○E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告に関するQ&Aの改正について
(令和5年8月10日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課通知)
「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告について」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第12号、薬生安発0831第3号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、医薬安全対策課長連名通知)に関する質疑応答集(Q&A)については、「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告に関するQ&Aの改正について」(令和4年6月24日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、医薬安全対策課連名事務連絡。以下「旧事務連絡」という。)によりお示ししてきたところです。
今般、「「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」の一部改正について」(令和5年8月10日付け薬生安発0810第2号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)の発出等に伴いQ&Aの内容を一部改正し、その他所要の改正を別紙1のとおり実施し、新たに別紙2のとおりとりまとめましたので、御了知の上、業務の参考として貴管内関係業者等に周知方よろしく御配慮願います。
本事務連絡の発出に伴い、旧事務連絡は廃止します。
(別紙1)
別紙2
E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告に関するQ&A
令和5年8月10日
目次
〔用いた略語〕
1.副作用等報告及び感染症報告
(1) 報告対象
(2) 報告期限等
(3) 予測性
(4) 重篤性の判断基準
(5) 記載要領
(6) J項目
(7) ICSR項目
(8) 受付関連
(9) 紙報告関連
(10) 電子的報告関連
2.即時報告
3.研究報告・外国措置報告
(1) 研究報告・外国措置報告に共通の注意事項
(2) 研究報告
(3) 外国措置報告
4.医薬品未知・非重篤副作用定期報告
(1) 報告方法
(2) 報告起算日等
(3) 報告対象
5.当局に直接報告された症例の取扱いについて
6.開発を長期中断する場合等について
〔用いた略語〕
法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)
施行規則:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)
市販後局長通知:平成26年10月2日付け薬食発第1002第20号厚生労働省医薬食品局長通知「医薬品等の副作用等の報告について」
治験局長通知:令和2年8月31日付け薬生発第0831第8号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対する治験副作用等報告について」
E2B(R3)二課長通知:令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第12号、薬生安発0831第3号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、医薬安全対策課長連名通知「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告について」
E2B(R2)二課長通知:平成18年3月31日付け薬食審査発第0331022号、薬食安発第0331009号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、安全対策課長連名通知「市販後副作用等報告及び治験副作用等報告について」(廃止)
E2B(R3)五部長通知:令和2年8月31日付け薬機審マ発第0831001号、薬機安企発第0831003号、薬機安対一発0831001号、薬機安対二発第0831001号、薬機品安発第0831001号独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査マネジメント部長、安全性情報・企画管理部長、安全対策第一部長、安全対策第二部長、医療機器品質管理・安全対策部長連名通知「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告の留意点について」
ICH:医薬品規制調和国際会議
