添付一覧
○食品、添加物等の規格基準別表第1第1表に規定する基材を構成するモノマー等について
(令和5年11月30日)
(健生食基発1130第1号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康・生活衛生局食品基準審査課長通知)
(公印省略)
今般、「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(令和5年11月30日付け健生発1130第4号厚生労働省健康・生活衛生局長通知)の第3の1のハの(1)及びニの(7)において参照するとした別表第1第1表に規定する基材を構成するモノマー等については下記のとおりですので、貴管内関係者に対する周知徹底をはじめ、その運用に遺漏なきよう取り計らわれるようお願いします。
記
第1 別表第1第1表の物質名欄に掲げる物質について
1 別表第1第1表の物質名欄に掲げる物質(以下「基材」という。)の構成成分については、別紙1~21に示すこと。ただし、使用制限等欄に「第2表の通し番号108(1)及び108(2)に該当する重合体の構成成分としての使用に限る。」とある場合は、基材の構成成分としては使用できない。
2 別紙1~20において構成成分が示されている基材については、以下に従うこと。また、別紙1~20において構成成分が示されている基材については、塗膜用途にも使用できること。なお、塗膜用途とは、表面コーティング及び接着剤の層状の被膜を形成させることが目的であること。
イ 別紙1~20の表中「必須モノマー」、「任意の物質」、「必須の化学処理」及び「任意の化学処理」(以下「「必須モノマー」等」という。)に由来する部分の合計が質量百分率として98%を超えて含むものでなければならないこと。また、2%未満の「必須モノマー」等に該当しない部分については、別紙1~20に示されていなくても差し支えないこと。
(1) 「必須モノマー」について
i 「必須モノマー」とは、基材の主な構成成分として用いる物質を指し、第1表における物質分類の指標となる物質であること。
ii 基材の構成成分として「必須モノマー」と同様の構造を有する物質であれば、「必須モノマー」の誘導体又はあらかじめ複数の「必須モノマー」を反応させた物質を用いても差し支えないこと。
(2) 「任意の物質」について
i 「任意の物質」とは、基材の副次的な構成成分として用いる物質を指すこと。
ii 基材の構成成分として「任意の物質」と同様の構造を有する物質であれば、「任意の物質」の誘導体又はあらかじめ複数の「任意の物質」を反応させた物質を用いても差し支えないこと。
iii 使用制限等欄において分子量についての定めがある場合を除き、「任意の物質」のみで構成される部分の分子量は1000未満であること。
(3) 「必須の化学処理」及び「任意の化学処理」について
i 官能基のみを重合体に組み込む場合や重合反応とは異なる特殊な条件下で行う場合等の処理を指すこと。
ii 処理の手法、条件等については特に限定しないこと。
iii 重合前の「必須モノマー」及び「任意の物質」に対しては適用できないこと。
ロ 使用制限等欄及びその他に記載された事項は、基材を構成する上で参照すべき事項であること。
(1) 質量百分率を示すには、%の記号を用いること。また、物質100mol中の物質量(mol)を示すには、mol%の記号を用いること。
(2) 「必須モノマー」の使用制限等欄に「必須モノマーの合計は重合体の構成成分に対して50%以上であること。」とある場合、重合体の構成成分に対する「必須モノマー」等の質量百分率で判断すること。ただし、「必須モノマー」の割合が重合体の構成成分に対して50%に満たない場合は、2%未満の「必須モノマー」等に該当しない部分を重合体の構成成分の重量から除いて質量百分率を算出し判断しても差し支えないこと。
ハ ブロック重合体及びグラフト重合体の場合、以下に従うこと。
(1) ブロック重合体において構成する単位重合体の分子量が1000以上のものは、その単位重合体ごとに基材であるとみなすこと。
(2) グラフト重合体の場合、構成する幹ポリマーとしての単位重合体及び枝ポリマーとしての単位重合体のうち分子量が1000以上のものは、その単位重合体ごとに基材であるとみなすこと。
(3) 構成する単位重合体の分子量が1000未満の部分は、単一の基材の一部分とみなし、すべての構成成分が当該基材のモノマー等として収載されていなければならないこと。
3 別紙21において構成成分が示されている基材である「被膜形成時に化学反応を伴う塗膜用途の重合体」については、以下に従うこと。
イ 別紙21の表中「有機化合物」、「天然成分、無機物又はそれらの誘導体」及び「任意の化学処理」(以下「「有機化合物」等」という。)に由来する部分が98%を超えて含むものでなければならないこと。また、「有機化合物」等以外の2%未満の部分については、別紙21に示されていなくても差し支えないこと。
(1) 「有機化合物」について
i 「有機化合物」とは、基材の主な構成成分として用いる物質を指すこと。
ii 基材の構成成分として「有機化合物」と同様の構造を有する物質であれば、「有機化合物」の誘導体又はあらかじめ複数の「有機化合物」を反応させた物質を用いても差し支えないこと。
(2) 「天然成分、無機物又はそれらの誘導体」について
i 「天然成分、無機物又はそれらの誘導体」とは、基材の副次的な構成成分として用いる物質を指すこと。
ii 「天然成分、無機物又はそれらの誘導体」の欄中、「天然高分子成分」とあるのは、天然成分のうち天然物由来の有機高分子物質を指し、有機化合物とともに使用しなければならないこと。
(3) 「任意の化学処理」について
i 重合体を改質するために、官能基のみを重合体に組み込む場合や重合反応とは異なる特殊な条件下で行う場合等の化学的処理を指すこと。
ii 処理の手法、条件等については特に限定しないこと。
iii 重合前の「有機化合物」、「天然成分、無機物又はそれらの誘導体」に対しては適用できないこと。
ロ 使用制限等欄及びその他に記載された事項は、基材を構成する上で参照すべき事項であること。なお、質量百分率を示すには、%の記号を用いること。また、物質100mol中の物質量(mol)を示すには、mol%の記号を用いること。
ハ 「被膜形成時に化学反応を伴う塗膜用途」の化学反応とは、構造を化学的に変化させる反応を指し、溶剤の揮散は含まれないこと。なお、塗膜用途の定義については2に従うこと。
第2 別表第1第2表の通し番号108(1)及び108(2)に該当する重合体の構成成分について
1 改正後の規格基準告示の別表第1第2表の通し番号108(1)及び108(2)における「第1表に該当する重合体」の構成成分については、この通知の別紙1~20に示すこと。また、この重合体の取扱いについては第1の4のイ、ロ及びハの基材の取扱いに準じること。
第3 適用期日
規格基準告示の適用期日を令和7年6月1日としていることから、当該通知に関しても適用期日が令和7年6月1日となること。
第4 関係通知の廃止
「食品衛生法等の一部を改正する法律による改正後の食品衛生法第18条第3項の施行に伴う関係告示の整備について」(令和2年7月2日付け薬生食基発0702第2号厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課長通知)は、適用期日を以てこれを廃止すること。
別紙1
イミド結合を主とする重合体
次の「アミン類(1種以上)」又は「アミン類(1種以上)」及び「酸無水物(1種以上)」のイミド結合による重合体。この重合体では、「必須モノマー」に「任意の物質」を組み合わせることができる。
名称 |
使用制限等 |
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必須モノマー |
必須モノマーの合計は重合体の構成成分に対して50%以上であること。 |
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アミン類 |
