添付一覧
○令和5年度「若年層の性暴力被害予防月間」の実施について
(令和5年3月28日)
(/基監発0328第1号/基法発0328第1号/職需発0328第2号/雇均総発0328第1号/雇均雇発0328第1号/)
(都道府県労働局長あて労働基準局監督課長、労働基準局労働関係法課長、職業安定局需給調整事業課長、雇用環境・均等局総務課長、雇用環境・均等局雇用機会均等課長通知)
(公印省略)
政府は、「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」(令和2年12月25日閣議決定)において、若年層の性被害に関する問題を広報啓発するのに適した毎年入学・進学時期である4月を、「若年層の性暴力被害予防月間」と定め、SNS等の若年層に届きやすい広報媒体を活用した啓発活動を効果的に展開することとしている。
このため、別添の実施要綱により令和5年度「若年層の性暴力被害予防月間」を実施する。
各都道府県労働局におかれては、若年層に対する性暴力は決して許されないものであるとの社会認識を更に醸成しつつ、下記に留意の上、若年層に対する性犯罪・性暴力の問題に関する取組を一層強化されたい。
記
Ⅰ AV出演被害・JKビジネスなどの問題への対応について
1 相談への適切な対応
(1) 内閣府の広報サイト(URLはhttps://www.gender.go.jp/policy/no_violence/index.html)においては、総合労働相談コーナーが各種相談窓口の1つとされていることから、雇用環境・均等部(室)においては、コーナーに「AV出演被害・JKビジネス」問題等の相談が寄せられた場合には、以下の点に留意しつつ、相談者の置かれた立場に意を払い、懇切丁寧に対応するとともに、相談内容に応じて担当部署へ取り次ぐ等により、適切な対応を行うこと。
ア 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づき締結されるものであり、芸能プロダクション等と労働者の間で、強迫や詐欺等により、労働者の自由意思に基づかずに労働契約が締結された場合、民事上無効とされる可能性があること。
イ 契約の名目が委託契約等であった場合であっても、その実態において労働基準法(昭和22年4月7日法律第49号。以下「労基法」という。)上の労働者に該当すると認められる場合は、労働基準関係法令が適用され、職業安定法(昭和23年法律第141号)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)の対象となることから、その相談内容を十分斟酌し、法令違反が疑われる場合には、労働基準監督署及び需給調整事業担当課室等の担当部署に取り次ぐこと。
ウ 強姦罪等の性犯罪、強要罪、傷害罪、暴行罪、脅迫罪等の違法行為が疑われる場合には、相談者の意向も踏まえた上で、都道府県警察に対する相談等について教示すること。
(2) 労働基準部においては、コーナーから「AV出演被害・JKビジネス」問題等の相談に関して取次ぎがあった場合は、平成15年4月1日付け厚生労働省発地第0401002号、基発第0401014号、職発第0401029号、雇児発第0401011号「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく個別労働紛争解決制度の運用について」に基づき適切に対応すること。
労働基準監督署においては、平成15年4月1日付け基発第0401015号「申告・相談等の対応に当たって留意すべき事項について」に基づき、労働基準関係法令違反を構成するおそれがあると認められる事案については、申告事案として受理し、優先的かつ迅速に対応するとともに、労働基準関係法令違反以外の相談があった場合は、適切な部署に取り次ぐこと。
監督指導時においては、労基法第5条(強制労働)、第16条(違約金等の賠償予定)、第62条(年少者の有害業務)違反の有無を含め、法定労働条件の履行確保上の問題を丁寧に確認し、法違反が認められた場合には所要の措置を講ずること。
また、重大又は悪質な事案については司法処分も含め厳正に対処すること。
なお、上記(1)ウの実態を把握した場合には、速やかに警察機関等に連絡すること。
(3) 職業安定部又は需給調整事業部においては、コーナーからの「AV出演被害・JKビジネス」問題等の相談に関して取次ぎや、直接労働者等からの相談等があり得るが、労働者派遣法第58条又は職業安定法第63条第2号については、労働者本人の同意の有無にかかわらず、公衆道徳上有害な業務(以下「有害業務」という。)に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者供給を行った者若しくはこれらに従事した者又は労働者派遣をした者に対して、罰則が設けられている。
当該規定については、実態において雇用関係が認められれば対象となるため、個別事案ごとに契約内容、実態等を確認した上で対応すること。労働者派遣法の適用における労働者性の判断基準については、平成13年3月30日付け職民発第8号「労働者性の判断基準について」及び同日事務連絡「労働者性の有無を踏まえた適切な対応について」により示しているところである。
アダルトビデオ出演被害問題に関しては、これらの規定の適用を視野に入れた厳正な取締りを行うべきであることから、有害業務に労働者派遣をした者等の情報を把握したときは、都道府県警察と情報を共有し、十分な連携を確保しつつ、実態を把握し、指導監督や告発を検討すること。また、都道府県警察から情報の交換等を求められた場合は、十分これに協力すること。
なお、労働者本人から相談があった際には、その相談内容を十分斟酌し、本人の救済を優先する観点から、必要に応じて適切な部署に取り次ぐこと。
(4) 「今後の対策」に基づき、平成29年9月15日付け基監発0915第2号、基法発0915第1号、職需発0915第6号「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題に関する関係法令の遵守について(依頼)」により、アダルトビデオ出演者が労働者に該当する場合には、職業安定法、労働者派遣法、労基法等の対象となり、例えば、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をすることが罰則をもって禁じられていること等について、業界関係者に対して周知を行ったところである。業界関係者から相談があった場合には、相談内容に応じて担当部署へ取り次ぐ等により、適切な対応を行うこと。
