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○医療情報データベースを利用した調査結果を電子化された添付文書に記載する場合の留意事項について

(令和5年2月17日)

(薬生安発0217第1号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

標記については、令和5年2月17日付け薬生発0217第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療情報データベースを利用した調査結果に係る電子化された添付文書への記載要領の改正について」により通知したところですが、電子化された添付文書(以下「電子添文」という。)の記載要領関連通知を見直すとともに、その運用に当たって留意すべき事項を下記のとおりまとめましたので、御了知の上、貴管下関係事業者等に対し周知徹底を図るようお願いいたします。

なお、本通知の写しを別記の関係各団体の長宛てに発出することとしているので申し添えます。

1.電子化された添付文書の記載要領関連通知の一部改正について

(1) 「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について」(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)の別添を以下の新旧対照表のとおり一部改正する。

(下線部分は改正部分)

改正後

現行

第1 (略)

第1 (略)

第2 各項目に関する留意事項

第2 各項目に関する留意事項

ア.~キ. (略)

ア.~キ. (略)

1.~16. (略)

1.~16. (略)

17.臨床成績

17.臨床成績

(1) (略)

(1) (略)

(2) 「17.2 製造販売後調査等」

適切に計画され実施された、医療情報データベースを利用した調査の結果について、引用元を明記した上で記載すること。

(新設)

(3) (略)

(2) (略)

18.~26. (略)

18.~26. (略)

(2) 「再生医療等製品の添付文書の記載要領(細則)について」(平成26年10月2日付け薬食安発1002第13号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)の別紙を以下の新旧対照表のとおり一部改正する。

(下線部分は改正部分)

改正後

現行

1. (略)

1. (略)

2.各記載項目に関する留意事項

2.各記載項目に関する留意事項

(1)~(10) (略)

(1)~(10) (略)

(11) 「臨床成績」について

(11) 「臨床成績」について

1) (略)

1) (略)

2) 精密かつ客観的に行われた臨床試験の結果について、使用状態、期間、症例数、有効率等を承認を受けた使用方法に従って記載すること。適切に計画され実施された、医療情報データベースを利用した調査の結果について、引用元を明記した上で記載すること。

2) 精密かつ客観的に行われた臨床試験の結果について、使用状態、期間、症例数、有効率等を承認を受けた使用方法に従って記載すること。

3)・4) (略)

3)・4) (略)

(12)~(18) (略)

(12)~(18) (略)

2.電子化された添付文書への記載に向けた留意事項について

(1) DB調査計画の妥当性等について

電子添文に記載する医療情報データベースを利用した調査(以下「DB調査」という。)については、原則として、DB調査計画に関して独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)の「その他の安全対策計画に関する相談」等において、調査開始前に相談し合意を得ておくべきであること。PMDAの事前合意なくDB調査を実施する場合は、DB調査を実施する者自らが、その計画の妥当性や当該DBの信頼性等を責任をもって確認し、それらの確認結果や調査計画の妥当性等の詳細を含めて査読付き学術雑誌にて公表すること。また、対照群と比較する調査を基本とするが、希少疾病については単群による調査でも差し支えないこと。

(2) 医療情報データベースの信頼性確保について

電子添文に記載するDB調査のうち、再審査又は再評価に係るものは、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第171号。)又は再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第90号。以下併せて「GPSP省令」という。)に則り実施され、電子添文改訂時ではなく、再審査申請又は再評価申請時に信頼性調査が実施される。それ以外のものは信頼性調査の対象ではないため、DB調査を実施する者自らが、調査の信頼性を担保する必要があること。ただし、電子添文改訂の過程において、使用した医療情報データベースについて、過去にGPSP省令に基づく製造販売後データベース調査で利用された実績がある場合にはその旨又は企業による自主担保の状況を必要に応じ聴取する場合があること。

(別記)

日本製薬団体連合会会長

日本製薬工業協会会長

欧州製薬団体連合会在日技術委員会会長

米国研究製薬工業協会在日執行委員会代表

一般社団法人 日本化学工業協会会長

一般社団法人 日本化学品輸出入協会会長

一般社団法人 日本漢方連盟会長

一般社団法人 日本医療機器産業連合会会長

一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会会長

欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会委員長

医薬品医療機器等法登録認証機関協議会 代表幹事

一般社団法人 再生医療イノベーションフォーラム 会長

日本商工会議所会頭

(参考:改正後全文)

○医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について

(平成29年6月8日)

(薬生安発0608第1号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

最終改正 令和5年2月17日

(公印省略)

標記については、平成29年6月8日付け薬生発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(以下「局長通知」という。)により通知したところですが、その運用に当たって留意すべき事項を別添のとおりまとめましたので、下記の点に御留意の上、貴管下関係業者、団体等に対し周知徹底を図るとともに、医療用医薬品の添付文書等に関する指導につき、格段の御配慮をお願いします。

なお、本通知の写しを別記の関係各団体宛てに発出することとしているので申し添えます。

1 実施時期

本通知の実施時期については局長通知の実施時期と同じとする。

2 既存の通知の改廃

(1) 廃止について

平成9年4月25日付け薬安発第59号厚生省薬務局安全課長通知「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(以下「旧課長通知」という。)は廃止し、本通知の内容をもって代える。

(2) 改正について

旧課長通知の廃止に伴い、平成15年5月20日付け医薬安発第0520004号厚生労働省医薬局安全対策課長通知「生物由来製品の添付文書の記載要領について」の別添1中の『薬安発第59号厚生省薬務局安全課長通知「医療用医薬品添付文書の記載要領について」』を、『薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について」』と改める。

以上

(別添)

