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○GMP調査要領の制定について

(令和6年3月29日)

(医薬監麻発0329第9号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

GMP調査については、「GMP調査要領の制定について」(令和4年3月17日付け薬生監麻発0317第5号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知。以下「旧通知」という。)により、全ての調査権者間に共通の調査体制、業務の根拠及び業務の要領を示し、製造業者における医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号)の違反事例への対応を行うとともに、国内における調査権者間のGMP関連業務の標準化を図ってきたところです。

今般、製造業者による違反事例が依然として複数発生していることから、調査体制の更なる強化を図るため、別添のとおりGMP調査要領を定めることとしました。

ついては、下記の点に留意の上、GMP調査の円滑な実施に遺漏なきようお願いします。

なお、本通知の施行に伴い旧通知を廃止します。

1.今般の改正はGMP調査体制の更なる強化を図ることを目的としている。本通知により制定されたGMP調査要領(以下「本調査要領」という。)に基づき、各調査権者は、新たに実施することとしたGMP調査結果報告書情報の情報収集・蓄積・分析・共有等に係る事業も含め、想定される業務量に応じた体制整備を図る必要がある。ついては、必要な場合には増員の検討も含め、所定の要件を満たす職員の必要人数の確保、当該職員に対する研修の実施及び公的認定試験機関等を含む実施体制の整備を図ること。

2.各調査権者は、本調査要領第3.品質マニュアルの基本的事項を踏まえ、品質マニュアルを作成すること。

3.各調査権者は、令和6年4月1日から、本調査要領に基づきGMP調査を実施すること。

[別添]

GMP調査要領

目次

第1.調査要領について

第2.GMP調査の分類及び法的根拠

第3.品質マニュアルの基本的事項

第4.GMP調査の実施に関する手順

第5.GMP調査結果の公表に関する手順

別紙1 GMP調査の事前入手資料リストの例

別紙2 調査結果報告書様式

別紙3 調査通知書様式

別紙4 指摘事項書様式

別紙5 改善計画書/改善結果報告書様式

別紙6 不適合連絡書様式

別紙7の1 調査実施状況定期報告書様式

別紙7の2 調査結果一覧報告書様式

別紙8の1(ア) 同意確認書様式

別紙8の1(イ) 希望書様式

別紙8の2 同意書様式

別添1 調査員の要件

別添2 公的認定試験検査機関の要件

別添3 GMP適合性評価基準

第1.調査要領について

本要領は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第14条第7項(同条第15項(第19条の2第5項において準用する場合を含む。)及び第19条の2第5項において準用する場合を含む。)、同条第9項(第19条の2第5項において準用する場合を含む。)、第14条の2第2項、第14条の2の2第2項(医薬品の製造所における製造管理又は品質管理の方法についての調査に係る部分に限り、第14条の3第2項(第20条第1項において準用する場合を含む。)及び第19条の2第5項において準用する場合を含む。)、第14条の7の2第3項(第19条の4において準用する場合を含む。)及び第80条第1項に基づく医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号。以下「GMP省令」という。)への適合性に係る調査並びにGMP省令の遵守状況の確認に係る立入検査等(法第69条第1項若しくは第6項又は第69条の2第1項の規定に基づく検査等(以下「69条調査」という。)及び第75条の2の2第1項第2号、同項第3号若しくは同条第4項又は第75条の4第1項第1号、同項第2号若しくは同条第3項において準用する第75条の2の2第4項の規定に基づく検査等をいう。)(以下「GMP調査」と総称する。)を各都道府県及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)が適切に実施できるよう、各調査権者の品質管理監督システムに関連する事項を定めたものである。

本要領は、GMP調査の分類及び法的根拠等の説明、各調査権者共通の品質マニュアルの基本的事項、GMP調査の実施に関する手順並びにGMP調査結果の公表に関する手順から構成される。

なお、この要領では、GMP調査の実施主体である各調査権者の担当する部局(総合機構及び47都道府県のGMP調査実施部局)を「調査当局」と称する。また、この要領で使用される用語については、「医薬品品質システムに関するガイドラインについて」(平成22年2月19日付け薬食審査発0219第1号・薬食監麻発0219第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長・厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長連名通知)を参照のこと。

第2.GMP調査の分類及び法的根拠

1.GMP調査は、適合性調査・確認(製造販売承認(製造販売承認事項の一部変更承認を含む。)、基準確認証の交付、変更計画の確認及び輸出用医薬品等の製造に関連して製造販売業者又は製造業者が申請して受けることと定められている調査)及び立入検査等に分類される。

2.適合性調査・確認については、GMP省令に適合していると認められるかを確認するものであり、さらに製造販売承認前適合性調査、製造販売承認後等適合性調査、区分適合性調査、変更計画適合性確認及び輸出用医薬品等の製造に係る適合性調査に分類され、それぞれ根拠となる法の条項ごとに次の調査から構成される。

(1) 製造販売承認前適合性調査

ア.製造販売承認申請に係る適合性調査(法第14条第7項)

イ.製造販売承認事項一部変更承認申請に係る適合性調査(法第14条第15項において準用する第14条第7項)

ウ.外国特例承認申請に係る適合性調査(法第19条の2第5項において準用する第14条第7項)

エ.外国特例承認事項一部変更承認申請に係る適合性調査(法第19条の2第5項において準用する第14条第15項において準用する第14条第7項)

オ.緊急承認に係る適合性調査(法第14条の2の2第2項)

カ.外国特例承認における緊急承認に係る適合性調査(法第19条の2第5項において準用する法第14条の2の2第2項)

キ.特例承認に係る適合性調査(法第14条の3第2項において準用する法第14条の2の2第2項)

ク.外国特例承認における特例承認に係る適合性調査(法第20条第1項において準用する法第14条の3第2項において準用する法第14条の2の2第2項)

(2) 製造販売承認後等適合性調査

ア.既存承認に係る定期適合性調査(法第14条第7項)

イ.既存承認に係る品目ごとの適合性調査(法第14条第9項)

ウ.既存外国特例承認に係る定期適合性調査(法第19条の2第5項において準用する第14条第7項)

エ.既存外国特例承認に係る品目ごとの適合性調査(法第19条の2第5項において準用する法第14条第9項)

(3) 区分適合性調査(法第14条の2第2項)

(4) 変更計画に係る適合性確認

ア.既存承認における変更計画に係る適合性確認(法第14条の7の2第3項)

イ.外国特例承認における変更計画に係る適合性確認(法第19条の4において準用する法第14条の7の2第3項)

(5) 輸出用医薬品等の製造に係る適合性調査(法第80条第1項)

3.立入検査等は、その目的等により次のように分類される。また、立入検査等には、公益通報に基づく調査等と合わせてGMP省令の遵守状況を確認する場合も含まれるものであることから、リスクの高い製造所については、特に事前の通告を行わないもの(以下「無通告立入検査」という。)とすること。なお、69条調査については薬事監視員又は法第69条の2第4項の政令で定める資格を有する総合機構の職員が行うものであること。

(1) 通常調査

定期的にGMP省令の規定を遵守していることを監視指導するもの。

(2) 特別調査

予見できない事情等により遵守状況を監視指導する必要がある場合において、以下の確認を行うものである。

ア.改善内容確認(適合性調査・確認として行うものを除く。)

イ.回収、検定不合格及び苦情等のあった品目(製品)に係る製造所におけるGMP省令の遵守状況の確認

ウ.その他

第3.品質マニュアルの基本的事項

調査当局は、次の事項を含む品質マニュアルを作成し、維持すること。

1.目的

品質マニュアルは、調査当局が実施する医薬品及び医薬部外品のGMP調査業務を行うためのシステム(以下「品質管理監督システム」という。)を構築し効果的に運用するために必要な事項を定めるものであり、調査当局の行う医薬品及び医薬部外品のGMP調査を適正かつ円滑に実施し、さらに、継続的に調査の質を向上させることを目的とする。

2.適用範囲

品質マニュアルは、当該調査当局が実施する医薬品及び医薬部外品のGMP調査関連業務に適用する。

3.参照規格

品質マニュアルは以下の規格等を参照している。

PIC/S Quality system requirements for pharmaceutical inspectorates

WHO Technical report series, No.902 Annex 8

ISO9001:2015

4.調査当局の長の責任

4.1.調査当局の長のコミットメント

調査当局の長は、適切なGMP調査の実施のため、品質管理監督システムが有効に機能し、組織全体に伝達されていることを確実にする。

4.2.調査当局の品質方針

調査当局の長は、品質方針について次の事項を確実にする。

・調査当局の品質方針は、国民の命と健康を守るという絶対的な使命感に基づき、純良な医薬品の流通を目指して、判断の遅滞なく、高い透明性の下で業務を遂行することとする。

・調査当局内のすべての調査員に上記の品質方針を伝達し、理解を得る。

・上記の品質方針の継続的な有効性について定期的にレビューする。

4.3.品質管理監督システムの構築

調査当局の長は、品質マニュアルに基づき各当局内の品質管理監督システムを確立し、文書化し、実施し、維持する。品質管理監督システムには以下の事項を含む。

・品質マニュアルに規定した事項を評価できる品質目標を設定し、マネジメントレビューを実施する手順を確立する。

・業務を継続的に改善するため、自己点検やマネジメントレビューで発見された品質管理監督システムに関する問題点について調査を行い、是正措置・予防措置を行う手順を確立する。

5.管理体制

(1) 調査当局の組織構造、所属者の資格及び業務は、調査等の公平性を保証するものでなければならない。

(2) 調査員は、調査に影響を与える可能性のある商業的、金銭的その他いかなる圧力からも影響を受けてはならない。また、利益相反の確認等にかかる規定については各調査当局の手順書に定める。

(3) 調査当局は、GMP調査プロセスとその他の相談業務等を区別して実施する方針をとらなければならない。

6.組織

(1) 調査業務に関連する組織及び責任者の責務について図1のように定める。調査当局は、図1に基づき、各担当者を割り当て、確立した組織を維持する。

調査部門内にGMP調査業務に係る責任者として、調査品質管理責任者を設置する。また、調査品質管理責任者の監督の下に、以下の責任者を設置する。

(1) 教育訓練に関する業務の責任者として、教育訓練責任者

(2) 苦情処理に関する業務の責任者として、苦情処理責任者

(3) 自己点検に関する業務の責任者として、自己点検責任者

(4) 文書管理に関する業務の責任者として、文書管理責任者

図1 調査業務に関連する組織及び責任者の責務

(2) 調査当局の品質管理監督システムの維持及び相互のコミュニケーションのために、厚生労働省、総合機構及び都道府県の代表から構成された組織(以下「GMP調査当局会議」という。)を中心に、会議等の定期的な開催や情報共有を通じて、緊密な連携を図る(図2)。相互のコミュニケーションには、各調査当局相互の評価の実施も含まれる。