E2B(R3)実装ガイド:平成29年3月15日付け薬生薬審発0315第6号、薬生安発0315第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、安全対策課長連名通知「個別症例安全性報告の電子的伝送に係る実装ガイドの修正等について」
E2B(R3)ICHQ&A:令和元年9月26日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、医薬安全対策課連名事務連絡「個別症例安全性報告の電子的伝送に関する質疑応答集(Q&A)について」
E2Dガイドライン:平成17年3月28日付け薬食安発0328007号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知「承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準について」
市販後副作用等報告:法第68条の10第1項に規定する副作用等の報告
治験副作用等報告:法第80条の2第6項に規定する治験に関する副作用等の報告
PMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構
電子的報告:電子情報処理組織による報告
CD等報告:市販後局長通知別紙様式又は治験局長通知別紙様式に掲げる事項を記録したCD―R(ROM)又はDVD―R(ROM)及び報告者の氏名、住所、報告の年月日その他市販後局長通知又は治験局長通知に規定する必要事項を記載した書類を提出することによる報告
紙報告:市販後局長通知別紙様式及び治験局長通知別紙様式に定める必要事項を記入した報告書及びE2B(R3)二課長通知の別紙1「厚生労働省システム管理用データ項目」及び別紙2「個別症例安全性報告データ項目」に掲げる事項をE2B(R3)実装ガイドに対応したXML形式により記録したCD―R(ROM)又はDVD―R(ROM)を提出することによる報告
即時報告:市販後局長通知別添の2(1)②に該当する報告
ICSRファイル:E2B項目及びJ項目をXML形式により記録した電子ファイル
旧報告基準:薬事法施行規則の一部を改正する省令(平成17年厚生労働省令第30号)による改正前の薬事法施行規則の副作用等報告又は薬物に係る治験に関する副作用等の報告の規定
1.副作用等報告及び感染症報告
(1) 報告対象
Q1:【市販後】【治験】 「副作用によるものと疑われるもの」の範囲は? また、因果関係が否定できない事例や因果関係が不明の事例は報告対象となるか? |
A1:【市販後】【治験】
ICH等において、報告対象となる副作用(Adverse Drug Reaction)とは、「有害事象のうち当該医薬品との因果関係が否定できないものをいう」とされており、我が国においても現在、事実上その範囲で情報収集がなされている。
「副作用によるものと疑われるもの」とは、「因果関係が否定できるもの」以外のものであり、「因果関係が不明なもの」も報告対象となる。
Q2:【市販後】【治験】 「副作用によるものと疑われるもの」の判断は誰が行うのか? |
A2:【市販後】【治験】
報告者から情報提供された因果関係評価内容に基づき、送信者の責任において判断すること。なお、報告に際しては、送信者及び全ての報告者が「因果関係が否定できる」と判断したもの以外は報告すること。なお、報告者に、「弁護士」又は「消費者又はその他の非医療専門家」が含まれ、かつ、他に「医師」、「薬剤師」又は「他の医療専門家」である報告者がいる場合は、全ての「医師」、「薬剤師」又は「他の医療専門家」である報告者により因果関係が否定された事をもって、全ての報告者が因果関係を否定したと判断してよい。
Q3:【市販後】 報告者が明らかに非重篤と判定している副作用症例でも、副作用の治療による入院又は入院期間の延長が必要とされる症例については重篤と考えるべきか? |
A3:【市販後】
重篤な症例として取り扱うこと。
Q4:【市販後】【治験】 現在では完全に認知されていない検査法でしか検出できないウイルスの混入による感染症が疑われた場合に、現在認知されている検査法においてウイルスの混入が陰性のデータがあっても報告しなければならないか? |
A4:【市販後】【治験】
報告が必要である。医薬品の使用によるものと疑われる感染症については、検査法が確立されているか否かにかかわらず報告しなければならない。
Q5:【市販後】 不良品により発生した副作用についても、副作用等報告の必要はあるか? |
A5:【市販後】
不良品によるものであっても、副作用等報告を行う必要がある。
Q6:【市販後】 自殺や犯罪、乳幼児等による誤飲等、明らかに疾病の治療等の医療目的でない使用において発生した健康危害症例は、報告の対象となるか? |
A6:【市販後】
当該症例は、施行規則第228条の20の規定に基づく報告の対象とはならない。
Q7:【市販後】 市販後局長通知において、「少なくともその症例が発生した国においてその国の政府に緊急に報告する必要がある症例については報告すべきものであること。」とあるが、具体的には、どのような点に留意すべきか? |
A7:【市販後】