医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項

第1 記載上の一般的留意事項

1.各項目の記載に当たっては、原則として8ポイント程度の活字を用い、見やすくするよう配慮すること。紙面数等の都合により、活字の級数を下げる場合は、6ポイント以上とすること。ただし、「3.組成・性状」を除く「1.警告」から「15.その他の注意」までは、表内及び脚注を除き8ポイント以上とすること。

2.様式・仕様は原則として、別紙1を参考に、次のとおりとすること。

(1) 仕様

A4判

4頁以内を目安とすること

左綴じ代として1.7cmを確保すること

(2) 様式

「1.警告」を有する医薬品:白色紙の右上縁に赤色の帯を印刷すること

その他の医薬品:白色紙

3.原則として、明朝体を用いて記載し、漢字、ひらがな及びカタカナは全角、英数字は半角で記載すること。ただし、項目名等主要な事項の記載に当たっては、ゴシック体を用い他の項目に比較して見やすくすること。また、別に定めがある項目を除き、文字は赤色を使用しないこと。

4.項目名は、別に定めがある場合を除き、平成29年6月8日付け薬生発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(以下「局長通知」という。)に示すものを用いること。ただし、「4.効能又は効果」及び「5.効能又は効果に関連する注意」の項目名における「効能又は効果」を「効能効果」又は「効能・効果」に、「6.用法及び用量」及び「7.用法及び用量に関連する注意」の項目名における「用法及び用量」を「用法用量」又は「用法・用量」にそれぞれ代えることは差し支えないこと。

5.項目番号は、局長通知に示すものを用い、下位の項目をつける場合は、第3位まで「1.1.1」等と記載すること。更に項目番号が必要な場合には、両括弧を用い「(1)」等と記載すること。

6.関連する項目を参照先として記載する場合は、項目番号を用いて末尾に「1.1.1 参照」等と記載すること。

7.他剤との比較データを記載する場合には、原則として、対照医薬品は一般的名称を記載すること。ただし、生物学的同等性試験の結果を記載する場合には、先発医薬品及び先行バイオ医薬品は販売名を記載すること。

8.生物学的同等性試験の結果を記載する場合は、同等性の評価指標に応じて「16.薬物動態」、「17.臨床成績」又は「18.薬効薬理」に記載すること。

第2 各項目に関する留意事項

ア.作成又は改訂年月

(1) 作成又は改訂年月を添付文書等の左上隅に記載し、続いて括弧内に版数を記載すること。

(2) 添付文書等の記載内容のうち、医薬品の使用に際し重要な影響を与える項目について改訂した場合は、下記の方法により記載すること。

①作成年月又は改訂年月の記載は、次々回改訂が行われるまで継続表示することとし、新たな改訂年月の記載に当たっては、前々回の改訂年月(第2回改訂時にあっては作成年月)を削除し、前回改訂年月に新たな改訂年月を併記すること。また、今回改訂と前回改訂のそれぞれの改訂を区分し明示すること。

②記載内容の改訂を行った箇所には、該当する項目番号の前に「」印を付記するとともに、対応する改訂年月、版数についても同じ印を付記すること。下位の全項目の改訂を行った場合は、一つ上位の項目に「」印を付記すること。第2回以降の改訂時には、今回改訂箇所に「**」、前回改訂箇所に「」を付記すること。

③再審査結果又は再評価結果の公表、効能又は効果の変更又は用法及び用量の変更に伴う改訂の場合は、改訂年月に続く括弧内に、版数に続けてそれぞれ「再審査結果」又は「再評価結果」、「効能変更」、「用量変更」又は「用法変更」と記載すること。

イ.日本標準商品分類番号

「日本標準商品分類番号」と明記し、枠で囲んで添付文書等の右上隅に記載すること。

ウ.承認番号、販売開始年月

(1) 承認番号の記載に当たっては、「承認番号」と明記し、枠で囲んで、原則として「日本標準商品分類番号」の下に記載すること。

(2) 販売開始年月の記載に当たっては、販売開始年月の項目名は「販売開始」と省略して記載し、枠で囲んで、「承認番号」に続けて記載すること。

エ.貯法、有効期間

「作成又は改訂年月」の下に、「貯法」及び「有効期間」と小項目を設けて記載すること。

オ.薬効分類名

(1) 同一の薬効群に分類される医薬品にあっては、共通する分類名となるよう配慮すること。

(2) 製剤特性は、原則として記載不要であること。ただし、適正使用を図る上で、効能又は効果や用法及び用量が異なる医薬品を分類名により区別する必要がある場合はこの限りではない。

カ.規制区分

(1) 規制区分の対象となる医薬品は、毒薬及び劇薬については医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器法」という。)第44条第1項及び第2項に、麻薬及び向精神薬については麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号及び第6号に、覚醒剤及び覚醒剤原料については覚醒剤取締法(昭和20年法律第252号)第2条第1項及び第5項に、習慣性医薬品については医薬品医療機器法第50条第11号に、緊急承認医薬品については医薬品医療機器法第14条の2の2第1項に、特例承認医薬品については医薬品医療機器法第14条の3第1項に、処方箋医薬品については医薬品医療機器法第49条第1項に、それぞれ定められているものであること。また、条件付き承認医薬品については医薬品医療機器法第14条第5項に基づき臨床試験の試験成績に関する資料の一部の添付を要しないこととした医薬品であり、条件付き早期承認医薬品については「医薬品の条件付き早期承認制度の実施について」(平成29年10月20日付け薬生薬審発1020第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)に規定する「条件付き早期承認制度」が適用された医薬品であること。

