添付一覧
○「医薬品添加物規格2018」の一部改正について
(令和6年3月28日)
(医薬発0328第1号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬局長通知)
(公印省略)
医薬品添加物の規格については、「医薬品添加物規格2018について」(平成30年3月29日付薬生発0329第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)の別添「医薬品添加物規格2018」(以下「薬添規2018」という。)として示しているところです。
今般、薬添規2018の一部を別添のとおり改正することとしましたので通知します。
また、今般の薬添規2018の一部改正の概要を下記のとおり示しますので、別添と併せて御了知の上、貴管下関係業者に対し、周知方よろしく御配慮願います。
記
第1 薬添規2018の一部改正の要旨について
1 一般試験法の改正については、次のとおりであること。
(1) 次の項目を改めたこと。
1) 試薬・試液
2 医薬品添加物各条の改正については、次のとおりであること。
(1) 次の品目の規格等を改めたこと。
1) アスパルテーム
2) アルファチオグリセリン
3) エチルセルロース水分散液
4) 塩化鉄(Ⅲ)水和物
5) 果糖ブドウ糖液糖
6) カルボキシメチルエチルセルロース
7) キサンタンガム
8) グリセロリン酸カルシウム
9) N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩
10) コロイド性含水ケイ酸アルミニウム
11) ジイソプロパノールアミン
12) ジエタノールアミン
13) α―シクロデキストリン
14) β―シクロデキストリン
15) ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩
16) ジブチルヒドロキシトルエン
17) 精製卵黄レシチン
18) タウマチン
19) トリイソプロパノールアミン
20) 2,2',2''―ニトリロトリエタノール
21) ヒドロキシプロピルスターチ
22) ヒドロキノン
23) ヒマワリ油
24) ブチルフタリルブチルグリコレート
25) フマル酸ステアリルナトリウム
26) フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物
27) マクロゴール200
28) マクロゴール300
29) マクロゴール600
30) マクロゴール1000
31) マクロゴール1540
32) メタンスルホン酸
33) リン酸水素カルシウム造粒物
第2 施行時期について
本通知は、令和6年3月28日から適用すること。ただし、令和7年9月30日までの間は、従前の例によることができるものとすること。
[別添]
「医薬品添加物規格2018について」(平成30年3月29日付け薬生発0329第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)の一部を次のように改正する。
一般試験法の部(3)試薬・試液の項α―ナフトール試液の条を次のように改める。
1―ナフトール試液* 1―ナフトール0.04gを水酸化ナトリウム溶液(13→100)に溶かし,100mLとする.用時製する.
<N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩>
医薬品添加物各条の部アスパルテームの条を次のように改める。
109295
アスパルテーム
Aspartame
α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニンメチルエステル
C14H18N2O5:294.30
本品は定量するとき,換算した乾操物に対し,アスパルテーム(C14H18N2O5)98.0~102.0%を含む.
性状 本品は白色の結晶性の粉末又は粒で,においはなく,強い甘味がある.
本品はギ酸に溶けやすく,水に溶けにくく,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
本品は薄めた塩酸(1→60)に溶ける.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3330cm-1,1737cm-1,1666cm-1,1379cm-1,1227cm-1及び699cm-1付近に吸収を認める.
旋光度 画像2 (8KB)
:+14.5~+16.5°(乾燥物に換算したもの2g,15mol/Lギ酸液,50mL,100mm).
この試験は溶液調製後,30分間以内に測定する.
pH 本品1.0gを水に溶かし,125mLとした液のpHは4.5~6.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品0.10gを薄めた塩酸(1→60)10mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 重金属 本品2.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(3) ヒ素 本品1.0gをとり,水20mL及び薄めた塩酸(1→2)2.5mLを加えて溶かし,検液とし,試験を行う(2ppm以下).
(4) 類縁物質 本品0.05gを移動相に溶かし,正確に100mLとし,試料溶液とする.別に液体クロマトグラフィー用5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸0.075gを移動相に溶かし,正確に100mLとする.この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う.それぞれの液の5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸のピーク面積AT及びASを測定するとき,ATはASより大きくない.また,試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法により主ピーク及び上記のピーク以外のピークの面積を求めるとき,その合計面積は主ピーク面積の2.0%以下である.
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径約4mm,長さ約15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物15.6gを1900mLの水に溶かし,リン酸又は希水酸化ナトリウム試液を加えてpHを4.5に調整する.これに水を加えて2000mLとした後,メタノール500mLを加えて混和し,孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いてろ過する.
流量:5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸の保持時間が約4分になるように調整する.
カラムの選定:本品0.075g及び5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸0.075gずつを水に溶かし,100mLとする.この液2mLをとり,水を加えて100mLとする.この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸,アスパルテームの順に溶出し,その分離度が10以上のものを用いる.
検出感度:標準溶液20μLから得た5―ベンジル―3,6―ジオキソ―2―ピペラジン酢酸のピークの高さがフルスケールの50~90%になるように調整する.
面積測定範囲:アスパルテームの保持時間の約2倍の範囲
乾燥減量 4.5%以下(1g,105℃,4時間).
強熱残分 0.20%以下(1g).
定量法 本品約0.3gを精密に量り,ギ酸3mLに溶かし,酢酸(100)50mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸1mL=29.431mg C14H18N2O5
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与,歯科外用及び口中用.
医薬品添加物各条の部アルファチオグリセリンの条を次のように改める。
109280
アルファチオグリセリン
α‐Thioglycerol
α―チオグリセリン
C3H8O2S:108.16
本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,アルファチオグリセリン(C3H8O2S)98.0%以上を含む.
性状 本品は無色~淡黄色澄明の粘性のある液で,特異なにおいがある.
本品は水又はエタノール(95)と混和し,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.
確認試験 本品の水溶液(1→100)5mLに水酸化ナトリウム試液2mL及び酢酸鉛試液1mLを加え,水浴上で加熱するとき,黒色の沈殿を生じる.
屈折率 画像4 (7KB)
:1.524~1.529
pH 本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは3.5~7.0である.
比重 画像5 (7KB)
:1.241~1.250
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを水10mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) ヒ素 本品1.0gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
水分 2.0%以下(0.5g,直接滴定,ただし,水分測定用メタノールの代わりに水分測定用メタノール30mLにN―エチルマレイミド10gを加えて溶かしたものを用いる).
強熱残分 0.10%以下(1g).
定量法 本品約0.4gを精密に量り,水50mLに溶かし,0.05mol/Lヨウ素液で滴定する(指示薬:デンプン試液3mL).
0.05mol/Lヨウ素液1mL=10.816mg C3H8O2S
貯法 容器 気密容器.
投与経路 静脈内注射,筋肉内注射,皮下注射.
医薬品添加物各条の部エチルセルロース水分散液の条を次のように改める。
120313
エチルセルロース水分散液
Ethylcellulose Aqueous Dispersion
本品はエチルセルロースを主成分とする水懸濁剤であり,エチルセルロースの微細な粒子(0.1~0.3μm)からなる水系高分子分散体で,エチルセルロース(日局),セタノール(日局)及びラウリル硫酸ナトリウム(日局)の混合物である.
本品の固形分濃度は28~32%であり,定量するとき,エチルセルロース24.5~29.5%を含むほか,セタノール(C16H34O:242.44)1.7~3.3%及びラウリル硫酸ナトリウム(C12H25NaO4S:288.38)0.9~1.7%を含む.
本品は殺菌剤として過酸化水素(H2O2:34.01)を含むことができ,その量は50ppm以下である.
性状 本品はやや粘稠な白色~灰白色の乳濁液で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがあり,味はない.
本品を常温で放置するとき,水とエチルセルロースの微細な粒子は分離しない.
確認試験
(1) 本品30mgに水1mL及びアントロン試液2mLを加えて振り混ぜるとき,液は緑色を呈し,徐々に暗緑色~暗緑褐色に変わる.
(2) 本品はナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
粘度
(1) 装置 ブルックフィールド型粘度計を用いる.
(2) 操作法 本品をかき混ぜ,少量サンプル用低粘度アダプターにその約20mLを入れ,試料溶液とする.ローターをジョイントに取り付けた後,アダプター保持具を取り付け,試料の入った少量サンプル用低粘度アダプターをアダプター固定用溝まで押し込み,固定する.ただし,試料溶液の温度は25±2℃とする.ローターの回転数は毎分3~30回転とし,フルスケールの10~90%に表示されるように設定する.30秒間回転後,目盛を読みとり,回転数に応じた換算乗数を乗じて粘度を求めるとき,150mPa・s以下である.
ブルックフィールド型粘度計
少量サンプル用低粘度アダプター
ローター
pH 4.0~7.0
乾燥減量 本品約5mLを質量既知のペトリ皿あるいはアルミニウムの皿にとり,その質量を精密に量る.ペトリ皿又はアルミニウム皿には予め110℃で3時間乾燥した海砂10gをとり,その質量を精密に量る.更に本品約5mLを加え,その質量を精密に量る.次に60℃で恒量になるまで乾燥し,デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後,その質量を精密に量るとき,その減量は68~72%である.
定量法
(1) エチルセルロース 本品約0.1gを精密に量り,次に示す操作法により試験を行う.
(i) 洗浄液 赤リン1gを水100mLに懸濁させる.
(ii) 吸収液 酢酸カリウム15gを酢酸(100)/無水酢酸混液(9:1)150mLに溶かし,その145mLを量り,臭素5mLを加える.用時製する.
(iii) 操作法 ガス洗浄部Eに洗浄液を約1/2の高さまで入れ,また,吸収管Jに吸収液約20mLを入れる.本品約0.1gを精密に量り,分解フラスコAに入れ,次に沸騰石とヨウ化水素酸約6mLを加える.Aのすり合わせ連結部Cをヨウ化水素酸1滴でぬらして空冷部Dに接続し,更に球面すり合わせ連結部Gを適当なシリコーン樹脂をつけて連結し,装置を組み立てる.ガス導入管Bより窒素又は二酸化炭素を通じ,適当な調節器を用いてE中に出る気泡が1秒につき2個程度になるように調節する.Aを油浴に浸し,浴の温度が20~30分後,150℃になるように加熱し,更に同温度で60分間煮沸する.油浴を外し,ガスを通したまま放冷し,冷後,Gを取り外し,Jの内容物を酢酸ナトリウム三水和物溶液(1→5)10mLを入れた500mLの共栓三角フラスコに流し出し,水で数回洗い込み,更に水を加えて約200mLとする.振り混ぜながら臭素の赤色が消えるまでギ酸を滴加した後,更に1mLを加える.次にヨウ化カリウム3g及び希硫酸15mLを加え,栓をして軽く振り混ぜ,5分間放置した後,遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mL=0.7510mg C2H5O
エチルセルロースのエトキシ基含有率は表示値を用いる.
エトキシ基定量装置
(2) ラウリル硫酸ナトリウム 本品約10gを精密に量り,1―ブタノール6mL及び水を加えてよくかき混ぜて正確に100mLとし,試料溶液とする.別にラウリル硫酸ナトリウム(日局)約0.15gを精密に量り,1―ブタノール6mL及び水を加えてよくかき混ぜて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10mLずつを正確に量り,それぞれに酸性メチレンブルー試液25mL及びクロロホルム15mLを加え,0.004mol/Lセチルトリメチルアンモニウム臭化物液で滴定する.滴定は初め1mLずつを加え,毎回栓をして激しく振り混ぜた後,静置する.二層の分離が早くなるに従い,毎回の滴定量を減らし,終点近くでは注意しながら1滴ずつ滴加する.ただし,滴定の終点は白色の背景を用い,両層の青色が同一となったときとする.
0.004mol/Lセチルトリメチルアンモニウム臭化物液の標定
A:標準溶液中のラウリル硫酸ナトリウムの量(mg)
B:滴定に用いた標準溶液の量(mL)
C:標準溶液に対する0.004mol/Lセチルトリメチルアンモニウム臭化物液の消費量(mL)
D:試料溶液に対する0.004mol/Lセチルトリメチルアンモニウム臭化物液の消費量(mL)
E:滴定に用いた試料溶液の量(mL)
F:試料採取量(g)
(3) セタノール セタノール約40mgを精密に量り,アセトンに溶かし,正確に20mLとする.この液2,3及び4mLを正確に量り,それぞれに内標準溶液5mLを正確に加え,振り混ぜた後,アセトンを加えてそれぞれ10mLとし,よく振り混ぜ,標準溶液とする.これらの液2μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い,セタノールの量と内標準物質のピーク面積に対するセタノールのピーク面積の比の検量線を作成する.次に本品約0.25gを精密に量り,内標準溶液5mLを正確に加え,振り混ぜた後,アセトンを加えて10mLとし,よく振り混ぜる.この液2μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するセタノールのピーク面積の比を求め,検量線により本品中のセタノール含量(%)を求める.