ある医薬品について、国内では日本法人が、外国では提携先企業等が販売しており、症例が発生した国において提携先企業等が緊急に当該国の政府に報告したものについて、当該副作用が国内における使用上の必要な注意等から予測することができない場合は、日本法人においても未知・重篤と判断し、報告をすべきであることに留意されたい。
Q8:【市販後】 外国で使用されているものであって当該医薬品(国内で承認されているもの)と成分が同一性を有すると認められ報告対象となるものとは何か? |
A8:【市販後】
(1) 成分が同一性を有するのであれば、用法・用量、効能・効果、配合されている他の有効成分等が同一性を有しないものであっても報告対象となる。
(2) 送信者が、国内において、成分が同一性を有する複数の製剤の製造販売承認を取得しており、当該有効成分の外国副作用又は感染症症例を知った場合、症例における医薬品の使用理由、用法・用量、配合されている他の有効成分等に鑑み、送信者が国内で製造販売承認を有する製剤のうち、より適切と考える製剤として報告し、報告漏れを起こさないようにすること。
(3) 成分が同一性を有するのであれば、外国提携先の製品のほか、当該提携先企業の製品でなくとも、重篤で使用上の必要な注意等から予測できない副作用等情報を入手した場合には、報告対象となる。
Q9:【市販後】【治験】 医薬品又は治験使用薬によると考えられる奇形等の発現があり中絶した場合、親―子/胎児報告として報告するのか? |
A9:【市販後】【治験】
親―子/胎児報告として報告すること。
Q10:【治験】 治験前より予定していた療法又は検査を治験中に実施することのみを目的とした入院(予定手術や検査等)の場合は、報告対象から除外してよいか? |
A10:【治験】
除外してよい。
Q11:【市販後】 医師から次のような報告があった場合、感染症報告は必要か? ①血液製剤によるウイルス肝炎 ②無顆粒球症に伴う敗血症 ③抗生物質の使用の結果起きる菌交代症 ④ワクチン投与に伴う無菌性髄膜炎 ⑤抗生物質使用中のMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)感染 ⑥医薬品等の使用中に起きた新興感染症 |
A11:【市販後】
(1) ①については、感染症報告が必要である。
(2) ②~④については、従前から副作用として報告を求めており、今後も同様に報告すること。
(3) ⑤については、症例報告として報告する必要はないが、抗生物質の使用に伴う当該抗生物質への耐性菌に関し、その耐性メカニズムや出現傾向の変化等に係る知見については、研究報告として扱うべきかどうか、PMDA医薬品安全対策第一部又は医薬品安全対策第二部に個別に相談すること。
(4) ⑥については、感染症報告が必要である。国内症例であるか外国症例であるかにかかわらず患者の症状等の詳細情報について調査するとともに、診断根拠を明確にすること。
また、当該事例が起きた場合は、PMDA医薬品安全対策第一部又は医薬品安全対策第二部(体外診断用医薬品の場合は、医療機器品質管理・安全対策部医療機器安全課)に個別に相談すること。
Q12:【市販後】 MID―NET等の医療情報データベースを用いた調査で有害事象の発現を知ったが、対応表が存在せず、元の医療情報に遡ることができない。この場合において、副作用等報告・感染症報告を行う必要があるか? |
A12:【市販後】
医療情報データベースにおいて、元の医療情報との照合を可能にする対応表が存在しない場合、元の医療情報に遡らないことを前提に情報の提供がなされているものであり、追加情報の調査を行わずとも差し支えない。また、対応表が存在しない医療情報データベースから得られた情報については、個別の症例ごとの副作用・感染症を報告する必要はない。
Q13:【治験】 被験薬及び被験薬以外の治験使用薬について、報告が必要な症例と報告期限はどのように考えればよいか? |
A13:【治験】
被験薬及び被験薬以外の治験使用薬について、報告が必要な症例とその報告期限は以下のとおりである。
なお、被験薬について、当該被験薬が「一変以外」の場合、「一変以外」の表に従い対応し、当該被験薬が「一変」の場合、「一変」の表に従い対応すること。
被験薬以外の治験使用薬について、届書に1つでも「一変以外」の被験薬があれば、「一変以外」の表に従い対応し、届書の被験薬が全て「一変」の場合、「一変」の表に従い対応すること。
<国内治験症例>
予測性 |
重篤性 |
一変以外 |
一変※ |
|
被験薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
7日 |
7日 |
その他重篤 |
15日 |
15日 |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
15日 |
15日 |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
||