(2) 規制区分の記載に当たっては規制区分を表す名称の全文を販売名の上又は左側に併記すること。ただし、条件付き承認医薬品及び条件付き早期承認医薬品を表す名称については、原則として販売名の右又は下側に併記すること。

(3) 向精神薬については、麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令(平成2年政令第238号)に基づき第一種向精神薬、第二種向精神薬又は第三種向精神薬の別を、「規制区分」に続けて括弧内に記載すること。

(4) 習慣性医薬品、緊急承認医薬品、特例承認医薬品、処方箋医薬品については、各内容に関する注意書きとして、習慣性医薬品の場合は「注意―習慣性あり」、緊急承認医薬品の場合は「注意―緊急承認医薬品」、特例承認医薬品の場合は「注意―特例承認医薬品」、処方箋医薬品については「注意―医師等の処方箋により使用すること」と記載すること。なお、緊急承認医薬品及び特例承認医薬品の注意書きは、当該箇所を赤枠で囲うこと。

(5) 条件付き承認医薬品については、「条件付き承認品目」と記載すること。一部の効能又は効果が対象である場合は、「(一部)条件付き承認品目」と記載すること。また、条件付き早期承認医薬品については、「条件付き早期承認品目」と記載すること。一部の効能又は効果が対象である場合は、「(一部)条件付き早期承認品目」と記載すること。なお、「条件付き承認品目」又は「(一部)条件付き承認品目」の記載については、承認時の法第14条第10項の規定に基づく条件の解除に伴い、添付文書上の当該記載を削除して差し支えない。

キ.名称

名称の記載にあっては、以下の順に記載すること。

(1) 一般的名称、基準名又は日本薬局方で定められた名称

(2) 販売名

1.警告

記載事項は、赤枠内に項目名を含めて文字も赤色、ゴシック体で記載すること。

2.禁忌(次の患者には投与しないこと)

記載事項は、赤枠内に項目名を含めて記載するが、文字は赤色を使用しないこと。

3.組成・性状

(1) 「3.1 組成」

①本項目の記載に当たっては、基準量(錠剤等個数として表せる剤形のものにあっては、一定の個数、それ以外の剤形のものにあっては、一定の重量又は容量)中の有効成分の名称(一般的名称があるものにあっては、その一般的名称)及びその分量(有効成分が不明なものにあっては、その本質及び製造方法の要旨)を、販売名ごとに表形式で記載すること。

②医薬品添加剤については、別紙2の成分を除く、原則としてすべての成分を記載すること。平成14年4月9日医薬安発第0409001号、医薬監麻発第0409001号厚生労働省医薬局安全対策課長、監視指導・麻薬対策課長連名通知『「医薬品添加物の記載に関する自主申し合わせ」の実施等について』を参考に記載すること。

(2) 「3.2 製剤の性状」

①販売名ごとに表形式で記載すること。

②無菌製剤である旨の記載には、点眼剤、眼軟膏剤及び個々の承認で無菌であることが規定された医薬品が該当すること。

4.効能又は効果

承認を受けた効能又は効果を正確に記載するほか、効能又は効果の一部が条件付き承認医薬品等の特定の規制区分に該当する品目については、対象となる効能又は効果に注釈を付し明示すること。

5.効能又は効果に関連する注意

患者選択に必要な検査・診断基準など承認を受けた効能又は効果の範囲を明確にするための注意事項はこの項目に含まれること。

6.用法及び用量

効能又は効果、漸増、剤形等によって、用法及び用量を書き分ける必要がある場合には、表形式等にして分かりやすく記載すること。

7.用法及び用量に関連する注意

適宜増減の範囲であって、通常の用法及び用量から外れた調節を必要とする場合もこの項目に含まれること。

8.重要な基本的注意

(留意事項なし)

9.特定の背景を有する患者に関する注意

(1) 「9.1 合併症・既往歴等のある患者」の記載に当たって、合併症、既往歴、家族歴、遺伝的素因等に応じて、「9.1.1 ○○の患者」と適切な項目をつけて記載すること。

(2) 「9.2 腎機能障害患者」の記載に当たって、腎機能障害の程度は、クレアチニンクリアランス、推定糸球体濾過量(eGFR)等の具体的な指標を可能な限り記載すること。

(3) 「9.3 肝機能障害患者」の記載に当たって、肝機能障害の程度は、Child―Pugh分類等の具体的な指標を可能な限り記載すること。

(4) 「9.5 妊婦」及び「9.6 授乳婦」に関する注意事項の記載に当たって、それぞれ「投与しないこと」及び「授乳を避けさせること」と記載する場合は、胎児又は哺乳する児の曝露量(特に局所適用製剤の場合)、臨床使用経験、代替薬の有無等の臨床的影響を十分に考慮して記載すること。

(5) 「9.7 小児等」の記載に当たって、新生児、乳児、幼児又は小児とはおおよそ以下を目安とする。ただし、具体的な年齢が明確な場合は「○歳未満」、「○歳以上、○歳未満」等と併記すること。なお、これ以外の年齢や体重による区分を用いても差し支えないこと。

①新生児とは、出生後4週未満の児とする。

②乳児とは、生後4週以上、1歳未満の児とする。

③幼児とは、1歳以上、7歳未満の児とする。

④小児とは、7歳以上、15歳未満の児とする。

(6) 「9.8 高齢者」の記載に当たって、高齢者とは65歳以上を目安とし、必要に応じて75歳以上の年齢区分に関する情報も記載すること。ただし、記載に当たって具体的な年齢が明確な場合は「○歳以上」と併記すること。なお、これ以外の年齢区分を用いても差し支えないこと。