・ 47都道府県を7つのブロックに分け、各ブロック内での協力体制を構築する。

・ 各ブロック代表、総合機構、厚生労働省から構成される「GMP調査当局会議」を構築する。

GMP調査当局会議の役割

(1) 調査権者間の品質管理監督システムの平準化(手順書の改訂作業、自己点検実施等)

(2) GMPガイドラインの継続的改訂

(3) 教育訓練プログラムの立案、教育資料提供

(4) 国際整合性に関する情報入手と調査権者への情報提供

(5) GMP調査の質の向上等に係る会議の開催

(6) 指導内容にかかる調査権者及び業界双方からの相談の受付と公表(機密情報に注意する)

図2 調査当局の品質管理監督システムの維持及び相互のコミュニケーション

(3) 調査当局における調査部門と業務内容上の関係がある主な組織として、次の組織がある。調査当局は、これらと相互に緊密な連携をとる手順を確立する。

1) 厚生労働省(医薬局:監視指導・麻薬対策課、医薬品審査管理課、医薬安全対策課)

2) 調査当局の各部門(調査部門、承認審査部門、安全対策部門及び試験検査機関)

3) 他の調査当局

4) 医薬品GMPに関する相互承認協定(以下「MRA」という。)対象国、GMP調査等協力覚書(以下「MOU」という。)対象国等の海外のGMP担当当局、その他PIC/S加盟GMP担当当局

7.人員

7.1.資源の確保

調査当局は、品質管理監督システムの実施、維持及びその有効性の継続的改善のために、十分でかつ適切な資源を確保すること。また、調査当局に所属する全ての調査員が、適切な教育訓練を受け、かつ、業務を実施する能力があることを確実にしなければならない。

7.2.調査員の要件

調査を実施する者は、別添1に示す要件を満たしていなければならない。また、個々の調査には別添1のリーダー調査員又はシニア調査員の要件を満たす者が必ず1名含まれなければならない。

7.3.教育訓練

調査当局は、調査員の要件を満たし、適切な調査を遂行できるよう、教育訓練システムを確立し、教育訓練記録及び資格認定記録を保管する。教育訓練システムには、計画的な教育訓練の実施及びその効果の定期的な評価(以下「教育訓練プログラム」という。)が含まれる。現場教育等の教育訓練を実施する者は、リーダー調査員又はシニア調査員の要件を満たす者が望ましい。

8.文書管理

8.1.文書管理システムの維持

調査当局は、調査及び品質管理監督システムに関するすべての文書を適切に維持・管理する手順である文書管理システムを定める。当該文書管理システムには、調査員が常に最新版を参照できるよう、版に関する管理も含まれる。

8.2.調査当局の文書体系図

図3に示す文書体系図に基づき、必要となる文書及び記録類を整備する。

図3 文書体系

8.3.手順書の一覧

以下の手順書を作成する。

・マネジメントレビューに関する手順

・適合又は不適合とすることの可否の決定、調査結果通知の手順

・苦情等の処理に関する手順

・自己点検に関する手順

・教育訓練に関する手順

・文書及び記録の管理に関する手順

・調査の実施に関する手順

・収去又は検体の入手及び試験検査機関との連携に関する手順

・監視指導部門その他GMP調査業務に関係する部門との連携に関する手順

・利益相反の確認等に関する手順

・その他GMP調査業務を適正かつ円滑に実施するために必要な手順

8.4.記録等の保管

調査当局は、文書及び記録について、作成の日(手順書等については使用しなくなった日)から少なくとも次に掲げる期間保存する。

ア.特定生物由来製品又は人の血液を原材料として製造される生物由来製品たる品目(製品)に係る調査に関するもの 35年間

イ.生物由来製品、細胞組織医薬品に係る調査 15年間

ウ.生物由来製品、細胞組織医薬品以外の品目(製品)に係る調査 10年間

エ.教育訓練、自己点検等品質管理監督システムに係る文書及び記録

ア.からウ.までに関わらず 5年間

9.調査の実施

9.1.調査頻度

調査当局は、それぞれの製造所に対して、リスク評価に基づいた上で、1から3年ごとに調査を行う。調査は実地調査を原則とするが、当該リスク評価に基づいた上で、書面調査も活用する。また、リスクの高い製造所については、原則、年1回以上の無通告立入検査を行う。

9.2.計画的実施

調査当局は、年度当初に従前の実施状況等を勘案の上、69条調査を含む年度計画を定めること。また、個別の調査についても、調査実施前に可能な限り調査対象製造業者等について主体的に情報を得て計画的に進めるようにする。

9.3.調査の連携

調査当局は、必要に応じ、他の調査当局と連携して調査を実施する。また、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、全国の製造所のリスク情報を相対的に比較し、当該リスク評価の結果及び都道府県の要望も踏まえて、総合機構及び都道府県が合同で調査する施設を選定するとともに、必要な場合にはその計画を調査当局に提案する。

9.4.調査結果の管理

調査当局は、実施した調査の記録を適切に維持・管理し、定期的に照査(必要に応じ統計処理を用いる)を行う。定期的な照査の結果については、調査当局のマネジメントレビューの報告事項とするとともに、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)にも報告を行う。

10.自己点検

調査当局は、品質管理監督システムの要件を満たしているかどうかを審査するために、その業務に関する自己点検を定期的に行い、文書化しなければならない。また、自己点検の結果とそれに伴う是正措置・予防措置を、調査当局のマネジメントレビューの報告事項とする。

11.苦情処理

調査当局は、その活動、またはその職員あるいは組織の活動に関する苦情を処理するための手順を確立し、維持するものとする。当該手順には、苦情調査の結果として行われる是正措置・予防措置の適用や検証について記述する。また、それらの是正措置・予防措置を、調査当局のマネジメントレビューの報告事項とする。

12.製造業許可・登録取消し、製造販売承認取消し等の行政措置

調査当局は、調査の結果GMP不適合となった場合においては、製造販売業許可権者及び関連する製造業許可・登録権者に情報提供を行う。また、情報を受け取った製造販売業許可権者は、関連する製造業許可・登録権者及び製造販売承認権者等と連携を図って対応できるようにする。なお、対応の必要に応じ該当する許可権者は、管理者の変更命令、製造管理方法等の改善命令、構造設備等の改善命令等の不利益処分及び報告命令等の措置を行う。また、薬局等構造設備規則不適合となった場合においては、必要に応じて、国内の製造業者に対しては製造業許可・登録の取消し、業務の停止、構造設備等の改善命令等の不利益処分及び報告命令等の措置を、外国製造業者に対しては構造設備等の改善の請求、認定の取消し等の不利益処分を行う。

13.品質不良が疑われる場合の処置と緊急通報システム

調査当局は、品質不良が疑われる製品の情報を入手した場合又はそれをGMP調査にて確認した場合、適切な措置を行うとともに、関連する製造販売業許可権者に連絡する。GMP調査において重度の不備が確認された場合には、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)にも連絡する。回収が必要と判断される場合には、その製造販売業許可権者が、「医薬品・医療機器等の回収について」(平成26年11月21日付け薬食発1121第10号厚生労働省医薬食品局長通知。以下「回収通知」という。)に基づき適切に回収等を行うよう指導するとともに、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に速やかに情報提供する。また、厚生労働省は、回収通知に基づき、必要に応じて、PIC/S加盟国等の海外の対象国への緊急通報手続きを実施する。

14.試験検査機関との連携

調査当局(総合機構を除く。以下この項において同じ。)は、検体の分析に係る試験検査については、別添2に示す要件を満たした試験検査機関を公的認定試験検査機関と認定した上で依頼する。また、検体、試験結果の受渡並びに文書及び記録の保管等に関して公的認定試験検査機関と相互に取決め等を行う。ただし、調査当局での試験検査の実施が困難かつ行政措置の実施のために重要な試験検査を行う必要があると認められる場合には、調査当局は、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)及び厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)が認定した試験検査機関(以下「国立試験検査機関」という。)との取決めに基づき厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)を通じて、国立試験検査機関に依頼し、試験検査を実施することができる。なお、総合機構においては、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)の依頼に基づき、国立試験検査機関の認定に係る調査を実施する。

第4.GMP調査の実施に関する手順

1.目的

本手順は、GMP省令に関し、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う政令、省令の制定及び改正について」(令和3年7月13日付け薬生監麻発0713第12号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知。以下「施行通知」という。)及び「GMP適合性調査申請の取扱いについて」(令和3年7月13日付け薬生薬審発0713第1号・薬生監麻発0713第8号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長連名通知)に示された運用等の方途に加え、より整合性のとれたGMP調査の実施を確保することを目的として定めるものである。なお、製造業の許可及び外国製造業者の認定に係る法第13条第5項(同条第9項及び第13条の3第3項において準用する場合を含む。)に係る調査はこの要領の直接の対象ではないが、GMP調査とあわせて行う場合にはこの要領に沿って行うこととする。

2.調査の方法

2.1.調査にあたって

調査当局は、GMP調査を、その目的、製造所の規模、品目(製品)数、剤形、製造工程、過去の調査実績等を考慮して適切に実施し、GMP省令の規定を踏まえた上で、科学的な知見に基づき適宜指導すること。なお、品質確保のための手法として、PIC/SのGMPガイドラインも参考とすること。

2.2.調査の頻度

調査当局は、GMP省令等関係法令の最新の要求事項について、認識不足による重大な不備が発生する可能性を考慮し、一製造業者の製造所につき、表1に掲げる事項を勘案したリスク評価に基づいた上で、リスクの高い製造所については原則、年1回以上、その他の製造所については1から3年ごとに調査を行うようにすること。また、製造業許可・登録の有効期間内に当該製造所の製造管理及び品質管理の主たる構成要素(サブシステム)一通りについて調査がなされていること(製造業許可・登録の有効期間内に複数の部分調査を行うことでサブシステム一通りをカバーすることでも差し支えない。)を調査の頻度の標準とした上で、表1に掲げる事項を勘案し、柔軟に対応すること。

