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○特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第きゅう因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部改正について

(令和4年12月16日)

(/薬生副発1216第5号/薬生血発1216第1号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局総務課医薬品副作用被害対策室長、厚生労働省医薬・生活衛生局血液対策課長通知)

(公印省略)

日頃から、医薬品医療機器行政の推進に多大なご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

標記につきましては、給付金の請求期限の延長及び劇症肝炎等に罹患して死亡した方に対する給付金の額の引上げを行う一部改正法(特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和4年法律第103号。以下「改正法」という。))が本日、公布・施行されました。

厚生労働省では、特定フィブリノゲン製剤又は特定血液凝固第Ⅸ因子製剤(以下「特定フィブリノゲン製剤等」という。)が投与された方等に対し、医療機関を通じて速やかに投与事実をお知らせし、C型肝炎の早期発見・早期治療や標記法律に基づく給付金の支給に繋げることが重要であると認識しております。そのため、特定フィブリノゲン製剤等が納入された医療機関(以下「納入医療機関」という。)に対し、診療録等の記録(以下「記録」という。)から特定フィブリノゲン製剤等の投与事実を確認し、確認された方へのお知らせ等を行っていただくよう繰り返しお願いしてまいりました。

つきましては、下記に改正の内容及び納入医療機関に引き続き協力をお願いしたい事項を示すとともに、関係資料をお送りいたしますので、ご活用いただき、貴管内市町村及び納入医療機関へご周知くださいますようよろしくお願いいたします。

また、貴都道府県・市・区が発行する広報紙等への掲載による給付金の請求期限の延長及び劇症肝炎等に罹患して死亡した者に対する給付金の額の引上げの周知にご協力をお願いいたします。その際は、保健所や委託先の医療機関において実施している「肝炎ウイルス検査」につきましても、併せてご案内いただきますようよろしくお願いいたします。

さらに、令和3年度からは、厚生労働省が委託した事業者により、所在不明の方の連絡先調査を実施しています。この点についても貴管内の医療機関に対して併せてご周知くださいますようお願いいたします。

1.改正法の概要

(1) 給付金の請求期限に関する事項(第5条関係)

給付金の支給の請求の期限を、次に掲げる日のいずれか遅い日までとすること。

① 2028年(令和10年)1月17日

② 損害賠償の訴えの提起又は和解若しくは調停の申立て(その相手方に国が含まれているものに限る。)を2028年(令和10年)1月17日以前にした場合における当該損害賠償についての判決が確定した日又は和解若しくは調停が成立した日から起算して一月を経過する日

(2) 劇症肝炎に罹患して死亡した者に対する給付金の額の引上げ(第6条第1号関係)

特定C型肝炎ウイルス感染者のうち、C型肝炎ウイルスにより劇症肝炎(遅発性肝不全を含む。)に罹患して死亡した者に対する給付金の額(改正前は1,200万円)を「慢性C型肝炎が進行して、肝硬変若しくは肝がんに罹患し、又は死亡した者」と同額の4,000万円に引き上げること。

(経過措置)

C型肝炎ウイルスにより劇症肝炎に罹患して死亡した特定C型肝炎ウイルス感染者で、この法律の施行前に1,200万円の給付金の支給が行われたものについて、引き上げられた給付金の額(4,000万円)との差額に相当する額(2,800万円)の給付金を支給することについて、所要の経過措置を定めること。

2.納入医療機関に協力をお願いしたい事項

① 平成6年以前の記録が保管されている納入医療機関におかれましては、引き続き、当該記録の保管をしていただくこと。

② 元患者の方等から特定フィブリノゲン製剤等の投与に関する問い合わせがあった場合には、可能な限りの情報提供をしていただくこと。

③ 保管している記録を確認し、特定フィブリノゲン製剤等が投与された方を見つけ出していただくこと。

④ 投与が判明した方又はその家族の方に対し、速やかに肝炎ウイルス検査を受検するよう働きかけを行うとともに、標記法律に基づく給付金の支給対象となる場合があることについてお知らせを行っていただくこと。

⑤ 転居先の住所等が不明である等の理由により、投与が判明した方又はその家族の方に対し、投与事実のお知らせ等ができない場合には、納入医療機関において把握されている元患者の方の住所等を基に、当該市(区)町村の住民票を取扱う窓口へ申し出ていただくことにより、転居先を調査してお知らせ等を行っていただくこと。

【関係資料】

1.法律の概要資料

・ C型肝炎救済特別措置法について

2.リーフレット

・ 出産や手術での大量出血などの際のフィブリノゲン製剤・血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染された方々へ

3.Q&A

・ 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法に基づく給付金の支給等に関するQ&A(令和4年12月改訂版)

4.特定フィブリノゲン製剤が納入された医療機関

・ 厚生労働省のホームページより確認をお願いします。

「C型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ(フィブリノゲン製剤納入先医療機関名の再公表について)」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068791.html

5.特定血液凝固第Ⅸ因子製剤が納入された医療機関

・ 厚生労働省のホームページより確認をお願いします(リスト中、「特定製剤」欄に「○」を付しているものが特定血液凝固第Ⅸ因子製剤になります)。

「B型肝炎・C型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ(血液凝固因子製剤納入先医療機関名等の公表について)」

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0701-2/index.html

(厚生労働省ホームページ)

「出産や手術での大量出血などの際に、血液から作られた医薬品(フィブリノゲン製剤・血液凝固第9因子製剤)の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した方へのお知らせ」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/fivwakai/index.html