(5) 「AV出演被害・JKビジネス」問題等に関連すると考えられる主な法条文は以下のとおりであるので参考とすること。
(参考法条文) ●「アダルトビデオ出演被害問題」に該当する事案 ・労基法第5条【強制労働】 ・労基法第16条【違約金等の賠償予定】 ・労働者派遣法第58条【有害業務就業目的の労働者派遣】 ・職業安定法第63条第2号【有害業務就業目的の職業紹介等】 ●いわゆる「JKビジネス」に該当する事案 ・労基法第62条【年少者の有害業務】 |
2 関係機関との連携
「AV出演被害・JKビジネス」問題等による性暴力被害者からの相談については、事案に応じて、都道府県警察、婦人相談所及び児童相談所等の適切な関係機関(内閣府広報サイトに掲載の相談窓口参照。URLはhttps://www.gender.go.jp/policy/no_violence/index.html)を案内するなど、必要に応じ関係機関と連携を図りながら対応すること。
また、都道府県警察から情報の交換等を求められた場合は、十分これに協力すること。
3 フォローアップ
4月の集中月間において、上記1の(1)に係る相談等がコーナーに寄せられた場合は、その事案の概要等を直ちに本省雇用環境・均等局総務課労働紛争処理業務室業務指導係に報告すること。
Ⅱ 職場におけるセクシュアルハラスメントの防止対策に関する周知・啓発
「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」には、セクシュアルハラスメントに関する社会全体への啓発等に関する記載が盛り込まれている。
セクシュアルハラスメントは労働者等の尊厳を傷つける、あってはならない行為であり、各都道府県労働局におかれても、職場におけるセクシュアルハラスメント、就職活動中の学生等に対するセクシュアルハラスメント防止対策に関する周知・啓発に引き続き適切に対応すること。
(参考)
○ いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策(平成29年5月19日いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議決定)
https://www.gender.go.jp/kaigi/sonota/pdf/avjkkaigi_03_02.pdf
別添
令和5年度「若年層の性暴力被害予防月間」実施要綱
令和5年2月27日
内閣府特命担当大臣決定
1 趣旨
性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものであることから、その根絶に向けた取組や被害者支援を強化していく必要がある。10代から20代の若年層を狙った性犯罪・性暴力は、その未熟さに付け込んだ許しがたい重大な人権侵害であり、決して許されるものではない。
政府は、「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」(令和2年12月25日閣議決定)において、若年層の性被害に関する問題を広報啓発するのに適した毎年入学・進学時期である4月を、「若年層の性暴力被害予防月間」と定め、SNS等の若年層に届きやすい広報媒体を活用した啓発活動を効果的に展開することとしている。同月間では、AV出演被害、JKビジネス、レイプドラッグの問題、酩酊状態に乗じた性的行為の問題、SNS利用に起因する性被害、セクシュアルハラスメント、痴漢等、若年層の様々な性暴力被害の予防啓発や性暴力被害に関する相談先の周知、周りからの声掛けの必要性などの啓発を行うほか、若年層が性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないことの啓発を徹底する。
特に4月は進学・就職等に伴い、若年層の生活環境が大きく変わり、被害に遭うリスクが高まる時期であることから、期間中、地方公共団体、関係団体等との連携・協力の下、若年層に対する性犯罪・性暴力の問題に関する取組を一層強化するとともに、若年層の人権尊重のための意識啓発活動や教育の充実を図るなど各種取組を集中的に実施するものである。
2 期間
令和5年4月1日(土)から4月30日(日)の1か月間
3 実施主体
内閣府、警察庁、消費者庁、こども家庭庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省
4 協力を依頼する機関・団体等
都道府県、政令指定都市、男女共同参画推進連携会議関係団体、有識者等
5 重点事項
以下の事項の重要性について重点的に普及啓発を図る。
(1) ポスターを積極的に活用するなどにより、AV出演被害、JKビジネス、レイプドラッグの問題、酩酊状態に乗じた性的行為の問題、SNS利用に起因する性被害、セクシュアルハラスメント、痴漢等の若年層に対する性犯罪・性暴力は決して許されないものであるとの社会認識を更に醸成すること。
(2) 性暴力被害の「未然防止」や「拡大防止」に向けた意識を高めるとともに、性暴力の被害に遭っていながらその自覚がない人に被害を受けていることを認識してもらい、被害者や関係者が、相談窓口等の必要な情報を入手し、ためらうことなく相談できるようにすること。
(3) AV出演被害の防止や救済について、集中的に広報・啓発を行うこと。
6 主な実施事項
本被害防止月間における取組がより一層広がり、有意義なものとなるよう、関係機関・団体等との連携協力の下、地域の実情に応じて、以下の活動を実施する。
その際、「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」において、SNS等の若年層に届きやすい広報媒体を活用した啓発活動を効果的に展開することとされていることを踏まえ、広報・啓発活動を強化することとし、予防啓発の取組に加え、被害に遭った場合の相談窓口の周知を図るものとする。
(1) ポスターの作成・配布のほか、インターネット、SNS、交通広告等のメディアを利用した広報活動を行う等、取組のより一層の広がりを目指し、効果的に広報・啓発を実施する。
(2) 講演会・研修会等を開催し、若年層の性暴力被害予防のための啓発活動を実施する。
(3) 被害者に対する相談支援活動の一層の充実を図る。