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イソホロンジイソシアネート |
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4,4'―ジアミノジフェニルエーテル |
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4,4'―ジアミノジフェニルスルホン |
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4,4'―ジフェニルメタンジイソシアネート |
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4,4'―ビス(3―アミノフェノキシ)ビフェニル |
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ビス[4―(アリルビシクロ[2.2.1]―5―ヘプテン―2,3―ジカルボキシイミド)フェニル]メタン |
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1,3―フェニレンジアミン |
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4,4'―メチレンジアニリン |
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酸無水物 |
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ビスフェノールA及び4―ヒドロキシ無水フタル酸からなるジエーテル |
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無水クロロフタル酸 |
無水3―クロロフタル酸及び無水4―クロロフタル酸に限る。 |
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無水トリメリット酸 |
塩化物を含む。 |
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無水ピロメリット酸 |
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無水フタル酸 |
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任意の物質 |
任意の物質のみで構成される部分は分子量1000未満であること。 |
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4―クミルフェノール |
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1,4―シクロヘキサンジカルボン酸 |
メチルエステルを含む。 |
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ビスフェノールA |
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1,4―フェニレンジアミン |
別紙2
エーテル結合を主とする重合体
次の「必須モノマー(1種以上)」のエーテル結合による重合体。この重合体では、「必須モノマー」に「任意の物質」若しくは「任意の化学処理」又はその両方を組み合わせることができる。
名称 |
使用制限等 |
|
必須モノマー |
必須モノマーの合計は重合体の構成成分に対して50%以上であること。 |
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4,4'―ジクロロジフェニルスルホン |
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4,4'―ジヒドロキシジフェニルスルホン |
||
4,4'―ジヒドロキシベンゾフェノン |
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4,4'―ジフルオロベンゾフェノン |
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2,6―ジメチルフェノール |
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2,3,6―トリメチルフェノール |
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ビスフェノールA |
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ヒドロキノン |
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4,4'―ビフェノール |
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任意の物質 |
任意の物質のみで構成される部分は分子量1000未満であること。 |
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フマル酸 |
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任意の化学処理 |
重合体への処理に限る。 |
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クロロメチル化処理 |
4,4'―ジクロロジフェニルスルホン及び4,4'―ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる重合体への処理に限る。 |
|
酸化処理 |
||
スルホン化処理 |
・4,4'―ジクロロジフェニルスルホン及び4,4'―ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる重合体への処理に限る。 ・スルホン化処理後に、ナトリウム塩とする場合を含む。 |
別紙3
エステル結合を主とする重合体の架橋体
次の「酸類(1種以上)」による重合体又は「酸類(1種以上)」及び「アルコール類(1種以上)」のエステル結合による重合体を「酸類」、「アルコール類」及び「架橋剤」のうち一又は複数の物質により架橋したもの。この重合体の架橋体では、「必須モノマー」に「任意の物質」を組み合わせることができる。
名称 |
使用制限等 |
||
必須モノマー |
必須モノマーの合計は重合体の構成成分に対して50%以上であること。 |
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酸類 |
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アクリル酸 |
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アジピン酸 |
メチルエステルを含む。 |
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アゼライン酸 |
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イソフタル酸 |
塩化物及びメチルエステルを含む。 |
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イタコン酸 |
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クロレンド酸 |
無水クロレンド酸を含む。 |
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コハク酸 |
無水コハク酸及びメチルエステルを含む。 |
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1,2―シクロヘキサンジカルボン酸 |