内標準溶液 n―エイコサンのアセトン溶液(1→1000)
操作条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径約3mm,長さ約2mのガラス管にガスクロマトグラフィー用ジメチルシリコーンポリマーをシラン処理した150~180μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に10%の割合で被覆したものを充填する.
カラム温度:220℃付近の一定温度
キャリヤーガス:窒素
流量:内標準物質の保持時間が10~12分になるように調整する.
カラムの選定:標準溶液2μLにつき,上記の条件で操作するとき,セタノール,内標準物質の順に流出し,その分離度が4以上のものを用いる.
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部塩化鉄(Ⅲ)水和物の条を次のように改める。
890039
塩化鉄(Ⅲ)水和物
Ferric Chloride
塩化第二鉄
FeCl3・6H2O:270.30
本品は定量するとき,塩化鉄(Ⅲ)水和物(FeCl3・6H2O)99.0%以上を含む.
性状 本品は黄褐色の結晶又は塊である.
本品は水に極めて溶けやすく,エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすい.
本品は湿気によって潮解する.
確認試験 本品の水溶液(1→10)は第二鉄塩及び塩化物の定性反応を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品2.0gに水10mL及び薄めた塩酸(2→3)0.3mLを加え,加温して溶かすとき,液は澄明である.
(2) 酸 本品2.0gを水5mLに溶かし,この液に薄めたアンモニア水(2→5)で湿したガラス棒を近づけるとき,白煙を発生しない.
(3) 遊離塩素 本品5.0gを100mLのビーカーにとり,時計皿で蓋をして5分間放置した後,ヨウ化亜鉛デンプン紙を近づけるとき,紙は青色を呈しない.
(4) オキシ塩化物 本品5.0gにエタノール(95)35mL及びジエチルエーテル15mLを加えて振り混ぜるとき,液の濁りは次の比較液より濃くない.
比較液:塩化物標準液1.2mLに水を加えて20mLとし,薄めた硝酸(1→3)1mL,デキストリン水和物溶液(1→50)0.2mL及び硝酸銀試液1mLを加えて15分間放置する.
(5) 硫酸塩 本品10.0gを水50mLに溶かし,煮沸した後,水50mL及びアンモニア水50mLの混液中に注ぎ,しばらく放置して冷却する.冷後,水を加えて200mLとし,ろ過する.ろ液をA液とする.A液40mLに炭酸ナトリウム試液5mLを加え,水浴上で蒸発乾固する.次にアンモニア臭がしなくなるまで低温で徐々に加熱し,次いで冷却する.冷後,水10mL及び薄めた塩酸(2→3)3mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,これに薄めた塩酸(2→3)0.3mL及び水を加えて30mLとし,必要ならばろ過する.ろ液にエタノール(95)3mL及び塩化バリウム溶液(1→10)2mLを加え,30分間放置した後の濁りは次の比較液より濃くない(0.005%以下).
比較液:アンモニア水10mLを水浴上で蒸発乾固し,これに炭酸ナトリウム試液5mL及び薄めた塩酸(2→3)3mLを加え,再び水浴上で蒸発乾固する.次に硫酸塩標準液10mL,薄めた塩酸(2→3)0.3mL及び水を加えて30mLとし,以下試料溶液と同様に操作する.
(6) 硝酸塩 (5)のA液10mLにインジゴカルミン試液0.1mL及び硫酸10mLを加えて振り混ぜ,10分間放置するとき,液の青色は消えない.
(7) 第一鉄塩 本品0.5gに水10mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム溶液(1→20)1滴を加えるとき,液は1分間以内に青色を呈しない.
(8) マンガン 本品0.5gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,試料原液とする.試料原液10mLに薄めた塩酸(2→3)1mL及び水を加えて100mLとし,試料溶液とする.別に試料原液10mL及びマンガン標準液2.5mLをとり,薄めた塩酸(2→3)1mL及び水を加えて100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行うとき,試料溶液の吸光度は標準溶液の吸光度の1/2以下である(500ppm以下).
使用ガス:可燃性ガス アセチレン又は水素
支燃性ガス 空気
ランプ:マンガン中空陰極ランプ
波長:279.5nm
(9) ナトリウム 本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.別に本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,ナトリウム標準液5.0mL及び水を加えて100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行うとき,試料溶液の吸光度は標準溶液の吸光度の1/2以下である(500ppm以下).
使用ガス:可燃性ガス アセチレン又は水素
支燃性ガス 空気
ランプ:ナトリウム中空陰極ランプ
波長:589.0nm
(10) 亜鉛 本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.別に本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,亜鉛標準液2.0mL及び水を加えて100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行うとき,試料溶液の吸光度は標準溶液の吸光度の1/2以下である(50ppm以下).
使用ガス:可燃性ガス アセチレン又は水素
支燃性ガス 空気
ランプ:亜鉛中空陰極ランプ
波長:213.9nm
(11) 銅 本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.別に本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,銅標準液5.0mL及び水を加えて100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行うとき,試料溶液の吸光度は標準溶液の吸光度の1/2以下である(50ppm以下).
使用ガス:可燃性ガス アセチレン又は水素
支燃性ガス 空気
ランプ:銅中空陰極ランプ
波長:324.7nm
(12) 鉛 本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.別に本品1.0gに水20mL及び薄めた塩酸(2→3)1mLを加えて溶かし,鉛標準液5.0mL及び水を加えて100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行うとき,試料溶液の吸光度は標準溶液の吸光度の1/2以下である(50ppm以下).
使用ガス:可燃性ガス アセチレン又は水素
支燃性ガス 空気
ランプ:鉛中空陰極ランプ
波長:283.3nm
(13) ヒ素 本品0.5gをとり,硝酸3mL,水10mL及び硫酸2mLを加え,水浴上でほとんど蒸発乾固し,更に白煙が発生するまで熱板上で加熱し,冷後,水10mLを加え,再び白煙が発生するまで熱板上で加熱する.冷後,残留物に水10mLを加え,加熱して溶かした後,亜硫酸水10mLを加え,二酸化硫黄臭がなくなるまで加熱する.冷後,水を加えて25mLとし,この液20mLを検液とし,試験を行う(5ppm以下).
標準色は硝酸3mL,水10mL及び硫酸2mLを水浴上でほとんど蒸発乾固し,更に白煙が発生するまで熱板上で加熱し,冷後,水10mLを加え,再び白煙が発生するまで熱板上で加熱する.冷後,残留物に水10mL及び亜硫酸水10mLを加え,二酸化硫黄臭がなくなるまで加熱する.冷後,水を加えて25mLとし,この液20mLをとり,ヒ素標準液2.0mLを加え,検液と同様に操作する.
定量法 本品約0.6gを精密に量り,ヨウ素瓶に入れ,水50mLに溶かし,塩酸3mL及びヨウ化カリウム3gを加え,直ちに密栓して暗所に15分間放置した後,0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mL=27.030mg FeCl3・6H2O
貯法
保存条件 遮光して保存する.
容器 気密容器.
投与経路 静脈内注射.
医薬品添加物各条の部果糖ブドウ糖液糖の条を次のように改める。
110714
果糖ブドウ糖液糖
Fructose Glucose Syrup
本品はコムギデンプン,トウモロコシデンプン,バレイショデンプン又はコメデンプンを加水分解して得た主としてブドウ糖からなる液糖に,グルコースイソメラーゼを作用させて異性化した果糖及びブドウ糖を主成分とする液糖である.
本品は定量するとき,換算した乾燥物に対し,果糖(C6H12O6:180.16)53.0~58.0%及びブドウ糖(C6H12O6:180.16)37.0~42.0%を含む.
性状 本品は無色澄明の粘性の液で,においはなく,味は甘い.
本品は水又はエタノール(95)と混和する.
本品の水溶液(1→10)は左旋性である.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→20)2~3滴を沸騰フェーリング試液5mLに加えるとき,赤色の沈殿を生じる.
(2) 本品の水溶液(1→20)10mLにレソルシノール0.1g及び塩酸1mLを加え,水浴中で3分間加熱するとき,赤色の沈殿を生じる.
pH 本品30.0gを水60mLに混和した液のpHは,3.8~5.8である.
純度試験
(1) 溶状 本品25.0gをネスラー管にとり,水を加えて50mLとするとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを新たに煮沸して冷却した水50mLに溶かし,フェノールフタレイン試液3滴及び0.01mol/L水酸化ナトリウム液0.60mLを加えるとき,液の色は赤色である.
(3) 塩化物 本品2.0gをとり,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸1.0mLを加える(0.018%以下).
(4) 硫酸塩 本品2.0gをとり,試験を行う.比較液には0.005mol/L硫酸1.0mLを加える(0.024%以下).
(5) 重金属 本品5.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(4ppm以下).
(6) ヒ素 本品2.0gを水5mLに溶かし,希硫酸5mL及び臭素試液1mLを加え,水浴上で5分間加熱し,更に濃縮して5mLとし,冷後,これを検液とし,試験を行う(1ppm以下).
(7) 溶性デンプン又は亜硫酸塩 本品1.0gを水10mLに溶かし,ヨウ素試液1滴を加えるとき,液は黄色を呈する.
(8) 類縁物質 定量法に準じて操作し,ブドウ糖のピーク面積AT1,果糖のピーク面積AT2及びこれら以外の類縁物質の合計ピーク面積AT3を求めるとき,AT3の量は全ピーク面積の総和(AT1+AT2+AT3)の6.0%以下である.
乾燥減量 25.0%以下(2g,減圧・2.7kPa以下,90℃,3.5時間).
強熱残分 0.05%以下(2g).
定量法 本品約5gを精密に量り,水に溶かし,正確に25mLとし,試料溶液とする.別に果糖標準品をデシケーター(減圧,シリカゲル,恒量)で乾燥し,その約2.1g及びブドウ糖標準品を105℃で6時間乾燥し,その約1.5gを精密に量り,水に溶かし,正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う.それぞれの液の果糖及びブドウ糖のピーク面積AT1,AT2,AS1及びAS2を自動積分法により測定する.
果糖(C6H12O6)の量(mg)=果糖標準品の量(mg)×AT1/AS1
ブドウ糖(C6H12O6)の量(mg)=ブドウ糖標準品の量(mg)×AT2/AS2
AT1,AS1:果糖のピーク面積
AT2,AS2:ブドウ糖のピーク面積
試験条件
検出器:示差屈折計
カラム:内径約8mm,長さ30~50cmのステンレス管に液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹樹脂を充填する.
カラム温度:約80℃付近の一定温度
移動相:水
流量:ブドウ糖の保持時間が約12分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ブドウ糖,果糖の順に溶出し,その分離度が1.5以上のものを用いる.
システムの再現性:上記の条件で標準溶液につき,試験を6回繰り返すとき,果糖及びブドウ糖のピーク面積の相対標準偏差は,それぞれ1.0%以下である.
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部カルボキシメチルエチルセルロースの条を次のように改める。
101246
カルボキシメチルエチルセルロース
Carboxymethylethylcellulose
本品はセルロースのカルボキシメチル及びエチルの混合エーテルである.
本品を乾燥したものは定量するとき,カルボキシメチル基(-CH2COOH:59.04)8.9~14.9%及びエトキシ基(-OC2H5:45.06)32.5~43.0%を含む.
性状 本品は白色~帯黄白色の粉末又は粒で,におい及び味はない.
本品は水にほとんど溶けない.
本品にエタノール(95)を加えるとき,僅かに白濁又は白濁した粘性の液となる.
本品にメタノール/ジクロロメタン混液(1:1)を加えるとき,澄明又は僅かに混濁した粘性の液となる.
本品は希水酸化ナトリウム試液に溶ける.
確認試験
(1) 本品0.01gに水1mL及びアントロン試液2mLを加えて振り混ぜるとき,液は緑色を呈し,徐々に暗緑色に変わる.
(2) 本品0.01gを小試験管にとり,25%含水過酸化ベンゾイルのアセトン溶液(1→10)2滴を加え,水浴上で蒸発乾固し,下端にクロモトロープ酸試液を付けたガラス棒をその小試験管にコルク栓で固定し,125℃の油浴中で5~6分間加熱するとき,クロモトロープ酸試液は赤紫色を呈する.
(3) 本品1gを希水酸化ナトリウム試液20mLに溶かし,硫酸銅(Ⅱ)試液1mLを加えて振り混ぜるとき,淡青色の綿状沈殿を生じる.