表1 調査の内容、頻度、手法及び期間の決定に当たって考慮すべき事項

考慮すべき事項

具体例

品目(製品)種類

剤形、生物由来医薬品等か否か、無菌医薬品か否か、用量の少ないもの、治療域の狭いもの、特殊な製造技術によるもの、主体製品種類(原薬か否か、後発医薬品か否か、医療上の必要性が高い医薬品か否か等)等

※医療上重要な医薬品であり、かつ代替薬がない又はシェアが高いなど、品質問題が生じた場合、医療に与える影響が大きい医薬品。例えば、「安定確保医薬品」や「希少疾病用医薬品」等が想定される。

工程内容

滅菌・無菌操作の有無、作業環境管理内容、製造工程の複雑さ等

その他製造所の状況

製造品目数、職員数、不正が発覚した場合の影響範囲の大きさ、製造設備の兼用状況等

変更履歴

適合性調査を受ける必要がある製造販売承認事項一部変更のほか、交叉汚染、混同等のリスクに影響を及ぼし得る次のような変更

・製造所所有者(製造業者等)の変更

・製造所の変更(場所等)

・品質に影響を及ぼし得る構造設備の変更

・品質に影響を及ぼし得る責任者等の変更

・新たなカテゴリーの品目(製品)の追加

・新たな教育訓練を要する新しい設備器具の導入

・その他

製造所履歴

初回調査か否か、前回調査結果、前回調査以後の回収や品質情報等の有無及び内容、基準確認証の有無、他の調査権者等の調査結果や不適合の有無、前回調査から経過した期間、外国等当局からの情報等

品目(製品)履歴

副作用報告又は不具合報告その他市販後に得られた情報、一斉監視指導結果、外国等当局からの情報等

2.3.実地調査の期間

初回の調査については、全ての要求事項への適合状況を包括的に調査することとなることに鑑み、調査当局は、原則として調査期間を2日以上とすること。その他の調査については、表1に掲げる事項を勘案の上、調査当局がその責任において調査期間を決定すること。なお、区分適合性調査において、同一の製造所について複数区分に係る申請があり、かつ調査権者が同一である場合、調査権者の判断により、複数区分に係る調査を同時に行うことも可能であるが、その場合には、区分ごとの管理手法の違い等を考慮し、調査期間の増加を検討すること。

2.4.調査の手法

申請を受けた調査当局は、表1に掲げる事項を勘案した上で、実地又は書面のいずれによって調査を行うかを決定し、申請者に伝えること。適合性調査・確認申請を受けた日から少なくとも過去3年の間に当該製造業者の製造所において実地のGMP調査を実施していない場合においては、原則として実地調査を行うものとすること。ただし、上記にかかわらず、法令等の遵守状況、管理状況等を勘案し、実地調査を行うこととして差し支えないこと。

立入検査等の場合においては、組織的隠蔽等を防止する観点から、表1に掲げる事項を勘案の上、原則として無通告立入検査を行うこと。無通告とする事項は、調査日、調査品目、調査スケジュール、調査対象区域、調査対象文書等の調査に関わる全てである。

2.5.他の調査当局等の調査

調査当局は、その責任において、他の調査当局等の調査結果のうち利用可能なものを参考とすることができること。

2.6.調査の対象

調査の対象については、特定の品目(製品)とするか、製造所全体とするか等、その調査の目的を踏まえ、表2の分類を参考に決定すること。

表2 GMP調査の対象のあり方

調査の分類

調査対象のあり方

適合性調査

承認前適合性調査

承認(製造販売承認事項一部変更承認)申請に係る品目(製品)。ただし、当該製造所として初回の調査である場合においては製造所全体

承認後等適合性調査

輸出用医薬品等

初回

適合性調査申請に係る品目(製品)。ただし当該製造所として初回の調査である場合においては製造所全体

2回目以降

適合性調査申請に係る品目(製品)、又は適合性調査を受けなければならない品目(製品)をまとめての製造所全体、特に前回調査以降変更等のあった部分に重点

既存定期

初回

適合性調査申請に係る品目(製品)、又は適合性調査を受けなければならない品目(製品)をまとめての製造所全体

2回目以降

適合性調査申請に係る品目(製品)、又は適合性調査を受けなければならない品目(製品)をまとめての製造所全体、特に前回調査以降変更等のあった部分に重点

区分適合性調査

初回

適合性調査申請に係る製造工程の区分に含まれる全ての品目(製品)をまとめての製造所全体

2回目以降

適合性調査申請に係る製造工程の区分に含まれる全ての品目(製品)をまとめての製造所全体、特に前回調査以降変更等があった部分に重点

変更計画に係る適合性確認

変更計画に係る品目(製品)。ただし、当該製造所として初回の調査である場合においては製造所全体

立入検査等

通常調査

初回

製造所全体

2回目以降

製造所全体、特に前回調査以降変更等のあった部分に重点

特別調査

調査目的による

(1) 製造所全体について調査を行うときは、各工程等において代表的な品目(製品)を選定し、また、確認すべき文書又は記録の適切な選択を行う等により、製造所全体の管理状況が把握できるよう調査を計画し、実施すること。

なお、区分適合性調査を行うときは、同一区分内であっても、品目(製品)や製造販売業者により製造管理・品質管理の方法が異なり得ることを考慮した上で実施すること。複数区分に係る調査を同時に行う場合、区分ごとに少なくとも1以上の品目に係る工程等を確認することにより、製造工程の区分ごとにGMP省令への適合状況を評価すること。

(2) 前回の調査以降に変更等のあった部分に重点を置いて調査を行うときは、GMP省令の規定に基づき変更、逸脱等が適切に管理されているかについて確認することとなる。例えば、逸脱の記録、品質保証に係る業務を担当する組織による変更の承認の記録や変更後の工程管理の照査の記録、不合格品に係る記録、参考品の試験検査記録、回収処理記録等を重点的に調査し、変更がないとされた場合においても、製造方法、規格及び試験方法、品目(製品)仕様等が製造販売承認(届出)又は輸出用製造届出事項に合致していることを確認すること。さらに、成分及び分量について変更がないとされているときにおいても、製造記録のほか、製品等の試験検査記録、設備器具の保守点検記録等を調査すること。また、変更がなされていた場合においての重大な不備として想定し得るものとしては、バリデーションの未実施、製造販売業者に連絡せずに行った重大な変更等が挙げられること。

2.7.承認前適合性調査等

承認前適合性調査を行うときは、申請事項のうちGMP省令に係る事項の確認も調査事項となる。調査権者は、承認審査に係る標準的事務処理期間等、承認前適合性調査における留意事項を踏まえ、承認権者にも適宜連絡した上で適切に対処すること。

承認前適合性調査を行うにあたっては、特にプロセスバリデーション計画の妥当性(必要に応じて、当該計画書における、技術移転、実生産条件検討、スケールアップ検討等の内容を製造業者が評価した結果の妥当性を含む。)の確認に重点を置くこと。また、高品質な製品を恒常的に再現よく製造するための技術検討やバリデーションが不十分であった場合、製造実績が積み重なるにつれ、規格外品が生じるリスクが高まるため、承認後のGMP調査にあたっては、特にOOSや異常値の発生状況、工程管理基準等からの逸脱、製造スケールの変更管理等を注視すること。

2.8.GMP調査に係るサブシステム

製造所全体についてのGMP調査においては、表3に示す製造管理及び品質管理の主たるサブシステムを踏まえて行うことにより、GMP省令の個々の要求事項への適合性に加え、製造所の管理が効果的に機能しているかを総合的かつ効率的に評価すること。一調査において、品質サブシステムを含む2つ以上のサブシステムを調査の対象とするようにすること。製造所全体を調査しようとする場合においては、少なくとも4つのサブシステムを調査するようにすること。サブシステムの調査においては表3に掲げる主な調査項目(必要に応じて他のサブシステムに掲げられている調査項目を含む。)のうち関連性のあるものを中心に調査し、調査の結果不備が見出されたサブシステムにおいては適宜重点的に調査を行うこと。

表3 医薬品・医薬部外品GMP調査に係るサブシステム

サブシステム

調査項目

1.品質

1:組織

2:医薬品製品標準書、医薬部外品製品標準書

3:文書管理(データインテグリティ(以下「DI」という。)を含む)

4:出荷管理

5:変更管理

6:逸脱管理

7:品質情報・品質不良(苦情)

8:自己点検

9:回収処理

10:GMP教育訓練

11:製造販売業者との合意事項(承認事項を含む。)の遵守

12:品質方針・品質目標

13:品質マニュアル

14:製品品質の照査

15:是正措置・予防措置

16:原料等の供給者管理

17:製造業者等(責任役員)の責任

18:マネジメントレビュー・内部の情報伝達・資源の配分

19:技術移転

20:品質リスクマネジメント

21:外部委託業者管理

2.構造設備

1:手順書・記録書(DIを含む)

2:図面管理

3:建屋・施設(作業室含む)及び設備の適格性確認(製造用水・製造設備・空調設備)

4:設備・機器管理(メンテナンス)

5:コンピュータ化システムの管理

6:校正

7:製造用水管理

8:空調管理

9:遮光管理

10:出入り口管理

11:構造躯体管理

12:衛生管理

13:防虫・防そ管理

14:交叉汚染の防止

15:封じ込め措置

3.製品原料資材保管等

1:手順書・記録書(DIを含む)

2:受け入れ管理

3:区分保管管理

4:表示管理

5:出納管理

6:不合格品管理

7:施設及び設備の適格性確認

8:設備・機器管理

9:校正

10:衛生管理

11:環境管理

12:防虫・防そ管理

13:出荷作業

14:教育訓練

4.製造

(1) 一般

(2) 無菌

(3) 生物由来

(4) 放射性

(1) 一般

1:手順書類

2:製造指図書・記録書管理(DIを含む)

3:作業前確認

4:工程管理

5:異物混入・汚染・混同防止

6:設備・機器管理

7:校正

8:動線

9:ゾーニング(区分)

10:防虫・防そ管理

11:作業着管理

12:衛生管理

13:環境管理

14:微生物学的モニタリング

15:バリデーション

16:教育訓練

(2) 無菌

1:手順書類

2:製造指図書・記録書管理(DIを含む)

