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○放射性同位元素等の規制に関する法律における未承認放射性医薬品等の取扱いについて

(令和4年12月23日)

(/医政地発1223第5号/薬生機審発1223第1号/原規放発第2212231号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局地域医療計画課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長、原子力規制庁長官官房安全規制管理官(放射線規制担当)通知)

(公印省略)

今般、「放射性同位元素等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」(令和4年政令第349号。以下「改正政令」という。)が令和4年11月11日に公布され、改正政令及び「放射性同位元素等の規制に関する法律施行令第一条第二号の規定に基づき原子力規制委員会が指定する放射性同位元素等の規制に関する法律の適用を受けないものを定める告示」(令和4年原子力規制委員会告示第5号。以下「新告示」という。)が令和6年1月1日付けで施行されることとなった。ついては、改正の概要及び施行に当たり留意すべき事項等は下記のとおりであるので、御了知されるとともに、貴管下の医療機関等に周知方お願いする。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的助言であることを申し添える。

第1 改正の概要

1 RI法適用除外規定の構造の見直し

今後の医療分野における新たな放射線診療技術の開発・導入や、医療制度の枠組の変更等に応じ、迅速かつ適切に放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「RI法」という。)の適用除外対象を変更することを可能とするため、放射性同位元素等の規制に関する法律施行令(昭和35年政令第259号。以下「RI政令」という。)の規定の構造の見直しを行い、改正政令による改正後のRI政令第1条第2号に規定する法律及びそれらに基づく命令によりRI法及びこれに基づく命令と同等の放射線防護に係る規制を受けるものを、RI法の適用除外対象とし、その具体的な対象については、告示で指定することとする。これに伴い、「放射性同位元素等の規制に関する法律施行令第1条第5号の医療機器を指定する告示」(平成17年文部科学省告示第76号)及び「放射性同位元素等の規制に関する法律施行令第1条第4号の薬物を指定する告示」(平成17年文部科学省告示第140号)は廃止する。

2 未承認放射性医薬品等1に関する規制の合理化

医療法施行規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第21号)により、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院又は同条第2項に規定する診療所(以下「病院等」という。)に備えられた未承認放射性医薬品等について、医療法に基づく放射線防護に係る規制の対象となった。これを踏まえ、当該未承認放射性医薬品等については、RI法及びこれに基づく命令の規定による規制と同等の規制を受けるものとして、RI法の適用を除外する。

3 体外診断用放射性医薬品の原料又は材料に関する規制の明確化

薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)2により、それまで製造業の許可の対象であった体外診断用医薬品は、新たに設けられた登録制度により管理されることとなったところ、当該制度に係る登録製造所3に存する体外診断用放射性医薬品の原料又は材料について、RI法の適用を除外する。

4 放射性治験薬の運搬に関する適用法令の明確化

放射性治験薬4の製造所から病院等までの運搬は、改正政令による改正後のRI政令第1条第2号に規定する法律及びそれらに基づく命令によりRI法と同等の放射線防護に係る規制を受けているものではなく、RI法が適用されることを明確化する。

第2 施行に当たり留意すべき事項

1 病院等における未承認放射性医薬品等の使用について

(1) RI法の許可届出使用者5でない病院等

病院等が未承認放射性医薬品等(放射性治験薬を含む。以下同じ。)を備え(医療法施行規則第24条第8号ハ(1)から(4)までに掲げる用途で使用する場合をいう。)ようとする場合、医療法第15条第3項の届出をする必要があること。

ただし、これらの未承認放射性医薬品等については、新告示第1条第2号の規定により、RI法が適用されないことから、病院等が、RI法の許可届出使用者又はRI法の届出販売業者6(以下「RI法事業者」という。)から未承認放射性医薬品等を取得するためにRI法第3条第1項の許可を受け、又は同法第3条の2第1項の届出をする必要はないこと。この場合においても、未承認放射性医薬品等の運搬に当たっては、下記2に留意する必要があること。

