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○ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く))の作成及び最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、胃癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI―High)を有する結腸・直腸癌、食道癌及び尿路上皮癌)の簡略版への切替えについて

(令和5年11月24日)

(医薬薬審発1124第4号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)

(公印省略)

経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定)において、革新的医薬品の使用の最適化推進を図ることが盛り込まれたことを受けて、革新的医薬品を真に必要な患者に提供することを目的に「最適使用推進ガイドライン」を作成することとしています。

今般、ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤について、悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)に対して使用する際の留意事項を別添のとおり最適使用推進ガイドラインとして取りまとめましたので、その使用にあたっては、本ガイドラインについて留意されるよう、貴管内の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします。

また、ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤を非小細胞肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、胃癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI―High)を有する結腸・直腸癌、食道癌及び尿路上皮癌に対して使用する際の留意事項については、「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、悪性黒色腫、頭頸部癌、腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、胃癌、悪性胸膜中皮腫、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI―High)を有する結腸・直腸癌、食道癌、原発不明癌及び尿路上皮癌)の一部改正について」(令和5年3月27日付け薬生薬審発0327第8号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)により、「最適使用推進ガイドライン」として示してきたところです。

今般、ニボルマブ(遺伝子組換え)に係る一部の効能又は効果について、再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断されたこと等から、ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の非小細胞肺癌、頭頸部癌、腎細胞癌、胃癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI―High)を有する結腸・直腸癌、食道癌及び尿路上皮癌に係る最適使用推進ガイドラインについて、別紙のとおり改正し、一部の説明を省略したガイドライン(簡略版ガイドライン)に切り替えましたので、貴管内の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします。改正後の「最適使用推進ガイドライン」は、別添参考のとおりです。

なお、本通知の写しについて、別記の団体等に事務連絡するので、念のため申し添えます。

別紙

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別記

公益社団法人日本医師会

日本医学会

一般社団法人日本癌治療学会

公益社団法人日本臨床腫瘍学会

一般社団法人日本臨床内科医会

特定非営利活動法人日本肺癌学会

一般社団法人日本呼吸器学会

公益社団法人日本皮膚科学会

一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

公益社団法人日本口腔外科学会

公益社団法人日本歯科医師会

一般社団法人日本泌尿器科学会

一般社団法人日本血液学会

一般社団法人日本小児血液・がん学会

一般財団法人日本胃癌学会

特定非営利活動法人日本食道学会

一般社団法人日本内科学会

公益社団法人日本薬剤師会

一般社団法人日本病院薬剤師会

一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会

小野薬品工業株式会社

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

各地方厚生局

[別添]

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[参考1]

最適使用推進ガイドライン

ニボルマブ(遺伝子組換え)

~非小細胞肺癌~

平成29年2月(令和5年11月改訂)

厚生労働省

目次

1.はじめに

2.施設について

3.投与対象となる患者

1.はじめに

本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から、ニボルマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)を使用する施設に求められる要件及び投与対象となる患者を示す。作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書及び医薬品リスク管理計画(以下、「RMP」)を参照すること。

※ 本効能又は効果のうち、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に係る再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断された(令和5年6月)。電子化された添付文書やRMPで作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等の内容が確認できることから、これらの説明を省略したガイドラインに切り替えた(令和5年11月)。

なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会、特定非営利活動法人日本肺癌学会及び一般社団法人日本呼吸器学会の協力のもと作成した。

対象となる医薬品:ニボルマブ(遺伝子組換え)

対象となる効能又は効果:

切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

非小細胞肺癌における術前補助療法

対象となる用法及び用量:

<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>

通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回360mgを3週間間隔で点滴静注する。

<非小細胞肺癌における術前補助療法>

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回360mgを3週間間隔で点滴静注する。ただし、投与回数は3回までとする。

2.施設について

本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用するべきである。

① 施設について

①―1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。

(1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など)

(2) 特定機能病院

(3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携協力病院、がん診療連携推進病院など)

(4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料1又は外来腫瘍化学療法診療料2の施設基準に係る届出を行っている施設

(5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設

①―2 肺癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師(下表のいずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置されていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に4年以上の臨床経験を有していること。うち、3年以上は、肺癌のがん薬物療法を含む呼吸器病学の臨床研修を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、肺癌のがん薬物療法を含む5年以上の呼吸器外科学の修練を行っていること。