3:作業前確認

4:工程管理

5:異物混入・汚染・混同防止

6:設備・機器管理

7:校正

8:動線

9:ゾーニング(区分)

10:防虫・防そ管理

11:作業着管理

12:衛生管理

13:環境管理

14:微生物学的モニタリング

15:バリデーション

16:教育訓練

17:エンドトキシン管理

18:無菌プロセスシミュレーション(Aseptic Process Simulation:APS)

19:清浄化(サニタイズ)

20:浮遊塵埃管理

21:滅菌管理

22:消毒剤等管理

(3) 生物由来

1:手順書類

2:製造指図書・記録書管理(DIを含む)

3:作業前確認

4:工程管理

5:異物混入・汚染・混同防止

6:設備・機器管理

7:校正

8:動線

9:ゾーニング(区分)

10:防虫・防そ管理

11:作業着管理

12:衛生管理

13:環境管理

14:微生物学的モニタリング

15:バリデーション

16:教育訓練

17:原料入手・取扱い・保管管理

18:ウイルス等の除去・不活化工程の製造管理

(4) 放射性

1:手順書類

2:製造指図書・記録書管理(DIを含む)

3:作業前確認

4:工程管理

5:異物混入・汚染・混同防止

6:設備・機器管理

7:校正

8:動線

9:ゾーニング(区分)

10:防虫・防そ管理

11:作業着管理

12:衛生管理

13:環境管理

14:微生物学的モニタリング

15:バリデーション

16:教育訓練

17:放射性原料入手・保管管理

18:放射線被爆確認管理

19:放射性物質廃棄管理

5.包装表示

1:手順書・記録書(DIを含む)

2:作業前確認

3:表示材料管理

4:工程管理

5:汚染・混同防止

6:施設及び設備の適格性確認

7:設備・機器管理

8:校正

9:衛生管理

10:作業着管理

11:動線

12:ゾーニング(区分)

13:防虫・防そ管理

14:環境管理

15:バリデーション

16:教育訓練

6.試験検査

1:手順書・記録書(DIを含む)

2:検体採取・検体管理

3:施設及び設備の管理(試験検査設備・装置の適格性評価・校正並びに試験検査方法の適格性評価)

4:設備・機器管理

5:校正

6:試薬・試液・標準品管理

7:試験用水管理

8:試験動物管理

9:試験検査結果判定・逸脱管理

10:合格ラベル・情報管理(合格情報を保管管理担当者等に伝達する場合等)

11:参考品・保存品管理

12:衛生管理

13:安定性モニタリング

14:バリデーション(分析法バリデーション)

15:委託試験管理

16:教育訓練

17:試験室環境管理

18:微生物試験管理

19:無菌試験管理

備考

※医薬部外品においては、DI、品質方針・品質目標、製品品質の照査、原料等の供給者管理、マネジメントレビュー・内部の情報伝達・資源の配分、品質リスクマネジメント、外部委託業者管理及び安定性モニタリングについては、非適用

2.9.調査資料

調査実施者が必要に応じて調査対象製造業者等から事前に入手できる資料としては別紙1に掲げるものが考えられる。調査内容や調査対象製造業者等の規模等により、適宜必要な資料を要求する等、調査を効率的に進める観点から必要な資料を事前に得て準備を進めること。承認前適合性調査又は初回輸出用医薬品等の製造に係る適合性調査の場合においては、品目(製品)に重点を置き、品目(製品)の製造販売承認申請又は輸出用製造届出において引用される原薬等登録原簿等、必要な情報の収集に努めること。また、立入検査等の場合においてもこれに準じて必要な情報の事前入手に努めること。

2.10.GMP調査情報の収集・分析等

厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、各当局のGMP調査の実施状況を一元管理するため、GMP調査結果報告書等の情報を収集及び管理するとともに、国と都道府県の薬事監視の連携体制の整備のため、「GMP調査結果報告書情報を用いた情報収集・蓄積・分析・共有等事業実施要領の策定について」(令和6年3月29日付け厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課事務連絡)の別紙「GMP調査結果報告書情報を用いた情報収集・蓄積・分析・共有等事業実施要領」(以下「GMP調査結果報告書情報収集等事業実施要領」という。)に基づき、GMP調査結果報告書情報の情報収集・蓄積・分析・共有等に係る事業を実施すること。

2.11.GMP/GCTP品質関連情報システム

厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、総合機構が運用するGMP/GCTP品質関連情報システムを通じて、2.10.のGMP調査結果報告書情報及びその他の調査情報等の収集を行うこと。収集した調査情報等は調査当局間で共有することとし、調査当局は、GMP調査の実施に当たり当該システムを活用することができること。

3.GMP調査の具体的手順

3.1.GMP調査

GMP調査は、事前準備、調査の実施、調査実施後の措置及び指導等、調査結果報告書(別紙2)の作成並びに報告書等の送付といった手順から構成される。具体的内容は以下のとおりであること。

3.2.基本方針の策定

調査当局は、調査の目的を明確にするほか、表1に掲げる事項及び別紙1の資料を踏まえ、調査の基本方針を決定すること。また、製造所の製品、製造工程の内容等から調査実施者の安全上懸念される事項がある場合においては、適切な措置(特定の薬剤に過敏症を有している者を当該薬剤の暴露を受ける可能性のある製品に係る調査から外すこと、放射性物質を扱う場所、放射線を放出する製品の試験検査を行う場所、放射線滅菌を行う場所等を調査させるに当たりフィルムバッジ、熱蛍光線量計(TLD)等を携帯させること、細菌、ウイルス等に感染のおそれのある場所、有毒ガスの発生のおそれのある場所等を調査させるに当たり製造所の衛生管理基準を遵守すること等注意徹底すること等)を講じること。

3.3.チーム編成

調査当局は、原則として1名以上の調査当局に所属する調査員及び必要に応じて関係する分野の専門家等を確保し、調査チームを編成(調査実施者間の専門性・経験の相互補完、調査実施者の安全確保の観点からも2名以上のチームとすることが望ましい。)すること。また、調査チームの中から調査実施責任者を指名し、調査の実施全般のほか、講評、指摘事項の伝達、調査結果報告書の作成を行わせること。なお、調査チームには、調査ごとに別添1のリーダー調査員の要件を満たす者を1名確保すること。

また、リーダー調査員の要件を満たす者の確保が難しい場合は、他の調査当局と連携し、他の調査当局から要件を満たす調査員を確保すること。

また調査チームとは別途、MRA対象国等の当局の職員、関連機関の職員等調査実施者ではない者が調査にオブザーバーとして参加することについては、調査を受ける製造所に係る製造業者等及び調査実施責任者が認める場合に限り可能であること。その際、調査当局は、オブザーバーに対し守秘義務の遵守等必要な事項を指示し、オブザーバーはこれに従うこと。

3.4.調査計画の策定

調査当局は、調査実施責任者に調査に関する情報を十分に収集、分析させ、調査チーム内で調査の進め方につき入念に意思疎通を図らせるとともに、利用可能な資源と時間を勘案の上で下記の事項等を盛り込んだ調査計画を立てさせること。調査計画については、必要に応じて調査対象製造業者等に伝達し、合理的かつ的確な調査の実施に努めるようにすること。また、調査計画の内容は調査の現場での状況に柔軟に対応できるようなものとし、変更があった場合においては調査対象製造業者等の責任者にその旨伝達すること。

(1) 調査実施者の氏名及び職名並びに調査における役割

(2) 調査の目的

(3) 調査日時・場所(別途書面調査を行うときはそれについての事項を含む。)

(4) 調査対象製造所(当該製造所に関連する外部試験検査機関等を併せて調査する場合(適合性調査の場合においては申請書、GMP調査指摘事項書、調査結果報告書のいずれも別になること。)においては併記しておくこと。調査対象製造所が複数の品質管理監督システムに関わっているときはいずれのシステムかを特定すること。)

(5) 調査において用いる言語(日本語とどの言語との通訳を手配するか)

(6) 調査の範囲①特定の品目(製品)の調査:調査対象サブシステム、それぞれにおける該当工程(必要に応じ作業所、区域、組織、文書・記録等を特定)②製造所全体の調査:調査対象サブシステム、それぞれにおける重要工程と代表製品

(7) 主たる調査事項ごとの所要時間(予定)

(8) 講評の時間(予定)

(9) 調査結果報告書の交付日(予定)

3.5.事前連絡

調査当局は、GMP調査を行うに当たり、必要な文書及び記録の効率的な閲覧、必要な職員の出席等を調査の際に確保し、合理的かつ的確な調査の実施に資することを目的として、原則として調査日、調査員数、更衣サイズ等の必要な情報をあらかじめ調査対象製造業者等に提供すること。外国製造業者からの申請に基づく区分適合性調査において、国内代理人が選定されている場合においては、当該国内代理人に対して事前連絡を行うものとし、当該国内代理人から調査対象製造業者等へ伝達するよう指示すること。なお、69条調査を行うに当たっては、法第69条第8項又は法第69条の2第5項の身分を示す証明書を携帯する職員以外の者が調査実施者として加わるときは調査開始前までに調査対象製造業者等の同意を得ること。

3.6.調査の手順

実地調査は、原則として次のような手順で進行する。

(1) 実地で調査を行うことの理解確保

(2) 調査基本事項確認

(3) 調査実施

(4) 講評、調査指摘事項書の交付

(5) 改善計画書及び改善結果報告書の徴収、改善内容確認(調査)

(6) 調査結果報告書作成、写しの交付、台帳記録(薬事監視指導要領に定める処分台帳への記録を含む。)

3.7.実地で調査を行うことの理解確保

製造所に立ち入るに当たっては、調査通知書(別紙3)を提示し、調査対象製造業者等から立入りについての理解を得ること。

3.8.調査の基本確認事項

(1) 調査対象製造業者等の責任者に対し、各調査実施者の氏名、職名及び所属を自己紹介、調査実施者と調査対象製造業者等双方の連絡窓口の確認

(2) 調査通知書を交付し、調査の目的と調査事項の説明

(3) 調査手順の説明

(4) 上記について、調査実施者と、調査対象製造業者等の責任者との間で確認

(5) 調査実施者のための資源(打合せのための会議室等)の確認

(6) 講評のための段取りの確認

(7) 調査実施者の打合せ時間、各日の調査終了予定時刻の決定

(8) 初回の調査の場合においては、基本的な申請事項等(調査対象製造業者等の氏名及び住所等)の確認

(9) 組織図、製造管理及び品質管理の概要(必要に応じて、品質方針等の概要)、前回調査以後の変更、前回調査時において不備とされた事項の改善の内容等について、調査対象製造業者等の責任者から概要説明

