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○国立感染症研究所が交付する株以外の株を用いて製造されるインフルエンザワクチンの取扱い等について(通知)

(令和6年1月31日)

(/医薬監麻発0131第1号/医薬監麻発0131第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

現状、国内で製造販売がなされているインフルエンザワクチンについては、毎年度、世界保健機関(WHO)が北半球向けに推奨する複数の製造株又はその類似株(以下「WHO推奨株」という。)の中から、国立感染症研究所(以下「感染研」という。)における検討及び厚生科学審議会での議論を経て、厚生労働省が当該年度のワクチンの製造株を決定し、当該製造株を感染研が企業に交付し、各企業が製造を行っている。また、当該年度のワクチンの製造株を厚生労働省が決定していること等を踏まえ、前年度から製造株の変更が必要となる場合については、薬事手続が不要となっている。

一方、WHO推奨株を用いて海外で製造され、国内に輸入されるインフルエンザワクチンの場合には、上記の製造株決定のスキームとは独立して、企業がWHO推奨株の中から株選定を行うこととなるが、上記の製造株決定のスキームと同様に企業の選定株を感染研で検討し、厚生科学審議会の議論を経る場合、国内でインフルエンザが流行する時期までにインフルエンザワクチンを供給することが困難となる可能性が高いこと等の懸念がある。

こうした状況を踏まえ、今般、厚生労働省が決定し感染研がワクチン製造株として交付する株以外の株を用いて製造されるインフルエンザのワクチン(以下「企業選定株インフルエンザワクチン」という。)の製造株に関する薬事上の取扱いについて、下記のとおり整理したので、貴職におかれては内容をご了知の上、管内企業等への周知に遺漏のないよう、ご留意願いたい。

(1) 企業選定株インフルエンザワクチンについて、製造株を変更する場合には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第14条第15項に基づく同条第1項により承認された事項の一部を変更しようとするときの承認(以下「一変承認」という。)を受ける必要があること。

(2) 国内でインフルエンザが流行する時期までにインフルエンザワクチンを供給するためには、迅速に一変承認を受ける必要があることから、遅くとも7月上旬までに医薬品医療機器等法第14条第15項に基づき一変承認を受けようとするときの申請(以下「一変申請」という。)を行うこと。その際、迅速な審査に資するために製造株の変更に係る一変申請には、製造株の変更に伴う変更以外の製造販売承認事項の変更に関する内容を含めないこと。

(3) 一変申請の申請区分は(10)、(10の2)、(10の3)又は(10の4)のいずれかであり、再審査期間中のものであるか、製造方法の変更であるか等を考慮して選定すること。

(4) 一変申請にあたっては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)とも相談の上、以下の資料のうち、該当するものを申請時に提出すること。なお、一変申請の前であっても、事前に資料の準備ができている場合には、事前に提出すること。また、一変申請を行う時に資料の提出が困難な場合には、一変申請後の提出が可能となる場合があるため、事前に資料の提出時期についてPMDAと相談すること。

・製造株の抗原性に関する資料(例:WHO推奨株と製造株の抗原性の類似性、遺伝子配列に関するデータ等)

・製造株変更後の製品品質に関する資料(例:マスターウイルスシード(MVS)の管理試験結果、原薬及び製剤等を製造した際のロット分析結果(規格試験の成績等)並びに安定性データの取得予定等)

・その他厚生労働省及びPMDAとの協議の上で必要とされた資料

(5) 企業選定株インフルエンザワクチンに使用する株が、WHO推奨株の範囲であり、かつ、当該製造株に係る一変申請が国内でインフルエンザが流行する時期までに同ワクチンを供給することを目的とする申請である場合には、一変申請から一変承認までの標準的事務処理期間は2ヵ月とする。ただし、(4)に掲げる資料の提出時期により前後する場合がある。

(6) 一変申請に係る医薬品医療機器等法第14条第7項に規定するGMP適合性調査については調査を受けることを要しない。

(7) 一変申請に際し、申請時期、提出資料等について個別に協議が必要な場合には、厚生労働省及びPMDAに事前に相談すること。

(8) 国家検定について、試験試薬の事前検査結果に関する報告資料及び試験試薬を感染研より指定された期日までに送付すること。資料提出が不要な場合にも、試験試薬は出検前までに余裕をもって送付すること。

(9) 製造・試験記録等要約書の様式の作成や変更が必要な場合には、出検を行う年の1月中を目途に感染研宛てに申請を行うこと。

(10) 国家検定の出検スケジュールについて、ワクチンの出検計画を感染研より指定された期日までに提出すること。