(7) 「9.2 腎機能障害患者」、「9.3 肝機能障害患者」及び「9.7 小児等」の記載に当たって、リスクが想定されるが、臨床試験等において除外され、十分なデータがない場合はその旨を記載すること。

(8) 「9.5 妊婦」及び「9.6 授乳婦」の記載に当たって、臨床使用経験、疫学的調査等の情報が臨床上有益な場合は、適正使用に関する情報として記載すること。

10.相互作用

(1) 記載様式は可能な限り表形式等にして分かりやすくすること。併用注意では、場合により記述方式で記載しても差し支えないこと。

(2) 「10.併用禁忌(併用しないこと)」については、赤枠の表内に記載するが、文字は赤色を使用しないこと。

(3) 薬剤名の記載に当たって、バイオ後続品にあっては、先行バイオ医薬品の一般的名称を代表として「○○製剤」と記載すること。

11.副作用

(1) 副作用の発現頻度は、原則として、承認を受けた効能又は効果や用法及び用量の範囲であって、有効性及び安全性を検討することを目的とした臨床試験を統合した結果に基づき、発現割合を百分率で小数点以下第1位まで、0.1%未満の場合はその旨をそれぞれ記載すること。

(2) 副作用の発現頻度の記載に当たって、自発報告や製造販売後調査等で集積し、発現頻度が不明な場合は「頻度不明」と記載すること。ただし、希少疾病医薬品等で臨床試験データが極めて限られている場合であって、製造販売後調査等による副作用の発現頻度を記載することが特に有用な場合に限り、引用元を明記した上で、その発現頻度を記載すること。

(3) 後発医薬品及びバイオ後続品における副作用の発現頻度の記載に当たっては、当該医薬品を用いて精密かつ客観的に行われた臨床試験等の結果がある場合は、その結果に基づき記載すること。当該医薬品を用いた発現頻度が不明な場合は、原則として、先発医薬品又は先行バイオ医薬品に準じて記載すること。

(4) 類薬で知られている重大な副作用であって、同様の注意が必要と考えられる場合は、「類薬」と記載せず、当該医薬品で知られている副作用と同様に記載すること。

(5) 「11.2 その他の副作用」の記載に当たっては、表形式で記載すること。

(6) 医薬品による感染症に関する注意についても副作用に準じて記載すること。

12.臨床検査結果に及ぼす影響

当該医薬品を使用することによって、臨床検査値が見かけ上変動する場合の条件、影響、理由等を簡潔に記載すること。

13.過量投与

中毒症状の事例がない場合や典型的な中毒症状が知られていない場合は、記載を要さないこと。

14.適用上の注意

(1) 「薬剤調製時の注意」には、薬剤調製又は調剤時の注意を記載すること。薬剤調製者が曝露を避けるための防護具(眼鏡、手袋、マスク等)の使用はこの項目に含めること。

(2) 「薬剤投与時の注意」には、投与経路、剤形、注射速度、投与部位等に関する注意事項を記載すること。

(3) 「薬剤交付時の注意」には、患者への指導事項を記載すること。患者が薬剤を保管する際の注意事項はこの項目に含めること。

(4) 診断用医薬品であって、診断上の注意事項がある場合は、「診断上の注意」の項目をつけて記載すること。

15.その他の注意

(1) 「15.1 臨床使用に基づく情報」の記載に当たっては、発がん性や死亡率等の評価が確立していない情報であっても、疫学研究等に基づき可能な限り客観的に「…との報告がある」と記載すること。

(2) 「15.2 非臨床試験に基づく情報」の記載に当たっては、臨床曝露量と比較した安全域を考慮して記載すること。

16.薬物動態

(1) 対象の健康人・患者の区分を記載し、必要に応じて患者の状態についても付記すること。外国人データの場合は、その旨を記載すること。

(2) 母集団解析やシミュレーションの結果を記載する場合は、その旨を記載し、実測データと区別すること。

(3) 検討した用法及び用量が、承認を受けた用法及び用量と異なる場合には、その旨の注意書きを併記すること。

17.臨床成績

(1) 「17.1 有効性及び安全性に関する試験」

①試験の位置づけ(開発の相、試験デザイン等)がわかるよう、適切な項目をつけて記載すること。

②国際共同試験の結果又は外国人データを記載する場合は、その旨を明記すること。また、国際共同試験の場合は、日本人症例数を併記すること。

③安全性に関する結果は、副作用又は有害事象に基づき記載すること。ただし、副作用又は有害事象のいずれの結果であるかを明記すること。

(2) 「17.2 製造販売後調査等」

適切に計画され実施された、医療情報データベースを利用した調査の結果について、引用元を明記した上で記載すること。

(3) 「17.3 その他」

承認を受けた用法及び用量と異なる結果を記載する場合には、その旨の注意書きを併記すること。

18.薬効薬理

(1) 配合剤における個々の有効成分の薬理作用を説明する場合には、その薬理作用等により、承認を受けた効能又は効果(承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の効能又は効果)以外の効能又は効果に使用できるような印象を与える表現はしないこと。また、配合剤における相乗作用を表現する場合には、十分な客観性のあるデータのある場合にのみ記載すること。

(2) 診断用医薬品では、「18.1 作用機序」の代わりに「18.1 測定法」とし、承認を受けた効能又は効果を裏付ける測定原理を記載すること。

19.有効成分に関する理化学的知見

一般的名称の記載に当たっては、和名に続けて( )内に英名を記載すること。

20.取扱い上の注意

日本薬局方又は医薬品医療機器法第42条第12項の規定に基づく基準に定められている取扱い上の注意のほか、火気を避ける等の薬剤管理上の規制があるものについては、これを記載すること。