3.9.調査の実施

(1) 調査当局は、調査期間中の調査実施者からの照会等の連絡に対応できるような体制を整備しておくこと。

(2) 調査実施者は、友好的な雰囲気の醸成に努めること。

(3) 調査チームは、チームとしての能力を最大限発揮できるようにし、調査実施者間のお互いの意思疎通を図り(適宜席を外して意見交換を行うこと、調査チームが二手以上に分かれて別の場所を調査するときに調査実施責任者から他の調査実施者に対し調査のポイントを指示すること等)、対応・見解の整合性を確保すること。

(4) 調査実施責任者は、調査が複数の日にわたる場合においては、各日(最終日を除く。)の調査終了時に調査対象製造業者等の責任者に対し、調査が未了であることを伝達すること。調査通知書の交付は初日の1回のみで差し支えないが、調査が当初の予定よりも長い時間を要することが予想される場合においては、調査対象製造業者等の責任者に対しその旨をあらかじめ伝達すること。

(5) 調査実施者は、調査中に不備をみつけたときは、遅滞なく調査対象製造業者等の責任者にその旨の伝達がなされるようにし、講評時になってはじめて同責任者が知るということのないようにすること。

(6) 製造記録、教育訓練記録等の調査においては、利用可能な資源と時間の範囲内において、文書又は記録のサンプリングがリスク又は統計学的に妥当なものとなるよう努めること。

(7) 調査が効率的に進行するよう、調査の手順を適切に組み立てること。例えば、倉庫等のツアーを先に行って不合格や逸脱の事例等サンプリングのための情報を当初に確認しておくこと、用意に手間を要する文書記録類について早い段階で提出を指示すること等が挙げられる。

(8) 69条調査の調査実施者は、法第69条第8項又は法第69条の2第5項に基づき身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときはこれを提示しなければならないが、複写に応じてはならないこと。調査が拒まれ、妨げられ又は忌避され、調査に着手できない場合においては、調査通知書の裏面の記載事項を調査対象製造業者等に提示するとともに、そのような場合における法第87条第13号の罰則規定を含む法令の規定について説明すること。それでもなお調査に応じようとしない場合においては、調査通知書を交付してから調査対象製造所を離れ、直ちに調査権者に報告すること。なお、調査の実施中に製造工程、情報等の一部についての調査が拒まれ、妨げられ又は忌避された場合においては、上記法令の規定を説明した上で調査を続行すること。

(9) 調査実施者は、調査対象製造業者等から傷害の免責、企業秘密等の漏洩等について署名を求められた場合においては丁重に断ること。ただし、要請があったときはその旨を調査結果報告書その他に適切に記録しておくこと。

(10) 調査対象製造業者等から録音、録画等の許可を求められた場合においては、必ずしも拒否する必要はないが、調査実施者の記録の正確性を確保する観点から、調査実施者も録音を行う又は録音のコピー等の提出を求めることを調査対象製造業者等に伝えるものとすること。

(11) 調査の実施時に、調査実施者及び調査対象製造業者等の職員ではない外部の者が調査の場所に参加することは原則として認められないこと。特段の事情により外部の者の参加を認める場合においても、当該外部の者は調査に何ら影響を及ぼすことはできず、調査の実施に不適切な影響を及ぼす場合においては退出を求めること。また、調査実施者が調査において入手した企業秘密等が当該外部の者に漏洩しないよう細心の注意を払うこと。なお、外部の者による企業秘密等の漏洩については、調査実施者は何ら責任を負わないものであることを調査対象製造業者等に伝達すること。

(12) 不注意な言動等による他の製造所等に係る機密の漏洩等、調査権者の信頼を失墜させることのないよう慎重に行動すること。外部試験検査機関、滅菌を担当する製造所等、同一品目(製品)に係る製造所に対してであっても機密である情報があり得ることに留意すること。

(13) 調査期間中に調査実施者が作成した記録、撮影した写真(写真機の持込み等について製品の品質に影響を及ぼさないか製造業者等に確認すること)等について、調査対象製造業者等から複写させて欲しい旨の希望があった場合においては、その場では複写に応じず、後日情報公開手続きによるよう伝えること。

(14) 無菌操作を行う区域等に入る必要性がある場合においては、調査対象製造所における無菌管理の妥当性に十分留意の上、調査対象製造所の衛生管理に関する手順の遵守等必要な措置を採ること。

(15) 69条調査においては、試験検査のために必要な最少分量に限り試料の収去を行うことがあるが、収去する際は原則として調査対象製造所等で実施された試験検査結果の信頼性に関し十分な検討を行うこと。

また、収去した試料の試験検査の結果は調査対象製造業者等に連絡されるものであること等を念頭において実施すること。

3.10.講評

(1) 調査実施責任者は、調査時点において、調査チームが不備と判断した事項(以下「講評事項」という。)について調査対象製造業者等の理解を深めるための会合(以下「講評」という。)を開催すること。講評の中で、調査の全体を概括するとともに、講評事項を伝達し、当該事項について調査対象製造業者等の責任者との意見交換を行うこと。講評は、調査期間中に調査実施者が観察した事項について、調査対象製造業者等の適正な認識及び理解を確保することを目的として行うものであり、調査において把握した客観的事実に基づき説明をし、説明に対する質問には誠意をもって対応し、調査対象製造業者等も納得するよう努めること。講評事項の伝達は、不備のあった事項に限定して、明確に行うことを旨とすること。異なる作業所、作業区域等において見出された不備であっても共通のものについては、改善をより容易にする観点から適宜まとめること。なお、重度の不備と疑われる事項については、調査実施者単独で法令違反か否かを断定することはせず、持ち帰りあらためて連絡する等により、調査権者の判断に委ねること。

(2) 講評事項の説明を行う調査実施者は、適合性調査・確認又は69条調査以外の立入検査等においては総合機構又は都道府県の職員、69条調査においては法第69条第8項又は法第69条の2第5項の身分を示す証明書を携帯する職員であることを原則とすること。なお、調査通知書に記載した調査実施者(専門家を含む。)であって上記職員に該当しない者であっても、講評事項の内容について技術的説明を行うことはできるものであること。

(3) 講評事項のうち、調査対象製造業者等から調査期間中に是正した旨の報告があったときは、調査期間を不合理に延長させるものではない限りにおいて確認に応じることが望ましいこと。

(4) 講評の際に、調査対象製造業者等から改善の方法等について相談された場合においては、調査実施者は、自らの職務上責任をもって応じることができる場合を除き、対応することはせず、調査権者に対して別途照会するように指示すること。

3.11.不備事項の分類、GMP調査指摘事項書の交付

(1) 当該調査において確認された各講評事項について、改めて調査チームで内容を精査し、GMP適合性評価基準(別添3)に従って不備事項の分類を行うこと。

(2) 上記3.11(1)の不備事項の分類を基に、GMP調査指摘事項書(別紙4)を作成し、調査対象製造業者等の責任者に対し調査対象製造業者等あてGMP調査指摘事項書を調査最終日から原則として10業務日以内に交付するようにすること。この際、GMP適合性評価基準に定められたGMP調査指摘事項書の交付後、提出が必要となる文書、調査権者による適合状況の判定手順等について説明すること。なお、重度又は中程度の不備事項については、当該製造業者に対し、該当品目の製造販売業者に報告するよう促すこと。

(3) 調査当局は、GMP調査指摘事項書の写し等を、監視指導を行う部門等にも送付するなどして、回収の指示等の措置等に資するようにすること。指摘した不備がその他の製造販売業者にも関係する場合においては、薬事監視指導要領に定める手順に基づき当該製造販売業許可権者に適宜連絡をすること。

3.12.改善計画書、改善結果報告書の徴収、改善内容確認(調査)、適合状況の判定

(1) 調査実施責任者は、徴収した改善計画書又は改善結果報告書の提出を受けた場合は、速やかに内容を確認すること。

(2) 改善計画書又は改善結果報告書の内容が適切ではない場合においては、調査対象製造業者等に対し是正を指導し、なお是正されない場合においては、調査権者として薬事監視指導要領等に従い適切な措置を採るよう取り計らい、調査を終了すること。

(3) 改善内容確認(調査)を行った結果、改善が確認された場合においては、改善の契機となったGMP調査指摘事項書をもとに監視指導措置等が採られていたときは速やかに当該措置を採った関係部門に連絡すること。

(4) 改善計画書、改善結果報告書の徴収の際において、他の部門等が受領すべき書類(製造販売承認事項一部変更承認申請書、軽微変更届出書等)を受領しないよう注意すること。

(5) 調査部門の長は、GMP適合性評価基準に基づき適合状況の判定を行うこと。ただし、事前に得られた品質情報等に伴って実施した特別調査については、表2に示すように調査対象がその目的により極めて限定的になることが考えられるため、必ずしも適合判定を行わなくてもよい。また、適合状況の判定を行った結果、不適合である場合においては、薬事監視指導要領に従って措置を行うこと。なお、GMP調査において、適合状況の判定を行った結果、不適合である場合の対応については、3.14及び第5の3にも定めていることから留意すること。

3.13.調査結果報告書作成、写しの交付、調査結果通知等の送付

(1) 調査当局は、GMP調査を実施したときは、調査実施責任者に別紙2に示す様式により調査結果報告書を作成させること。

(2) 調査結果報告書の作成に当たっては、GMP調査指摘事項書に記載した不備事項について、調査実施者が調査において実際に確認した事実(不備事項については、その具体的な内容を含む。)をもとに、その原因(当該不備に係る責任者を含む。)について適宜言及し、要点を明瞭かつ簡潔に記載すること。