② 院内の医薬品情報管理の体制について

医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。

③ 副作用への対応について

③―1 施設体制に関する要件

間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24時間診療体制の下、当該施設又は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。

③―2 医療従事者による有害事象対応に関する要件

がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリングを含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されていること。

③―3 副作用の診断や対応に関して

本剤の電子化された添付文書において注意喚起されている副作用に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っていること。

3.投与対象となる患者

① 下記に該当する非小細胞肺癌患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない。

・ 術後補助療法に対する本剤の単独投与及び他の抗悪性腫瘍剤との併用投与

・ 化学療法歴のない患者に対する本剤の単独投与

② 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行わないこと。

・ 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

③ 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されないが、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。

・ 間質性肺疾患の合併又は既往のある患者

・ 胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等の肺に炎症性変化がみられる患者

・ 自己免疫疾患の合併、又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

・ 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

・ 結核の感染又は既往を有する患者

・ ECOG Performance Status 3―4(注1)の患者

――――――――――

(注1) ECOGのPerformance Status(PS)

Score

定義

0

全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。

1

肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。

例:軽い家事、事務作業

2

歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。

3

限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。

4

全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

[参考2]

最適使用推進ガイドライン

ニボルマブ(遺伝子組換え)

~頭頸部癌~

平成29年3月(令和5年11月改訂)

厚生労働省

目次

1.はじめに

2.施設について

3.投与対象となる患者

1.はじめに

本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から、ニボルマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)を使用する施設に求められる要件及び投与対象となる患者を示す。作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書及び医薬品リスク管理計画(以下、「RMP」)を参照すること。

※ 本効能又は効果に係る再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断された(令和5年6月)。電子化された添付文書やRMPで作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等の内容が確認できることから、これらの説明を省略したガイドラインに切り替えた(令和5年11月)。

なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会、一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会及び公益社団法人日本口腔外科学会の協力のもと作成した。

対象となる医薬品:ニボルマブ(遺伝子組換え)

対象となる効能又は効果:再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌

対象となる用法及び用量:通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

2.施設について

本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用するべきである。

① 施設について

①―1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。

(1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など)

(2) 特定機能病院

(3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携協力病院、がん診療連携推進病院など)

(4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料1又は外来腫瘍化学療法診療料2の施設基準に係る届出を行っている施設

(5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設

①―2 頭頸部癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師又は歯科医師(下表のいずれかに該当する医師又は歯科医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置されていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に4年以上の耳鼻咽喉科領域の臨床研修を行っており、うち、2年以上は、がん薬物療法を含む頭頸部悪性腫瘍診療の臨床研修を行っていること。

・ 医師免許又は歯科医師免許取得後の初期研修を修了した後に、5年以上の口腔外科の臨床研修を行っており、うち、2年以上は、がん薬物療法を含む口腔外科のがん治療の臨床研修を行っていること。

なお、本剤による治療においては副作用等の全身的管理を要するため、患者の治療に当たる歯科医師は上の表のいずれかに示す条件を満たす医師(頭頸部癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師)との緊密な連携のもとに診療すること。

② 院内の医薬品情報管理の体制について

医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安全性等薬学的情報の管理及び医師又は歯科医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。

③ 副作用への対応について

③―1 施設体制に関する要件

間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24時間診療体制の下、当該施設又は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。

③―2 医療従事者による有害事象対応に関する要件

がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリングを含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されていること。

③―3 副作用の診断や対応に関して

本剤の電子化された添付文書において注意喚起されている副作用に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っていること。

3.投与対象となる患者

① 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない。

・ プラチナ製剤を含む化学療法による治療歴のない患者

・ 術後補助療法

・ 他の抗悪性腫瘍剤と併用して投与される患者

② 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行わないこと。

・ 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

③ 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されないが、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。

・ 間質性肺疾患の合併又は既往のある患者

・ 胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等の肺に炎症性変化がみられる患者

・ 自己免疫疾患の合併、又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

・ 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

・ 結核の感染又は既往を有する患者

・ ECOG Performance Status 3―4(注1)の患者

――――――――――

(注1) ECOGのPerformance Status(PS)