被験薬以外の治験使用薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
7日 |
7日 |
その他重篤 |
15日 |
15日 |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
15日 |
15日 |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
<外国で実施された臨床試験における症例>
予測性 |
重篤性 |
外国で実施された臨床試験において、当該被験薬を使用している場合 |
外国で実施された臨床試験において、当該被験薬を使用していない場合 |
||
一変以外 |
一変※ |
||||
被験薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
7日 |
不要 |
― |
その他重篤 |
15日 |
不要 |
― |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
15日 |
不要 |
― |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
― |
||
被験薬以外の治験使用薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
7日 |
不要 |
不要 |
その他重篤 |
15日 |
不要 |
不要 |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
15日 |
不要 |
不要 |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
不要 |
<外国における使用(臨床試験における使用を除く。)で生じた症例>
予測性 |
重篤性 |
一変以外 |
一変※ |
|
被験薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
7日 |
不要 |
その他重篤 |
15日 |
不要 |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
15日 |
不要 |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
||
被験薬以外の治験使用薬 |
未知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
不要 |
不要 |
その他重篤 |
不要 |
不要 |
||
既知 |
死亡・死亡につながるおそれ |
不要 |
不要 |
|
その他重篤 |
不要 |
不要 |
※ 用法若しくは用量又は効能若しくは効果に関する追加、変更又は削除に係る承認事項の一部変更の承認申請に用いる治験に限る。
Q14:【治験】 二重盲検による報告症例で盲検解除の結果、被験薬が投与されていないことが判明した場合の報告について、どのように報告すればよいか? A.初報を盲検中である被験薬のみで報告しており、追加情報により、以下の場合 A―1.被疑薬がプラセボのみ A―2.外国の臨床試験由来の症例で、被疑薬が国内治験では使用していない対照薬(治験使用薬以外の薬物) B.治験使用薬を複数使用する試験において、初報を盲検中である被験薬のみで報告しており、追加情報により、以下の場合 B―1.被疑薬がプラセボ及び治験使用薬 C.初報を盲検中である被験薬及び他の治験使用薬が報告対象で報告しており、追加情報により、以下の場合 C―1.開鍵した結果がプラセボ又は外国の臨床試験由来の症例における対照薬であって国内治験では使用していない薬物(治験使用薬以外の薬物)で、被疑薬としていた他の治験使用薬が報告対象のまま残る場合 C―2.開鍵した結果がプラセボ又は外国の臨床試験由来の症例における対照薬であって国内治験では使用していない薬物(治験使用薬以外の薬物)で、被疑薬としていた他の治験使用薬が報告対象ではなくなる場合 |
A14:【治験】
A―1.報告対象の治験使用薬が投与されていないため、取下げ報告を行う。
A―2.治験使用薬が投与されていないため、取下げ報告を行う。(被疑薬である対照薬は国内治験では使用していない対照薬〈治験使用薬以外の薬物〉であるため、報告対象ではない)
B―1.被験薬は投与されていないが、被疑薬として報告対象の治験使用薬が残るため、追加報告を行う
C―1.被験薬は投与されていないが、被疑薬として報告対象の治験使用薬が残るため、追加報告を行う
C―2.被験薬は投与されていないが、報告対象の治験使用薬が投与されているため、報告対象外として追加報告を行う。
Q15:【治験】 当該症例は存在しているが、治験責任医師から一旦報告された有害事象が再考等により、削除された結果、報告対象の有害事象がなくなった場合の報告はどのようにすればよいか? |
A15:【治験】
