添付一覧
○再製造単回使用医療機器に係る事業者向けガイドライン及び質疑応答集(Q&A)について(その3)
(令和5年3月31日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課通知)
厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課では、再製造SUD基準策定等事業において、再製造単回使用医療機器に供する使用済み単回使用医療機器の洗浄及びその評価方法について検討し、その成果としてガイダンス等を取りまとめ、「再製造単回使用医療機器に係る事業者向け洗浄ガイドライン及び質疑応答集(Q&A)について」(令和元年6月17日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)、「再製造単回使用医療機器に係る事業者向けガイドライン及び質疑応答集(Q&A)について」(令和2年12月2日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)及び「再製造単回使用医療機器に係る事業者向けガイドライン及び質疑応答集(Q&A)について(その2)」(令和3年12月24日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)として周知したところです。
今般、令和3年度における当該事業の検討結果を踏まえ、別添のとおり「再製造単回使用医療機器の製造販売業者における製造販売後安全対策の考え方」をとりまとめましたので、情報提供いたします。ついては、貴管内関係業者において浸透が図られるよう、周知方御配慮願います。
なお、上記のガイダンスのほか、令和3年度の当該事業の検討結果として、国立医薬品食品衛生研究所医療機器部が作成した報告書は、以下のホームページから入手可能であることを申し添えます。
URL:https://dmd.nihs.go.jp/rsud_public/index.html
[別添]
再製造単回使用医療機器の製造販売業者における製造販売後安全対策の考え方
1.はじめに
単回使用医療機器(Single―use device:SUD)の再製造品に係る製造販売後安全対策については、以下に示した「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」施行規則における規定により、再製造SUDの製造販売業者が一義的に責任を負うこととされている。
・原型医療機器の変更に伴う再製造単回使用医療機器の変更管理(改正施行規則第114条の54第9号)
・原型医療機器の不具合及び回収に関する情報やその他の情報に基づく安全確保措置の実施(改正施行規則第114条の54第10号)
・原型医療機器の製造販売業者に対する情報提供(改正施行規則第114条の54第11号)
また、医療機器の製造販売業者においては、許可の要件として「医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理に係る業務を行う体制の基準に関する省令(QMS体制省令)」及び「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(GVP省令)」への適合が求められていると共に、製造販売する品目の要件として「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)」への適合性の確保並びに薬機法第41条第3項の規定による医療機器の基準(基本要件基準)に対する適合性の確保のためのリスクマネジメント規格(ISO 14971/JIS T 14971)に準拠した活動等が要求されている。これらの一連の活動は、製造販売業者として体系的かつ組織的に実施する必要がある。その全体像は図1に示したとおりである。
図1.再製造SUDの製造販売業者における製造販売後安全対策の全体像
再製造SUDに係る製造販売後安全性情報に基づく安全管理業務については、施行規則に定められた遵守事項のほか、GVP省令、QMS省令、リスクマネジメント規格等に準拠し、以下の事項に留意して実施することが望ましい。
2.原型医療機器の変更に伴う再製造単回使用医療機器の変更管理(改正施行規則第114条の54第9号)
平成29年7月31日付け薬生発第0731第7号では、「再製造単回使用医療機器は原型医療機器と同等の品質、有効性及び安全性を有するものでなければならないことから、原型医療機器の原材料の変更その他の再製造単回使用医療機器の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれのある変更の有無を継続的に確認し、当該変更が生じた場合には、再製造単回使用医療機器の品質、有効性及び安全性を確保するために必要な設計の変更その他の必要な措置を講じることを、再製造単回使用医療機器の製造販売業者等の遵守義務とした」とされている。