21.承認条件

(留意事項なし)

22.包装

(1) 包装形態の記載に当たっては、アンプル、バイアル、シリンジ、ボトル、バッグ等の別を記載すること。容器の材質又は性質は必要に応じて記載すること。包装内に乾燥剤を含む場合、その旨を記載すること。

(2) 包装単位の記載に当たっては、包装形態に応じた単位ごとの個数、重量、容量等を記載すること。バラ包装品にあってはその旨を記載し、シート包装にあっては1シートあたりの個数等及びシート数がわかるように記載すること。

(3) 機械器具の記載に当たっては、注射針にあってはゲージ数を併記すること。溶解液等の記載に当たっては、容量等を併記すること。

23.主要文献

(1) 主要文献として記載した文献の内容を引用している該当部分については、使用者が当該文献を検索できるように引用番号を付すこと。

(2) 主要文献はバンクーバー方式(著者名、雑誌名、発行年、巻数、最初の頁―最後の頁)で記載すること。

(3) 社内資料を引用している場合は、使用者による文献請求が容易となるよう、可能な限り当該資料の具体的な内容を明示して記載すること。承認申請資料概要が公表されている場合は、該当する承認年月日及び資料番号を併記すること。

(4) 後発医薬品及びバイオ後続品の記載に当たって、公表されている文献については、原則として、先発医薬品及び先行バイオ医薬品と同様の文献を記載すること。ただし、製剤の違いによって異なる記載とする必要があるときはこの限りではない。

24.文献請求先及び問い合わせ先

(留意事項なし)

25.保険給付上の注意

(留意事項なし)

26.製造販売業者等

(1) 販売元、提携先等の氏名又は名称を記載する場合は、製造販売業者に続いて記載すること。

(2) 外国特例承認に係る医薬品にあっては、選任製造販売業者の氏名又は名称及び住所のほか、外国特例承認取得者の氏名又は名称及びその住所地の国名を記載すること。

(別紙1)

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(別紙2)

医薬品の種類

医薬品添加剤の成分

注射剤(体液溶剤、人工灌流用剤、粉末注射剤を含む)

1.塩化カルシウム

2.塩化カリウム

3.塩化ナトリウム

4.塩酸

5.クエン酸

6.クエン酸ナトリウム

7.コハク酸

8.酢酸(注1)

9.酢酸カリウム

10.酢酸ナトリウム

11.酒石酸

12.水酸化カリウム

13.水酸化ナトリウム

14.注射用水

15.生理食塩液

16.炭酸ナトリウム

17.炭酸水素ナトリウム

18.乳酸

19.乳酸ナトリウム

20.マレイン酸

21.硫酸

22.リン酸

23.リン酸カリウム

24.リン酸ナトリウム

25.リン酸水素カリウム

26.リン酸水素カルシウム

27.リン酸二水素カリウム

28.リン酸水素ナトリウム

29.リン酸水素二ナトリウム

粘膜に用いる外用剤(点眼剤、眼軟膏、洗眼剤、点鼻剤、点耳剤、坐剤(肛門、膣、尿道用)、肛門内注入用剤、吸入剤、バッカル剤(舌下錠)、トローチ剤、口腔内貼付剤、口腔内塗布用剤、含嗽剤、粘膜適用歯科用剤)

1.塩化カルシウム

2.塩化カリウム

3.塩化ナトリウム

4.塩酸

5.クエン酸

6.クエン酸ナトリウム

7.コハク酸

8.酢酸(注1)

9.酢酸カリウム

10.酢酸ナトリウム

11.酒石酸

12.水酸化カリウム

13.水酸化ナトリウム

14.精製水(注2)

15.生理食塩液

16.炭酸ナトリウム

17.炭酸水素ナトリウム

18.乳酸

19.乳酸ナトリウム

20.マレイン酸

21.硫酸

22.リン酸

23.リン酸カリウム

24.リン酸ナトリウム

25.リン酸水素カリウム

26.リン酸水素カルシウム

27.リン酸二水素カリウム

28.リン酸水素ナトリウム

29.リン酸水素二ナトリウム

注1:氷酢酸、無水酢酸を含む。

注2:注射用水、滅菌精製水を含む。

(別記)

公益社団法人日本医師会

公益社団法人日本歯科医師会

公益社団法人日本薬剤師会

一般社団法人日本病院薬剤師会

日本製薬団体連合会

日本製薬工業協会

米国研究製薬工業協会在日執行委員会

欧州製薬団体連合会

日本ジェネリック製薬協会

日本漢方生薬製剤協会

日本生薬連合会

一般社団法人日本CRO協会

独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第一部

独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第二部

(参考:改正後全文)

○再生医療等製品の添付文書の記載要領(細則)について

(平成26年10月2日)

(薬食安発1002第13号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)

最終改正 令和5年2月17日

(公印省略)

標記については、「薬事法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第84号。以下「改正法」という。)、「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令」(平成26年政令第269号)、「薬事法等の一部を改正する法律及び薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」(平成26年厚生労働省令第87号)が公布され、再生医療等製品を新たなカテゴリーとして取り扱うこととされたこと等に伴い、平成26年10月2日付け薬食発1002第12号医薬食品局長通知(以下「局長通知」という。)により、「再生医療等製品の添付文書の記載要領」を定めたところですが、その細則について、別紙の点に御留意の上、貴管下関係業者、団体等に対し周知の徹底をお願いするとともに、再生医療等製品の添付文書に関する指導につき格段の御配慮をお願いします。

なお、この通知は、平成26年11月25日から適用します。

(別紙)