当該事象そのものが存在しなかった場合は、「症例そのものが存在しなかった場合」と同様に取下げ報告を行うこと。ただし、当該事象以外に報告対象の有害事象が存在する場合(報告対象であった有害事象の因果関係が否定された場合や重篤性などが変更された場合を含む)はこの限りではない。
Q16:【治験】 外国で実施された臨床試験における症例において、被験薬との因果関係は否定され報告対象外であっても、被験薬以外の治験使用薬が被疑薬となる場合、報告対象となるか? |
A16:【治験】
情報を入手した症例については、報告対象となる。
Q17:【市販後】【治験】 治験を製造販売後臨床試験に切り替えて継続実施する場合、治験中に治験使用薬として使用されていた薬物(製造販売後臨床試験では、製造販売後臨床試験使用薬)について、製造販売後臨床試験実施期間中に発現した副作用等の報告義務は製造販売後臨床試験依頼者ではなく、各医薬品の製造販売業者にあると考えてよいか? |
A17:【市販後】【治験】
よい。なお、切替え前の治験中に発現した副作用等を製造販売後臨床試験実施期間中に知った場合は、治験依頼者が治験副作用等報告を行う必要がある点に留意すること。
(2) 報告期限等
Q18:【市販後】 平成10年3月11日付け医薬安第25号厚生省医薬安全局安全対策課長通知「医薬品の安全対策の徹底について」の記2.(2)において、『添付文書の改訂によって新たに記載されることとなった副作用について、添付文書の改訂が実施され医療機関等への情報伝達が終了するまでの間に当該副作用と同様の情報を入手した場合は、「使用上の注意から予測できない副作用」として取扱い15日以内に報告すること。』と規定されているが、医療機関等への情報伝達が終了するまでとは、いつの時点と考えたらよいか? |
A18:【市販後】
製造販売業者が定めた情報伝達を終了した日とすること。
Q19:【市販後】【治験】 市販後副作用等報告において、30日以内の報告の対象であると考えていたところ、第一報を報告する前に追加情報により15日以内の報告の対象であることが判明した場合の報告期限はいつか? また、治験副作用等報告において、15日以内の報告の対象であると考えていたところ、第一報を報告する前に追加情報により7日以内の報告の対象であることが判明した場合の報告期限はいつか? |
A19:
【市販後】
15日以内の報告の対象であることが判明した日を起算日として15日以内に報告すること。ただし、この報告期限が30日以内の報告の対象であると考えた情報を入手した日を起算日として30日を超える場合は、少なくとも、30日以内の報告の対象であると考えた情報を、その情報を入手した日を起算日とした30日以内に報告すること。
【治験】
7日以内の報告の対象であることが判明した日を起算日として7日以内に報告すること。ただし、この報告期限が15日以内の報告の対象であると考えた情報を入手した日を起算日として15日を超える場合は、少なくとも、15日以内の報告の対象であると考えた情報を、その情報を入手した日を起算日とした15日以内に報告すること。
Q20:【治験】 既に報告済みの症例について、追加の医学的に重要な情報を入手し、追加報告を提出する際には法令上の報告期限は追加の情報入手日を起算日として考えてよいか? |
A20:【治験】
よい。追加の情報入手日を起算日として期限内に追加報告すること。例えば、既に15日以内の報告を行った症例について、7日以内の報告対象となる情報を追加で入手した場合には、7日以内に追加報告を行うこと。なお、既に7日以内に報告済の症例について、報告対象となる情報を追加で入手した場合は15日以内に追加報告を行うこと。この場合も報告区分は7日で表示し、「C.1.7 本症例は当該国の緊急報告の基準を満たすか?」には「はい」を入力する。ただし、新たに7日以内に報告すべき追加情報(新たな有害事象、有害事象名の変更、重篤性または重篤性基準の変更)を入手した場合は、7日以内に追加報告を行うこと。
Q21:【治験】 治験国内管理人が治験副作用等報告を行うにあたり、報告期限はどのように設定すべきか? |
A21:【治験】
本邦内に住所を有しない治験の依頼をした者又は治験国内管理人のいずれか早い方が、報告すべき情報を入手した日を日本時間に換算して報告起算日とすることにより設定すること。
(3) 予測性
Q22:【市販後】 注意事項等情報における「使用上の注意」の項目のうち予測できるかどうかの判断に用いる項目は何か? |
A22:【市販後】
「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について」(令和3年6月11日付け薬生発0611第1号)に基づいて記載されている「使用上の注意」では、以下の項目が該当する。
「1.警告」、「2.禁忌」、「5.効能又は効果に関連する注意」「7.用法及び用量に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」、「10.相互作用」、「11.副作用」、「12.臨床検査結果に及ぼす影響」、「13.過量投与」、「14.適用上の注意」