(4) 本品1gにメタノール/ジクロロメタン混液(1:1)50mLを加えて振り混ぜて溶かし,その0.5mLをとり,窓板に薄く塗り付け,熱風で乾燥して薄膜とし,赤外吸収スペクトル測定法の薄膜法により測定するとき,波数2980cm-1,2880cm-1,1760cm-1及び1112cm-1付近に吸収を認める.
粘度 本品を乾燥し,その10.0gをとり,メタノールとジクロロメタンをそれぞれ質量比で50%となるように混合した液90.0gを加え,栓をして40分間絶えず振り混ぜて試料を溶かし,20±0.1℃で粘度測定法第1法により試験を行うとき,本品の粘度は20~70mm2/sである.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gにメタノール/ジクロロメタン混液(1:1)10mLを加えて溶かすとき,液は無色~淡黄色澄明である.また,混濁することがあっても,その混濁は次の比較液より濃くない.
比較液:0.005mol/L硫酸2.0mLに希塩酸1mL,水45mL及び塩化バリウム試液2mLを加えて混和し,10分間放置した後,振り混ぜて用いる.
(2) 塩化物 本品1.0gに0.2mol/L水酸化ナトリウム試液40mLを加えて溶かし,フェノールフタレイン試液1滴を加えた後,その赤色が消えるまで激しくかき混ぜながら希硝酸を滴加する.更にかき混ぜながら希硝酸20mLを加える.生じたゲル状の沈殿が粒子状になるまで水浴上でかき混ぜながら加熱し,冷後,遠心分離する.上澄液をとり,沈殿を水20mLずつで3回洗い,毎回遠心分離し,上澄液及び洗液を合わせ,水を加えて200mLとし,ろ過する.ろ液50mLをとり試験を行う.比較液は0.01mol/L塩酸0.50mLに0.2mol/L水酸化ナトリウム試液10mL,希硝酸7mL及び水を加えて50mLとする(0.071%以下).
(3) 硫酸塩 本品0.5gに熱湯30mLを加えてよくかき混ぜ,水浴上で10分間加熱した後,熱時傾斜してろ過し,残留物を熱湯でよく洗い,洗液をろ液に合わせ,冷後,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液40mLをとり,希塩酸1mL及び水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は0.005mol/L硫酸0.40mLに希塩酸1mL及び水を加えて50mLとする(0.096%以下).
(4) 重金属 本品2.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(5) ヒ素 本品1.0gをとり,磁製るつぼに入れ,これに硝酸マグネシウム六水和物のエタノール(95)溶液(1→10)10mLを加え,エタノールに点火して燃焼させた後,徐々に加熱して灰化する.冷後,残留物に塩酸3mLを加え,水浴上で加温して溶かし,検液とし,試験を行う(2ppm以下).
乾燥減量 5.0%以下(1g,105℃,1時間).
強熱残分 0.5%以下(1g).
定量法
(1) カルボキシメチル基 本品を乾燥し,その約1gを精密に量り,正確に0.1mol/L水酸化ナトリウム液50mLを加えて溶かし,過量の水酸化ナトリウムを0.05mol/L硫酸で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン試液2滴).同様の方法で空試験を行う.
0.1mol/L水酸化ナトリウム液1mL=5.904mg C2H3O2
(2) エトキシ基 本品を乾燥し,その約25mgを精密に量り,次に示す操作法により試験を行う.
(i) 洗浄液 赤リン1gを水100mLに懸濁させる.
(ii) 吸収液 酢酸カリウム15gを酢酸(100)/無水酢酸混液(9:1)150mLに溶かし,その145mLを量り,臭素5mLを加える.用時製する.
(iii) 操作法 ガス洗浄部Eに洗浄液を約1/2の高さまで入れ,また,吸収管Jに吸収液約20mLを入れる.本品を乾燥し,その約25mgを精密に量り,分解フラスコAに入れ,次に沸騰石とヨウ化水素酸約6mLを加える.Aのすり合わせ連結部Cをヨウ化水素酸1滴でぬらして空冷部Dに接続し,更に球面すり合わせ連結部Gを適当なシリコーン樹脂をつけて連結し,装置を組み立てる.ガス導入管Bより窒素又は二酸化炭素を通じ,適当な調節器を用いてE中に出る気泡が1秒につき2個程度になるように調節する.Aを油浴に浸し,浴の温度が20~30分後,150℃になるように加熱し,更に同温度で60分間煮沸する.油浴を外し,ガスを通したまま放冷し,冷後,Gを取り外し,Jの内容物を酢酸ナトリウム三水和物溶液(1→5)10mLを入れた500mLの共栓三角フラスコに流し出し,水で数回洗い込み,更に水を加えて約200mLとする.振り混ぜながら臭素の赤色が消えるまでギ酸を滴加した後,更に1mLを加える.次にヨウ化カリウム3g及び希硫酸15mLを加え,栓をして軽く振り混ぜ,5分間放置した後,遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mL=0.7510mg C2H5O
エトキシ基定量装置
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部キサンタンガムの条を次のように改める。
109058
キサンタンガム
Xanthan Gum
本品は炭水化物をキサントモナス属菌Xanthomonas Campestrisを用いて発酵させ,精製した後,乾燥し,粉砕したもので,主としてD―グルコース,D―マンノース,D―グルクロン酸のナトリウム,カリウム及びカルシウム塩からなる多糖類である.
性状 本品は帯黄白色~淡黄褐色の粉末で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水又は熱湯に溶けやすく,エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品1gを温湯100mLにかき混ぜながら加えるとき,粘稠性のある液となる.
(2) 本品1.5gにローカストビーンガム末1.5gを加えて混合した後,あらかじめ80℃に加温した温湯300mL中に激しくかき混ぜながら徐々に加え,60℃で30分間かき混ぜた後,放冷して室温とし,更に2時間以上放置するとき,堅いゴム状のゲルを形成する.また,本品につき,ローカストビーンガム末を加えないで同様の操作を行うとき,液はやや粘稠性のある液となり,ゲルを形成しない.
粘度
(1) 装置 ブルックフィールド型粘度計を用いる.
ブルックフィールド型粘度計
(2) 操作法 本品の換算した乾燥物3.00gに対応する量を正確に量り,塩化カリウム3.00gと混合し,水294gを入れた500mLのビーカーに入れ,なるべく気泡が入らないように分散させ,更に2時間かき混ぜて溶かした後,気泡を除き,温度を25±0.5℃に調整し,試料溶液とする.ローターGをジョイントEに取り付け,気泡が付着しないようにして浸液マークFまで試料溶液中にローターを浸せきし,ローターを毎分60回転させる.30秒後に回転を停止させ,目盛Dを読み取り,換算乗数を乗じる.
3号ローター 換算乗数:20
本品の粘度は600mPa・s以上である.
pH 本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.0~8.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品0.5gを熱湯100mLによくかき混ぜて溶かすとき,不溶物を認めない.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) ヒ素 本品2.5gを分解フラスコにとり,硝酸20mLを加え,流動状となるまで穏やかに加熱する.冷後,硫酸5mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.必要ならば,冷後,更に硝酸5mLを加えて加熱する.この操作を液が無色~淡黄色となるまで繰り返す.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,再び白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて25mLとする.この液5mLを検液とし,試験を行う.ただし,比較液はヒ素標準液5.0mLを分解フラスコにとり,硝酸20mLを加え,以下,試料と同様に操作する(2ppm以下).
乾燥減量 15.0%以下(1g,105℃,2.5時間).
灰分 5.5~16.0%
ピルビン酸含量 本品0.6gをとり,水を加えて正確に100mLとする.この液10mLを正確に量り,1mol/L塩酸試液20mLを正確に加え,その質量を精密に量り,還流冷却器を付けて水浴上で3時間加熱する.冷後,フラスコ内容物の質量を還流前の質量に水で補正する.この液2mLを正確に量り,2,4―ジニトロフェニルヒドラジンの2mol/L塩酸試液溶液(1→200)1mLを正確に加えて振り混ぜ,5分間放置した後,酢酸エチル5mLずつで2回抽出する.酢酸エチル抽出液を合わせ,炭酸ナトリウム十水和物溶液(1→10)5mLずつで3回抽出する.全抽出液を合わせ,炭酸ナトリウム十水和物溶液(1→10)を加えて正確に100mLとし,試料溶液とする.別にピルビン酸0.30gをとり,水を加えて正確に100mLとする.この液1mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,2,4―ジニトロフェニルヒドラジンの2mol/L塩酸試液溶液(1→200)1mLを正確に加え,以下試料溶液と同様に操作し,比較液とする.これらの液につき,水を対照とし,波長375nmにおける吸光度を測定するとき,試料溶液の吸光度は比較液の吸光度より大きい.
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与,一般外用剤,殺虫剤.
医薬品添加物各条の部グリセロリン酸カルシウムの条を次のように改める。
001225
グリセロリン酸カルシウム
Calcium Glycerophosphate
C3H7CaO6P:210.14
本品を乾燥したものは定量するとき,グリセロリン酸カルシウム(C3H7CaO6P)98.0%以上を含む.
性状 本品は白色の粉末で,においはなく,僅かに苦味がある.
本品は冷水にやや溶けやすく,水にやや溶けにくく,熱湯,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
本品は希硝酸,希塩酸又は希酢酸に溶ける.
本品はやや吸湿性である.
確認試験
(1) 本品1gに5℃以下の水10mLを加え,よく振り混ぜて溶かし,この液5mLをとり,煮沸するとき,白色りん片状の結晶を析出する.また,この液3mLに酢酸鉛試液2~3滴を加えるとき,白色の凝乳状沈殿を生じ,これに硝酸3mLを追加するとき,沈殿は溶ける.
(2) 本品1gを150℃で4時間乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3400cm-1,1128cm-1,1088cm-1及び1020cm-1付近に吸収を認める.
(3) 本品の水溶液(1→50)はカルシウム塩の定性反応を呈する.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを水50mLに溶かすとき,液は無色で,濁りは次の比較液より濃くない.
比較液:塩化物標準液3.0mLに水10mL,薄めた硝酸(1→3)1mL,デキストリン水和物溶液(1→50)0.2mL及び硝酸銀試液1mLを加え,更に水を加えて50mLとし,振り混ぜた後,直射日光を避けて15分間放置する.
(2) エタノール可溶物 本品1.0gをとり,エタノール(99.5)25mLを加えて振り混ぜてろ過し,ろ液を水浴上で蒸発し,残留物を60℃で1時間乾燥するとき,その量は10mg以下である.
(3) アルカリ 本品1.0gを水60mLに溶かし,フェノールフタレイン試液5滴を加えて0.05mol/L硫酸で滴定するとき,その消費量は1.5mL以下である.
(4) 塩化物 本品0.25gをとり,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.50mLを加える(0.070%以下).
(5) 硫酸塩 本品0.5gをとり,試験を行う.比較液には0.005mol/L硫酸0.50mLを加える(0.048%以下).
(6) リン酸塩 本品1.0gを希硝酸10mLに溶かし,冷七モリブデン酸六アンモニウム試液10mLを加えて10分間放置するとき,液の濁度は次の比較液の濁度より濃くない(0.04%以下).
比較液:リン酸二水素カリウム0.192gを水100mLに溶かし,この液3.0mLをとり,希硝酸を加えて100mLとし,この液10mLをとり,冷七モリブデン酸六アンモニウム試液10mLを加えて10分間放置する.
(7) 重金属 本品1.0gを希酢酸3mLに溶かし,水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は鉛標準液2.0mLに希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする(20ppm以下).
(8) ヒ素 本品1.0gをとり,第2法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
乾燥減量 13.0%以下(1g,150℃,4時間).
定量法 本品を乾燥し,その約1gを精密に量り,3mol/L塩酸試液10mLに溶かし,水を加えて正確に50mLとする.この液10mLを正確に量り,水50mLを加え,水酸化カリウム溶液(1→10)10mLを加えて約1分間放置した後,NN指示薬0.1gを加え,直ちに0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液の赤紫色が青色に変わるときとする.
0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=10.507mg C3H7CaO6P
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩の条を次のように改める。
120017
N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩
N‐Cocoyl‐L‐Arginineethylester DL‐Pyrrolidonecarboxylate
本品はL―アルギニンとヤシ油又はパーム核油由来の脂肪酸とを縮合してエステル化し,更にDL―ピロリドンカルボン酸塩とした陽イオン界面活性剤である.
本品を乾燥したものは定量するとき,N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩(分子量519.5として)90%以上を含む.
性状 本品は白色の結晶性の粉末で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがある.