再生医療等製品の添付文書の記載要領(細則)

1.記載上の一般的留意事項

(1) 各項目の記載は、内容を十分に検討し、分かりやすい表現で記載することとし、できる限り全項目について記載することが望ましいが、記載すべき適切な情報のない場合には、「項目名」を含めて省略して差し支えないこと。

(2) 「(2)承認番号」、「(3)類別及び一般的名称等」、「(4)販売名」、「(8)効能、効果又は性能」、「(15)取扱い上の注意」及び「(16)承認条件及び期限」の各項目の記載に当たっては、製造販売承認(以下「承認」という。)時に添付した資料又は承認内容を正確に記載すること。

(3) 「(5)警告」から「(7)形状、構造、成分、分量及び本質」まで及び「(9)用法及び用量又は使用方法」から「(14)貯蔵方法及び有効期間等」までの各項目においては、承認時に添付した資料内容又は承認内容と同様の内容とすることとし、記載すべき全ての内容を記載しきれない場合は、取りまとめて概要を記載するとともに、取扱説明書等を参照する旨の記載を付すことで差し支えないこと。

(4) 「(5)警告」から「(18)製造販売業者の氏名又は名称及び住所等」までの各項目の記載に当たっては、項目名を明示した上で記載することとし、項目名は、原則として局長通知に示したものを用いること。

(5) 「(11)臨床成績」、「(12)原理・メカニズム」、「(13)体内動態」及び「(14)貯蔵方法及び有効期間等」の各項目の記載に当たっては、原則として科学的な裏付けのあるもので信憑性の高いと判断される文献等に基づく正確な記載が必要である。この場合にあっては出典を明らかにすること。なお、例外的なデータを取り上げて、それが一般的な事実であるかのような印象を与える表現はしないこと。

(6) 項目名等主要な事項の記載に当たっては、ゴシック体を用いる又はフォントを大きくするなどの工夫を行い、視認性を確保すること。

(7) 医療関係者の利便性を考慮して、様式・仕様を原則としてA4判(左綴じ代として1.7cmを確保すること。)とすること。

(8) 「(5)警告」から「(18)製造販売業者の氏名又は名称及び住所等」までの各項目の記載に当たっては、別に定めがある場合を除き、原則として8ポイント程度の活字を用いる等見やすくするよう配慮すること。

(9) 添付文書の他に取扱説明書等を作成している製品については、添付文書の1ページ目の目立つところに、「取扱説明書等を必ず参照する」旨を記載すること。

2.各記載項目に関する留意事項

(1) 「作成又は改訂年月」について

1) 作成又は改訂の年月及び版数を添付文書の左上隅に記載すること。

2) 再生医療等製品の使用に際し重要な影響を与える項目について改訂した場合は、下記の方法により記載すること。

① 作成又は改訂年月の記載は、次々回改訂が行われるまで継続表示することとし、新たな改訂年月の記載に当たっては、前々回の改訂年月(第2回改訂時にあっては作成年月)を削除し、前回改訂年月に新たな改訂年月を併記すること。また、今回改訂と前回改訂のそれぞれの改訂を区分し明示すること。

② 記載内容の改訂を行った箇所には、例えば「*」印を項目の前に付記し、改訂箇所にアンダーラインを引くなどして改訂箇所が判別しやすいようにすること。また、対応する改訂年月、版数についても同じ印を付記すること。

(2) 「承認番号等」について

1) 原則として販売名の右方側に記載すること。

2) 原則として、作成又は改訂年月の下に「再使用禁止」と記載するとともに「禁忌・禁止」の項にも記載すること。

(3) 「類別及び一般的名称等」について

1) 類別及び一般的名称を原則として販売名の上(中央部)の見やすい場所に記載すること。

2) 指定再生医療等製品、再生医療等製品の別を販売名の前に記載すること。

3) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第23条の26第1項の条件及び期限付承認を受けた再生医療等製品については、販売名の右又は下側に「条件及び期限付承認品目」と記載すること。一部の効能、効果又は性能が対象である場合は、「(一部)条件及び期限付承認品目」と記載すること。なお、当該記載については、条件及び期限付承認に対応する承認条件を満たしたことに伴い、添付文書上の当該記載を削除して差し支えない。

4) 法第23条の26の2第1項に規定する再生医療等製品については、販売名の上又は左側に「注意―緊急承認再生医療等製品」と記載し、当該箇所を赤枠で囲うこと。

5) 法第23条の28第1項に規定する再生医療等製品については、販売名の上又は左側に「注意―特例承認再生医療等製品」と記載し、当該箇所を赤枠で囲うこと。

(4) 「販売名」について

1) 中央部の見やすいところに、「類別及び一般的名称等」の文字よりも大きい文字で記載すること。

2) 複数の構成体が一承認により認められている場合であって、別途副構成体の添付文書を作成する場合にあっては、販売名だけではそれぞれの副構成体を特定することができないことから、別途添え字として販売名ではない名称を付与してそれぞれの副構成体を特定すること。

(5) 「警告」について

1) 本文冒頭に記載すること。

2) 項目の詳細については、平成26年10月2日付け薬食安発1002第9号安全対策課長通知「再生医療等製品の使用上の注意の記載要領について」(以下「課長通知」という。)により記載すること。

3) 指定再生医療等製品については例外として、本項「(5)警告」の前に、段抜き枠囲いで、以下に示す感染症伝播のリスクに関する全般的な注意を記載すること。

なお、具体的な記載表現は、別記1に準じたものとすること。

① 原料等(原料又は材料若しくはそれらの原材料(製造に使用する原料又は材料の由来となるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)として、又は製造工程においてヒト又は動物の血液・細胞・組織・臓器等に由来する成分が使用されていること。