Score

定義

0

全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。

1

肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。

例:軽い家事、事務作業

2

歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。

3

限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。

4

全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

[参考3]

最適使用推進ガイドライン

ニボルマブ(遺伝子組換え)

~腎細胞癌~

平成29年4月(令和5年11月改訂)

厚生労働省

目次

1.はじめに

2.施設について

3.投与対象となる患者

1.はじめに

本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から、ニボルマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)を使用する施設に求められる要件及び投与対象となる患者を示す。作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書及び医薬品リスク管理計画(以下、「RMP」)を参照すること。

※ 本効能又は効果に係る再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断された(令和5年6月)。電子化された添付文書やRMPで作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等の内容が確認できることから、これらの説明を省略したガイドラインに切り替えた(令和5年11月)。

なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会及び一般社団法人日本泌尿器科学会の協力のもと作成した。

対象となる医薬品:ニボルマブ(遺伝子組換え)

対象となる効能又は効果:根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

対象となる用法及び用量:

通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

カボザンチニブと併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

化学療法未治療の根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

2.施設について

本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用するべきである。

① 施設について

①―1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。

(1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など)

(2) 特定機能病院

(3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携協力病院、がん診療連携推進病院など)

(4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料1又は外来腫瘍化学療法診療料2の施設基準に係る届出を行っている施設

(5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設

①―2 腎細胞癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師(下表のいずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置されていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に4年以上の泌尿器科学の臨床研修を行っており、うち、2年以上は、腎細胞癌のがん薬物療法を含むがん治療の臨床研修を行っていること。

② 院内の医薬品情報管理の体制について

医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。

③ 副作用への対応について

③―1 施設体制に関する要件

間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24時間診療体制の下、当該施設又は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。

③―2 医療従事者による有害事象対応に関する要件

がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリングを含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されていること。

③―3 副作用の診断や対応に関して

本剤の電子化された添付文書において注意喚起されている副作用に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っていること。

3.投与対象となる患者

① 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない。

・ 化学療法未治療患者及びサイトカイン製剤のみの治療歴を有する患者に対する本剤単独投与

・ 術後補助療法

② 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行わないこと。

・ 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

③ 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されないが、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。

・ 間質性肺疾患の合併又は既往のある患者

・ 胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等の肺に炎症性変化がみられる患者

・ 自己免疫疾患の合併、又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

・ 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

・ 結核の感染又は既往を有する患者

・ Karnofsky Performance Status 70未満(注1)の患者

――――――――――

(注1) Karnofsky Performance Status(PS)


Score

定義

正常の活動が可能。特別な看護が必要ない。

100

正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし。

90

軽い臨床症状はあるが、正常活動可能

80

かなり臨床症状があるが、努力して正常の活動可能

労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な欲求によるものである。様々な程度の介助を必要とする。

70

自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能

60

自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要

50

病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要

身の回りのことを自分でできない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある。

40

動けず、適切な医療および看護が必要

30

全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない

20

非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要

10

死期が迫っている

0

[参考4]

最適使用推進ガイドライン

ニボルマブ(遺伝子組換え)

~胃癌~

平成29年9月(令和5年11月改訂)

厚生労働省

目次

1.はじめに

2.施設について

3.投与対象となる患者

1.はじめに

本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から、ニボルマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)を使用する施設に求められる要件及び投与対象となる患者を示す。作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書及び医薬品リスク管理計画(以下、「RMP」)を参照すること。

※ 本効能又は効果のうち、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌に係る再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断された(令和5年6月)。電子化された添付文書やRMPで作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等の内容が確認できることから、これらの説明を省略したガイドラインに切り替えた(令和5年11月)。

なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会及び一般社団法人日本胃癌学会の協力のもと作成した。

対象となる医薬品:ニボルマブ(遺伝子組換え)

対象となる効能又は効果:治癒切除不能な進行・再発の胃癌

対象となる用法及び用量:

通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。

他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回360mgを3週間間隔で点滴静注する。

2.施設について

医薬品リスク管理計画(RMP)に基づき、本剤の医薬品安全性監視活動への協力体制がある施設であって、本剤の投与が適切な患者を診断・特定し、本剤の投与により重篤な副作用を発現した際に対応することが必要なため、以下の①~③のすべてを満たす施設において使用するべきである。

