの相互作用や沈降特性にどの様に影響するのかに大きく依存しているために、モデルウイルスが目的ウイルスとは異なる機序により除去される可能性がある。したがって、除去に影響する製造工程のパラメータにはどのようなものがあるかを考慮する必要がある。例えば、糖鎖付加のような表面特性に変化があれば、これに由来してパラメータに違いが生じる可能性がある。しかしながら、こうした変動要因にもかかわらず、相互補完的な除去工程の組み合わせや除去工程と不活化工程との組み合わせにより、効果的なウイルス除去が達成される。クロマトグラフィー工程、濾過工程及び抽出工程等において充分に吟味して設計された除去工程は、適切に管理された条件下で操作を行った場合、効果的なウイルス除去工程となり得る。

製造工程のウイルスクリアランス試験に使用されるウイルス標品は、通常、組織培養を用いて増幅製造される。製造工程において、組織培養由来ウイルスの挙動は自然界に存在するウイルスの挙動とは異なっている可能性がある。例えば、自然界に存在するウイルスと培養ウイルスとでは純度や凝集などの性状が異なっている可能性があり、具体的には、HEVは脂質に覆われている場合と覆われていない場合があり、細胞培養由来ウイルスを用いたウイルスクリアランス試験結果の評価に際してはこのような特性の違いに注意が必要である。

(7) ウイルス力価の減少度の評価

ウイルス力価の減少度を対数で表してウイルスクリアランス指数とするため、残存感染性ウイルス量が著しく低減することは示すことができるが、力価は決してゼロにはならないという限界がある。例えば、mL当たり8log10感染単位を含む標品から8log10のファクターで感染性の低減があっても、試験の検出限界をも考慮すれば、mL当たり0log10すなわち1感染単位を残していることになる。

(8) ウイルス力価測定法に対する毒性作用・干渉作用の評価

緩衝液や製品は、ウイルス力価試験に用いる指示細胞に好ましくない影響を及ぼす可能性がある。したがって、これらのウイルス力価測定法に対する毒性作用又は干渉作用をそれぞれ個別に評価して、測定に支障のないような対策を講ずるべきである。仮に緩衝液が指示細胞に対して毒性を有する場合は、十分な希釈、pHの調整、あるいはスパイクされたウイルスを含有する緩衝液の透析等を試みる。製品そのものが抗ウイルス活性を持っている場合、ウイルスクリアランス試験を製品そのものは含まない類似工程(mock run)で実施する必要がある。しかし、製造工程によっては、製品を除去すること又は抗ウイルス活性を持たない類似タンパク質で代替することがウイルスの挙動に影響することもあり得る。また、例えば、透析、保存など、測定試料調製の手順による影響を評価するために、同様な調製手順を経るコントロール試験も実施する必要がある。

一方、ウイルスクリアランス指数の総計は、製造条件、緩衝液などの毒性や殺ウイルス性が非常に強い場合には過小評価される可能性があるので、事例ごとに評価されるべきである。逆にウイルスクリアランス指数の総計は、このようなウイルスクリアランス試験に固有の限界ないしは不適切な試験計画のために過大評価される場合もあることに留意する必要がある。

(9) ウイルスクリアランス能の選択性

あるウイルス除去工程又は不活化工程が一部のウイルスに対しては極めて有効であるが、それ以外のウイルスに対しては有効ではない可能性がある。例えば、S/D(有機溶媒/界面活性剤)処理は、一般に脂質膜を持つウイルスに対しては有効であるが、脂質膜を持たないウイルスに対しては有効ではない。

(10) 抗体による影響

試料中に試験に用いるウイルスに対する抗体が存在すると、ウイルスの分配不活化処理に対する感受性に影響を与える可能性がある。ウイルスの感染性を中和するのみでなく、試験系の設計を複雑にする。したがって、試料中のウイルスに対する抗体の存在は一つの重要な測定干渉要素であると考えられる。

(11) アッセイ法の検出感度

ウイルスのアッセイ法は、ウイルスクリアランス指数の算定に大きく影響するので、可能な限り検出感度の高い方法を用い、事前にアッセイ法の検出感度を把握しておく必要がある。

(12) ウイルスクリアランス試験の再現性及び信頼限界

ウイルス除去工程及び不活化工程として有効であることを示すためには、少なくとも2回以上の独立した試験により添加ウイルス量の低減に再現性があることを立証する必要がある。

