添付一覧
○「特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における活用のための研究」の総括研究報告書及びこれを踏まえた取扱いについて
(令和5年3月31日)
(薬生薬審発0331第1号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)
(公印省略)
臨床研究法(平成29年法律第16号)の制定時における附帯決議の一つとして「医薬品、医療機器等の開発を推進するため、治験と臨床研究の制度区分と活用方法を明確化して、臨床研究を促進するとともに、臨床研究で得られた情報を、医薬品、医療機器等の承認申請に係る資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討すること」が規定されています。
試験計画の立案の段階で、得られる結果を薬事申請に利用することを前提とする場合は治験として行うことが原則であり、特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利用については、治験と同程度の信頼性が確保されている場合や改めて治験を実施することが困難な場合等の限定的な状況において考慮されることが必要です。
今般、別添のとおり、令和4年度厚生労働科学特別研究事業「特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における活用のための研究」の総括研究報告書がとりまとめられましたので、製造販売業者が特定臨床研究で得られた試験成績を薬事申請に利用する際の参考としていただきますようお願いします。
当該報告書では、特定臨床研究として実施された先進医療Bの主な対象疾患としては、悪性腫瘍、神経疾患、内分泌疾患、自己免疫疾患、小児疾患及びそれらの疾患で希少なものが報告されており、加えて、治験としての実施が困難な疾患(小児疾患全般や救急医療等)も報告されています。これらのうち、「治験と同程度の信頼性が確保されている場合や改めて治験を実施することが困難な場合」に該当するものについては、限定的に薬事申請に利用できる可能性があるものの、具体的には、得られた試験成績、治験としての実施・再現が困難であること、根拠資料の保存状況等を踏まえ、薬事申請資料としての利用可能性が個別に判断されることとなります。
したがって、特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利用を考慮する場合は、医薬品医療機器総合機構の治験相談等を活用し慎重な検討をお願いします。
また、「特定臨床研究で得られた試験成績を医薬品の承認申請に利用する場合の留意点・考え方の例示について(令和5年3月31日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課事務連絡)」においてお示ししたとおり、特定臨床研究で得られた試験成績を評価資料として承認申請に利用する場合には、承認申請における当該臨床研究の位置付け等を総合的に考慮した上で求められる信頼性の水準が判断されます。
つきましては、上記の取扱いについて、貴管内の製造販売業者等に対して周知の程お願いいたします。
なお、本通知の写しについて、別記の関係団体宛てに発出しますので、念のため申し添えます。
別記
日本製薬団体連合会
日本製薬工業協会
米国研究製薬工業協会在日執行委員会
一般社団法人欧州製薬団体連合会
公益社団法人日本医師会
日本医学会
公益社団法人日本歯科医師会
一般社団法人日本病院薬剤師会
公益社団法人日本看護協会
一般社団法人日本CRO協会
日本SMO協会
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
各地方厚生局
別添