アクセシビリティ閲覧支援ツール

○医療提供体制の確保に関する基本方針の一部を改正する件の公布等について

(令和5年5月26日)

(医政発0526第21号)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医政局長通知)

(公印省略)

医療提供体制の確保に関する基本方針の一部を改正する件(令和5年厚生労働省告示第203号)については、本日付けで別添1のとおり公布されました。

これらの改正の趣旨、概要等は下記のとおりですので、貴職におかれては、これを御了知の上、貴管下の医療機関等に対し周知をお願いします。

第一 改正の趣旨

医療法(昭和23年法律第205号。以下「法」という。)第30条の3第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、医療提供体制の確保に関する基本方針(平成19年厚生労働省告示第70号。以下「基本方針」という。)を定め、法第30条の4第1項の規定に基づき、都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、医療計画を定めることとされている。

令和6年度から開始される第8次医療計画について、各都道府県において、令和5年度にその策定が行わることから、令和3年6月より「第8次医療計画等に関する検討会」(以下「検討会」という。)において議論を進め、令和4年12月の意見のとりまとめ(※)を踏まえて、令和5年3月に基本方針の一部改正を行った。

※ 第8次医療計画等に関する意見のとりまとめ

https://www.mhlw.go.jp/content/001055132.pdf

さらに、「新興感染症発生・まん延時における医療」については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第96号。以下「改正感染症法」という。)の内容も踏まえる必要があることから、上記とりまとめとは別に検討を行い、令和5年3月に検討会の意見のとりまとめ(新興感染症発生・まん延時における医療)が行われた。

※ 第8次医療計画等に関する意見のとりまとめ(新興感染症発生・まん延時における医療)

https://www.mhlw.go.jp/content/001075578.pdf

本告示は、令和5年3月の検討会の意見のとりまとめ(新興感染症発生・まん延時における医療)等を踏まえ、基本方針の一部を改正するものである。

第二 改正の概要

新興感染症発生・まん延時における医療については、

・ 改正感染症法による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)を踏まえ、入院、外来診療、自宅療養者等(居宅又は高齢者施設等で療養する新興感染症患者をいう。)への医療の提供、後方支援及び医療人材派遣に関する機能があるものとすること

・ 感染症の発生・まん延時に、速やかに、感染症医療以外の通常医療との両立を図りつつ、機動的に入院等の医療提供体制が確保できるよう、平時から地域において必要な医療機関の機能や役割を確認し、それに応じた内容の医療措置協定(感染症法第36条の3第1項に規定する医療措置協定をいう。以下同じ。)を締結すること等を通じて医療提供体制の確保を図ることが重要であること

・ その際、対象とする感染症は新興感染症(感染症法に規定する新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症)を基本とし、新型コロナウイルス感染症への対応の教訓を踏まえ、当該対応を念頭に、まずは当該対応での最大規模の体制を目指すこととし、医療措置協定のほか、流行初期医療確保措置や公的医療機関等に対する医療提供の義務付け、医療措置協定締結の協議の過程での都道府県医療審議会等への意見聴取等により、平時から対応準備を進めることで実効性を確保していくことが重要であること

・ 新興感染症の発生時には、

① まずは、感染症法に規定する感染症指定医療機関の感染症病床を中心に対応する体制を構築し、国はその知見を含む国内外の最新の知見等について収集・周知を行いながら対応する

② 新興感染症発生の公表後の流行初期の一定期間(3箇月を基本として必要最小限の期間をであって、新興感染症の発生の公表が行われた月から感染症法第36条の9第1項に規定する政令で定める期間をいう。)には、感染症指定医療機関が流行初期医療確保措置の対象となる医療措置協定に基づく対応も含め、引き続き対応を行い、各都道府県知事による判断に基づき感染症指定医療機関以外の流行初期医療確保措置の対象となる医療協定を締結した医療機関を中心に対応する体制を構築するとともに、国は国内外の最新の知見等の更新・収集・周知や感染症対策物資等の確保に努める

③ 一定期間の経過後は、流行初期医療確保措置の対象となる医療協定を締結した医療機関に加え、その他の医療措置協定を締結した医療機関のうち、公的医療機関等(新興感染症に対応可能な民間医療機関を含む。)も中心となった対応とする

④ その後3箇月程度を目途に、順次速やかに、医療措置協定を締結した全ての医療機関で対応していく体制を構築する

ことを一連の対応とすること

・ 新興感染症の特性や対応方法を含めた最新の知見の収集状況、感染症対策物資等の確保の状況等が事前の想定とは大きく異なる場合は、国において状況の判断を行い、国の判断を踏まえ、機動的に当該感染症への対応を行うことが重要であること

・ 国及び都道府県は、医療措置協定の締結状況や履行状況等について、患者による医療に関する選択に資することにも留意しながら、都道府県は国に対する報告を行い、国及び都道府県は公表・周知することが重要であること

・ 新興感染症対応においても、感染状況に応じ段階的に計画を立て対応してきた、新型コロナウイルス感染症対応と同様の考え方に沿って対応して行くことが想定されること

・ 感染症対応人材の育成は重要であり、最新の科学的知見に基づく適切な知識を医療従事者が取得できるよう、医療機関向けの講習会等を実施する等の取組を通じて、感染症対応能力の強化を図ることが適当であること

・ 公的医療機関の役割について、感染症法に基づく、都道府県知事からの医療の提供の義務に係る通知を踏まえる必要があること

・ 医療計画を作成する際には、感染症法第10条第1項に規定する予防計画及び新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第7条第1項に規定する都道府県行動計画との整合性の確保を図るとともに、地域の実情に応じて、地域で連携した感染症対応を行うことができるように、感染症法第10条の2第1項に規定する都道府県連携協議会を必要に応じて活用することも重要であること

等を追加する。

第三 適用期日

令和6年4月1日から適用する。

第四 その他

医療計画の策定に当たり留意する事項については、『「医療計画について」の一部改正について」』(令和5年5月26日付け医政発第0526第8号厚生労働省医政局長通知)、『「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」の一部改正について』(令和5年5月26日付け医政地発0526発第5号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)等を参照されたい。

別添1

画像2 (343KB)別ウィンドウが開きます

画像3 (316KB)別ウィンドウが開きます

画像4 (292KB)別ウィンドウが開きます

画像5 (208KB)別ウィンドウが開きます

画像6 (205KB)別ウィンドウが開きます

画像7 (298KB)別ウィンドウが開きます

画像8 (330KB)別ウィンドウが開きます

画像9 (300KB)別ウィンドウが開きます