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○医療機器のユーザビリティエンジニアリングに係る基本要件基準の適用に関する質疑応答集(Q&A)について

(令和5年8月10日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課通知)

医療機器のユーザビリティエンジニアリングに係る「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十一条第三項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準」(平成17年厚生労働省告示第122号。以下「基本要件基準」という。)の適用については、「医療機器のユーザビリティエンジニアリングに係る要求事項に関する日本産業規格の改正の取扱いについて」(令和4年9月30日付け薬生機審発0930第1号・薬生監麻発0930第1号、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長及び監視指導・麻薬対策課長連名通知)において、日本産業規格「医療機器―第1部:ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用」(JIS T 62366―1:2022(以下「改正後のJIS」という。)の取扱いを示しているところです。

今般、医療機器のユーザビリティエンジニアリングに係る基本要件基準の適用に関する質疑応答集を別紙のとおり取りまとめましたので、貴管内の製造販売業者において浸透が図られるよう、周知方御配慮願います。

[別紙]

医療機器のユーザビリティエンジニアリングに係る基本要件基準の適用に関する質疑応答集(Q&A)

Q1:「基本要件基準第9条、第16条等」の「等」は何か。

A1:第9条第4項第1号、第2号及び第16条の他に、ユーザビリティに関連する内容が条文に含まれる条項としては、医療機器の特性によるが、例えば第10条第4項、第5項、第15条第3項及び第17条が挙げられる。

Q2:「ユーザビリティに係る事項への適合の確認を行う体制」とはどのようなものか。

A2:QMS省令で規定する使用性に関し、改正後のJIS等に適合するため、製造販売業者等がリスクマネジメントを含む製品実現や設計開発に係る手順書の改訂等を行い、適合性の確認を行う体制のことである。なお、製造販売業者と設計製造業者が異なる場合、設計製造業者がQMS省令に基づき、使用性について改正後のJIS等を適用した体制を整備し、製造販売業者が設計製造業者による適合性確認の記録を確認し、その適切性を根拠に基づいて説明できるようにするなど、改正後のJIS等への適合性確認を行える体制を整備しておくことでもよい。

Q3:「令和6年3月31日(以下「経過措置期間終了日」という。)の翌日以降に、製造販売される医療機器に対して、改正後のJISへの適合をもって基本要件基準第9条、第16条等で規定するユーザビリティに係る事項への適合の確認を行う体制を整備すること。」とあるが、要求事項は手順書改訂や実施組織の体制整備までであり、個々の品目についての記録書等、適合性の証左の作成までは不要との理解でよいか。

A3:貴見のとおり。

なお、体制整備等を行った手順書(改訂版)の適用日(遅くとも令和6年4月1日)以降に、設計変更を行う際に改正後のJISを用いた適合記録を作成すること。

Q4:令和6年3月31日までに承認、認証及び届出がされている品目における改正後のJISの適用については、何を行えばよいか。

A4:令和6年3月31日までに承認、認証及び届出がされている品目に関しては、設計変更が生じた際などに、それぞれ整備された手順書に従いユーザビリティに関する適合性確認を行うこと。

なお、経過措置期間終了日までに設計・開発され、商品化したユーザーインターフェイス又はユーザーインターフェイスの一部については、開発過程が不明なユーザーインターフェイス(UOUP)とみなして、改正後のJISの附属書C「開発過程が不明なユーザーインターフェイス(UOUP)の評価」に基づいて適合性を判断し、設計変更された部分等に対しては、改正後のJISの5.1~5.9に従ってユーザビリティに関する適合性確認を行うことでもよい。

Q5:「改正後のJISの他、国際的に用いられている適切な規格等がある場合」とあるが、重要なのはこの規格への適用に限定することではなく、ユーザビリティに関する基本要件基準の要求を満たすことであって、JIS T 62366―1以外でもその適切性を説明できるのであれば差し支えないとの理解でよいか。

A5:貴見のとおり。ユーザビリティに関する基本要件基準の要求を満たすにあたり、JIS T 62366―1以外にその適切性を説明できる、国際的に認められている規格又は日本産業規格があれば、それを用いて差し支えない。(例えば、IEC 62366―1:2015及びAmendment1:2020,JIS T 60601―1―6:2023など。JIS T 60601―1―6の場合、要求事項はJIS T 62366―1が引用されている。)

Q6:「経過措置期間終了日の翌日以降の承認申請等の添付資料において、改正後のJISへの適合性を証明すること」とあるが、添付資料にはどの項目に記載すればよいか。

A6:ユーザビリティに関する記述は、添付資料の設計検証及び妥当性確認文書の概要の項目に参照した規格(例えば、JIS T 62366―1)及び評価の概要を簡潔に記載すること。別添に改正後のJISを用いた場合の記載例を示すが、この記載に限るものではない。

Q7:「経過措置期間終了日の翌日以降に、高度管理医療機器又は管理医療機器の承認申請又は認証申請を行う」とあるが、申請日が経過措置中であれば、承認又は認証日が経過措置期間終了日の翌日以降となる見込みであっても、改正後のJISの適用及び適合性の説明は不要と考えてよいか。

A7:貴見のとおり。

Q8:例えば、製造所の変更・追加、滅菌方法の変更、有効期間の延長、ユーザビリティに影響しない原材料の供給業者変更やグレード変更、サイズの変更・追加については、ユーザビリティに影響がない一部変更申請と考えられる。このような場合には、基本要件のユーザビリティへの適合性に関する記載は不要との理解でよいか。

A8:貴見のとおり。ユーザビリティに影響しない変更の場合には、当該基本要件への適合性に影響を及ぼさないことから記載は不要である。なお、製造所迅速一変や有効期間延長等の明らかにユーザビリティに影響しない変更を除き、当該変更によりユーザビリティに影響がないことを承認(認証)申請書添付資料4項にて説明すること。

Q9:コンタクトレンズにおけるユーザーインターフェイスとは、どのようなものか。

A9:改正後のJISにおいて、ユーザーインターフェイスは「ユーザーと医療機器とがやり取りをする手段」と定義されている。例えば、コンタクトレンズの場合は、使用者が一般人であり、通常の使用方法を習得し使用エラーを防止する手段としては、添付文書や取扱説明書を含む附属文書もユーザーインターフェイスの一部とみなし、使用には教育やトレーニングの内容が含まれると考えられる。

なお、教育やトレーニングの必要性については、附属文書の適切性(例えば、コンタクトレンズの添付文書が平成28年6月20日厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課事務連絡「視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準の改定について」に従った内容で作成されたものである場合など)等により判断することで差し支えない。

[別添]

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別添資料1

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