(3) 調査した部分(サブシステム含む)を記載すること。

(4) 可能な限り調査対象製造業者等にとって改善のための有用な情報となる記載とするよう努めること。個人的感想や自明の事項は極力記載しないようにすること(製造販売承認申請書、製造販売承認書又は輸出用製造届出書、引用された原薬等登録原簿等に記載された事項等については、番号等を引用することで足りる。)。調査実施責任者は、調査当局から措置の承認を得ることを前提に記載(例:調査当局の責任において行う監視指導上の措置を断定しないこと等)すること。調査そのものには関係しないが調査において得られた情報は、必要に応じ別途のメモ等により必要な部門等に連絡すること。

(5) 調査実施者は、不備とした事項の証拠が調査対象製造所の外部にあって証拠隠滅のおそれがあると認めるときは、迅速に調査当局に連絡すること。連絡を受けた調査当局は、製造販売業許可権者及び製造業許可権者への連絡等必要な措置を採ること。

(6) 調査当局は、調査結果報告書が総合判定として適合か不適合かについて明確に結論づけられていることを確実にすること。不適合とする場合においては、それに基づき採られる不利益処分において調査結果報告書が重要な証拠となることを十分に認識し、その記載に遺漏なきようにすること。

(7) 調査結果報告書においては、原則として、不利益処分、報告命令、告発等の法的措置の勧告等は行わないものとすること。

(8) 調査結果報告書の作成については、改善計画書又は改善結果報告書を受理し、その内容を確認後速やかに行うこと。

(9) 調査結果報告書の写しを、開示可能性に十分留意して、調査対象製造業者等に交付すること。なお、立入検査等の場合は、調査の目的等を勘案し、必ずしも調査結果報告書の写しを交付することを要しない。

(10) MRA、MOU等に基づく相手国等からの要請、証明書発給の際の内容確認等の理由により、厚生労働省及び総合機構より文書等で求めがあった場合においては、調査結果報告書の写しを速やかに送付すること。

(11) 調査結果報告書及び関連する記録については、各調査当局内の規定等に基づき、機密資料(MRA等締結国間での情報交換協定により要求される場合を除く。)として適切に保管すること。

(12) 調査当局は施行通知に基づき、調査した品目の製造販売業許可権者、製造販売承認権者及び製造販売業者又は製造業者に調査結果を通知すること(ただし、申請に基づく適合性調査・確認に限る。)。

(13) 調査当局は、区分適合性調査を行った結果、適合と判定された場合、施行通知に基づき、製造工程の区分ごとに、基準確認証を、調査対象となった製造所に係る製造業者に交付すること。

3.14.GMP調査において不適合判定を行う場合の対応

(1) 調査当局は、GMP適合性評価基準に基づき不適合と判定する場合、速やかに別紙6に示す様式によりGMP調査不適合連絡書を作成し、調査対象製造業者等に対し交付すること。なお、GMP調査不適合連絡書の交付に当たっては、事前に厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に当該交付を行う旨を連絡するものとする。また、第5の3に定める手順に従い、GMP調査不適合連絡書の公表に係る対応を行うこと。

(2) GMP調査不適合連絡書には、GMP適合性評価基準に基づき不適合と判定した理由について、当該判定の理由となった不備事項の背景や補足情報を含め明確かつ簡潔に記載し、調査対象製造業者等における自主的な改善のために有用な情報が記載されたものとなるよう努めること。

3.15.GMP調査の実施状況の報告

各当局のGMP調査の実施状況の一元管理及び第5に定める手順に基づく調査結果の公表の観点から、調査当局は、(1)から(3)までに定める対応を行うこと。

(1) 調査当局は、各年度のGMP調査の実施状況について、別紙7の1に示す様式により、翌年度4月30日までに厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)(情報の一元管理を総合機構に委託する場合を含む。以下(2)及び(3)において同じ。)に報告すること。

(2) 調査当局は、各年度の半期ごとに実施したGMP調査の適合結果(第5の2.2に定めるものに限る。)について、別紙7の2に示す様式により、当該期間の満了日の属する月の翌月末日(10月31日又は4月30日)までに厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に報告すること。

(3) 調査当局は、GMP調査結果報告書情報収集等事業実施要領に基づき、GMP調査結果報告書情報を厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に報告すること。

第5.GMP調査結果の公表に関する手順

1.目的

本手順は、調査当局が実施したGMP調査の結果について、調査対象製造業者等を明らかにした上で総合機構のウェブサイトに公表することにより、国際整合及びGMP調査の一層の透明性を確保することを目的とする。さらに、結果が不適合であった場合には、調査対象製造業者等に交付したGMP調査不適合連絡書の内容を公表することにより、製造業者における不正防止及びGMP管理の改善、調査対象製造業者等に関連する製造販売業者等による迅速な影響評価の実施等に資することを目的として定めるものである。

2.調査結果が適合であった場合の公表の手順

2.1.公表の方法

厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、調査当局が実施したGMP調査の結果が適合であった場合には、その調査結果を総合機構のウェブサイトに公表する。

2.2.公表の対象

公表するGMP調査の結果は、調査当局が実施したGMP調査のうち、適合性調査・確認(ただし、製造販売承認前適合性調査及び変更計画に係る適合性確認を除く。)の適合結果とする。

2.3.公表項目

GMP調査の結果の公表に際しては、調査対象製造業者等に係る以下の項目を公表するものとする。

・ 都道府県番号

・ 調査当局

・ 製造所等が所在する国・地域名

・ 製造所等が所在する都道府県名

・ 製造業者等の氏名(法人にあっては、名称)

・ 製造所等の名称

・ 製造所等の所在地

・ 許可、登録又は認定番号

・ 調査手法(実地調査又は書面調査)

・ 医薬品・医薬部外品の別

・ 実地調査開始日

・ 実地調査最終日

・ 調査結果

・ 調査結果通知日

2.4.具体的手順

(1) 厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、第4の3.15(1)に定める手順により調査当局から報告された別紙7の2を取りまとめ、2.2に定める公表の対象について、2.3に定める項目を公表するため、公表用の一覧表(以下「公表用リスト」という。)を作成する。

(2) 厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、調査当局に対し、公表用リストの事前確認を依頼し、依頼を受けた調査当局は確認結果を速やかに厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に報告する。

(3) 厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、調査当局が確認した公表用リストを公表するため、総合機構にこれを提供する。総合機構は、ウェブサイト(https://www.pmda.go.jp/)に公表用リストを掲載する。

3.調査結果が不適合であった場合の公表の手順

3.1.公表の方法

厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、調査当局が実施したGMP調査の結果が不適合であった場合は、調査当局が調査対象製造業者等に交付したGMP調査不適合連絡書の内容を総合機構のウェブサイトに公表する。

3.2.具体的手順

(1) GMP調査不適合連絡書の内容を総合機構のウェブサイトに公表するため、調査当局は、第4の3.14の手順に従って調査対象製造業者等に交付したGMP調査不適合連絡書について、公表に向けた資料(以下「GMP調査不適合連絡書(公表用)」という。)を厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に提出する。GMP調査不適合連絡書(公表用)の提出に際しては、アからエまでに定める対応を行うこととし、公表内容について調査対象製造業者等の同意が得られたものを提出すること。

ア.調査当局は、第4の3.14の手順に従ってGMP調査不適合連絡書を調査対象製造業者等に交付する際、調査対象製造業者等に対して、GMP調査不適合連絡書の公表に係る同意確認書(別紙8の1(ア))により、厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)が当該GMP調査不適合連絡書の内容を総合機構のウェブサイト上で公表することについての同意の可否を、交付日から原則10業務日以内に回答するよう求めること。また、当該GMP調査不適合連絡書を公表する場合においては、「妥当と判断される改善が認められなかった不備事項及び改善状況の概要」の記載内容について、個人情報又は企業の機密情報に係るマスキングを希望する箇所を同意確認書に記載させること。

イ.調査当局は、同意確認書により調査対象製造業者等から回答のあったマスキングの希望箇所の妥当性を検討し、調査対象製造業者等とマスキング箇所の調整を行うこと。調整終了後、必要な箇所についてマスキングを行うか、又は当該箇所の記載内容について符号等による置換えを行うことにより、GMP調査不適合連絡書(公表用)を作成すること。

ウ.調査当局は、調査対象製造業者等にGMP調査不適合連絡書(公表用)の記載内容の確認及びこれに係る同意書(別紙8の2)の提出を求めること。

エ.調査当局は、ウにおいて調査対象製造業者等から提出された同意書の写し及びGMP調査不適合連絡書(公表用)を厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に提出すること。

(2) (1)により調査当局からGMP調査不適合連絡書(公表用)の提出を受けた厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)は、当該GMP調査不適合連絡書の内容を公表することについて全調査当局に周知するとともに、これを公表するため、総合機構に当該GMP調査不適合連絡書(公表用)を提供すること。総合機構は、ウェブサイト(https://www.pmda.go.jp/)に当該連絡書を掲載すること。

(3) (1)のアにおいて、GMP調査不適合連絡書の内容を公表することについて調査対象製造業者等の同意が得られなかった場合には、(1)のイからエまで及び(2)の手順による公表は行わないこと。ただし、GMP適合性評価基準に基づき不適合と判定した理由に起因する不利益処分事案の公表や調査対象製造業者等自らによって当該判定の理由となった不備事項の公表が行われた場合には、当該GMP調査不適合連絡書に記載された事実が公となっていることから、GMP調査不適合連絡書の内容を公表することに係る同意は不要であるが、調査対象製造業者等に対し、GMP調査不適合連絡書の公表に係る希望書(別紙8の1(イ))を用いてマスキングを希望する箇所を提出させ、(1)のイの手順に準じ、GMP調査不適合連絡書(公表用)を作成すること。GMP調査不適合連絡書(公表用)作成後は、(1)のウ及びエ並びに(2)の手順に従うこと。

(4) 調査当局は、(2)又は(3)の手順によりGMP調査不適合連絡書(公表用)が公表された後、当該調査対象製造業者等を対象とするGMP調査を実施し、不備事項等の改善を確認し、GMP適合性評価基準に基づき適合と判定した場合には、当該調査に係る以下の情報を文書にて厚生労働省(医薬局監視指導・麻薬対策課)に報告すること。

・ 調査実施日

・ 調査の分類

・ 総合判定

・ 判定年月日

(5) 厚生労働省は、調査当局から(4)の手順による報告を受けた場合には、当該報告内容を総合機構に連絡し、当該調査対象製造業者等について、GMP調査においてGMP適合性評価基準に基づき適合と判定されたこと及びその判定年月日をウェブサイト上に公表すること。

別紙1(GMP調査の事前入手資料リストの例)

製造所から調査前に入手する資料リスト(検討例)

1.会社概要(事業内容、沿革、会社組織図、事業所等)

2.製造所概要(GMP組織図、責任者、従業員数※1、製造品目数※2等)

※1 人員配置が適切かどうかの認識とその根拠の説明を含む。

※2 医薬品・医薬部外品以外も含む。

3.対象品目情報(品質特性、原薬特性、原材料、保管条件、有効期間等)

4.製造所配置図(敷地全体の俯瞰図)

5.製造所の医薬品品質システムの概要

6.文書管理システムの概要(文書体系図、主要文書の一覧等)

7.全製造品目の一覧表(医薬品・医薬部外品以外も含む)

No.

