添付一覧
○令和6年能登半島地震による災害に伴う医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等に係る取扱いについて
(令和6年1月2日)
(事務連絡)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬局総務課、厚生労働省医薬局医療機器審査管理課、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課通知)
令和6年能登半島地震による災害に伴う医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、覚醒剤取締法(昭和26年法律第252号)、薬剤師法(昭和35年法律第146号)及び薬剤師法施行規則(昭和36年厚生省令第5号)に係る取扱いについて、下記のとおりまとめましたので、お知らせします。
なお、これらの取扱いについては、被災地の医薬品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)を確保するための一時的なものである旨、御留意願います。
記
1 薬局開設の許可、医薬品の販売業の許可、高度管理医療機器等販売業又は貸与業の許可、管理医療機器販売業又は貸与業の届出(法第4条、第24条、第39条及び第39条の3)
薬局等の許可等薬局開設の許可、医薬品の販売業の許可、高度管理医療機器等販売業又は貸与業の許可を受けている又は管理医療機器販売業又は貸与業の届出を行っている店舗等(以下「薬局等」という。)が、令和6年能登半島地震による災害により被災し、当該薬局等で業務を行うことができない場合、当該薬局等の復旧見込みがあって、地域における医薬品供給等の対応を行う上で一時的に当該薬局等と近接する建物等に仮設の薬局又は店舗等(以下「仮設店舗」という。)を設置し、当該薬局等に係る業務を行うことは、所在地の都道府県知事等の判断により、薬局等の業務について保健衛生上支障を生じない範囲において認められること。
この場合、仮設店舗について薬局等の開設等の許可を新規に受けることは不要であり、別紙参考様式により一時的に仮設店舗で業務を行う旨、復旧に要する期間等について薬局等の開設者等に届け出させること。
なお、届出時期については、仮設店舗で業務を開始する前を原則とするが、状況を勘案し、業務開始後、速やかに届け出させることもやむを得ないこと。
2 管理者(法第7条、第28条及び第39条の2)
薬局等の管理者が令和6年能登半島地震による災害の被災地に赴いて調剤等に従事する場合において、当該薬局等の開設者が、必要に応じて管理者以外の業務に従事する薬剤師等のうちから代行者を指定するとともに、薬局等の業務に係る責任を明確にするときは、当該薬局等における業務の継続に当たり、管理者の変更手続きを省略して差し支えないこと。
この場合、管理者が管理義務のある薬局等とは別の場所で調剤等の薬事に関する実務を行うことになるが、都道府県知事等による兼務許可がなくても、薬局等の開設者等において管理者が被災地で業務を行った場所、期間等を記録しておくことで差し支えないこと。
3 薬局、医薬品の販売業の届出(法第10条及び第38条並びに施行規則第16条)
令和6年能登半島地震による災害により、一時的に薬局又は医薬品の販売業の営業時間を変更する場合や薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者の氏名又は週当たりの勤務時間数を変更する場合は、変更の届出を省略して差し支えないこと。
この場合、薬局等の開設者等は当該変更事項がわかるように記録等を残しておくこと。
4 処方箋医薬品(法第49条)
令和6年能登半島地震による災害の被災地の患者に対する処方箋医薬品の取扱いについては、「薬局医薬品の取扱いについて」(平成26年3月18日付け薬食発第0318第4号厚生労働省医薬食品局長通知)の第1の1の(2)①に示したとおり、法第49条第1項の規定における「正当な理由」に該当し、医師等の受診が困難な場合、又は医師等からの処方箋の交付が困難な場合において、患者に対し、必要な処方箋医薬品を販売又は授与することが可能であること。
なお、薬剤服用歴、お薬手帳及びマイナンバーカード等を活用し、患者の服薬情報を確認するよう、努めること。
5 医薬品等の融通(法第24条、第39条、第40条の5)
今般のような大規模な災害で通常の医薬品等の供給ルートに支障を来し、需給が逼迫する場合に、病院、診療所、薬局又は地方公共団体の間で医薬品等を融通することは、差し支えないこと。
6 医療用麻薬を必要とする患者に対して(麻薬及び向精神薬取締法第24条、第27条)
被災地の患者が麻薬施用者である医師への受診が困難な場合及び麻薬施用者である医師等から麻薬及び向精神薬取締法第27条に規定する麻薬処方箋の交付を受けることが困難な場合においては、麻薬小売業者等は、当該患者の症状等について麻薬施用者である医師へ連絡し、当該患者に対する医療用麻薬の施用の指示が確認できる場合において、必要な医療用麻薬を施用のため交付することは差し支えないこと。
7 医薬品である覚醒剤原料を必要とする患者に対して(覚醒剤取締法第30条の9)
被災地の患者が医師への受診が困難な場合及び医師等からの処方箋の交付が困難な場合において、覚醒剤原料取扱者である薬局等は、当該患者の症状等について医師へ連絡し、当該患者に対する医薬品である覚醒剤原料の施用の指示が確認できる場合において、必要な医薬品である覚醒剤原料を施用のため交付することは差し支えないこと。
8 向精神薬を必要とする患者に対して(麻薬及び向精神薬取締法第50条の16、第50条の17)
被災地の患者が医師への受診が困難な場合及び医師等からの処方箋の交付が困難な場合において、向精神薬小売業者等は、当該患者の症状等について医師等へ連絡し、当該患者に対する向精神薬の施用の指示が確認できる場合のほか、医師等からの事前の包括的な施用の指示(例えば、被災者の患者の持参する薬袋等から常用する向精神薬の薬剤名及び用法・用量が確認できる場合に、当該向精神薬を必要な限度で提供することについて事前に医師等に了承を得ている場合等)が確認できる場合において、必要な向精神薬を施用のため交付することは差し支えないこと。
9 交付した医療用麻薬等の記録について(麻薬及び向精神薬取締法第38条、第39条、第50条の23、覚醒剤取締法第30条の17)
6から8までの場合において、譲り渡した医療用麻薬等の品名、数量及び譲渡先(譲り受けた患者の氏名や、その者が特定可能な個人情報等)について記録し、連絡を取った医師等に報告すること。
10 その他(薬剤師法第22条、薬剤師法施行規則第13条の3第1号)
薬剤師法第22条及び薬剤師法施行規則第13条の3第1号に規定しているとおり、被災地において、薬剤師が薬局で調剤できない場合、薬局以外の地方自治体の設置する避難所内の調剤所等で、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤しても差し支えないこと。
(別紙:参考様式)