また、「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成9年4月25日付け薬発第606号)及び「医療用医薬品の使用上の注意記載要領について」(平成9年4月25日付け薬発第607号)に基づいて記載されている「使用上の注意」では、以下の項目が該当する。
「警告」、「禁忌」、「原則禁忌」、「効能又は効果に関連する使用上の注意」、「用法及び用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「副作用」、「高齢者への投与」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」、「小児等への投与」、「臨床検査結果に及ぼす影響」、「過量投与」、「適用上の注意」
Q23:【市販後】 使用上の必要な注意等から予測することができない副作用とはどのように判断するのか? |
A23:【市販後】
E2Dガイドライン中「2.4 予測できない副作用」に基づき、注意事項等情報における「使用上の注意」に鑑み判断すること。
Q24:【市販後】 市販後局長通知において、『「使用上の注意等から予測することができないもの」とは、注意事項等情報における「使用上の注意」(「警告」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「副作用」等)に記載されていないもの、あるいは、記載されていてもその性質又は症状の程度、特異性等が記載内容と一致しないものであること。』とされているが、「「使用上の注意」に記載されていてもその性質又は症状の程度、特異性等が記載内容と一致しないもの」とはどのような場合があるか? |
A24:【市販後】
例えば、以下のような場合が該当する。
(1) 「使用上の注意」に記載されている副作用名と名称が類似しているものの重症度や発現機序が異なる副作用が発現した場合(「肝炎」⇒「劇症肝炎」〔「使用上の注意」に「肝炎」が記載されていて、「劇症肝炎」が発現した場合〕、「貧血」⇒「再生不良性貧血」、「白血球減少、赤血球減少、血小板減少」⇒「汎血球減少」、「白血球減少(顆粒球減少)」⇒「無顆粒球症」、「下痢」⇒「脱水、電解質異常を伴う下痢」等)
(2) 「使用上の注意」に記載されている以上に特定されている(限定的な)副作用が発現した場合(「急性腎不全」⇒「間質性腎炎」等)
(3) 検査値異常が記載されていても、検査値異常と共に他の症状を伴っている場合(「血清カリウム低下」⇒「脱力、不整脈を伴う血清カリウム低下」等)
なお、記載された副作用に通常随伴する症状、徴候は「使用上の注意」から予測可能である。(例えば、「ショック」⇒「ショックに伴う血圧低下、心拍数増加、尿量低下」、「再生不良性貧血」⇒「再生不良性貧血に伴う顔面蒼白、疲労感」等)
Q25:【市販後】 外国で報告された副作用の予測性の判断は、国内の注意事項等情報における「使用上の注意」に基づいて行うことでよいか? |
A25:【市販後】
よい。
Q26:【治験】 治験局長通知において、『「当該被験薬の治験薬概要書又は当該被験薬以外の当該治験使用薬等についての既存の科学的知見から予測できないもの」とは、副作用等の評価時点における最新の予測性判断に使用する資料(治験薬概要書、科学的知見を記載した文書(添付文書、インタビューフォーム、学術論文等)。以下「治験薬概要書等」という。)に記載されていないもの、あるいは、記載されていてもその性質、症状の程度又は発生傾向が記載内容と一致しないものであること。』とされているが、「副作用等の評価時点における最新の予測性判断に使用する資料に記載されていてもその性質、症状の程度又は発生傾向が記載内容と一致しないもの」とは何か? |
A26:【治験】
平成7年3月20日付け薬審第227号厚生省薬務局審査課長通知「治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて」に示すように、治験薬概要書等に記載されている以上に特定されている(限定的)か、又は重症である事象は予測できないものが該当する。
例えば、治験薬概要書等に「急性腎不全」が記載されていて「間質性腎炎」が報告された場合、「間質性腎炎」は治験薬概要書等から予測できないものと判断する。
「肝炎」に対する「劇症肝炎」、「貧血」に対する「再生不良性貧血」、「白血球減少症、赤血球減少症、血小板減少症」に対する「汎血球減少症」、「白血球減少症(顆粒球減少症)」に対する「無顆粒球症」、「下痢」に対する「脱水、電解質異常を伴う下痢」等も同様である。
また、検査値異常が記載されていても、検査値異常と共に他の症状を伴っている場合(例えば、「血清カリウム低下」に対する「脱力、不整脈を伴う血清カリウム低下」)も同様である。
なお、記載された副作用に通常随伴する症状、徴候は治験薬概要書等から予測可能である。(例えば、「ショック」については「ショックに伴う血圧低下、心拍数増加、尿量低下」、「再生不良性貧血」については「再生不良性貧血に伴う顔面蒼白、疲労感」等が該当する。)