本品はメタノールに溶けやすく,水又はエタノール(95)にやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→1000)5mLに1―ナフトール試液0.5mLを加えてよく振り混ぜ,N―ブロモスクシンイミド試液0.5mLを加えるとき,液は赤色を呈する.
(2) 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3310cm-1,1745cm-1及び1640cm-1付近に吸収を認める.
pH 本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは4.5~6.5である.
純度試験 重金属 本品1.0gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
乾燥減量 3.0%以下(2g,105℃,3時間).
定量法 装置 図に示すものを用いる.接続部は,すり合わせにしてもよい.装置に用いるゴムは,すべて水酸化ナトリウム試液中で10分間煮沸した後,水でよく洗ってから用いる.
A:ケルダールフラスコ(容量約300mL)
B:アルカリ溶液注入用漏斗
C:ピンチコック付きゴム管
D:しぶき止め
E:冷却器
F:受器
G:小孔(径は,管の内径にほぼ等しい)
(数字はmmを示す)
操作法 本品を乾燥し,その約0.2gを精密に量り,ケルダールフラスコに入れ,これに粉末にした硫酸カリウム10g及び硫酸銅(Ⅱ)五水和物1gの混合物5.5gを加え,フラスコの首に付着した試料を少量の水で洗い込み,更にフラスコの内壁に沿って硫酸20mLを加える.次に泡だちがほとんどやむまで静かに加熱し,更に加熱を強めて沸騰させ,液が青色澄明となった後,更に2時間加熱する.冷後,水150mLを注意しながら加える.これに沸騰石を加えて装置を組み立てる.受器Fには0.05mol/L硫酸25mL及び水約50mLを入れ,冷却器Eの下端をこの液に浸す.漏斗Bから水酸化ナトリウム溶液(2→5)85mLを徐々に加え,更に少量の水で洗い込み,直ちにピンチコック付きゴム管Cのピンチコックを閉じ,フラスコを軽く揺り動かして内容物を混合した後,静かに加熱し,沸騰し始めたならば加熱を強めて,内容物の2/3容量が留出するまで蒸留する.冷却器の下端を液面からはなし,付着物を少量の水で洗い込み,過量の酸を0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(指示薬:ブロモクレゾールグリーン・メチルレッド試液3滴).同様の方法で空試験を行う.
0.05mol/L硫酸1mL=10.39mg N―ココイル―L―アルギニンエチルエステルDL―ピロリドンカルボン酸塩
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 一般外用剤.
医薬品添加物各条の部コロイド性含水ケイ酸アルミニウムの条を次のように改める。
110204
コロイド性含水ケイ酸アルミニウム
Colloidal Hydrous Aluminum Silicate
本品は天然に産するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムである.
性状 本品は白色~淡黄褐色の微細な粉末で,においはない.
本品は水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
本品は水に入れると膨潤する.
確認試験
(1) 本品0.5gに薄めた硫酸(1→3)3mLを加え,白煙が発生するまで加熱し,冷後,水20mLを加えてろ過し,ろ液5mLにアンモニア試液3mLを加えるとき,白色ゲル状の沈殿を生じる.これにアリザリンレッドS試液5滴を加えるとき赤色に変わる.
(2) (1)の残留物を水で洗い,メチレンブルー溶液(1→10000)2mLを加え,次に水で洗うとき,残留物は青色を呈する.
pH 本品1.0gに水20mLを加え,振り混ぜて懸濁した液のpHは9.0~10.5である.
純度試験
(1) 重金属 本品1.5gに水80mL及び塩酸5mLを加え,20分間よく振り混ぜながら穏やかに煮沸し,冷後,遠心分離し,上澄液をとり,沈殿を水10mLずつで2回洗い,毎回遠心分離し,上澄液及び洗液を合わせ,アンモニア水(28)を滴加し,沈殿が僅かに生じたとき,強く振り動かしながら希塩酸を滴加して再び溶かす.この液に塩化ヒドロキシルアンモニウム0.45gを加えて加熱し,冷後,酢酸ナトリウム三水和物0.45g,希酢酸6mL及び水を加えて150mLとする.この液50mLをとり,これを検液とし,試験を行う.比較液は鉛標準液2.5mLに塩化ヒドロキシルアンモニウム0.15g,酢酸ナトリウム三水和物0.15g,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする(50ppm以下).
(2) 異物 本品2.0gを乳鉢に入れ,水20mLを加えて膨潤させ,乳棒で均等に分散させた後,水を加えて100mLとする.この分散液を200号(75μm)ふるいを通し,水で洗い,ふるいの目の上を指でこするとき,砂を感じない.
乾燥減量 5.0~10.0%(2g,105℃,2時間).
ゲル形成力 本品6.0gを酸化マグネシウム0.30gと混ぜ,水200mLを入れた500mLの共栓シリンダーに数回に分けて加え,1時間揺り動かし,その懸濁液100mLを100mLのメスシリンダーに移し,24時間放置するとき,上層に分離する澄明液は2mL以下である.
膨潤力 本品2.0gをとり,水100mLを入れた100mLのメスシリンダーに10回に分けて加える.ただし,先に加えた試料がほとんど沈着した後,次の試料を加える.これを24時間放置するとき,器底の塊の見かけの容積は20mLの目盛り以上である.
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 一般外用剤.
医薬品添加物各条の部ジイソプロパノールアミンの条を次のように改める。
101860
ジイソプロパノールアミン
Diisopropanolamine
C6H15NO2:133.19
本品は主としてジイソプロパノールアミンからなる.本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,ジイソプロパノールアミン(C6H15NO2)94.0~105.0%を含む.
性状 本品は白色の結晶又は粉末で,僅かにアンモニアようのにおいがある.
本品は水,メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けやすい.
確認試験
(1) 本品1gに硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えるとき,液は青色を呈する.この液に水酸化ナトリウム試液5mLを加え,加熱濃縮して2mLとするとき,液の色は変化しない.
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(Ⅱ)試液1mL,水5mL及び塩化ナトリウム飽和溶液5mLを加えて振り混ぜるとき,液は暗赤色を呈する.これに3―メチル―1―ブタノール10mLを加えて振り混ぜるとき,3―メチル―1―ブタノール層は淡赤色を呈する.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用ジイソプロパノールアミン0.5gずつをエタノール(95)10mLに溶かし,試料溶液及び標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にエタノール(95)/メタノール/アンモニア水(28)/水混液(60:20:19:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにブロモクレゾールグリーンのエタノール(95)溶液(1→1000)を均等に噴霧した後,温風で乾燥するとき,試料溶液及び標準溶液から得たスポットの色調及びRf値は等しい.
純度試験
(1) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(2) ヒ素 本品2.5gに硝酸20mLを徐々に加えた後,流動状となるまで弱く加熱する.冷後,硫酸5mLを加え,褐色の煙が出なくなるまで加熱する.冷後,時々硝酸2~3mLずつを追加して液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて25mLとし,この液10mLをとり,これを検液とし,試験を行う(2ppm以下).
水分 1.0%以下(0.5g,直接滴定).
強熱残分 0.05%以下(2g).
定量法 本品約2gを精密に量り,水75mLに振り混ぜて溶かし,1mol/L塩酸で滴定する(指示薬:メチルレッド試液2滴).
1mol/L塩酸1mL=133.19mg C6H15NO2
貯法
保存条件 冷所に保存する.
容器 気密容器.
投与経路 一般外用剤.
医薬品添加物各条の部ジエタノールアミンの条を次のように改める。
101808
ジエタノールアミン
Diethanolamine
C4H11NO2:105.14
本品は主としてジエタノールアミンからなり,通例モノエタノールアミン及び2,2',2''―ニトリロトリエタノールを含む.
本品は定量するとき,ジエタノールアミン(C4H11NO2:105.14)として98.0~102.0%を含む.
性状 本品は無色~微黄色の粘性の液で,僅かにアンモニアようのにおいがある.
本品は水,メタノール又はエタノール(95)と混和し,ジエチルエーテルに溶けにくい.
本品は吸湿性である.
確認試験
(1) 本品1mLに硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えるとき,液は青色を呈する.この液に水酸化ナトリウム試液5mLを加え,加熱濃縮して2mLとするとき,液の色は変化しない.
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(Ⅱ)試液1mL,水5mL及び塩化ナトリウム飽和溶液5mLを加えて振り混ぜるとき,液は暗赤色を呈する.これに3―メチル―1―ブタノール10mLを加えて振り混ぜるとき,3―メチル―1―ブタノール層はほとんど着色しない.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用ジエタノールアミン0.20gずつをメタノール10mLに溶かし,試料溶液及び標準溶液とする.これらの液につき薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にエタノール(95)/メタノール/アンモニア水(28)/水混液(60:20:19:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにブロモクレゾールグリーンのエタノール(95)溶液(1→1000)を均等に噴霧した後,温風で乾燥するとき,試料溶液及び標準溶液から得たスポットのRf値は等しい.
屈折率 画像17 (7KB)
:1.470~1.480
比重 画像18 (7KB)
:1.089~1.096
pH 本品1.0gを水10mLに混和した液のpHは10.5~11.5である.
純度試験
(1) 溶状 本品5mLを水15mLに混和するとき,液は澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第1法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) 鉄 本品2.0gに水10mL及び塩酸3mLを加えて溶かし,ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.03g及び1―ブタノール性チオシアン酸カリウム試液10mLを加え,30秒間強く振り混ぜるとき,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:鉄標準液1.0mLをとり,以下同様に操作する(5ppm以下).
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
水分 0.5%以下(2g,直接滴定).
強熱残分 0.05%以下(2g).
定量法 本品約2gを精密に量り,水75mLを加えて振り混ぜた後,1mol/L塩酸で滴定する(指示薬:メチルレッド試液2滴).
1mol/L塩酸1mL=105.14mg C4H11NO2
貯法
保存条件 遮光して保存する.
容器 気密容器.
投与経路 静脈内注射,一般外用剤.
医薬品添加物各条の部α―シクロデキストリンの条を次のように改める。
110559
α―シクロデキストリン
α‐Cyclodextrin
(C6H10O5)6:972.84
本品はデンプンをcyclodextrin glycosyltransferaseで分解して得た環状のデキストリンである.
性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は僅かに甘い.
本品は水に溶けやすく,メタノール,エタノール(95),アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
融点:約260℃(分解).
確認試験 本品0.2gにヨウ素試液2mLを加え,水浴中で加温して溶かした後,室温に放置するとき,暗青緑色の沈殿を生じる.
旋光度 画像20 (8KB)
:+147~+152°(乾燥後,1g,水,100mL,100mm).
純度試験
(1) 溶状 本品0.5gに水10mLを加えて溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 塩化物 本品0.5gをとり,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.25mLを加える(0.018%以下).
(3) 重金属 本品2.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(5) 類縁物質 本品0.5gに水50mLを加え,水浴中で加温して溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィーによって試験を行う.試料溶液3μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に1―プロパノール/水/酢酸エチル/アンモニア水混液(6:3:1:1)を展開溶媒として約15cm展開した後,薄層板を風乾する.これにヨウ素のメタノール溶液(1→50)を均等に噴霧するとき,青紫色の単一のスポットを認める.
(6) 還元性物質 本品を105℃で4時間減圧乾燥し,その2.0gを正確に量り,水25mLを加えて溶かし,フェーリング試液40mLを加え,3分間穏やかに煮沸する.冷後,沈殿がなるべくフラスコ内に残るように注意しながら上澄液をガラスろ過器(G4)を用いてろ過し,沈殿を温湯で洗液がアルカリ性を呈しなくなるまで洗い,洗液は先のガラスろ過器を用いてろ過する.フラスコ内の沈殿に硫酸鉄(Ⅲ)試液20mLを加えて溶かし,これを先のガラスろ過器を用いてろ過した後,水洗し,ろ液及び洗液を合わせ,80℃に加熱し,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定するとき,その消費量は6.3mL以下である.
乾燥減量 12.0%以下(1g,減圧・0.67kPa以下,105℃,4時間).
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部β―シクロデキストリンの条を次のように改める。
108572
β―シクロデキストリン
β‐Cyclodextrin
(C6H10O5)7:1134.98
本品はデンプンをcyclodextrin glycosyltransferaseで分解して得た環状のデキストリンである.
性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は僅かに甘い.
本品は水にやや溶けにくく,メタノール,エタノール(95),アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
融点:約270℃(分解).
確認試験 本品0.2gにヨウ素試液2mLを加え,水浴中で加温して溶かした後,室温に放置するとき,黄褐色の沈殿を生じる.
