(公印省略)

改正省令の内容は下記のとおりであるので、その内容を御了知の上、関係者及び関係団体等への周知を図られるとともに、その運用に当たっては十分に留意の上、遺漏なきよう取り扱われたい。

記

第1　改正の趣旨

前もって将来の一定期間の国民年金保険料を納付する「前納」を行った被保険者が、前納に係る期間の経過前に被保険者資格を喪失等した場合において、あらかじめ、当該場合には前納保険料の還付を一定の口座において受けることを希望する旨の申出をしていたときは、当該者が前納保険料の還付の請求をしたものとみなして当該口座に還付することとする国民年金法施行令(昭和34年政令第184号)の改正を今般行ったところであり、これを踏まえ、前納以外の手段によって納付された国民年金保険料や厚生年金保険料等の還付手続についても同様の措置を設けるため、厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号。以下「厚年則」という。)及び国民年金法施行規則(昭和35年厚生省第12号。以下「国年則」という。)について所要の改正を行うもの。

第2　改正の内容

(1)　厚年則の一部改正(第1条関係)

厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「厚年法」という。)第83条の2の規定による承認に係る預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による保険料の納付をしている者について、過誤納額(厚年法第40条の2の規定による徴収金に係る額を除く。)が発生したときは、当該者が請求者として、当該預金口座又は貯金口座において還付を受けることを希望する旨を含む還付の請求をしたものとみなすこと。

(2)　国年則の一部改正(第2条関係)

①　学生納付特例事務法人の指定の申出等関係

国年則第83条の4第1項の申出書を提出した国及び地方公共団体は、その旨を、国民年金法(昭和34年法律第141号。以下「国年法」という。)第109条の2の2第1項に規定する厚生労働大臣の指定を受けた法人は、当該法人である旨を、インターネットにおいて掲示することにより学生等に周知しなければならないこととすること。ただし、当該国及び地方公共団体又は当該法人がインターネットにおいて掲示することが困難である場合には、その業務を行う場所の見やすい箇所に掲示する等によるものとすること。

②　保険料又は徴収金の還付請求関係

過誤納額(納付義務のない保険料に係る額に限る。)が発生した場合(国年法第9条第1号に該当するに至ったことにより当該過誤納額が発生した場合を除く。)において、あらかじめ、納付した者が当該場合には次に掲げる口座のいずれかにおいて還付を受けることを希望する旨の申出をしていたときは、当該納付した者が請求者として、還付の請求をしたものとみなすこと。

ア　国年法第92条の2の規定による承認に係る預金口座又は貯金口座

イ　公金受取口座

③　還付希望の申出関係

国民年金法施行令第9条第3項及び改正省令第2条中の国年則第135条第5項に規定する申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を厚生労働大臣に提出することによって行わなければならないこと。

ア　被保険者の氏名、生年月日、住所及び基礎年金番号

イ　次の(i)又は(ii)に掲げる口座において前納保険料の還付を受けることを希望する旨

(i)　国年法第92条の2の規定による承認に係る預金口座又は貯金口座

(ii)　公金受取口座

ウ　その他必要な事項

(3)　その他所要の改正

第3　施行期日等

(1)　施行期日(附則第1項関係)

改正省令は、令和5年1月1日から施行するものとすること。ただし、改正省令第2条中の国年則第80条第1項、第99条第25の2号、第135条第3項、第5項及び第6項並びに第136条の改正規定は、令和6年1月1日から施行するものとすること。

(2)　経過措置(附則第2項関係)

改正省令第1条の規定による改正後の厚年則第131条第3項及び第5項の規定は、この省令の施行の日前に調査決定された納付義務のない保険料であって、同条第1項の還付の請求がされていないものについても適用するものとすること。