再製造SUDにおける性能や清浄性等に係る評価結果は、原型医療機器の形状、構造、原材料等の設計情報に基づいて検証されたものであることから、その基礎となる設計内容に変更が生じた場合には、再製造工程を確立する際に実施した各種バリデーション等の見直しが必要になり得る。
そのため、原型医療機器の承認・認証事項等の変更を継続的に監視し、変更があった場合には再製造SUDへの影響をリスクマネジメントによって評価し、必要に応じて再バリデーションの実施、再製造工程の見直し、承認事項の変更手続き等を行い、再製造SUDの品質、有効性及び安全性を確保するよう努めなければならない。
(1) 情報の収集
① 医療機器の承認情報に関する電子的な情報提供サービス、若しくは印刷物の購入等によって関連する情報が入手可能である場合は、これらの情報源を利用する。
② 変更された製品の市場流通時期を事前に把握することは一般的に困難であると考えられるため、再製造に使用するSUDの収集等に関する契約を締結した医療機関から、当該製品の変更に係る情報を適宜入手することが望ましい。
③ 再製造に使用するSUDが届出品目又は認証品目である場合は、届出及び認証に関する変更手続きの情報が公開されていないため、原型医療機器の収集先である医療機関と密に連携を図り、当該製品の変更に係る情報を入手することが望ましい。
④ 可能であれば、原型医療機器の製造販売業者から情報を入手することも検討すると共に、当該製品の添付文書*)情報を適宜取得して製品仕様等の変更の有無を確認する体制を構築すべきである。
*) 添付文書に関する薬機法改正(令和3年8月施行)参照
(2) 再生部品収集時の検査
① SUDの再製造においては、再生部品として原型医療機器を継続的に収集することが必須となる。これらの受入検査において、従来の仕様と異なる部分の有無を可能な範囲で日常的に検証する体制を構築すべきである。
② 原材料等の変更に関する情報の収集が困難な場合、収集した原型医療機器に対して適切な頻度での化学分析を実施する等の方法により、変更の有無を継続的に確認する必要がある。
③ 受入検査で従来の製品との相違等が確認された場合は、当該原型医療機器の変更内容について、公開されている承認情報や再製造に使用するSUDの収集先である医療機関等から情報を収集する等し、必要な措置を検討すること。
(3) 原型医療機器の変更に伴う必要な措置
① 原型医療機器の形状、構造、原材料、その他の事項について変更が行われた場合は、当該変更の内容を特定した上で、リスクマネジメントの観点から再製造SUDに及ぼす影響の程度を評価し、再製造工程の見直しの要否を検討する。
② 洗浄方法、洗浄条件、最大再製造回数、その他の事項について見直しが必要であると判断した場合は、関連するバリデーション等を再度実施し、再製造SUDの品質、有効性及び安全性に問題がないことを検証した上で承認事項の一部変更承認申請を行う。
③ 原型医療機器の変更内容を確認し、再製造工程の見直しが特段不要であると判断した場合であっても、原型医療機器の設計内容等に係る承認事項に変更が発生している以上、再製造SUDの承認事項変更手続きを行う必要がある。
④ 当該変更に伴って添付文書も適切に改訂し、使用者への情報提供に努める。
3.原型医療機器の不具合及び回収に関する情報やその他の情報に基づく安全確保措置の実施(改正施行規則第114条の54第10号)
平成29年7月31日付け薬生発第0731第7号では、「再製造単回使用医療機器の製造販売後安全対策については、再製造工程に由来する不具合情報を収集するだけでなく、原型医療機器の不具合報告や回収情報といった製造販売後安全性情報を収集し、再製造単回使用医療機器の製造販売後安全対策に適切に反映していくことが必要であること。このため、原型医療機器の不具合及び回収に関する情報その他の品質、有効性及び安全性に関する情報を継続的に収集し、収集した情報に基づき再製造単回使用医療機器の品質、有効性及び安全性への影響について検討し、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要な措置を講じることを再製造単回使用医療機器の製造販売業者等の遵守事項とした」とされている。
再製造SUDの製造販売業者においては、自らの製造工程等に起因する品質上、安全上の問題に際して不具合報告、自主回収、その他の必要な措置を講じると共に、原型医療機器の製造販売業者が実施する安全確保措置等についても継続的に情報を収集し、再製造SUDに対する影響を評価した上で必要な措置を講じることが求められている。これを実践するためには、原型医療機器の製造販売業者と連携し、自主回収や情報提供等に努める必要がある。
(1) 不具合等報告等の安全性に関する措置
自主回収と異なり、原型医療機器の製造販売業者が行う不具合等報告は、直ちに公開されないため、原型医療機器の安全性に関連する情報は、以下の事項に留意して収集し、適切に安全確保措置を実施する必要がある。