旋光度 画像22 (8KB)
:+159~+164°(乾燥後,1g,水,100mL,100mm).
純度試験
(1) 溶状 本品0.5gに水50mLを加えて溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 塩化物 本品0.5gをとり,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.25mLを加える(0.018%以下).
(3) 重金属 本品2.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(5) 類縁物質 本品0.5gに水50mLを加え,水浴中で加温して溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィーによって試験を行う.試料溶液3μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に1―プロパノール/水/酢酸エチル/アンモニア水混液(6:3:1:1)を展開溶媒として約15cm展開した後,薄層板を風乾する.これにヨウ素のメタノール溶液(1→50)を均等に噴霧するとき,黄色の単一のスポットを認める.
(6) 還元性物質 本品を105℃で4時間減圧乾燥し,その1.0gを正確に量り,水25mLを加えて溶かし,フェーリング試液40mLを加え,3分間穏やかに煮沸する.冷後,沈殿がなるべくフラスコ内に残るように注意しながら上澄液をガラスろ過器(G4)を用いてろ過し,沈殿を温湯で洗液がアルカリ性を呈しなくなるまで洗い,洗液は先のガラスろ過器を用いてろ過する.フラスコ内の沈殿に硫酸鉄(Ⅲ)試液20mLを加えて溶かし,これを先のガラスろ過器を用いてろ過した後,水洗し,ろ液及び洗液を合わせ,80℃に加熱し,0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定するとき,その消費量は3.2mL以下である.
乾燥減量 12.0%以下(1g,減圧・0.67kPa以下,105℃,4時間).
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与,一般外用剤,歯科外用及び口中用.
医薬品添加物各条の部ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩の条を次のように改める。
890049
ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩
Dicyclohexylamine Nitrite
亜硝酸ジシクロヘキシルアミン
C12H23N・HNO2:228.33
本品を乾燥したものは定量するとき,ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩(C12H23N・HNO2)98.0%以上を含む.
性状 本品は白色の粉末である.
本品は水又はエタノール(95)にやや溶けやすく,酢酸(100)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.
本品は光によって徐々に褐色に変わる.
融点:約170℃(分解).
確認試験
(1) 本品0.1gを希硫酸5mLに溶かすとき,特異なにおいのある黄褐色のガスを発生し,少量の硫酸鉄(Ⅱ)七水和物の結晶を追加するとき,液は暗黄褐色を呈する.
(2) 本品の水溶液(1→10000)10mLに塩酸1mL及びスルファニルアミド溶液(1→500)5mLを加え,2~3分間放置した後,N―1―ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩溶液(1→1000)1mLを加えるとき,液は赤紫色を呈する.
pH 本品0.1gを水10mLに溶かした液のpHは6.0~7.0である.
乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,2時間).
定量法 本品を乾操し,その約0.13gを精密に量り,酢酸(100)70mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸1mL=22.833mg C12H23N・HNO2
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 殺虫剤.
医薬品添加物各条の部ジブチルヒドロキシトルエンの条を次のように改める。
005217
ジブチルヒドロキシトルエン
Dibutylhydroxytoluene
BHT
C15H24O:220.35
性状 本品は無色の結晶又は白色の結晶性の粉末若しくは塊で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがあり,味はない.
本品はN,N―ジメチルホルムアミド,アセトン,酢酸エチル,ジエチルエーテルに極めて溶けやすく,メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく,水にほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品5mgに5―ニトロソ―8―キノリノールの硫酸溶液(1→100)1~2滴を加えるとき,溶けながら黄色を呈し,次いで液は赤褐色となる.
(2) 本品のエタノール(95)溶液(1→30)1mLに希塩化鉄(Ⅲ)試液3~4滴を加えるとき,呈色しないが,更に2,2'―ビピリジルの小結晶を加えるとき,液は赤色を呈する.ただし,希塩化鉄(Ⅲ)試液は空試験で呈色しないものを用いる.
(3) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3610cm-1,1430cm-1,1230cm-1,1152cm-1及び865cm-1付近に吸収を認める.
吸光度 画像25 (7KB)
(278nm):82~88(0.025g,エタノール(95),500mL).
融点 69.5~72.0℃
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gにエタノール(95)10mLを加えて溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 硫酸塩 本品1.0gにN,N―ジメチルホルムアミド40mLを加えて溶かし,希塩酸1mL及びN,N―ジメチルホルムアミドを加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は0.005mol/L硫酸0.40mLに希塩酸1mL及びN,N―ジメチルホルムアミドを加えて50mLとする(0.019%以下).
(3) 重金属 本品1.0gにアセトン40mLを加えて溶かし,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は鉛標準液2.0mLにアセトン40mL,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする(20ppm以下).
(4) p―クレゾール 本品1.0gに水10mL及びアンモニア水(28)1mLを加え,時々振り混ぜながら水浴中で3分間加熱し,冷後,ろ過する.残留物を少量の水で洗い,ろ液及び洗液を合わせ,水を加えて100mLとし,試料溶液とする.試料溶液3.0mLをとり,ネスラー管に入れ,リンモリブデン酸n水和物のエタノール(95)溶液(1→20)1mL及びアンモニア試液0.2mLを加えて振り混ぜ,水を加えて50mLとし,10分間放置するとき,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:p―クレゾール溶液(1→100000)3.0mLをとり,ネスラー管に入れ,以下試料溶液と同様に操作する.
水分 0.2%以下(5g,直接滴定).
強熱残分 0.05%以下(2g).
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与,一般外用剤,経皮,舌下適用,直腸膣尿道適用,歯科外用及び口中用,殺虫剤.
医薬品添加物各条の部精製卵黄レシチンの条を次のように改める。
105692
精製卵黄レシチン
Purified Yolk Lecithin
精製卵黄リン脂質
本品はニワトリの卵黄から精製して得たレシチンで,定量するとき,換算した脱水物に対し,リン(P:30.97)3.5~4.2%及び窒素(N:14.01)1.6~2.0%を含む.
本品には安定剤として適切な型のトコフェロールを加えることができる.
性状 本品は白色~橙黄色の粉末又は塊で.僅かに特異なにおい及び緩和な味がある.
本品はクロロホルムに極めて溶けやすく,ジエチルエーテル又はヘキサンに溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けやすく,水又はアセトンにほとんど溶けない.
確認試験
(1) 定量法(1)で得た試料溶液は青色を呈する.
(2) 本品1.0gにジエチルエーテル5mLを加えて溶かし,アセトン15mLを加えるとき,白色~淡黄色の不溶物を生じる.
(3) 本品0.5gに薄めた塩酸(1→2)5mLを加え,水浴上で2時間加熱した後,ろ過し,試料溶液とする.別に塩化コリン0.1gに薄めた塩酸(1→2)を加えて溶かし,20mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にクロロホルム/メタノール/水混液(65:25:4)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット及び標準溶液から得たスポットは黄赤色を呈し,それらのRf値は等しい.
酸価 25以下.
ヨウ素価 60~82
純度試験
(1) 重金属 本品2.0gに水酸化ナトリウム試液10mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,弱く加熱して450~500℃で炭化する.冷後,硝酸2mLを加え,弱く加熱し,更に450~500℃で強熱し,灰化する.なお,炭化物が残るときは,硝酸少量で潤し,弱く加熱し,更に450~500℃で強熱し,灰化する.冷後,塩酸1mL及び硝酸0.5mLを加え,水浴上で蒸発乾固し,残留物に希塩酸1mL及び水15mLを加え,加温して溶かす.次にフェノールフタレイン試液1滴を加え,微赤色となるまでアンモニア試液を滴加し,希酢酸を加えて僅かに酸性とし,更に希酢酸2mLを加え,必要ならばろ過し,水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下).
(2) ヒ素 本品4.0gに水酸化ナトリウム試液40mL及び水20mLを加え,かき混ぜながら水浴上で1時間加熱した後,希硫酸30mLを加え,生じる不溶物をジエチルエーテル100mLずつで3回抽出して除き,水を加えて100mLとする.この液25mLをとり,水浴上で5mLになるまで濃縮する.これを検液とし,試験を行う(2ppm以下).
水分 4.0%以下(0.5g,直接滴定).
定量法
(1) リン 本品約0.5gを精密に量り,クロロホルムを加えて溶かし,正確に50mLとする.この液1mLを正確に量り,クロロホルムを加えて正確に50mLとする.この液1mLを正確に試験管に量り,水浴上で加熱し,クロロホルムを蒸発する.次に過塩素酸1.0mLを加え,試験管口にガラス玉を置き,液が無色澄明となるまで徐々に加熱する.冷後,水1.0mL,七モリブデン酸六アンモニウム・硫酸試液2.5mL及び1―アミノ―2―ナフトール―4―スルホン酸試液1.0mLを加え,水を加えて正確に20mLとした後,水浴中で10分間加熱し,冷後,試料溶液とする.別にリン酸標準液1mLを正確に試験管に量り,過塩素酸1.0mL,七モリブデン酸六アンモニウム・硫酸試液2.5mL及び1―アミノ―2―ナフトール―4―スルホン酸試液1.0mLを加え,以下試料溶液と同様に操作し,標準溶液とする.別に水1.0mLを試験管にとり,過塩素酸1.0mL,七モリブデン酸六アンモニウム・硫酸試液2.5mL及び1―アミノ―2―ナフトール―4―スルホン酸試液1.0mLを加え,以下試料溶液と同様に操作し,空試験溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,空試験溶液を対照として波長820nmにおける吸光度AT及びAsを測定する.
リン(P)の量(mg)=AT/As×20.38
(2) 窒素 本品約0.15gを精密に量り,窒素定量法により試験を行う.
0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mg N
貯法
保存条件 空気を窒素(日局)で置換して-20℃以下で保存する.
容器 気密容器.
投与経路 静脈内注射.
医薬品添加物各条の部タウマチンの条を次のように改める。
531009
タウマチン
Thaumatin
ソーマチン
本品はThaumatococcus daniellii Bentham(クズウコン科Marantaceae)の果実の仮種皮より酸性水で抽出し,pHを上げて沈殿物を除去し,精製して得られたもので,主としてタンパク質からなる.
本品を乾燥したものは定量するとき,窒素(N:14.01)15.0~18.0%を含む.
性状 本品は淡黄褐色~灰褐色の粉末又は薄片で,においはなく,味は極めて甘い.本品の水溶液(1→100000)でも甘味がある.
本品は水に溶けやすく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない.
本品は吸湿性である.
確認試験 本品の水溶液(1→100)2mLに,ニンヒドリン・酢酸緩衝液2mL及び硫酸ヒドラジニウム水溶液(13→25000)2mLを加え,水浴中で加熱するとき,液は青紫色を呈する.
吸光度 本品の水溶液(1→2000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長276~280nmに吸収の極大を示し,この波長における比吸光度は,換算した乾燥物に対し,11.8~13.4である.
pH 本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは2.5~4.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを水20mLに溶かすとき,液は淡褐色澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) アルミニウム 本品の換算した乾燥物2.0gに対応する量を精密に量り,弱く加熱して炭化する.冷後,硫酸少量を加え,白煙が生じなくなるまで注意して加熱した後,450~550℃で強熱して灰化する.冷後,0.2mol/L塩酸試液を加え,正確に25mLとし,試料溶液とする.別にアルミニウム標準原液適量を正確に量り,水を加えて1mL中にアルミニウム(Al:26.98)2.0~10.0μgを含むように薄め,アルミニウム定量用標準溶液とする.試料溶液及びアルミニウム定量用標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法により試験を行い,アルミニウム定量用標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて試料溶液のアルミニウム含量を求めるとき,100ppm以下である.
使用ガス:
可燃性ガス:アセチレン
支燃性ガス:亜酸化窒素
ランプ:アルミニウム中空陰極ランプ
波長:309.3nm
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(5) 炭水化物 本品の換算した乾燥物0.5gに対応する量を精密に量り,塩酸でpH3.0に調整した水に溶かし,正確に50mLとする.この液0.10mLをとり,システイン・硫酸試液6mLを正確に加え,水浴中で3分間加熱した後,冷水で5分間冷却し,試料溶液とする.別にブドウ糖適量を精密に量り,水を加えて1mL中にブドウ糖(C6H12O6:180.16)10~100μgを含むように薄め,これらの液につき,試料溶液と同様に操作し,標準溶液とする.試料溶液及び各標準溶液につき,塩酸でpH3.0に調整した水0.10mLを用いて同様に操作して得た液を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長400nmにおける吸光度を測定する.各標準溶液から得た吸光度から,縦軸を吸光度,横軸を濃度とする検量線を作成する.これに試料溶液から得られた吸光度をあてて試料溶液中のブドウ糖含量を求め,試料1g中の炭水化物(%)として計算するとき,3.0%以下である.
