添付一覧
○令和6年能登半島地震による災害に対する「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」の企業年金制度等への適用について〔確定給付企業年金法〕
(令和6年1月12日)
(年企発0112第1号)
(地方厚生(支)局保険年金(企業年金)課長あて厚生労働省年金局企業年金・個人年金課長通知)
(公印省略)
令和6年能登半島地震による災害に対しては、「令和六年能登半島地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」(令和6年政令第5号。以下「政令」という。)が別添1のとおり令和6年1月11日に公布され、同日より施行されたことにより、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号。以下「法」という。)(別添2)の規定の一部が適用されることとなったところである。
政令は、令和6年能登半島地震による災害を法第2条第1項の特定非常災害に指定し、その被害者について、法令上の義務であって期限内に履行されなかった義務の履行に係る免責等に関して所要の措置を講ずるものである。
主な内容等は下記のとおりであるので、企業年金制度等(厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び国民年金基金制度をいう。)について、災害の影響等を十分に配慮し、適切な運用が図られるよう、遺漏なきを期されたい。
記
法第4条に定める法令上の義務であって期限内に履行されなかった義務の履行に係る免責に関する措置については、以下のように取り扱われたい。
(1) 法令に規定されている義務のうち、令和6年1月1日から令和6年4月29日までの間に履行期限が到来するものであって、特定非常災害により当該期限までに履行されなかったことにより、法令義務違反として、罰金等の行政上及び刑事上の責任が問われる場合において、令和6年4月30日までに義務が履行されたときには、免責することとしたこと。
(2) 法第4条第1項の「法令に規定されている」とは、法令に基づき直接課せられる義務を対象とするものであり、例えば、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)第102条第1項に基づき履行期限の定められていない条項について違反の改善の措置を命じる場合のように、法令に基づく処分によって初めて具体的に履行期限を定めて義務が課せられることとなるもの等は含まないものであること。(「参考」を参照のこと。)
(3) 法第4条第1項の「特定非常災害により当該履行期限が到来するまでに履行されなかった」とは、履行義務者ごとに個別に判断することとなるが、一般的には、直接・間接を問わず特定非常災害により被害を受けたか否か、すなわち、履行義務者が当該義務の履行ができなかったか否かによって判断されること。
(4) 当該措置の対象となるのは、「行政上及び刑事上の責任」であるので、民事上の責任については免責の対象とならないものであること。
<参考>
特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置法第4条に係る企業年金等関係法令等
厚生年金保険法(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第1条の規定による改正前の厚生年金保険法)関係
条文 |
義務内容 |
期日等 |
第116条 ・厚生年金基金令(※1)第3条、第4条、第42条 |
厚生年金基金の公告 |
(設立の場合)4週間以内 (変更の場合)2週間以内 (解散の場合)2週間以内 |
第174条(第98条第4項の準用) |
年金たる給付又は一時金たる給付の受給権を有する者の死亡届出 |
10日以内 |
第177条 ・厚生年金基金規則(※2)第56条第1項、第2項 |
報告書の提出 |
(業務報告書)毎年3月、6月、9月、12月の翌月15日まで (運用報告書)翌事業年度9月30日まで |
※1 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第3条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされた公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第1条の規定による廃止前の厚生年金基金令
※2 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令第17条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同令第1条の規定による廃止前の厚生年金基金規則
確定給付企業年金法関係
条文 |
義務内容 |
期日等 |
第15条 ・確定給付企業年金法施行令第8条、第9条、第58条 |
企業年金基金の公告 |
(設立の場合)4週間以内 (変更の場合)2週間以内 (解散の場合)2週間以内 |
第86条 |
規約型企業年金の規約の失効 |
30日以内 |
第99条 |
受給権者の死亡届出 |
30日以内 |
第100条第1項 |
報告書の提出 |
毎事業年度終了後4月以内 |
確定拠出年金法関係
条文 |
義務内容 |
期日等 |
第16条第1項 ・確定拠出年金法施行規則第11条 |
企業型年金加入者の氏名及び住所その他の事項の通知 |
5日以内 |
第47条 |
企業型年金の規約の失効 |
30日以内 |
第50条 ・確定拠出年金法施行規則第27条 |
報告書の提出 |
毎事業年度終了後3月以内 |
第92条第1項 |
運営管理機関の登録事項の変更の届出 |
2週間以内 |
第93条 |
運営管理機関の廃業等の届出 |
30日以内 |
第102条 ・確定拠出年金運営管理機関に対する命令第12条 |
運営管理機関の業務報告書の提出 |
毎事業年度終了後3月以内 |
第113条第1項 |
企業型年金運用指図者、個人型年金加入者、個人型年金運用指図者又は連合会移換者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)の死亡届出 |
10日以内 |
国民年金法関係
条文 |
義務内容 |
期日等 |
第121条 ・国民年金基金令第6条、第7条、36条 |
国民年金基金の公告 |
(設立の場合)4週間以内 (変更の場合)2週間以内 (解散の場合)2週間以内 |
第127条の2 ・国民年金基金規則第8条第1項、第10条、第11条、第16条、第17条 |
加入員の資格の喪失、氏名・住所の変更 |
14日以内 |
第137条の3の4第2項、第137条の3の10第2項 |
国民年金基金の財産目録及び貸借対照表の備え置き・閲覧(基金の合併及び分割の場合) |
代議員会の議決日から厚生労働大臣の認可を受ける日まで |
第138条(第105条第4項の準用) ・国民年金基金規則第9条、第20条第1項 |
加入員及び基金又は連合会が支給する年金又は一時金の受給権者の死亡届出 |
14日以内 |
第140条 ・国民年金基金規則第44条第1項、第2項 |
基金の報告書の提出 |
(業務報告書)毎年3月、6月、9月、12月の翌月15日まで (運用報告書)翌事業年度9月30日まで |
別添1
別添2