① 原型医療機器の製造販売業者が実施する自主回収に関して、事前に不具合等報告が行われている場合は、上記(1)項に示した対応が不具合等に対する安全確保措置にもなり得る。
② 不具合等報告に基づく措置として、原型医療機器の製造販売業者が使用者に対して、安全性情報の配布等を通じて安全使用に係る情報を提供する場合がある。再製造SUDの製造販売業者は、再製造する原型医療機器の収集先である医療機関と密に連携を図り、原型医療機器の製造販売業者による当該製品の安全使用等に係る注意喚起文書や添付文書改訂版等の配布の有無を定期的に確認する体制を構築することが望ましい。
③ 不具合等報告に基づく措置として、原型医療機器の製造販売業者が当該製品の設計変更等による承認事項、認証事項等の変更手続きを行う場合は、上記2項「変更管理」に示した事項に準拠して対応する。
④ PMDAのホームページに掲載されている「緊急安全性情報(イエローレター)」、「安全性速報(ブルーレター)」、「PMDAからの医療機器適正使用のお願い」、「関係団体からの医療安全情報などについてのお知らせ」、「医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)」、「医療機器に関する評価中のリスク等の情報」、「使用上の注意の改訂指示通知」、「自主点検通知」、「PMDA医療安全情報」等を定期的に確認し、関連する情報の有無を調査する。
⑤ 学会、文献、海外での使用状況等、原型医療機器及び再製造SUDの安全性に関連する情報の収集に努める。
(2) 回収に関する措置
① 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ(https://www.info.pmda.go.jp/research/html/menu_recall_base.html)に公開されている情報を参照の上、再製造の対象とする原型医療機器の自主回収の発生有無を継続的に監視する体制を構築する。
② 原型医療機器の自主回収が開始された場合は、回収理由、対象ロット、危惧される具体的な健康被害等の情報を分析し、適切な措置について検討する。
③ 再製造するSUDに回収の対象ロットが含まれていた場合又は含まれ得る場合は、該当製品の所在(社内在庫、再製造品として販売済み、移動・流通途中等)を把握し、原型医療機器の製造販売業者に情報提供すると共に、速やかに対象ロット品を回収する。なお、医療機関に販売済みの再製造製品がある場合は、都道府県に報告した上で自らも自主回収を実施する。
④ 再製造SUDの製造販売業者は原型医療機器の製造販売業者と連携し、他のロットへの影響等についても検討し、適切に対応する。
⑤ 原型医療機器の回収処理に起因して、原型医療機器の製造販売業者において実施される措置がある場合、設計の変更、製造方法の変更、承認事項の一部変更承認申請、安全使用に係る使用者への情報提供等についても適宜情報を収集し、再製造SUDの製造販売業者も歩調を合わせて対応する。
⑥ 再製造SUDの製造販売業者は、これらの一連の活動を行うにあたり、再製造SUDの使用者にも十分な情報提供を行う。
⑦ なお、原型医療機器の回収の原因は、交換部品、包装及び滅菌状態等、再製造SUDに影響しない場合もあると考えられるため、再製造SUDの製造販売業者は自主回収の要否について適切に検討することが求められる。再製造SUD独自の要素を除き、原型医療機器と同一の内容の再製造SUDに係る回収案件については、上記の事項に留意して適切に対応する必要がある。
4.原型医療機器の製造販売業者に対する情報提供(改正施行規則第114条の54第11号)
平成29年7月31日付け薬生機審発0731第8号/薬生安発0731第5号/薬生監麻発0731第1号では、「改正施行規則第114条の54第11号に定める原型医療機器の製造販売業者への情報提供については、原則として書面(電子メール等を含む。)により行うこととし、再製造単回使用医療機器の製造販売業者等は情報提供の記録を少なくとも5年間保存すること。ただし、緊急時で必要がある場合は、書面等による情報提供を行う前に電話等により連絡すること」とされている。
原型医療機器の製造販売業者が行う回収処理への協力、連携、情報提供等については、上記3/(1)項のとおりであるが、再製造SUDの製造販売業者が自ら実施する安全確保措置等においても、その措置に至った理由が当該再製造SUDの再製造に起因することが明らかな場合を除き、当該措置の立案の根拠となった安全管理情報及び措置の内容等について原型医療機器の製造販売業者へ情報を提供することが求められている。この安全確保措置には、品質等に関する理由による廃棄、回収、販売の停止、添付文書の改訂、医療関係者への情報の提供、その他の事項が含まれる。
(1) 原型医療機器の品質等に関する情報の取り扱い