乾燥減量 9.0%以下(1g,105℃,3時間).
強熱残分 2.0%以下(1g,乾燥物換算).
定量法 本品を乾燥し,その約0.015gを精密に量り,窒素定量法により試験を行う.
0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mg N
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部トリイソプロパノールアミンの条を次のように改める。
107458
トリイソプロパノールアミン
Triisopropanolamine
C9H21NO3:191.27
本品は主としてトリイソプロパノールアミンからなり,通例ジイソプロパノールアミン及びモノイソプロパノールアミンを含む.
本品は定量するとき,トリイソプロパノールアミン(C9H21NO3)として95.0~105.0%を含む.
性状 本品は白色の結晶又は固体で,僅かにアンモニアようのにおいがある.
本品は水又はエタノール(95)に溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けにくい.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→5)1mLに硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えるとき,液は青色を呈する.この液に水酸化ナトリウム試液5mLを加え,加熱濃縮して2mLとするとき,液の色は変化しない.
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(Ⅱ)試液1mL,水5mL及び塩化ナトリウム飽和溶液5mLを加えて振り混ぜるとき,液は赤色を呈する.これに3―メチル―1―ブタノール10mLを加えて振り混ぜるとき,3―メチル―1―ブタノール層は赤色を呈する.
(3) 本品及び薄層クロマトグラフィー用トリイソプロパノールアミン0.20gずつをエタノール(95)10mLに溶かし,試料溶液及び標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にエタノール(95)/メタノール/アンモニア水(28)/水混液(60:20:19:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにブロモクレゾールグリーンのエタノール(95)溶液(1→1000)を均等に噴霧した後,温風で乾燥するとき,試料溶液及び標準溶液から得たスポットのRf値は等しい.
純度試験 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
水分 1.0%以下(0.5g,直接滴定).
強熱残分 0.05%以下(2g).
定量法 本品約2gを精密に量り,水75mLを加えて振り混ぜた後,0.5mol/L塩酸で滴定する(指示薬:メチルレッド試液2滴).
0.5mol/L塩酸1mL=95.63mg C9H21NO3
貯法 容器 気密容器.
投与経路 一般外用剤.
医薬品添加物各条の部2,2',2''―ニトリロトリエタノールの条を次のように改める。
523388
2,2',2''―ニトリロトリエタノール
2,2',2''‐Nitrilotriethanol
トリエタノールアミン
C6H15NO3:149.19
本品は主として2,2',2''―ニトリロトリエタノールからなり,通例ジエタノールアミン及びモノエタノールアミンを含む.
本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,2,2',2''―ニトリロトリエタノール(C6H15NO3)として99.0~105.0%を含む.
性状 本品は無色~淡黄色の粘性の液で,僅かにアンモニアようのにおいがある.
本品は水又はエタノール(95)と混和する.
確認試験
(1) 本品1mLに硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えるとき,液は青色を呈する.この液に水酸化ナトリウム試液5mLを加え,加熱濃縮して2mLとするとき,液の色は変化しない.
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(Ⅱ)試液1mL,水5mL及び塩化ナトリウム飽和溶液5mLを加えて振り混ぜるとき,液は赤色を呈する.これに3―メチル―1―ブタノール10mLを加えて振り混ぜるとき,3―メチル―1―ブタノール層は,ほとんど着色しない.
(3) 本品1mLを穏やかに加熱するとき,発生するガスは潤した赤色リトマス紙を青変する.
(4) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき,波数3370cm-1,2950cm-1,1455cm-1,1360cm-1,1283cm-1,1154cm-1,1038cm-1及び884cm-1付近に吸収を認める.
屈折率 画像28 (7KB)
:1.481~1.486
比重 画像29 (7KB)
:1.120~1.128
pH 本品1.0gを水10mLに混和した液のpHは10.5~11.5である.
純度試験
(1) 溶状 本品5mLを水15mLに混和するとき,液は澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第1法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) 鉄 本品2.0gに水10mL及び塩酸3mLを加えて溶かし,ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.03g及び1―ブタノール性チオシアン酸カリウム試液10mLを加え,30秒間強く振り混ぜるとき,液の色は次の比較液より濃くない.
比較液:鉄標準液1.0mLをとり,以下同様に操作する(5ppm以下).
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
水分 0.5%以下(2g,直接滴定,ただし,水分測定用メタノールの代わりに水分測定用メタノール30mLにサリチル酸5gを加えて溶かしたものを用いる).
強熱残分 0.05%以下(2g).
定量法 本品約2gを精密に量り,水75mLを加えて振り混ぜた後,1mol/L塩酸で滴定する(指示薬:メチルレッド試液2滴).
1mol/L塩酸1mL=149.2mg C6H15NO3
貯法
保存条件 遮光して保存する.
容器 気密容器.
投与経路 静脈内注射,一般外用剤,舌下適用,殺虫剤.
医薬品添加物各条の部ヒドロキシプロピルスターチの条を次のように改める。
008205
ヒドロキシプロピルスターチ
Hydroxypropyl Starch
本品はトウモロコシデンプンのヒドロキシプロピルエーテルである.
本品を乾燥したものは定量するとき,ヒドロキシプロポキシ基(―OC3H6OH:75.09)2.0~7.0%を含む.
性状 本品は白色~帯黄白色の粉末で,におい及び味はない.
本品を鏡検するとき,大小不同,球形,多角形又は粒である.
本品は水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品1gに水50mLを加えて煮沸し,放冷するとき,混濁したのり状の液となる.
(2) (1)ののり状の液5mLにヨウ素試液1~2滴を加えるとき,液は暗青紫色を呈する.
(3) 本品を105℃で6時間乾燥し,その0.1gに水80mLを加え,加熱して溶かした後,水を加えて100mLとする.この液1mLに硫酸8mLを冷却しながら加え,水浴中で3分間加熱した後,冷却し,ニンヒドリン・亜硫酸水素ナトリウム試液0.6mLを冷却しながら加え,振り混ぜた後,25℃で放置するとき,100分間以内に液は青紫色~紫色を呈する.
pH 本品1.0gに新たに煮沸し冷却した水50mLを加え,水浴中で15分間加熱し,室温に冷却した液のpHは5.0~7.5である.
純度試験
(1) 塩化物 本品1.0gをとり,水80mL及び硝酸4mLを加え,水浴中で20分間加熱し,冷後,水を加えて100mLとし,ろ過する.ろ液10mLに希硝酸6mL及び水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.40mLを加える(0.142%以下).
(2) 重金属 本品1.0gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(3) ヒ素 本品0.40gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(5ppm以下).
乾燥減量 15.0%以下(1g,105℃,6時間).
強熱残分 0.5%以下(1g).
定量法 ヒプロメロース(日局)の定量法を準用する.ただし,(ii)内標準溶液及び(iii)操作法は次のとおりとする.
(ii) 内標準溶液 n―オクタン2.0mLを量り,50mLのメスフラスコに入れ,o―キシレンを加えて50mLとする.
(iii) 操作法 本品を乾燥し,その約0.05gを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸0.1g,内標準溶液1.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え,密栓し,その質量を精密に量る.分解瓶を30秒間振り混ぜた後,加熱器を用い150℃で5分ごとに振り混ぜ,30分間加熱し,更に30分間加熱を続ける.冷後,その質量を精密に量り,減量が10mg以下のものの上層を試料溶液とする.別に105℃で6時間乾燥したトウモロコシデンプン(日局)0.05g,アジピン酸0.1g,内標準溶液1.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを分解瓶にとり,密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いて定量用ヨウ化イソプロピル30μLを加え,その質量を精密に量る.分解瓶を30秒間振り混ぜた後,試料溶液と同様に操作し,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液2μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い,ヨウ化イソプロピル及び内標準物質のピーク面積を求める.
ヒドロキシプロポキシ基(C3H7O2)の量(%)=AI/ASI×ASO/AO×WSI/試料の量(mg)×44.17
AI:試料溶液中のヨウ化イソプロピルのピーク面積.
AO:試料溶液中のn―オクタンのピーク面積.
ASI:標準溶液中のヨウ化イソプロピルのピーク面積.
ASO:標準溶液中のn―オクタンのピーク面積.
WSI:標準溶液中のヨウ化イソプロピルの量(mg).
操作条件
検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器
カラム:内径約3mm,長さ約3mのガラス管に,ガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンポリマーを180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に20%の割合で被覆させたものを充填する.
カラム温度:100℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:内標準物質の保持時間が7~10分になるように調整する.
加熱器:加熱器はマグネットスターラー付を用い,分解瓶にマグネット付のものを用いてもよい.
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部ヒドロキノンの条を次のように改める。
102977
ヒドロキノン
Hydroquinone
C6H6O2:110.11
本品を乾燥したものは定量するとき,ヒドロキノン(C6H6O2)99.0~103.0%を含む.
性状 本品は白色~灰白色の針状結晶で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがある.
本品はエタノール(95),2―プロパノール又はジエチルエーテルに溶けやすく,水にやや溶けやすい.
本品は希硫酸又は希酢酸に溶ける.
本品は光によって徐々に着色する.
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→500)10mLに塩化鉄(Ⅲ)試液3滴を加えるとき,液は青色を呈し,その色は直ちに消える.これにアンモニア試液を滴加するとき,液は褐色を呈し,褐色の沈殿を生じる.
(2) 本品の水溶液(1→500)5mLに硝酸銀・アンモニア試液5滴を加えて加熱するとき,液は銀鏡又は黒褐色の沈殿を生じる.
融点 171~174℃
純度試験
(1) 溶状 本品1.0gを薄めた酢酸(31)(1→20)20mLに溶かすとき,液は無色でほとんど澄明である.
(2) 重金属 本品1.0gを100mLの分解フラスコに入れ,硫酸5mL及び硝酸20mLを加えて穏やかに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加し,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,水10mL及びフェノールフタレイン試液1滴を加え,アンモニア試液を液が微赤色を呈するまで滴加し,必要ならばろ過し,水10mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は検液の調製と同量の試薬を用いて同様に操作し,鉛標準液3.0mLに希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする(30ppm以下).
(3) 鉄 本品1.0gをとり,硫酸5滴を加えて潤し,徐々に加熱してなるべく低温でほとんど灰化又は揮散させた後,更に硫酸で潤し,強熱して完全に灰化する.冷後,残留物に塩酸0.5mLを加え,水浴上で蒸発乾固した後,希塩酸3滴を加えて加温し,水を加えて25mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は検液の調製と同量の試薬を用いて同様に操作し,鉄標準液3.0mLに水を加えて25mLとする(30ppm以下).
(4) ヒ素 本品0.40gを100mLの分解フラスコに入れ,硫酸2mL及び硝酸5mLを加えて穏やかに加熱する.更に時々,硝酸2~3mLずつを追加し,液が無色~微黄色になるまで加熱を続ける.冷後,シュウ酸アンモニウム飽和溶液15mLを加え,白煙が発生するまで加熱する.冷後,水を加えて10mLとし,これを検液とし,試験を行う(5ppm以下).
(5) 類縁物質 本品0.010gを2―プロパノール/水/アンモニア水(28)混液(9:3:1)1mLに溶かした後,亜硫酸水素ナトリウム0.1gを加えて振り混ぜ,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液1μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にイソプロピルエーテル/アセトン/2―プロパノール混液(10:1:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにリンモリブデン酸n水和物のエタノール(95)溶液(1→5)を均等に噴霧し,120℃で2~3分間加熱するとき,主スポット以外の青色~青紫色のスポットを認めない.
乾燥減量 0.30%以下(2g,シリカゲル,4時間).
強熱残分 0.30%以下(2g).
定量法 本品を乾燥し,その約0.1gを精密に量り,0.05mol/L硫酸試液20mL及び水70mLを加えて溶かし,水を加えて正確に100mLとする.この液50mLを正確に量り,水50mLを加え,0.1mol/L硫酸四アンモニウムセリウム(Ⅳ)液で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L硫酸四アンモニウムセリウム(Ⅳ)液1mL=5.506mg C6H6O2
貯法
保存条件 遮光して保存する.
容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部ヒマワリ油の条を次のように改める。
107034
ヒマワリ油
Sunflower Oil
サンフラワー油
本品はヒマワリHelianthus annuus Linn画像31 (7KB)
(Compositae)の種子を圧搾又は抽出して得た脂肪油である.
性状 本品は淡黄色の澄明な粘性の液で,僅かに特異なにおい及び苦みがある.