① 施設について

①―1 下記の(1)~(5)のいずれかに該当する施設であること。

(1) 厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院など)

(2) 特定機能病院

(3) 都道府県知事が指定するがん診療連携病院(がん診療連携指定病院、がん診療連携協力病院、がん診療連携推進病院など)

(4) 外来化学療法室を設置し、外来腫瘍化学療法診療料1又は外来腫瘍化学療法診療料2の施設基準に係る届出を行っている施設

(5) 抗悪性腫瘍剤処方管理加算の施設基準に係る届出を行っている施設

①―2 胃癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師(下表のいずれかに該当する医師)が、当該診療科の本剤に関する治療の責任者として配置されていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。うち、2年以上は、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、消化器癌のがん薬物療法を含む5年以上の消化器外科学の修練を行っていること。

・ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に4年以上の臨床経験を有していること。うち、3年以上は、消化器癌のがん薬物療法を含む消化器病学の臨床研修を行っていること。

② 院内の医薬品情報管理の体制について

医薬品情報管理に従事する専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供、有害事象が発生した場合の報告業務、等が速やかに行われる体制が整っていること。

③ 副作用への対応について

③―1 施設体制に関する要件

間質性肺疾患等の重篤な副作用が発生した際に、24時間診療体制の下、当該施設又は連携施設において、発現した副作用に応じて入院管理及びCT等の副作用の鑑別に必要な検査の結果が当日中に得られ、直ちに対応可能な体制が整っていること。

③―2 医療従事者による有害事象対応に関する要件

がん診療に携わる専門的な知識及び技能を有する医療従事者が副作用モニタリングを含めた苦痛のスクリーニングを行い主治医と情報を共有できるチーム医療体制が整備されていること。なお、整備体制について、がん患者とその家族に十分に周知されていること。

③―3 副作用の診断や対応に関して

本剤の電子化された添付文書において注意喚起されている副作用に対して、当該施設又は近隣医療機関の専門性を有する医師と連携し(副作用の診断や対応に関して指導及び支援を受けられる条件にあること)、直ちに適切な処置ができる体制が整っていること。

3.投与対象となる患者

① 下記に該当する患者に対する本剤の投与及び使用方法については、本剤の有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない。

・ 一次治療及び二次治療を受けていない患者に対する本剤の単独投与

・ HER2陽性の患者に対する化学療法との併用投与

・ 術後補助療法としての投与

② 下記に該当する患者については本剤の投与が禁忌とされていることから、投与を行わないこと。

・ 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

③ 治療前の評価において下記に該当する患者については、本剤の投与は推奨されないが、他の治療選択肢がない場合に限り、慎重に本剤を使用することを考慮できる。

・ 間質性肺疾患の合併又は既往のある患者

・ 胸部画像検査で間質影を認める患者及び活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎等の肺に炎症性変化がみられる患者

・ 自己免疫疾患の合併、又は慢性的な若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

・ 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

・ 結核の感染又は既往を有する患者

・ ECOG Performance Status 3―4(注1)の患者

――――――――――

(注1) ECOGのPerformance Status(PS)

Score

定義

0

全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える。

1

肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。

例:軽い家事、事務作業

2

歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。

3

限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。

4

全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

[参考5]

最適使用推進ガイドライン

ニボルマブ(遺伝子組換え)

~高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI―High)を有する結腸・直腸癌~

令和2年2月(令和5年11月改訂)

厚生労働省

目次

1.はじめに

2.施設について

3.投与対象となる患者

1.はじめに

本ガイドラインでは、開発段階やこれまでに得られている医学薬学的・科学的見地に基づき、以下の医薬品の最適な使用を推進する観点から、ニボルマブ(遺伝子組換え)(以下、「本剤」)を使用する施設に求められる要件及び投与対象となる患者を示す。作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書及び医薬品リスク管理計画(以下、「RMP」)を参照すること。

※ 本効能又は効果に係る再審査における評価の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断された(令和5年6月)。電子化された添付文書やRMPで作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等の内容が確認できることから、これらの説明を省略したガイドラインに切り替えた(令和5年11月)。

なお、本ガイドラインは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、公益社団法人日本臨床腫瘍学会、一般社団法人日本臨床内科医会及び一般社団法人日本癌治療学会の協力のもと作成した。