添付一覧
○化学物質の輸入通関上の取扱いについて
(平成31年3月26日)
(/薬生発0326第4号/20190319製局第1号/環保企発第1903262号/)
(財務省関税局長あて厚生労働省医薬・生活衛生局長、経済産業省製造産業局長、環境省大臣官房環境保健部長通知)
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号。以下「法」という。)に係る化学物質の輸入通関上の取扱いにつきましては、「化学物質の輸入通関上の取扱いについて」(平成30年3月30日付け薬生発0330第4号、20180322製局第1号、環保企発第1803302号厚生労働省医薬・生活衛生局長、経済産業省製造産業局長、環境省大臣官房環境保健部長連名通知。以下「旧通知」という。)により、実施しているところですが、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律第53号)の施行に伴い、化学物質の輸入通関上の取扱いにつきましては、下記により対処することとしましたので、協力方お願いします。
なお、旧通知は、平成31年3月31日をもって廃止します。
記
1.「化学物質」の範囲等
法の対象となる化学物質は、「元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(法第2条第1項)」であり、具体的には別紙1による。
2.化学物質の輸入通関手続
(1) 法第2条第2項の第一種特定化学物質、同条第3項の第二種特定化学物質、同条第9項の規定によりその名称が公示された同条第4項の監視化学物質若しくは同条第5項の優先評価化学物質、法第4条第5項(法第7条第2項において準用する場合を含む。)の規定によりその名称が公示された化学物質(以下「公示化学物質」という。)又は法附則第2条第4項に規定する既存化学物質名簿に収載されている化学物質(以下「既存化学物質」という。)の輸入に係る場合
① 既存化学物質、公示化学物質、監視化学物質、優先評価化学物質又は第二種特定化学物質
経済産業省において、輸入者に対し、既存化学物質にあっては既存化学物質に係る官報告示の類別整理番号を、公示化学物質にあっては公示化学物質に係る官報告示の通し番号及び類別整理番号を、監視化学物質又は優先評価化学物質にあっては当該化学物質に係る官報告示の通し番号及び類別整理番号を、第二種特定化学物質にあっては第二種特定化学物質に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(昭和49年政令第202号。以下「施行令」という。)第2条に規定する当該化学物質ごとの号番号を、輸入申告の際に輸入申告書又は当該輸入申告に係るインボイスに記載して明示するよう指導するので、当該番号が明示された場合は輸入を認めて差し支えない。
② 第一種特定化学物質
イ 法第22条の規定による経済産業大臣の許可書の原本が提出された場合には、輸入を認めて差し支えない。なお、当該書面の提出は、写しによるもので構わない。
ロ 輸入申告に係る化学物質が試験研究用として用いられる第一種特定化学物質である場合には、経済産業省において、輸入者に対し、その旨の書面(別紙2の様式第1)を輸入申告の際に提出するよう指導するので、当該書面が提出された場合は、輸入を認めて差し支えない。なお、当該書面の提出は、写しによるもので構わない。
ハ ロの書面の提出がない場合には、輸入者に説明を求め、輸入者が当該化学物質は試験研究用として用いられる第一種特定化学物質である旨を申し述べたときは、当該化学物質が試験研究用である旨を記載した念書を徴した上で、輸入を認めて差し支えない。
(2) 法第2条第6項の新規化学物質の輸入に係る場合
① 法第4条第1項若しくは第2項又は法第5条第8項の規定により法第4条第1項第2号から第5号のいずれかに該当するものである旨の通知を受けた新規化学物質
厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の通知書(別添1)の写しの提出があった場合には、輸入を認めて差し支えない。ただし、法第2条第9項及び第4条第5項の規定により当該新規化学物質の名称が公示された後においては、上記2.(1)①の規定による。
② 試験研究用又は試薬として用いられる新規化学物質
イ 経済産業省において、輸入者に対し、輸入申告に係る化学物質が試験研究用又は試薬として用いられる新規化学物質である場合には、その旨の書面(別紙3の様式第2)を輸入申告の際に提出するよう指導するので、当該書面が提出された場合は輸入を認めて差し支えない。なお、当該書面の提出は、写しによるもので構わない。
ロ イの書面の提出がない場合には、輸入者に説明を求め、輸入者が当該化学物質は試験研究用又は試薬として用いられる新規化学物質である旨を申し述べたときは、当該化学物質が試験研究用又は試薬である旨を記載した念書を徴した上で、輸入を認めて差し支えない。
③ 法第3条第1項第4号の確認を受けた新規化学物質(以下「中間物等新規化学物質」という。)
厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の確認通知書(別添2)の写しの提出があったときは、輸入を認めて差し支えない。
④ 法第3条第1項第5号の確認を受けた新規化学物質(以下「少量新規化学物質」という。)
厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の少量新規化学物質確認通知書(別添3)の写し及び当該年度における輸入に係る累積数量と製造に係る累積数量の合計が当該確認通知書に記載された受付コードごとの製造・輸入数量以下であることを明示する書面(別紙4の様式第3)を輸入申告の際に提出するよう指導するので、当該書面が提出された場合は輸入を認めて差し支えない。なお、当該書面の提出は、写しによるもので構わない。