再生部品として医療機関から収集した使用済みの原型医療機器について、受入検査、洗浄、包装等の再製造工程において、原型医療機器の設計自体に起因すると考えられる品質不良や原型医療機器の製造工程に起因すると思われる品質上の瑕疵等の問題を発見した場合、若しくは原型医療機器の収集先である医療機関から同様の情報を入手した場合、再製造SUDの製造販売業者は、GVP省令に基づく「安全管理情報」として適切に取扱い、安全確保措置の実施の要否について検討する。
(2) 原型医療機器の製造販売業者に対する情報提供
再製造SUDの製造販売業者は、自己調査、若しくは医療機関からの情報等により確認した品質上の問題事象について、保健衛生上の危害の発生又は拡大する恐れの有無等を検討した上で、再生部品としての使用の禁止、既に再製造した製品がある場合は市場出荷の停止、既に製造販売済みの再製造製品がある場合は対象製品の回収等、必要な安全確保措置を検討すると共に、当該原型医療機器の製造販売業者に向けて情報提供する。
(3) 安全確保措置の実施及び原型医療機器の製造販売業者との連携
確認された事象について、原型医療機器と再製造SUDの製造販売業者間で認識の相違や対応の違いが発生すると、安全確保措置にも疎漏が生じる。また、医療現場の混乱を招く恐れもあることから、原型医療機器の製造販売業者による適切な原因究明の結果等を踏まえ、双方で歩調を合わせた安全確保措置を講じることが望ましい。このため、再製造SUDの製造販売業者は原型医療機器の製造販売業者と適切に連携し、速やかで確実な安全確保措置を図るよう努める。
5.その他の留意事項
医療機器の製造販売後安全対策においては、情報の収集と安全確保措置の実施が最も重要である。QMS省令においても、製品受領者(使用者)及び供給者の意見や使用者からの苦情等について、継続的に監視・測定を行い、リスクマネジメントプロセスへのインプット情報として活用し、製造工程や品質管理体制の改善を通じて製造販売する医療機器の品質向上に繋げて行くことが求められている。また、リスクマネジメント規格(ISO 14971)においても、製造現場の監視を通じて得られる情報や使用者から得られる情報等を積極的に収集し、安全管理情報として措置の必要性を検討することが求められている。
図2.各種情報に基づく処理の全体像
図2に示したとおり、このような活動を体系的かつ組織的に実行することによって、製造販売する医療機器の製造管理、品質管理、製造販売後安全管理を充実させていくことが製造販売業者の責務となる。再製造SUDにおいては、複数企業による協業の形になり得ると考えられるが、上記の多角的な活動を一つのシステムとして適正かつ円滑に実施することが重要な課題となる。
以上
質疑応答集(Q&A)
Q1 「再製造SUDに係る製造販売後安全性情報に基づく安全管理業務については、GVP省令、QMS省令、リスクマネジメント規格等に準拠して実施することが望ましい」とされているが、それぞれの省令や規格においてどのような活動が求められているのか、具体的に示して欲しい。 |
A1
【GVP省令】
周知のとおり、GVP省令は「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準」を示したものであり、総括製造販売責任者の業務(第三条)、安全確保業務に係る組織及び職員(第四条)、製造販売後安全管理業務手順書等(第五条)、安全管理責任者の業務(第六条)と共に、安全管理情報の収集(第七条)、安全管理情報の検討及びその結果に基づく安全確保措置の立案(第八条)、安全確保措置の実施(第九条)等に係る規定が設けられている。
すなわち、製造販売した医療機器について、医療関係者、学会、文献・研究報告、厚生労働省を含む政府機関、都道府県及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構から得られる情報等を広く収集し、内容を照査・検討した上で、必要がある場合には、国内品質業務運営責任者への連絡、製品の廃棄、回収、販売の停止、添付文書の改訂、医療関係者への情報の提供又は法に基づく厚生労働大臣への報告やその他の安全確保措置を立案し、実施することが求められている。
このような「安全管理情報の収集、検討、必要な措置の立案、実施」については、QMS省令及びリスクマネジメント規格においても同様の要求事項が定められている(以下参考)。
【QMS省令】
品質管理監督システムの適切性、妥当性及び実効性の維持を確認するための照査(第十八条:管理監督者照査)を実施する場合には、その工程入力情報(第十九条)として「製品受領者及び供給者からの意見」や「苦情の処理」等に係る情報を収集・分析し、必要な場合には品質管理監督システム及び工程の適切性、妥当性及び実効性の維持に必要な改善や製品受領者要求事項に関連した製品の改善等、所要の措置をとることが求められている(第二十条)。