5 ウイルスクリアランス能の再評価が必要な場合

製造工程を変更する場合には、必ずその変更がウイルスクリアランス能に関して、直接的又は間接的に影響しないかを評価し、必要に応じてウイルスクリアランス試験を実施し、製造工程全体が適切なウイルスクリアランス指数を有することを再度検証する。なお、製造工程の変更によってウイルスクリアランス指数が変化する可能性があるため留意すること。

6 ウイルスクリアランス試験に用いる測定法

6.1 ウイルス感染価の測定法

感染価の測定法には、プラーク測定法、細胞変性効果による検出法(例えばTCID50法)などがある。測定法は、十分な感度と再現性を持つべきであり、コントロールを用いて統計学的に分析可能な結果が得られるようにすること。

6.2 核酸増幅検査(NAT)

核酸増幅検査(Nucleic acid amplification test;NAT)は、現行の血清学的検査が陰性である時などにおいてもウイルスゲノムを高感度に検出できる方法である。また、ウインドウ期の大幅な短縮が可能となり、血漿分画製剤の原料となるプール血漿のウイルス感染リスクを大幅に低減し、血漿分画製剤のウイルスに対する安全性の向上に寄与するものと考えられる。

核酸増幅検査(NAT)は、ウイルスクリアランス試験において、ウイルス除去工程の有効な評価法となりうる。しかしながら、ウイルス不活化工程では、不活化されたウイルスが依然としてウイルスゲノム陽性の結果を示すことがあるため、ウイルス不活化の程度が過小評価される可能性がある。また、NATを導入する場合には、検出感度の妥当性、コントロールとして用いる標準品の選定、プライマー等、用いる試薬の品質の維持及び陽性又は陰性結果の評価において十分な注意を払わなければならない。

現在、NATを利用した定量的な解析法が開発されてきており、ウイルス標準品の単位設定にも用いられている。定量的NATをウイルスクリアランス能の評価に用いる際には、ウイルス粒子の除去などが適切に反映された試験法であることを確認し、試験の妥当性を説明する必要がある。NATについては、「血液製剤のウイルスに対する安全性確保を目的とした核酸増幅検査(NAT)の実施に関するガイドラインについて」(平成16年8月3日付け薬食発第0803002号厚生労働省医薬食品局長通知)も参考にすること。

6.3 統計

ウイルスクリアランス工程特性解析試験におけるウイルス感染価やウイルスクリアランス指数等の算出には統計学的手法を用いる必要がある。ウイルスクリアランス工程評価試験については、必ずしも統計学的手法を用いた解析を求めるものではない。また、ウイルスクリアランス工程特性解析試験で得られたデータでウイルス安全性が十分説明可能な場合には、新たにウイルスクリアランス工程評価試験を実施する必要がない。また、得られた結論については、試験結果の妥当性を評価しなければならない。

7 記録と保存

ウイルスクリアランス試験に係る項目については全て文書化し、保存しなければならない。

8 その他

ウイルスクリアランス試験についてICHガイドラインが適切に適用できる場合にはこれを参考にする。

用語

非特異的モデルウイルス

製造工程がウイルス除去及び不活化に関して一般にどの程度の能力を有するかを解析する目的、すなわち工程が確実にウイルスクリアランス能を発揮するという面での特性を解析する目的で行うウイルスクリアランス工程特性解析試験に使用されるウイルス。

関連ウイルス

製造原料に混在することが知られているか、あるいは存在の可能性があるウイルス類と同一又は同種のウイルスで、ウイルスクリアランス工程評価試験に用いられるもの。

特異的モデルウイルス

存在が知られている、あるいは存在が疑われるウイルスに、密接に関連しているウイルス。すなわち、同一の属もしくは科のもので、検出されたウイルスあるいは存在が疑われるウイルスと類似した物理的・化学的性質を有するウイルスで、ウイルスクリアランス工程評価試験に用いられるもの。

ウイルスクリアランス工程特性解析試験(Process Characterization of Viral Clearance)

原料血液及び製造に用いる工程由来のウイルスを対象として、製造工程がウイルスクリアランス能を確実に発揮するという面での特性(robustness)を解析することを目的に、「非特異的モデルウイルス」を用いて行われるウイルスクリアランス試験。

ウイルスクリアランス工程評価試験(Process Evaluation Studies of Viral Clearance)

存在が知られているか予測されるウイルスに関して製造工程が有するウイルスクリアランス能を解析することを目的に、「関連ウイルス」や「特異的モデルウイルス」を用いて行われるウイルスクリアランス試験。

不活化

化学的又は物理的修飾によって引き起こされるウイルス感染性の減少。

除去

目的とする製品からのウイルス粒子の物理的分離。

ウインドウ期(ウインドウ・ピリオド)