無水1,2―シクロヘキサンジカルボン酸を含む。 |
||
4―シクロヘキセン―1,2―ジカルボン酸 |
無水4―シクロヘキセン―1,2―ジカルボン酸を含む。 |
||
セバシン酸 |
メチルエステルを含む。 |
||
テレフタル酸 |
塩化物及びメチルエステルを含む。 |
||
トリメリット酸 |
塩化物及び無水トリメリット酸を含む。 |
||
乳酸 |
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二量化処理された動植物性油脂由来の脂肪酸 |
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5―ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸 |
無水5―ノルボルネン―2,3―ジカルボン酸を含む。 |
||
ピロメリット酸 |
無水ピロメリット酸を含む。 |
||
フタル酸 |
無水フタル酸を含む。 |
||
フマル酸 |
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マレイン酸 |
ブチルエステル及び無水マレイン酸を含む。 |
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メタクリル酸 |
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メタクリル酸グリシジル |
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アルコール類 |
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2―エチル―2―ブチル―1,3―プロパンジオール |
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エチレングリコール |
・オキシランを含む。 ・重合度4以上の重合体は、重合体の構成成分に対して50%未満であること。 |
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エトキシル化処理されたビスフェノールA |
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グリセロール |
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1,4―シクロヘキサンジメタノール |
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ソルビトール |
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トリシクロデカンジメタノール |
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2,2,4―トリメチル―1,3―ペンタンジオール |
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トリメチロールエタン |
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トリメチロールプロパン |
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ネオペンチルグリコール |
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2,2―ビス(4―ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン |
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ビスフェノールA |
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ビスフェノールAのジグリシジルエーテル |
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ビスフェノールAのビス(2―ヒドロキシプロピル)エーテル |
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フェノール |
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1,3―ブタンジオール |
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1,4―ブタンジオール |
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プロピレングリコール |
2―メチルオキシランを含む。 |
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1,6―ヘキサンジオール |
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ペンタエリスリトール |
二量体を含む。 |
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マンニトール |
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α―メチルグルコシド |
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2―メチル―1,3―プロパンジオール |
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架橋剤 |
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アクリル酸イソボルニル |
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アクリル酸エチル |
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アクリル酸2―エチルヘキシル |
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アクリル酸2―ヒドロキシエチル |
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アクリル酸ブチル |
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アクリル酸プロピル |
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アクリル酸メチル |
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アリルグリシジルエーテル |
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イソシアヌル酸トリアリル |
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エチレングリコール及びメタクリル酸からなるエステル |
・エチレングリコール重合体(重合度4以上のものに限る。)は、重合体の構成成分に対して50%未満であること。 ・エチレングリコールは重合体を含む。 |
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エピクロルヒドリン |
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クロトン酸 |
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酢酸ビニル |