品目名

原薬/中間体/バルク品/最終製品/その他の識別

強い薬理作用又は毒性の有無(ペニシリン、βラクタム系抗生物質、高感作性のステロイド類等)

調査対象品目との設備共有の有無

製造場所、製造ライン

ロットサイズ

直近の年間製造ロット数

















8.GMP適用全品目の安定性モニタリングの適切な実施を概説した資料

※ 製造販売承認前適合性調査の場合、安定性試験の実施計画を含む場合がある。

9.GMP適用全品目に係る原料等の供給者の管理の適切な実施を概説した資料

10.対象品目に係る作業エリアのレイアウト図

※ 作業室名、動線/環境管理区分/室間差圧、主要設備の配置がわかるもの。

11.対象品目の製造工程を概説した資料

※ 工程フロー図、工程管理試験、再加工・再処理の有無がわかるもの。

12.対象品目の製造記録の写し

13.対象品目の中間製品及び最終製品の規格

14.対象品目に係る技術移転や工業化研究の適切な実施を概説した資料(工業化研究において実施した検討事項(実生産条件検討、スケールアップ検討等)の一覧及び各種検討結果の概要を簡潔にまとめたもの)

※ 製造販売承認前適合性調査(新規又は一変)などの必要な場合に限る。CTD第2部(モジュール2)の品質に関する概括資料に相当する資料(2.3.P.2[製剤開発の経緯]等)を含めてもよい。

15.対象品目の直近の製品品質照査報告書の写し

16.対象品目に係るバリデーション関連資料

16.1 バリデーションマスタープランの写し

※ 製造販売承認前適合性調査などの必要な場合に限る。

16.2 プロセスバリデーション計画書/報告書の写し

※ 製造販売承認前適合性調査などの必要な場合に限る。

16.3 前回調査以降の無菌プロセスシミュレーションの結果概要

※ 無菌操作法による製造がある場合に限る。

16.4 洗浄管理及び洗浄バリデーションの適切な実施を概説した資料

16.5 定期的再バリデーションの年間計画

17.前回調査以降に発生した対象品目に係る変更/逸脱/品質情報/回収の一覧

18.対象品目に係るOOSの一覧

※ 全対象品目に係る前回調査以降に発生した全事案を含む。

19.その他

19.1 前回調査以降の自己点検/社内通報等で認知した法令違反の有無

19.2 GQP省令第10条に基づき製造販売業者が前回調査以降に実施した定期的な確認の履歴と概要(確認手段、実施日、認知した法令違反の有無等を含む)

※ 必要な場合に製造販売業者より入手する。

備考:

● 本リストは例であり、資料の事前入手が困難な事由があれば、必ずしもすべての資料を事前入手する必要はない。

● 前回調査から変更がない資料必ずしも事前入手する必要はない。一部に変更が生じた資料については、変更点を説明した資料を事前入手することも考えられる。

● 10、11、12、13、15、16、17については、代表品目に限定することも考えられる。

別紙2(調査結果報告書様式)

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別紙3(調査通知書様式)

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別紙4(指摘事項書様式)

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別紙5(改善計画書/改善結果報告書様式)

別紙6(不適合連絡書様式)

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別紙7の1(調査実施状況定期報告書様式)

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別紙7の2(調査結果一覧報告書様式)

別紙8の1(ア)(同意確認書様式)

別紙8の1(イ)(希望書様式)

別紙8の2(同意書様式)

別添1(調査員の要件)


調査員

リーダー調査員

シニア調査員

適格性基準

調査員として必要な知識が習得できていること。

①品目の特性に応じた調査計画の立案、指摘事項の評価、報告書の作成等が可能であること。

②観察事項に応じて柔軟に調査計画の変更ができること。

①品目の特性に応じた知識及びその調査手法が習得できていること。

②リーダー調査員を含めた調査員に対し、指導・教育訓練ができること。

評価方法

(注1)

調査当局の調査品質管理責任者により適格性が評価されること。

①リーダー調査員の要件の取得は分野別とし、5つの分野(化成原薬、非無菌製剤、無菌製剤(注6)、生物由来医薬品、包装表示保管)それぞれについて、評価を受ける分野ごとに適格性が評価されること。

②調査当局の調査品質管理責任者により適格性が評価されること。

①調査当局の調査品質管理責任者により適格性が評価されること。

認定要件

資質

①理系大学卒業相当以上の知識、技能を身に付けるために教育を受けていること。

②ISO19011に示される個人的資質を有すること。

①調査員としての要件を満たすこと。

②観察力、適応力、決断力が優れていること。

③認定を受ける分野での専門的な知識があること。

①リーダー調査員としての要件を満たすこと。

②実務能力があり、専門性があること。

③自律的、外交的な特質に秀でていること。

④認定を受ける分野での専門的な知識があること。

研修

(注2,3)

以下の項目について、40時間以上(現場教育含む。)の教育訓練を受けること。

①国内法規に関する教育(例:薬機法、日本薬局方、薬局等構造設備規則、GMP省令、バリデーション指針、PIC/Sガイドライン、通知等)

②GMPの概念とその実現方法

③調査手順に関する教育(例:調査要領、GMP調査、立入調査、収去の手順等)

以下の項目について、計画的に教育訓練を受けること。ただし、②~④については必要に応じ教育訓練の対象とすること。

①調査の技術に関する教育訓練(計画立案、指摘事項の評価及び報告書の作成方法(現場教育含む。))

②国際的動向に関する教育(例:ISO9000等の品質保証システムに関する理解、MRA及びその他の協定に関する知識、海外の規制状況の理解(EDQM、ICH、PIC/S、WHO))

③品目に応じた技術的知識(例:医薬品及び原薬製造所の製造技術、製造及び支援設備の特性、バリデーションの手法、分析技術、微生物学的知識)

④最新のGMP知識及び概念(例:医薬品開発・リスクマネジメント・医薬品品質システム等のICHガイドラインの理解、コンピュータ化システムの知識)

以下の項目について、教育訓練を受けること。

①教育訓練者としての知識及び技能教育訓練

②より高度な最新のGMP知識及び概念

経験

(注2,3)


以下の項目について、経験を有していること。

①GMP関連業務経験:

・薬事監視、承認審査、企業での医薬品品質保証業務・開発業務を含む業務経験(注4)が原則4年以上(薬剤師である場合にあっては原則2年以上)。このうち1年相当はGMP調査業務経験(注5)を必須とすること。

②GMP合同模擬査察(国立保健医療科学院において実施する合同査察演習を含む。)又は総合機構との合同調査(両調査当局が調査員として同一の製造所に立ち入ることをいい、調査への同行を含まない。)に1回以上参加すること。

③包装表示保管の分野を除き、全サブシステム(製造、試験、包装・表示、保管、原材料管理、品質システム)に係る調査を経験し、サブシステムに関する理解があると評価されること。

④認定を取得する分野(化成原薬、非無菌製剤、無菌製剤(注6)、生物由来医薬品、包装表示保管)について、5回以上の調査経験(合同模擬査察、調査同行等も含む。)を有すること。


継続評価

(注2,3)

年間計画に基づく教育訓練(個人学習、セミナー、勉強会、会議、現場教育等を含む年間10日間以上)を受けること。

①年間計画に基づく教育訓練(個人学習、セミナー、勉強会、会議、現場教育等を含む年間10日間以上)を受けること。

②リーダー調査員としての実地調査経験、適格性が評価されること。

①年間計画に基づく教育訓練(個人学習、セミナー、勉強会、会議、現場教育等を含む年間10日間以上)を受けること。

②シニア調査員及び講師等における経験、適格性が評価されること。

離職後の復帰要件

離職の間に変更のあった法令、ガイドライン及び手順書等の知識を習得すること。

①離職の間に変更のあった法令、ガイドライン及び手順書等の知識を習得すること。

②離職の間に変更のあった分野ごとの知識及び調査の遂行に必要な知識を習得すること。

①離職の間に変更のあった法令、ガイドライン及び手順書等の知識を習得すること。

②離職の間に変更のあった分野ごとの知識及び調査の遂行に必要な知識を習得すること。

留意点

注1:過去にGMP調査の経験を有する者において、教育訓練の記録が残されていない場合、必要となる教育訓練を再度実施し、適格性基準を満たすことが確認できれば該当の要件の取得が可能である。

注2:各都道府県に存在する製造業者の実態に応じ、必要となる分野のリーダー調査員の要件を満たせるよう教育訓練プログラムを計画すること。

注3:個人ごとの教育訓練記録を作成し、管理すること。

注4:薬事監視の業務経験には、QMS、GMP、GCTP、GQP、GVP、GCP、GLP、製造販売関連業務、許可関連業務、薬局や販売業関連業務、医薬品等の試験検査業務などが含まれる。また、国立保健医療科学院において実施する5週間の研修を修了した場合にあっては、1年間の薬事監視の業務経験に相当することとし、GMP調査業務経験には含まれないこととする。

注5:GMP調査業務経験は調査回数も考慮すること。

注6:放射性医薬品の分野については、無菌製剤の分野のリーダー調査員に必要となる教育訓練を実施した後、認定することで足りる。

別添2(公的認定試験検査機関の要件)

医薬品等の試験検査を実施する公的認定試験検査機関に求められる要件について

1.適用範囲

本規程では医薬品及び医薬部外品(以下「医薬品等」という。)の試験検査を行う公的認定試験検査機関に対し、この公的認定試験検査機関が適切に管理され、かつ提出される試験検査結果の妥当性を確保するための要件を定めるものである。