② 感染症の伝播を防止するための安全対策を実施していること(具体的な安全対策は「使用上の注意」の「重要な基本的注意」の項等に記載する。)。

③ 感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないこと。

(6) 「禁忌・禁止」について

1) 原則として、警告に続けて記載することとし、警告がない場合は本文冒頭に記載すること。

2) 項目の詳細については、課長通知により記載すること。

(7) 「形状、構造、成分、分量及び本質」について

1) 当該再生医療等製品の性質に鑑み、形状、構造、構成細胞、導入遺伝子等について記載すること。

2) 当該再生医療等製品の全体的構造が容易に分かるように、原則として、構成体ごとにイラストや写真等を示すこと。

3) 患者に使用される主構成体の他、直接、体に接触する機械器具等(薬液等を介して身体に接する場合も含む。)の副構成体については、体に接触する部分の組成も併せて記載すること。

4) 当該再生医療等製品に含有され、又は製造工程において使用されている原料又は材料のうち、ヒト又は動物に由来する成分の名称並びに当該製品の原材料であるヒト又は動物の名称及び使用部位等を記載すること。また、ヒト血液を原材料としている場合は、採血国及び採血方法(献血又は非献血の別)を記載すること。

ただし、生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)の適用を受けない原料又は材料については、こうした記載を要しない。

なお、具体的な記載方法は、以下のとおりとすること。

① 原料等のうち、ヒト又は動物に由来するものの名称並びに当該原料等の由来となるヒト又は動物の名称(例えば、ヒトの場合はヒト、動物の場合は動物種)及び使用部位等(例えば、血液の場合は血液、細胞・組織・臓器等の場合はその名称等)を承認書の記載に基づき記載すること。

② 製造工程においてヒト又は動物に由来する成分を使用している場合にも上記と同様にその名称並びに当該成分の由来となるヒト又は動物の名称及び使用部位等を記載すること。

③ ヒト血液を原材料として製造される場合にあっては、採血国(原則として採血国として承認書に記載されている全ての国)及び採血方法(献血又は非献血の別)を記載すること。

(8) 「効能、効果又は性能」について

1) 承認を受けた効能、効果又は性能(以下「効能又は効果等」という。)を記載すること。

2) 既に再審査・再評価の終了した再生医療等製品にあっては、上記にかかわらず再審査・再評価判定結果に基づいて記載すること。

3) 重大な不具合又は事故を防止する上で、適用すべき患者などの効能又は効果等に関連する使用上の注意がある場合は、「効能、効果又は性能に関連する使用上の注意」として本項に続けて、承認内容と明確に区別して記載すること。

4) 効能、効果または性能の一部が、第23条の26第1項の条件及び期限付承認を受けた再生医療等製品等の特定の規制区分に該当する品目については、対象となる効能、効果又は性能に注釈を付し明示すること。

(9) 「用法及び用量又は使用方法」について

1) 承認を受けた用法及び用量又は使用方法について記載すること。

なお、既に再審査・再評価の終了した再生医療等製品にあっては、上記にかかわらず再審査・再評価判定結果に基づいて記載すること。

2) 重大な不具合又は事故を防止する上で、用法及び用量、使用方法、適用回数・期間等、使用方法等に関連する使用上の注意がある場合は、「用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意」として本項に続けて、承認内容と明確に区別して記載すること。特に製品の使用限界等、禁止すべき使用方法については、禁忌・禁止の項に赤枠内に黒字で記載すること。

3) 必要に応じて図示した説明を加えることが望ましいこと。

4) 他の医薬品、医療機器等と組み合わせて使用する場合にあっては、その医薬品、医療機器等に対する要求事項若しくは組み合わせて使用可能な医薬品、医療機器等について記載すること。

(10) 「使用上の注意」について

1) 課長通知に従い記載すること。

2) 「使用上の注意」のうち、重大な事故又は副作用を防止する上で、適用すべき患者など効能、効果又は性能に関連する使用上の注意がある場合は、「効能、効果又は性能」の項目に続けて「効能、効果又は性能に関連する使用上の注意」として承認内容と明確に区別して記載すること。

3) 「使用上の注意」のうち、重大な事故又は副作用を防止する上で、用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意がある場合は、「用法及び用量又は使用方法」の項目に続けて「用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意」として承認内容と明確に区別して記載すること。

4) 「使用上の注意」のうちで、「警告」、「禁忌・禁止」、2)及び3)に該当する事項は、原則としてこの項目に重複して記載する必要はないこと。

5) 「重要な基本的注意」、「使用注意」及び「重大な不具合・副作用」の記載に当たっては、8ポイント以上の活字を用いる等、他の項目に比較して見やすくするよう配慮すること。

6) 「重要な基本的注意」として、使用に当たっては、当該製品の有効性及び安全性その他適正な使用のために必要な事項について、当該製品を使用する患者に対して説明し、その同意を得て使用するよう努めなければならない旨を記載すること。

なお、具体的な記載表現は別記1又は2に準じたものとすること。その他製品特有の基本的注意事項は、本項に記載すること。

7) 指定再生医療等製品については、「使用上の注意」の適切な箇所に、原材料の採取の際に行った感染症検査の詳細や不活性化処理の詳細、安全対策の限界等を記載すること。

(11) 「臨床成績」について

1) 承認申請時に用いられた臨床試験の成績又はこれに代替するものとして評価された資料、再審査申請時に用いられた臨床成績等がある場合にのみ記載すること。

2) 精密かつ客観的に行われた臨床試験の結果について、使用状態、期間、症例数、有効率等を承認を受けた使用方法に従って記載すること。適切に計画され実施された、医療情報データベースを利用した調査の結果について、引用元を明記した上で記載すること。