(2) RI法の許可届出使用者である病院等

改正政令の施行日以前から、RI法の許可届出使用者として未承認放射性医薬品等を使用している病院等は、改正政令の施行に伴ってRI法に基づく使用の廃止の届出その他の手続をとる必要はない。ただし、医療法施行規則第24条第8号ハ(1)から(4)までに掲げる用途以外で未承認放射性医薬品等を使用する場合、RI法の適用が除外されないことに留意する必要があること。

2 未承認放射性医薬品等の運搬について

未承認放射性医薬品等は、RI法事業者から病院等までの間における工場又は事業所の外において運搬する場合(以下「外運搬」という。)については、RI法による規制を受けること。なお、RI法事業者ではない病院等が、例えば医師主導治験の実施などで未承認放射性医薬品等を取得する際は、当該病院等の敷地境界までの外運搬を、RI法事業者又はRI法事業者から運搬を委託された者が行う必要があること。このほか、病院等の敷地境界より内側における運搬(以下「内運搬」という。)その他の取扱いについては、医療法関係法令に基づく安全管理の対象となること。この点に関し、運用に関する留意事項は、以下(1)から(4)までに示すとおりであること。

(1) 外運搬について

RI法事業者及びRI法事業者から運搬を委託された者は、未承認放射性医薬品等を外運搬する場合には、RI法第18条の規定のほか、次に掲げる法令が適用されることに留意する必要があること(ただし、RI法事業者から運搬を委託された者にあっては、カを除く。)。治験依頼者及び自ら治験を実施する者がRI法事業者でない場合は、自ら運搬又は運搬を委託することができないため、RI法事業者が運搬する体制又はRI法事業者から運搬を委託された者が運搬する体制を確保する必要があること。なお、特定放射性同位元素については病院等への運搬は想定されていないこと。

ア 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「RI法施行規則」という。)

イ 放射性同位元素等の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示(平成2年科学技術庁告示第7号)

ウ 放射性同位元素等車両運搬規則(昭和52年運輸省令第33号)

エ 放射性同位元素等車両運搬規則の細目を定める告示(平成2年運輸省告示第595号)

オ 放射性同位元素等の事業所外運搬に係る危険時における措置に関する規則(昭和56年運輸省令第22号)

カ 放射性同位元素等の規制に関する法律第三十一条の二に規定する国土交通大臣への報告に関する規則(平成30年国土交通省令第2号)

(2) 内運搬について

病院等は、未承認放射性医薬品等を内運搬する場合には、医療法施行規則第1条の11第2項第2号に定める医薬品安全管理責任者の管理下において、RI法施行規則第18条及び同条の規定に基づき定められる放射性同位元素等の工場又は事業所における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示(昭和56年科学技術庁告示第10号)の規定に準じて、放射線障害の防止のために必要な措置を講じる必要があること。

また、病院等は、未承認放射性医薬品等を内運搬する場合において、当該未承認放射性医薬品等に関し放射線障害のおそれがあるとき又は放射線障害が発生したときは、医療法施行規則第30条の25の規定に基づき、直ちにその旨を関係機関(当該病院等の所在地を管轄する保健所、警察署、消防署等)に通報するとともに、放射線障害の防止に努める必要があること。この場合において、未承認放射性医薬品等の内運搬を委託された者があるときは、荷受人(病院等)及び荷送人(RI法事業者)が上記の事情が発生した旨を直ちに知ることができるよう、荷受人(病院等)と荷送人(RI法事業者)との間で、あらかじめ連絡の手順等を取り決めておくこと。

なお、内運搬に係る放射線障害等の状況については、荷送人(RI法事業者)から原子力規制委員会に対するRI法に基づく報告は不要であること。

(3) 未承認放射性医薬品等の病院等への搬入に関する留意事項

RI法事業者及び病院等は、未承認放射性医薬品等の病院等への搬入に関して、当該未承認放射性医薬品等の搬入場所7、運搬に係る実務上の責任の移転時期8その他の運搬に係る実務上の手続をあらかじめ取り決めておくよう留意すること。