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シアヌル酸トリアリル |
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ジビニルベンゼン |
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スチレン |
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トリメチロールプロパン及びメタクリル酸からなるトリエステル |
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トリメチロールプロパンのジアリルエーテル |
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ネオペンチルグリコール及びメタクリル酸からなるジエステル |
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N―ビニル―ピロリドン |
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フタル酸ジアリル |
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マレイン酸ジアリル |
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メタクリル酸アリル |
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メタクリル酸イソボルニル |
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メタクリル酸エチル |
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メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル |
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メタクリル酸2―フェノキシエチル |
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メタクリル酸ブチル |
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メタクリル酸プロピル |
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メタクリル酸ベンジル |
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メタクリル酸メチル |
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α―メチルスチレン |
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メチルスチレン |
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任意の物質 |
任意の物質のみで構成される部分は分子量1000未満であること。 |
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アルキルアルコール |
・炭素数が10のものに限る。 ・直鎖でないものに限る。 |
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安息香酸 |
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2―エチルヘキサノール |
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オクタノール |
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オクタン酸 |
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酢酸 |
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ジエチレングリコールのモノブチルエーテル |
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1,4―シクロヘキサンジカルボン酸 |
メチルエステルを含む。 |
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ジシクロペンタジエン |
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4,4'―ジヒドロキシジフェニルスルホン |
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2,2―ジメチル―1―プロパノール |
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ステアリン酸 |
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5―スルホイソフタル酸 |
ナトリウム塩及びメチルエステルを含む。 |
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デカノール |
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1,10―デカンジカルボン酸 |
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動植物性油脂 |
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動植物性油脂由来の脂肪酸 |
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2,6―ナフタレンジカルボン酸 |
メチルエステルを含む。 |
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二量化及び水素化処理された不飽和脂肪酸 |
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ノナン酸 |
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パルミチン酸 |
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2,2―ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 |
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2,2―ビス(ヒドロキシメチル)酪酸 |
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2,5―フランジカルボン酸 |
メチルエステルを含む。 |
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1,3―プロパンジオール |
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ベンジルアルコール |
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ホルムアルデヒド |
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ロジン |