本品はジエチルエーテルと混和し,エタノール(95)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない.
本品は約-15℃で凝固する.
比重 画像32 (7KB)
:0.915~0.921
酸価 0.5以下.
けん化価 186~194
不けん化物 1.5%以下.
ヨウ素価 125~136
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部ブチルフタリルブチルグリコレートの条を次のように改める。
008408
ブチルフタリルブチルグリコレート
Butylphthalylbutylglycolate
C18H24O6:336.38
本品を乾燥したものは定量するとき,ブチルフタリルブチルグリコレート(C18H24O6)99.0%以上を含む.
性状 本品は無色澄明の油状の液で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがある.
本品はエタノール(95),アセトン又はジエチルエーテルと混和し,水にほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品4gに希水酸化カリウム・エタノール試液100mLを加え,還流冷却器を付けて水浴上で1時間加熱する.これを検液とし,検液0.5mLをとり,クロモトロープ酸二ナトリウム二水和物20mg及び硫酸2mLを加え,小火炎で静かに加熱するとき,液は紫色を呈する.
(2) (1)の残りの検液を蒸留し,残留物がアメ状となったとき,蒸留をやめる.次いで留液を精留し,水10mL及びブロムフェノールブルー試液2滴を加え,液が黄色となるまで希硫酸を加えた後,一夜冷所に放置するとき,結晶が析出する.この結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,水洗し,初めは熱湯で,次にメタノールを溶媒として再結晶した後,融点を測定するとき,189~193℃(封管中)である.
屈折率 画像34 (7KB)
:1.487~1.493
比重 画像35 (7KB)
:1.097~1.107
純度試験
(1) 酸 本品20.0gに中和エタノール25mLを加え,よく振り混ぜた後,0.02mol/L水酸化ナトリウム液2.0mLを加えるとき,液の色は赤色である.
(2) 塩化物 本品0.5gを磁製るつぼにとり,炭酸カルシウム0.7g及び少量の水を加えてよく混ぜ合わせ,100℃で乾燥した後,600℃で10分間強熱する.冷後,残留物を希硝酸20mLに溶かし,ろ過し,不溶物を水15mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.50mLを加える(0.036%以下).
(3) 重金属 本品1.0gをアセトン25mLに溶かし,水2mL,希酢酸2mL及び硫化ナトリウム試液2滴を加えるとき,液は濁らない.また,液の色はアセトン25mLに希酢酸2mL,鉛標準液2.0mL及び硫化ナトリウム試液2滴を加えた液の色より濃くない(20ppm以下).
(4) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(5) 硫酸呈色物 本品0.5gをとり,試験を行う.液の色は色の比較液Fより濃くない.
乾燥減量 1.0%以下(1g,125℃,3時間).
強熱残分 0.05%以下(5g).
定量法 本品を乾燥し,その約1gを精密に量り,あらかじめ正確に0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール液25mLを入れた200mLのフラスコに入れ,還流冷却器を付けて水浴上で2時間加熱し,冷後,過量の水酸化カリウムを0.5mol/L塩酸で滴定する(指示薬:フェノールフタレイン試液4滴).同様の方法で空試験を行う.
0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール液1mL=56.06mg C18H24O6
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部フマル酸ステアリルナトリウムの条を次のように改める。
120336
フマル酸ステアリルナトリウム
Sodium Stearyl Fumarate
C22H39NaO4:390.53
本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,フマル酸ステアリルナトリウム(C22H39NaO4)99.0~101.5%を含む.
性状 本品は白色の結晶性の粉末で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがあり,味はない.
本品はエタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けにくく,水,クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
確認試験
(1) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数2950cm-1,2920cm-1,2850cm-1,1720cm-1,1610cm-1,1313cm-1,1186cm-1,980cm-1及び665cm-1付近に吸収を認める.
(2) 本品はナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
けん化価 142~146(脱水物に換算).
本品約0.45gを精密に量り,300mLのフラスコに入れ,正確に0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール液50mLを加えた後,還流冷却管を付け,水浴中でしばしば振り混ぜて2時間穏やかに加熱する.冷後,エタノール(99.5)20mL及び水40mLを加え,よく振り混ぜた後,フェノールフタレイン試液1mLを加え,直ちに過量の水酸化カリウムを0.1mol/L塩酸で滴定する.ただし,冷時濁りを生じるときは,温時滴定する.同様の方法で空試験を行う.
a:空試験における0.1mol/L塩酸の消費量(mL)
b:試料を用いたときの0.1mol/L塩酸の消費量(mL)
純度試験
(1) 重金属 本品1.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(20ppm以下).
(2) ヒ素 本品1.0gをとり,第3法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(3) 類縁物質 本品0.10gをクロロホルム/酢酸(100)混液(4:1)5mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,クロロホルム/酢酸(100)混液(4:1)を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にシクロヘキサン/酢酸エチル/メタノール/酢酸(100)混液(13:6:1:1)を展開溶媒として約15cm展開した後,薄層板を風乾する.これにリンモリブデン酸n水和物の酢酸(100)/硫酸混液(20:1)溶液(1→20)を均等に噴霧し,140℃で10分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポット及び原点のスポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない.ただし,この試験には,メタノールを用いてあらかじめ上端まで展開し,風乾後,デシケーター(シリカゲル)で2時間風乾した薄層板を用いる.
水分 5.0%以下(0.05g,直接滴定).
定量法 本品約0.6gを精密に量り,クロロホルム8mLを加え,更に酢酸(100)140mLを加え,加温して溶かし,冷後,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸1mL=39.05mg C22H39NaO4
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物の条を次のように改める。
122117
フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物
Fumaric Acid, Stearic Acid, Polyvinylacetal Diethylaminoacetate and Hydroxypropylmethylcellulose 2910 Mixture
本品は「フマル酸」,ステアリン酸(日局)及び「ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート」を水に分散させ,更にヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(日局)を混合し,造粒,乾燥して製したものである.
本品は定量するとき,フマル酸(C4H4O4:116.07)1.5~2.3%,ステアリン酸12~17%,ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート16~26%及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 50~75%を含む.
性状 本品は微黄白色~淡黄色の粒状で,においはないか,又は僅かに特異なにおいがある.
本品1gを水,メタノール又はエタノール(95)10mLに溶かすとき,粘性のある白濁の液となる.
確認試験
(1) 本品1.6gをとり,ジエチルエーテル30mLを加えて10分間振り混ぜた後,毎分約3000回転で5分間遠心分離する.残留物は更にジエチルエーテル30mLを用いて同様に操作し,上澄液は先の上澄液と合わせ,水浴上で蒸発乾固した後,残留物に2―メトキシエタノール10mLを加えて溶かし,試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用フマル酸0.3gをとり,2―メトキシエタノール100mLを加えて溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う.試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次にジエチルエーテル/水/ギ酸混液(90:3:2)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット及び標準溶液から得たスポットのRf値は等しい.
(2) 定量法(2)ステアリン酸で得られた質量測定後の試料につき,融点測定法第2法により測定するとき,融点は56~72℃である.
(3) 本品0.1gをとり,チオシアン酸コバルト試液20mL及びジクロロメタン/アセトニトリル混液(4:1)10mLを加えて約5分間振り混ぜた後,毎分約3000回転で5分間遠心分離するとき,下層のジクロロメタン層は淡青色を呈する.
(4) 定量法(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910で得られた質量測定後の試料に水20mLを加えて25分間激しく振り混ぜた後,この液2mLをとり,アントロン試液1mLを穏やかに加えるとき,接界面は青色~緑色を呈する.
水分 7.0%以下(0.2g,直接滴定).
強熱残分 1.0%以下(1g).
定量法
(1) フマル酸 本品約0.1gを精密に量り,遠心沈殿管に入れ,内標準溶液10mLを正確に加え,かき混ぜ機を用いて高速度(毎分約10000回転)で30秒間かき混ぜた後,毎分約3000回転で5分間遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に「フマル酸」約20mgを精密に量り,内標準溶液を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液5μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するフマル酸のピーク面積の比QT及びQSを求める.
本品中のフマル酸(C4H4O4)の量(%)=M×QT/QS×1/10×100/試料秤取量(g)
ただし,M:「フマル酸」の秤取量(g)
内標準溶液:安息香酸のメタノール溶液(1→6300)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225nm)
カラム:内径4.6mm,長さ25cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用多孔性スチレン―ジビニルベンゼン共重合体を充填する.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:メタノール/薄めた過塩素酸(1→10)混液(99:1)
流量:内標準溶液の保持時間が約10分となるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液5μLにつき,上記の条件で操作するとき,フマル酸,内標準物質の順に溶出し,その分離度は2.0以上である.
システムの再現性:標準溶液5μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,フマル酸のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
(2) ステアリン酸 本品約0.5gを精密に量り,あらかじめ質量を精密に量った遠心沈殿管に入れ,石油エーテル20mLを加えた後,超音波処理を行い,10分間振動を加える.石油エーテル層はあらかじめ質量を精密に量った蒸発皿(M1)に移し,残留物は石油エーテル20mLで更に2回,同様の操作を繰り返す(この残留物は(3)ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート以下の定量に用いる).石油エーテル層を集めた蒸発皿は60~65℃の水浴上で石油エーテルを留去した後,酸化リン(Ⅴ)上,減圧で1時間乾燥し,デシケーター(シリカゲル)で放冷した後,質量(M2)を測定する.
ただし,
M:試料採取量(g)
M1:蒸発皿の質量(g)
M2:操作後の蒸発皿の質量(g)
(3) ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 定量法(2)ステアリン酸の項で得られた石油エーテル抽出後の遠心沈殿管を室温で石油エーテルのにおいがなくなるまで放置した後,残留物にアセトン/ジエチルエーテル混液(1:1)20mLを加え,ガラス棒でかき混ぜ,ガラス棒はアセトン/ジエチルエーテル混液(1:1)3mLで洗い,超音波処理を行い,10分間振動を加える.次に毎分約3000回転で5分間遠心分離し,上澄液はあらかじめ質量を精密に量った蒸発皿(M1)に移し,残留物はアセトン/ジエチルエーテル混液(1:1)20mLで更に2回,同様の操作を繰り返す(残留物は(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910の定量に用いる).上澄液を集めた蒸発皿は60~65℃の水浴上で溶媒を留去した後,105℃で1時間乾燥し,デシケーター(シリカゲル)で放冷した後,質量(M2)を測定する.
ただし,
M:試料秤取量(g)(定量法(2)ステアリン酸での秤取量)
M1:蒸発皿の質量(g)
M2:操作後の蒸発皿の質量(g)
AS:定量法(1)フマル酸の項で得られたフマル酸の量(%)
(4) ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 定量法(3)ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートで得られた遠心沈殿管の残留物に含まれる溶媒を窒素ガス気流下で留去する.次に105℃で1時間乾燥した後,デシケーター(シリカゲル)で放冷し,質量(M2)を測定する.
ただし,
M:試料秤取量(g)(定量法(2)ステアリン酸での秤取量)
M2:操作後の遠心沈殿管の質量(g)
M1:遠心沈殿管の質量(g)(定量法(2)ステアリン酸の項で測定した遠心沈殿管の質量)
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与.
医薬品添加物各条の部マクロゴール200の条を次のように改める。
103917
マクロゴール200
Macrogol 200
ポリエチレングリコール200
本品は酸化エチレンと水との付加重合体で,HOCH2(CH2OCH2)nCH2OHで表され,nは2~4である.
性状 本品は無色澄明の粘性の液で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水,エタノール(95),アセトン又はマクロゴール400と混和し,ジエチルエーテルにやや溶けやすく,石油ベンジンにほとんど溶けない.
本品はやや吸湿性である.
比重 画像41 (7KB)
:1.110~1.140
確認試験 本品0.05gを希塩酸5mLに溶かし,塩化バリウム試液1mLを加えて振り混ぜ,必要ならばろ過し,ろ液にリンモリブデン酸n水和物溶液(1→10)1mLを加えるとき,黄緑色の沈殿を生じる.
pH 本品1.0gを水20mLに混和した液のpHは4.0~7.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gを水50mLに混和するとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを中和エタノール20mLに混和し,フェノールフタレイン試液2滴及び0.1mol/L水酸化ナトリウム液0.20mLを加えるとき,液の色は赤色である.
平均分子量試験 無水フタル酸42gをとり,新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え,強く振り混ぜて溶かした後,16時間以上放置する.この液25mLを正確に量り,約200mLの耐圧共栓瓶に入れ,これに本品約0.8gを精密に量って加え,密栓し,これを丈夫な布で包み,あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる.この際瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする.98±2℃で30分間保った後,水浴から瓶を取り出し,室温になるまで空気中で放冷する.次に0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え,更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え,この液につき,0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする.同様の方法で空試験を行う.