病院等は、RI法事業者から未承認放射性医薬品等の払出しを受ける場合には、医療法施行規則第30条の23第2項に基づく当該未承認放射性医薬品等の種類及び数量、受入れに係る年月日の記録とともに、当該未承認放射性医薬品等の払出し元であるRI法事業者の氏名又は名称を記録すること。病院等は、医療法施行規則第28条第1項第3号に規定する届出事項である「ベクレル単位をもつて表した診療用放射性同位元素又は陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の種類ごとの最大貯蔵予定数量」を超えて、診療用放射性同位元素又は陽電子断層撮影診療用放射性同位元素を所有することのないように管理すること。

なお、病院等は、払出し元であるRI法事業者からの求めに応じて、医療法第15条第3項の届出の写しを提示するなど、当該RI法事業者の払出しの確認に協力するよう留意されたい。

払出し元であるRI法事業者は、未承認放射性医薬品等を病院等に搬入する場合、放射性同位元素を別のRI法事業者に搬入する場合と同様に、RI法に基づき、当該未承認放射性医薬品等の払出しに係る記帳その他の放射線障害の防止のために必要な措置を講じる必要があること。この場合において、当該RI法事業者は、払出しを受ける病院等が、医療法施行規則第28条第1項第3号に規定する届出事項の範囲内で払出しを受けていることを病院等から確認すること。

(4) その他

病院等が、RI法事業者として、医療法施行規則第24条第8号ハ(1)から(4)までに掲げる用途以外で使用する放射性同位元素を所持する場合には、当該放射性同位元素について本項(第2の2)は適用されないこと。

第3 関係通知の改正等

別添のとおり、令和6年1月1日付けで「医療機関において調剤されるPET検査薬等の取扱いについて」(平成17年9月28日付け17科原安第103号・医政指発第0928001号文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課長・厚生労働省医政局指導課長連名通知)を改正し、同通知の別添1については新告示に変更すること。

このほか、改正政令等の施行に伴う関係通知の改正等は、別途行うこと。

以上

【問合せ先】

○RI法に関することについて

原子力規制庁 (代表電話番号)03―3581―3352

放射線防護グループ 放射線規制部門

○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、医療法に関することについて

厚生労働省 (代表電話番号)03―5253―1111

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に関すること(体外診断用医薬品の登録製造所に関することに限る。):

医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課

医療法に関すること(医療法の管理下における病院等内運搬を含む。):

医政局 地域医療計画課

――――――――――

1 特定臨床研究及び再生医療等に用いる放射性医薬品、先進医療又は患者申出療養に用いる放射性薬物(医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第24条第8号ハ(2)から(4)までに規定する陽電子断層撮影診療用放射性同位元素及び同条第8号の2に規定する診療用放射性同位元素(ただし、第8号ハ(2)から(4)までに掲げるもののみ。))をいう。

2 この改正により、薬事法はその題名が現行の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)に改められた。

3 医薬品医療機器等法第23条の2の3の製造業の登録を受けた製造所をいう。

4 病院等において行われる医薬品医療機器等法第2条第17項に規定する治験の対象とされる薬物をいう。

5 RI法第3条第1項の規定により、放射性同位元素の使用の許可を受けた者又は同法第3条の2第1項の規定により放射性同位元素の使用の届出をした者

6 RI法第4条第1項の規定により、放射性同位元素を業として販売する届出をした者

7 車上渡しや病院等施設内までの運搬等

8 通常、未承認放射性医薬品等の受取から引渡しまでの間は当該未承認放射性医薬品等の外運搬及び内運搬を委託された者が実務上の責任を負うことが考えられる。この場合においては、RI法事業者から当該運搬を委託された者に当該未承認放射性医薬品等を引渡す時期、及び当該運搬を委託された者から病院等に当該未承認放射性医薬品等を引渡す時期を具体的に定めておくことが望ましい。

別添

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参考1

参考2