3) 他の医薬品、医療機器、再生医療等製品等との比較を記載する場合には、その対照とする製品を用いた治療法が当該疾病等の治療において一般的な治療法であり、精密かつ客観的に行われた比較試験の成績がある場合にのみ記載することができること。

4) 当該再生医療等製品の適用の範囲を超える「効能、効果又は性能」を示唆するような成績は記載しないこと。

(12) 原理・メカニズム

当該再生医療等製品が効力又は性能を発揮すると考えられる原理・メカニズムを簡潔に記載すること。

(13) 体内動態

当該再生医療等製品の生体内分布、生着期間又は効果持続期間等について知見を集積した場合は記載すること。

(14) 「貯蔵方法及び有効期間等」について

1) 当該再生医療等製品の貯蔵方法、有効期間・使用の期限についてそれぞれ小項目を設けて記載すること。

2) 有効期間・使用の期限については、使用できる期間(日数、時間数等)又は当該再生医療等製品の使用に係る最終期限(年月(日))を記載すること。

3) その他、当該再生医療等製品の使用前に品質を確認するための注意事項があれば記載すること。

(15) 「取扱い上の注意」について

1) 基準又は承認書の中で取扱い上の注意事項が特に定められている場合にはそれを記載すること。

2) 指定再生医療等製品については、当該製品を使用した場合は、販売名、製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名・住所等を記録し、その記録を少なくとも20年間保存する旨を記載すること。なお、具体的な記載表現は別記1に準じたものとすること。

(16) 「承認条件及び期限」について

1) 承認条件及び期限が付された場合にのみ記載すること。承認条件又は期限に変更又は延長があった場合には記載を変更すること。

2) 当該承認条件を満たした後に当該記載を削除する改訂を行うことは差し支えないが、承認条件を満たすまでの間は削除しないこと。

(17) 「主要文献及び文献請求先」について

1) 文献請求先にあっては、その氏名又は名称、住所及び電話番号を記載すること。

2) 各項目の記載の裏付けとなるデータの中で主要なものについては主要文献として本項目に記載すること。なお、臨床成績の記載(比較試験成績、副作用等)の裏付けとなる文献は優先的に記載することが望ましいこと。

3) 主要文献として記載した文献の内容を引用している該当部分については、使用者が当該文献を検索できるように引用番号を付すこと。

4) 当該再生医療等製品の適用の範囲を超える「効能、効果又は性能」を示唆するような文献は記載しないこと。

(18) 「製造販売業者の氏名又は名称及び住所等」について

1) 製造販売業者(選任製造販売業者を含む。)の氏名又は名称、住所及び電話番号を記載すること。

2) 製造販売業者の電話番号は、緊急連絡先として随時連絡が通じる連絡先の電話番号を記載すること。

3) 当該項目に続けて、販売業者(代理店)の連絡先を記入するための欄(空欄)を用意することが望ましいこと。

別記1

[指定再生医療等製品の感染症伝播のリスクに関する冒頭注意書き記載例]

ヒト又は動物由来の細胞を使用している場合

本再生医療等製品は、ヒト又は動物の名称及び組織等の名称*1由来の細胞を使用しており、原材料となった組織等を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化処理*2などを実施し、感染症の伝播を防止するための安全対策を講じているが、ヒト又は動物の名称及び組織等の名称を原材料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

*1) 由来となるヒト又は動物の名称及び組織等の名称を記載する。

*2) 原材料となった血液等を採取する際の問診、感染症検査の他、感染症伝播のリスクを避ける目的で何らかの処理を行っている場合に記載する。

*下線部は当該製品に合わせた記載とすること。

製造工程中にヒト血清アルブミン等血液由来成分を使用している場合

本再生医療等製品は、製造工程中にヒト血清アルブミンを使用しており、原材料となった血液を採取する際には問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化処理などを実施し、感染症の伝播を防止するための安全対策を講じているが、製品中に残留するヒト血清アルブミンに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

注)

感染症伝播のリスクに関連する製品に含まれる細胞・成分の詳細、原材料である血液の採血方法(献血又は非献血の別)については、「形状、構造、成分、分量又は本質」の項に記載する(局長通知3の(7)を参照)。また、感染症検査の詳細や不活性化処理の詳細、安全対策の限界等については、「使用上の注意」等の適切な項に記載する。

[指定再生医療等製品の使用上の注意の重要な基本的注意の項における患者への説明の記載例]

「患者への説明」

本再生医療等製品の使用に当たっては、疾病の治療における本再生医療等製品の必要性とともに、本再生医療等製品の有効性及び安全性その他本再生医療等製品の適正な使用のために必要な事項、及び本再生医療等製品の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの血液(/細胞・組織名等)を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、その同意を得て、本再生医療等製品を使用するよう努めること。

[指定再生医療等製品の取扱い上の注意の項における記録の保存の記載例]

「記録の保存」

本製品は指定再生医療等製品に該当することから、本製品を使用した場合は、再生医療等製品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名及び住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

別記2

[再生医療等製品の使用上の注意の重要な基本的注意の項における患者への説明の記載例]

「患者への説明」

本再生医療等製品の使用に当たっては、疾病の治療における本再生医療等製品の必要性とともに、本再生医療等製品の有効性及び安全性その他本再生医療等製品の適正な使用のために必要な事項について、患者に対して説明し、その同意を得て、本再生医療等製品を使用するよう努めること。