ただし,
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
平均分子量は190~210である.
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 一般外用剤,殺虫剤.
医薬品添加物各条の部マクロゴール300の条を次のように改める。
103920
マクロゴール300
Macrogol 300
ポリエチレングリコール300
本品は酸化エチレンと水との付加重合体で,HOCH2(CH2OCH2)nCH2OHで表され,nは5~6である.
性状 本品は無色澄明の粘性の液で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水,エタノール(95),アセトン又はマクロゴール400と混和し,ジエチルエーテルにやや溶けやすく,石油ベンジンにほとんど溶けない.
本品はやや吸湿性である.
比重 画像43 (7KB)
:1.110~1.140
確認試験 本品0.05gを希塩酸5mLに溶かし,塩化バリウム試液1mLを加えて振り混ぜ,必要ならばろ過し,ろ液にリンモリブデン酸n水和物溶液(1→10)1mLを加えるとき,黄緑色の沈殿を生じる.
pH 本品1.0gを水20mLに混和した液のpHは4.0~7.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gを水50mLに混和するとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを中和エタノール20mLに混和し,フェノールフタレイン試液2滴及び0.1mol/L水酸化ナトリウム液0.20mLを加えるとき,液の色は赤色である.
平均分子量試験 無水フタル酸42gをとり,新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え,強く振り混ぜて溶かした後,16時間以上放置する.この液25mLを正確に量り,約200mLの耐圧共栓瓶に入れ,これに本品約1.5gを精密に量って加え,密栓し,これを丈夫な布で包み,あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる.この際瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする.98±2℃で30分間保った後,水浴から瓶を取り出し,室温になるまで空気中で放冷する.次に0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え,更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え,この液につき,0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする.同様の方法で空試験を行う.
ただし,
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
平均分子量は285~315である.
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与,一般外用剤,その他の外用.
医薬品添加物各条の部マクロゴール600の条を次のように改める。
103921
マクロゴール600
Macrogol 600
ポリエチレングリコール600
本品は酸化エチレンと水との付加重合体で,HOCH2(CH2OCH2)nCH2OHで表され,nは11~13である.
性状 本品は無色澄明の粘性の液又は白色ワセリンようの固体で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水,エタノール(95),アセトン又はマクロゴール400に極めて溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けやすく,石油ベンジンにほとんど溶けない.
本品はやや吸湿性である.
凝固点:18~23℃
確認試験 本品0.05gを希塩酸5mLに溶かし,塩化バリウム試液1mLを加えて振り混ぜ,必要ならばろ過し,ろ液にリンモリブデン酸n水和物溶液(1→10)1mLを加えるとき,黄緑色の沈殿を生じる.
pH 本品1.0gを水20mLに混和した液のpHは4.0~7.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gを水50mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを中和エタノール20mLに溶かし,フェノールフタレイン試液2滴及び0.1mol/L水酸化ナトリウム液0.20mLを加えるとき,液の色は赤色である.
平均分子量試験 無水フタル酸42gをとり,新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え,強く振り混ぜて溶かした後,16時間以上放置する.この液25mLを正確に量り,約200mLの耐圧共栓瓶に入れ,これに本品約2.4gを精密に量って加え,密栓し,これを丈夫な布で包み,あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる.この際瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする.98±2℃で30分間保った後,水浴から瓶を取り出し,室温になるまで空気中で放冷する.次に0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え,更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え,この液につき,0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする.同様の方法で空試験を行う.
ただし,
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
平均分子量は570~630である.
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与,静脈内注射.
医薬品添加物各条の部マクロゴール1000の条を次のように改める。
103914
マクロゴール1000
Macrogol 1000
ポリエチレングリコール1000
本品は酸化エチレンと水との付加重合体で,HOCH2(CH2OCH2)nCH2OHで表され,nは20~23である.
性状 本品は白色のワセリンよう又はパラフィンようの固体で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水又はアセントに極めて溶けやすく,エタノール(95)に溶けやすく,マクロゴール400にやや溶けやすく,ジエチルエーテルに極めて溶けにくく,石油ベンジンにほとんど溶けない.
凝固点:35~40℃
確認試験 本品0.05gを希塩酸5mLに溶かし,塩化バリウム試液1mLを加えて振り混ぜ,必要ならばろ過し,ろ液にリンモリブデン酸n水和物溶液(1→10)1mLを加えるとき,黄緑色の沈殿を生じる.
pH 本品1.0gを水20mLに溶かした液のpHは4.0~7.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gを水50mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを中和エタノール20mLに溶かし,フェノールフタレイン試液2滴及び0.1mol/L水酸化ナトリウム液0.20mLを加えるとき,液の色は赤色である.
平均分子量試験 無水フタル酸42gをとり,新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え,強く振り混ぜて溶かした後,16時間以上放置する.この液25mLを正確に量り,約200mLの耐圧共栓瓶に入れ,これに本品約4.0gを精密に量って加え,密栓し,これを丈夫な布で包み,あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる.この際瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする.98±2℃で30分間保った後,水浴から瓶を取り出し,室温になるまで空気中で放冷する.次に0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え,更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え,この液につき,0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする.同様の方法で空試験を行う.
ただし,
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
平均分子量は950~1050である.
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 一般外用剤.
医薬品添加物各条の部マクロゴール1540の条を次のように改める。
103915
マクロゴール1540
Macrogol 1540
ポリエチレングリコール1540
本品は酸化エチレンと水との付加重合体で,HOCH2(CH2OCH2)nCH2OHで表され,nは28~36である.
性状 本品は白色のワセリンよう又はパラフィンようの固体で,僅かに特異なにおいがある.
本品は水に極めて溶けやすく,エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく,マクロゴール400に溶けにくく,ジエチルエーテル又は石油ベンジンにほとんど溶けない.
凝固点:43~47℃
確認試験 本品0.05gを希塩酸5mLに溶かし,塩化バリウム試液1mLを加えて振り混ぜ,必要ならばろ過し,ろ液にリンモリブデン酸n水和物溶液(1→10)1mLを加えるとき,黄緑色の沈殿を生じる.
pH 本品1.0gを水20mLに溶かした液のpHは4.0~7.0である.
純度試験
(1) 溶状 本品5.0gを水50mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 酸 本品5.0gを中和エタノール20mLに溶かし,フェノールフタレイン試液2滴及び0.1mol/L水酸化ナトリウム液0.20mLを加えるとき,液の色は赤色である.
平均分子量試験 無水フタル酸42gをとり,新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共栓瓶に加え,強く振り混ぜて溶かした後,16時間以上放置する.この液25mLを正確に量り,約200mLの耐圧共栓瓶に入れ,これに本品約5.8gを精密に量って加え,密栓し,これを丈夫な布で包み,あらかじめ98±2℃に加熱した水浴中に入れる.この際瓶の中の液が水浴の液の中に浸るようにする.98±2℃で30分間保った後,水浴から瓶を取り出し,室温になるまで空気中で放冷する.次に0.5mol/L水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え,更にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→100)5滴を加え,この液につき,0.5mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する.ただし,滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする.同様の方法で空試験を行う.
ただし,
a:空試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5mol/L水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
平均分子量は1300~1600である.
強熱残分 0.10%以下(1g).
貯法 容器 気密容器.
投与経路 経口投与,一般外用剤.
医薬品添加物各条の部メタンスルホン酸の条を次のように改める。
104128
メタンスルホン酸
Methanesulfonic Acid
H3C―SO3H
CH4O3S:96.11
本品は定量するとき,メタンスルホン酸(CH4O3S)99.0%以上を含む.
性状 本品は無色澄明の液又は無色若しくは白色の結晶塊で,特異なにおいがある.
本品は水,エタノール(95)又はジエチルエーテルと混和する.
確認試験 本品の水溶液(1→10)1滴をとり,ギ酸ナトリウム試液1滴を加えて混和し,水浴上で蒸発乾固し,更に灰色になるまで直火で加熱する.冷後,希硫酸2~3滴を加えて酸性とし,塩化鉄(Ⅲ)六水和物80mg及びヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム0.1gを水100mLに溶かして希硫酸を少量加えた液1滴をつけたろ紙片をさし込んで放置するとき,青色を呈する.
凝固点 15~20℃
pH 本品の水溶液(1→200)のpHは1.1~1.6である.
比重 画像48 (7KB)
:1.483~1.488
純度試験
(1) 重金属 本品4.0gをとり,第2法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(5ppm以下).
(2) ヒ素 本品1.0gをとり,第1法により検液を調製し,試験を行う(2ppm以下).
(3) 過マンガン酸カリウム還元性物質 本品の水溶液(1→10)5mLに0.02mol/L過マンガン酸カリウム液0.1mLを加えるとき,液の色は5分間以内に消えない.
定量法 本品約0.17gを精密に量り,水50mLに溶かし,0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L水酸化ナトリウム液1mL=9.611mg CH4O3S
貯法 容器 気密容器.
投与経路 筋肉内注射,皮下注射.
医薬品添加物各条の部リン酸水素カルシウム造粒物の条を次のように改める。
111982
リン酸水素カルシウム造粒物
Dibasic Calcium Phosphate Fine Granulated
本品はリン酸水素カルシウム水和物(日局)を細粒状に製したものである.
本品を乾燥したものは定量するとき,リン酸水素カルシウム(CaHPO4:136.06)98.0%以上を含む.
性状 本品は白色の細粒状で,におい及び味はない.
本品は水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.
本品は希塩酸又は希硝酸に溶ける.
確認試験
(1) 本品0.1gに薄めた塩酸(1→6)10mLを加え,加温して溶かし,アンモニア試液2.5mLを振り混ぜながら滴加し,シュウ酸アンモニウム試液5mLを加えるとき,白色の沈殿を生じる.
(2) 本品0.1gを希硝酸5mLに溶かし,七モリブデン酸六アンモニウム試液2mLを加えて加温するとき,黄色の沈殿を生じる.
純度試験
(1) 酸不溶物 本品5.0gに水40mL及び塩酸10mLを加え,5分間煮沸し,冷後,不溶物を定量用ろ紙を用いてろ取し,洗液に硝酸銀試液を加えても混濁を生じなくなるまで水で洗い,残留物をろ紙と共に強熱して灰化するとき,その量は2.5mg以下である.
(2) 塩化物 本品0.20gに水20mL及び希硝酸13mLを加えて溶かし,水を加えて100mLとし,必要ならばろ過する.この液50mLを検液とし,試験を行う.比較液には0.01mol/L塩酸0.70mLを加える(0.248%以下).
(3) 硫酸塩 本品1.0gに水5mL及び希塩酸5mLを加えて加温して溶かし,水を加えて100mLとし,必要ならばろ過する.ろ液30mLに希塩酸1mL及び水を加えて50mLとする.この液を検液とし,試験を行う.比較液には0.005mol/L硫酸1.0mLを加える(0.160%以下).
(4) 炭酸塩 本品1.0gに水5mLを加えて振り混ぜ,直ちに塩酸2mLを加えるとき,液は泡立たない.
(5) 重金属 本品0.65gに水5mL及び希塩酸5mLを加え,加温して溶かし,冷後,僅かに沈殿を生じるまでアンモニア試液を加えた後,少量の希塩酸を滴加して沈殿を溶かし,pH3.5の塩酸・酢酸アンモニウム緩衝液10mL及び水を加えて50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は鉛標準液2.0mLにpH3.5の塩酸・酢酸アンモニウム緩衝液10mL及び水を加えて50mLとする(31ppm以下).
(6) バリウム 本品0.5gに水10mLを加えて加熱し,かき混ぜながら塩酸1mLを滴加して溶かし,必要ならばろ過し,硫酸カリウム試液2mLを加え,10分間放置するとき,液は混濁しない.
(7) ヒ素 本品1.0gを希塩酸5mLに溶かし,これを検液とし,試験を行う(2ppm以下).
乾燥減量 19.5~22.0%(1g,200℃,3時間).
定量法 本品を乾操し,その約0.4gを精密に量り,希塩酸12mLに溶かし,水を加えて正確に200mLとする.この液20mLを正確に量り,これに0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液25mLを正確に加え,水50mL及びpH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液5mLを加え,過量のエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウムを0.02mol/L酢酸亜鉛液で滴定する(指示薬:エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬0.025g).同様の方法で空試験を行う.
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=2.7211mg CaHPO4
貯法 容器 密閉容器.
投与経路 経口投与.