2.定義

一 公的認定試験検査機関とは、GMP調査権者から医薬品等の試験検査を受託する機関として、厚生労働省又は都道府県が本規程に基づいて認定した機関をいう。

二 試験に供される医薬品等(以下「検体等」という。以下同じ。)とは、厚生労働省、総合機構又は都道府県が採取及び入手した検体又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第69条第6項及び同法第69条の2第1項並びに同条第2項の規定により収去した検体をいう。

三 委託者とは、医薬品等の試験検査を委託する者(国の試験機関であれば厚生労働省、地方自治体の試験機関であれば都道府県)をいう。

3.組織

公的認定試験検査機関の長は、試験検査データの信頼性を確保するため、試験検査業務を担当する組織から独立した信頼性保証業務を担当する者又は部門(「信頼性保証業務を担当する組織」という。以下同じ。)を設置しなければならない。

4.職員

公的認定試験検査機関の長は、試験検査業務や信頼性保証業務を適正かつ円滑に実施しうるよう、試験検査業務や信頼性保証業務を担当する組織ごとにそれぞれ責任者を置かなければならない。

5.構造設備

公的認定試験検査機関は、受託する試験検査を実施するために必要な試験検査施設、試験検査設備及び関連する用役設備を有すること。

6.手順書等

公的認定試験検査機関の長は、試験所ごとに試験検査が適切に実施されるよう、次に掲げる手順に関する文書(以下「手順書等」という。)を作成し、これを保管しなければならない。

一 試験検査を受託する契約に関する取り決め事項

二 検体等の受け入れに関する手順

三 試験検査にかかる手順(衛生管理、校正、バリデーション等を含む)

四 試験成績書の発行に関する手順

五 試験検査結果の妥当性に関する情報及び不良等の処理に関する手順

六 変更の管理に関する手順

七 逸脱の管理に関する手順

八 自己点検に関する手順

九 教育訓練に関する手順

十 文書及び記録の管理に関する手順

十一 マネジメントレビューの実施に関する手順

十二 利益相反の確認等に関する手順

十三 その他試験検査を適正かつ円滑に実施するための手順

7.取り決め

公的認定試験検査機関の長は、検体等の試験検査の受託に関し委託者の長と取り決め(例えば、文書の保管、委託者による立入検査、業務改善等の指示等)を作成し、保管しなければならない。

8.試験検査

一 試験検査部門は、手順書等に基づき、検体等の試験検査にかかる業務を計画的かつ適切に行わなければならない。

二 試験検査にかかる検体採取、保管、試薬調製、試験検査作業、試験データの計算等について、その記録を作成し、これを保管しなければならない。

三 試験検査に関する設備及び器具を定期的に点検整備するとともに、その記録を作成し、これを保管しなければならない。また、試験検査に関する計器の校正を適切に行うとともに、その記録を作成し、これを保管しなければならない。

9.試験検査の成績書の発行

一 公的認定試験検査機関は、試験検査の結果を記載した試験検査成績書を作成し、委託者に交付するものとする。

二 公的認定試験検査機関の長は、試験検査成績書を交付するにあたっては、あらかじめ定めた部門に、手順書等に基づき、試験検査の結果を適切に評価し、試験検査成績書を作成させる業務を行わせなければならない。

10.試験方法の妥当性確認

公的認定試験検査機関の長は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 次の掲げる場合においては、試験方法の妥当性を確認すること。

イ 試験検査を新たに開始する場合

ロ 試験検査手順が大きな変更があった場合

二 定期的に試験方法の妥当性を確認すること。

11.変更の管理

公的認定試験検査機関の長は、試験検査手順等について、試験検査データに影響を及ぼすおそれのある変更を行う場合においては、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 当該変更が試験検査データに与える影響を評価し、その評価結果をもとに、当該変更を行うことについて信頼性保証業務を担当する組織の承認を受けるとともに、その記録を作成し、これを保管すること。

二 前号の規定により信頼性保証業務を担当する組織の承認を受けて変更を行うときは、関連する文書の改訂、職員の教育訓練その他所要の措置を講ずること。

12.逸脱の管理

公的認定試験検査機関の長は、試験手順等や試験検査データの規格からの逸脱が生じた場合においては、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 逸脱の内容を記録すること。

二 重大な逸脱が生じた場合においては、次に掲げる業務を行うこと。

イ 逸脱における試験検査データへの影響を評価し、所要の措置を執ること。

ロ イに規定する評価の結果及び措置について記録を作成し、保管するとともに、信頼性保証業務を担当する組織に対して文書により報告すること。

ハ ロの規定により報告された評価の結果及び措置について、信頼性保証業務を担当する組織の確認を受けること。

13.試験検査結果等の妥当性に関する情報及び不良等の処理

公的認定試験検査機関の長は、発行した試験検査成績書に関する苦情等を受けた場合、あらかじめ指定した者に手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 当該苦情等にかかる事項の原因を究明し、試験検査作業等に関して改善が必要な場合においては、所要の措置を講ずること。

二 当該苦情等の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した記録を作成し、保管するとともに、信頼性保証業務を担当する組織に対して文書により速やかに報告し、確認を得ること。

14.自己点検

公的認定試験検査機関の長は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 当該公的認定試験検査機関の試験検査業務全般について定期的に自己点検を実施すること。

二 自己点検の結果の記録を作成し、これを保管すること。

15.教育訓練

公的認定試験検査機関の長は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。

一 信頼性保証や試験検査業務に従事する職員に対して、必要な教育訓練を計画的に実施すること。

二 教育訓練の実施の記録を作成し、これを保管すること。

16.文書及び記録の管理

公的認定試験検査機関の長は、この規定で示した文書及び記録についてあらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる事項を行わせなければならない。

一 文書を作成し、又は改訂する場合においては、手順書等に基づき、承認、配布、保管等を行うこと。

二 手順書等を作成し、又は改訂するときは、当該手順書等の日付を記載するとともに、それ以前の改訂に係る履歴を保管すること。

三 この規定で示した文書及び記録は、取り決めに従い、保管すること。

17.マネジメントレビュー

公的認定試験検査機関の長は、手順書等に基づき、原則年度ごとにマネジメントレビューを実施し、品質管理監督システムが維持されていることを確認するとともに、生じた問題に対して、改善を図らなければならない。

18.利益相反の確認等

公的認定試験検査機関の長は、試験検査データの信頼性を確保するために、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる事項を行わせなければならない。

一 職員等に、各公的認定試験検査機関に規定されている倫理規定等を遵守させるとともに、利益相反に該当していないか原則年度ごとに確認を行うこと。

二 利益相反に該当する試験検査業務を担当させないよう配慮すること。

19.監督

公的認定試験検査機関は、年度ごとに、委託者に対し、本要件に適合していることの確認を求めなければならない。

別添3(GMP適合性評価基準)

GMP適合性評価基準

1.GMP省令への適合状況については、品目ごと又は製造工程の区分ごとに評価を行うこと。なお、品目又は製造工程の区分にかかわらず必要とされている事項についても、品目又は製造工程の区分に係る事項とみなして評価を行うこと。

2.不備事項の分類

評価に当たっては、調査により判明した事項ごとに、GMP省令に規定されている条項に抵触する事項又は製造管理・品質管理の運用上、完全を期すためより適切な運用への改善が必要な事項(以下「不備事項」という。)であるかを判断し、以下に示す基本的な考え方に従って分類する。なお、関連する事項を包括的に取り扱い、一つの不備事項として分類することは差し支えない。

(1) 重度(critical)の不備事項

認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触しており、以下のいずれかに該当する場合

・ 患者に有害な製品を製造した、あるいは有害な製品の製造につながる明白なリスクとなる場合

・ 製品あるいは記録について、製造業者による欺罔、虚偽の報告あるいは改竄が認められた場合

(2) 中程度(major)の不備事項

認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触しており、「重度の不備事項」に該当しない場合

(3) 軽度(other)の不備事項

認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触することが明らかとまでは言えないが、製造管理・品質管理の運用上、完全を期すためより適切な運用への改善が必要な事項である場合

3.適合状況の判定

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第14条第2項第4号(法第19条の2第5項において準用する場合並びに第80条第1項及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第96条において引用する場合を含む。以下同じ。)に対する該当性については、上記2.の要領により行った各事項の評価結果を用いて、以下に示す基本的な考え方に従って判定する。なお、適合性調査結果を「適合」と評価するためには、原則として、重要工程の予測的バリデーション(変更時のバリデーションを含む。)が完了している必要がある。

(1) 不備事項が認められなかった場合

製造所の製造管理及び品質管理の方法は、法第14条第2項第4号に該当しないものであり、「適合」と評価して差し支えない。

(2) 認められた不備事項が「軽度の不備事項」のみの場合

製造所の製造管理及び品質管理の方法は、法第14条第2項第4号に該当しないものであり、「適合」と評価して差し支えないが、各不備事項について、調査対象製造業者等に対してGMP調査指摘事項書により不備を指摘し、改善結果報告書又は改善計画書の提出を求めること。また、その内容を確認後、調査を完了とする。この場合、次回の定期適合性調査等の際に、改善状況について確認を行うこと。

(3) 認められた不備事項に「中程度の不備事項」がある場合

「中程度の不備事項」に関して、GMP調査指摘事項書の交付日から30業務日以内に調査対象製造業者等から、①詳細な改善結果報告書又は②具体的な改善計画書を提出させること。その内容を速やかに確認し、妥当と判断できない限りは、原則として適合状況を「不適合」として評価すること。①②の内容が妥当と判断できた場合には、適合状況を「適合」として評価して差し支えないが、②の提出をもって「適合」と評価した場合は、改善が完了した後、すみやかに改善結果報告書を提出させ、改善状況について確認を行うこと。また、「軽度の不備事項」については、(2)に準じて取り扱うこと。

(4) 認められた不備事項に「重度の不備事項」がある場合

「重度の不備事項」に関して、GMP調査指摘事項の交付日から15業務日以内に、調査当局が妥当と判断する改善を完了しない限りは、原則として適合状況を「不適合」として評価すること。改善が完了した場合には、適合状況を「適合」として評価して差し支えない。また、「中程度の不備事項」及び「軽度の不備事項」については、(2)及び(3)に準じて取り扱うこと。なお、不備事項に係る品目(製品)の自主回収に着手していたことをもって「重度の不備事項」の改善が認められるものではない。