ウイルス等の病原体に感染してから、検査で検出できるようになるまでの空白期間。

遡及調査

献血後情報及び輸血後情報を収集し、ウイルス汚染の可能性が認められた場合、当該情報等を用いて、どの供血者の原料血液又はどのプール血漿が汚染されていたのかを明らかにすること。

貯留保管(inventory hold)

血液製剤による感染症防止のため、一定期間原料を保管し、輸血等による安全性に係る問題が発生しなかった原料、あるいは次回以降の採血した検査においてウイルス汚染の問題のない場合に保管してある原料を、医薬品の製造に用いる。このように原血漿をその安全性の確認まで一定期間保管することを指す。

中間原料

血漿分画製剤の製造の初期工程で原血漿にエタノール処理や脱クリオ処理等を行い、部分的に分画して得た血漿分画製剤製造のための原料。

S/D(有機溶媒/界面活性剤)処理

不活化方法の1つで、有機溶媒がウイルスの膜成分を破壊してウイルスの感染性を失わせる方法。

界面活性剤は有機溶媒のウイルス膜への作用を促進する目的で用いられる。

核酸増幅検査(NAT)

ウイルス等の遺伝子を検出するため、目的とするDNAやRNA遺伝子の特定領域を種々の酵素を用いて増幅させ、検出する検査方法。

プール血漿

血漿分画製剤を製造する原料として、多人数(通常5,000~数万人)の血漿を集めてプールしたもの。

ミニプール血漿

原材料のウイルス試験を行うために、数十人から数百人の血漿からサンプルを少量ずつ取り混合したもの。

標準品

適切な特性解析がなされた医薬品の力価や毒性、ゲノム量等を測定する際に、その基準として用いる物質。

ウイルスクリアランス

目標とするウイルスを、ウイルス粒子の除去又はウイルス感染性の不活化により排除すること。

頑健性の高い工程

4log以上のウイルスクリアランス能のある工程を想定しているが、非常に高いウイルスクリアランス能のある工程を意味し、ウイルスクリアランス試験のデータについて誤差範囲として1logの差異もありえることから、4logという値は目標値であり限度値を指すわけではない。

別紙

ウイルスクリアランス試験に用いられるウイルス例

ウイルス

略号

自然宿主

ゲノム

脂質膜

サイズ

(nm)

形状

物理的化学的処理に対する耐性

水庖性口内炎ウイルス

VSV

ラブドウイルス

ベシクロウイルス

ウマ、ウシ

RNA

あり

70×175

弾丸形

パラインフルエンザウイルス

PI―3

パラミクソウイルス

パラミクソウイルス

種々

RNA

あり

100~200

多形・球形

ヒト免疫不全ウイルス

HIV

レトロウイルス

レンチウイルス

ヒト

RNA

あり

80~100

球形

マウス白血病ウイルス

MuLV

レトロウイルス

C型オンコウイルス

マウス

RNA

あり

80~110

球形

シンドビスウイルス

SIN

トガウイルス

アルファウイルス

ヒト

RNA

あり

60~70

球形

ウシウイルス性下痢ウイルス

BVDV

フラビウイルス

ベスチウイルス

ウシ

RNA

あり

50~70

多形・球形

仮性狂犬病ウイルス

PRV

ヘルペスウイルス

バリセロウイルス

ブタ

DNA

あり

120~200

球形

ポリオウイルスSabinI型

Polio―I

ピコルナウイルス

エンテロウイルス

ヒト

RNA

なし

20~30

正二十面体

脳心筋炎ウイルス

EMC

ピコルナウイルス

カルジオウイルス

マウス

RNA

なし

25~30

正二十面体

レオウイルス3

REO―3

レオウイルス

オルソレオウイルス

種々

RNA

なし

60~80

球形

A型肝炎ウイルス

HAV

ピコルナウイルス

ヘパトウイルス

ヒト

RNA

なし

25~30

正二十面体

シミアンウイルス40

SV40

パポバウイルス

ポリオーマウイルス

サル

DNA

なし

40~50

正二十面体

非常に高い

ブタパルボウイルス

PPV

パルボウイルス

パルボウイルス

ブタ

DNA

なし

18~24

正二十面体

非常に高い

イヌパルボウイルス

CPV

パルボウイルス

パルボウイルス

イヌ

DNA

なし

18~24

正二十面体

非常に高い

この表は血漿分画製剤のウイルスクリアランス試験に用いられたことのあるウイルスの例を示すものである。したがって、表中に記載されたウイルスの使用を強制するものではなく、他の適切なウイルスを選定することも可能である。

[参考]

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