また、第五十五条(製品受領者の意見)においては、品質管理監督システムの実施状況を測定するために、製造販売した医療機器が製品受領者要求事項への適合性に関する情報を収集・監視し、製品実現及び改善工程に係る工程入力情報とすると共に、製品要求事項の監視に活用するためのリスクマネジメントに係る工程入力情報とするため、製品受領者からの意見収集の仕組みに係る手順を文書化することも求められている。
第五十五条の二(苦情処理)においては、苦情を遅滞なく処理するために必要な手順を文書化し、情報の入手及び記録、製品受領者からの情報を苦情として取り扱う要否の判断、苦情の調査、行政への報告の必要性に係る評価、苦情に係る製品に対する措置、修正又は是正措置の必要性の評価を行うべきことが定められている。
これらの活動は、「情報を適切に収集・分析・評価することを通じて、品質管理監督システムの改善や製品の改善に必要となる措置を検討し、立案し、実施する」ことを求めるものである。
【リスクマネジメント規格】
医療機器の製造販売業者等は、平成17年3月29日付け厚生労働省告示第122号「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十一条第三項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準」(以下、「基本要件基準」)の第二条に基づき、製造販売する医療機器について危険性の低減が要求される場合、各危害についての残存する危険性が許容される範囲内にあると判断されるように危険性を管理しなければならないこととされている。基本要件基準への適合については、平成27年1月20日付け薬食機参発0120第9号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」等により、JIS T 14971「医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用」又はその原典であるISO 14971“Medical devices―Application of risk management to medical devices”に基づいて実施したリスクマネジメントの内容を説明することとされている。JIS T 14971(令和2年10月1日改正)の第10項には、「製造及び製造後の活動」について以下の規定が設けられている。
10.1項「一般」では、製造及び製造後の段階において、その医療機器に関連する情報を積極的に収集及び精査する体系的な手順を確立し、文書化し、維持することが求められている。収集する情報(10.2項)としては、a)製造中及び製造プロセスの監視から得られる情報、b)ユーザーからの情報、c)医療機器の据付け、使用及び保守の責任者からの情報、d)サプライチェーンからの情報、e)一般に入手可能な情報、f)一般に認められた最新の技術水準に関する情報が含まれ得るものであることが示されている。
収集した情報については、安全との関連の有無を精査することが求められており(10.3項)、以前に認識されていなかったハザード又は危険状態の存在有無、危険状態によって発生すると推定したリスクの受容可否、意図する使用のベネフィットに対する全体的な残留リスクの受容可否、一般に認められた最新の技術水準の変更有無等について評価することが必要となる。
収集した情報が医療機器の安全性に影響を及ぼすと判断された場合は、リスクの再評価や新たなリスクに対する評価の必要性を決定する。最終的に残留リスクが受容不能と判断された際は、医療機器の変更を検討すると共に、市場にある医療機器に対する処置の必要性を検討することが求められている(10.4項)。
これらの活動も「製造販売後情報を積極的に収集し、それらの情報をレビュー、必要な処置を行う」ことを求めるものである。
上記に示したとおり、GVP省令、QMS省令、リスクマネジメント規格に含まれるそれぞれの要求事項を適切に理解し、それらの活動の意図する目的を十分に把握した上で、再製造SUDに係る製造販売後安全対策の体制を確立し、実施することが望ましい。
Q2 製造販売した医療機器に対して、GVP省令、QMS省令、リスクマネジメント規格には、それぞれに「市場情報の収集、情報の分析・照査、措置の決定・実施」という要求事項が定められているが、これらの活動は、個々に異なる活動であると理解し、それぞれ別の手順書に基づいて実施するのが適切であるか。 |
A2
必ずしも異なる活動として理解する必要はない。図2「各種情報に基づく処理の全体像」に示したとおり、製造販売した医療機器に係る様々な情報については、それらを積極的に収集する体制を確立すると共に、収集した情報をリスクマネジメントの観点から分析・評価し、QMSにおいて必要となる措置、GVPにおいて必要となる措置等をそれぞれに決定することが必要であり、組織として一体的な活動となるよう、不要な重複を避け、漏れのない整合的な管理体制を構築することが望ましい。
GVP省令、QMS省令、リスクマネジメント規格における要求事項の全体像を把握し、共通項を整理して無駄のない簡明な活動となるよう工夫することを推奨する。