⑤ 法第3条第1項第6号の確認を受けた新規化学物質(以下「法第3条第1項第6号に係る高分子化合物」という。)
厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の法第3条第1項第6号に係る高分子化合物確認通知書(別添4)の写しを輸入申告の際に提出するよう指導するので、当該書面が提出された場合は輸入を認めて差し支えない。
⑥ 法第5条第4項の確認を受けた新規化学物質(以下「低生産量新規化学物質」という。)
厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の低生産量新規化学物質確認通知書(別添5)の写し及び当該年度における輸入に係る累積数量と製造に係る累積数量の合計が当該確認通知書に記載された受付コードごとの製造・輸入数量以下であることを明示する書面(別紙4の様式第3)を輸入申告の際に提出するよう指導するので、当該書面が提出された場合は輸入を認めて差し支えない。なお、当該書面の提出は、写しによるもので構わない。
⑦ 法第7条第2項において準用する法第4条第1項又は第2項の規定により法第4条第1項第2号から第5号までのいずれかに該当するものである旨の通知を受けた新規化学物質
インボイスに記載された輸出者の氏名(法人にあっては、その名称。以下同じ。)が当該通知を受けた者と同じ場合には、当該通知書の写しの提出があったとき、また、インボイスに記載された輸出者の氏名が当該通知を受けた者と異なる場合には、当該通知書の写し及び当該通知書を受けた者により作成された書面(別紙5の様式第4)の提出があったときは、輸入を認めて差し支えない。ただし、法第7条第2項において準用する法第4条第5項の規定により当該化学物質の名称が公示された後においては上記2.(1)①の規定による。
(3) 輸入者が以上の手続を行わない場合には輸入を認めないこととし、輸入しようとする化学物質が新規化学物質であるときには、輸入者に対し法第3条第1項の規定に基づく届出等所要の手続を行うよう指導されたい。
(4) 法の運用上疑義が生じた場合には、次に連絡されたい。
経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
〒100―8901 東京都千代田区霞が関1―3―1
電話(03)3501―0605
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室
〒100―8916 東京都千代田区霞が関1―2―2
電話(03)3595―2298
環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
〒100―8975 東京都千代田区霞が関1―2―2
電話(03)5521―8253
(別紙1)
化学物質の範囲等
法第2条第1項に「化学物質」とは「元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質……中略 ……除く。)をいう。」と規定されており、この解釈は、次のとおりとする。
(1) 「元素」とは1種類の原子(同位体の区別は問わない。以下同じ。)からなるすべての状態(例:励起状態、ラジカル)の物質をいうものとする。
なお、合金については、「元素」の混合物であると解されているので「化学物質」の範囲外として取り扱うものとする。
(2) 「化合物」とは、2種類(少なくとも1種類は、H、He、B、C、N、O、F、Ne、P、S、Cl、Ar、As、Se、Br、Kr、Te、I、Xe、At又はRnとする。)以上の原子が共有結合、イオン結合、配位結合等又はこれらの任意の組合せの結合によって結合した物質をいうものとする。
(3) 「起こさせることにより」とは、人為的に起こさせることであるから自然界において起こる場合はこれに該当せず、生物の飼育、栽培、培養等により生物体そのもの(生、死を問わない。)又は生物体構成成分を得る場合は、生物体内で化学反応が起こっていても、当該飼育、栽培、培養等の行為自体は、化学反応を人為的に起こさせる行為としては扱わない。
なお、化学反応を人為的に起こさせてはいるが、その及ぶところが局限されている場合(例:金属の表面処理、使用時に化学反応が起こる接着剤又は塗料)又は生成物が廃棄物となり分離使用されることのない場合は、「起こさせることにより」には該当しないものとする。
(4) 施行令で定められた製品については、「化合物」とはせず、法第24条(製品の輸入の制限)、第28条(基準適合義務)、第29条(表示等)、第30条(改善命令)、第34条(第一種特定化学物質の指定等に伴う措置命令)、第35条(製造予定数量の届出等)、第36条(技術上の指針の公表等)、第37条(表示等)、第39条(指導及び助言)、第42条(取扱いの状況に関する報告)、第43条(報告の徴収)、第44条(立入検査等)、第48条(要請)により対処するものとする。また、施行令で定められていないものであり、次の①又は②に該当するものについては、「化合物」とはせず、「製品」とみなして扱い、本法以外の関連法令等により対処するものとする。
① 固有の商品形状を有するものであって、その使用中に組成や形状が変化しないもの(例:合成樹脂製什器・板・管・棒・フィルム)。ただし、当該商品がその使用中における本来の機能を損なわない範囲内での形状の変化(使用中の変形、機能を変更しない大きさの変更)、本来の機能を発揮するための形状の変化(例:消しゴムの摩耗)や、偶発的に商品としての機能が無くなるような変化(使用中の破損)については、組成や形状の変化として扱わない。
② 必要な小分けがされた状態であり、表示等の最小限の変更により、店頭等で販売されうる形態になっている混合物(例:顔料入り合成樹脂塗料、家庭用洗剤)
(別紙2)
(別紙3)
(別紙4)
(別紙5)
(別添1)
(別添2)
(別添3)
(別添4)
(別添5)