(制度に関する照会先)

厚生労働省医薬・生活衛生局総務課医薬品副作用被害対策室

荒木(内線2717)、鈴木(内線2902)

(代表電話)03(5253)1111、(直通電話)03(3595)2400

メールアドレス 荒木 araki-takashi@mhlw.go.jp

鈴木 suzuki-yuutarou@mhlw.go.jp

(納入医療機関への協力依頼等に関する照会先)

厚生労働省医薬・生活衛生局血液対策課

有田(内線2905)、太田(内線2914)

(代表電話)03(5253)1111、(直通電話)03(3595)2395

メールアドレス 有田 arita-sou.g61@mhlw.go.jp

太田 oota-hitomi.x35@mhlw.go.jp

別添1

別添2

特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法に基づく給付金の支給等に関するQ&A

(令和4年12月 改訂版)

○Q&A

Q1 給付金の支給の仕組みの目的は何ですか。

Q2 給付金の制度は、いつから始まったのですか。

Q3―1 給付金の支給を受けることができるのはどのような人ですか。

Q3―2 「獲得性の傷病」とは、どのような傷病ですか。

Q4 フィブリノゲン製剤や血液凝固第Ⅸ因子製剤であれば、すべての製剤が対象になるのですか。

Q5―1 製剤投与の事実、因果関係、症状について裁判手続の中で確認を受けるためには、どのようにすればよいのですか。

Q5―2 裁判の請求の形としてはどのようなものがあるのでしょうか。

Q5―3 提訴はどこの裁判所に行えばよいのですか。

Q5―4 裁判をするために弁護士に相談したいのですが、どのようにすればよいですか。また、弁護士に依頼するためにはどのような費用がかかりますか。

Q5―5 裁判にかかる費用の負担はどうなるのでしょうか。

Q6―1 製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうためには、どのような書類が必要ですか。

Q6―2 診療録(カルテ)以外の医療記録では、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

Q6―3 医療記録以外では、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

Q6―4 医療従事者が製剤投与の記憶がないなど、投与事実の証明が直接できない場合は、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

Q6―5 裁判手続きでは証拠調べの一環として、医療関係者等へ証人尋問を行う場合があるようですが、医療関係者はどのようなことについて尋問されるのでしょうか。

Q6―6 対象製剤が納入されていた医療機関を調べる方法はありますか。

Q6―7 裁判手続で必要とされる書類や情報などはどのように入手することができますか。

Q6―8 製薬企業が患者情報をもっていると聞きましたが、どのように確認することができますか。

Q7 給付金を請求する前に亡くなってしまった場合には、給付金は受け取れなくなってしまうのですか。

Q8―1 給付金の額はいくらですか。

Q8―2 以前、慢性C型肝炎に罹患していたのですが、治療の結果、治癒しました。こうした場合には、いくらの支給を受けることができますか。

Q9―1 給付金をもらった後、症状が悪化した場合はどうなるのですか。

Q9―2 追加給付金の支給を受けるためには、再度、訴訟を提起しなければならないのですか。

Q10―1 給付金の請求はいつまでに行えばよいですか。

Q10―2 追加給付金の請求はいつまでに行えばよいですか。

Q11―1 給付金の請求はどのように行えばよいですか。

Q11―2 追加給付金の請求はどのように行えばよいですか。

Q12 給付金の請求に関する問い合わせはどこに行えばよいですか。

Q13 給付金や追加給付金には、税金がかかるのですか。

Q14 給付金のほかに肝炎患者に対する医療費の助成などの支援制度はありますか。

○特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法前文

○内閣総理大臣の談話(平成20年1月11日)

○和解基本合意書調印式における厚生労働大臣談話(平成20年1月15日)

Q&A

Q1 給付金の支給の仕組みの目的は何ですか。

(答)

この仕組みは、C型肝炎訴訟について、C型肝炎ウイルスに感染された方々の早期・一律救済の要請にこたえるべく、議員立法によってその解決を図ることとして、平成20年1月に設けられたものです。

具体的には、出産や手術での大量出血などの際に特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第Ⅸ因子製剤を投与されたことによってC型肝炎ウイルスに感染された方々に関し、法律(※)に基づき、給付金を支給することになっています。

(※) 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法

Q2 給付金の制度は、いつから始まったのですか。

(答)

法律が公布された平成20年1月16日から始まっています。

なお、給付金の請求期限が法律により定められていますので、ご留意ください。

(注) 給付金の請求期限については、Q10―1をご参照ください。

Q3―1 給付金の支給を受けることができるのはどのような人ですか。

(答)

支給の対象となる方は、獲得性の傷病について「特定フィブリノゲン製剤」や「特定血液凝固第Ⅸ因子製剤」の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染された方とその相続人です。

既に治癒した方や、感染された方からの母子感染で感染された方も対象になります。

また、手術での腱・骨折片などの接着の際、フィブリン糊として使用された場合も該当します。

なお、給付金の支給を受けるには、製剤投与の事実、製剤投与と感染との因果関係、C型肝炎の症状について、裁判手続の中で確認を受けていただくことが必要になります。

Q3―2 「獲得性の傷病」とは、どのような傷病ですか。

(答)

獲得性の傷病としては、妊娠中や出産時の大量出血、手術での大量出血、新生児出血症などが該当します。

Q4 フィブリノゲン製剤や血液凝固第Ⅸ因子製剤であれば、すべての製剤が対象になるのですか。

(答)

この給付金は、C型肝炎訴訟について、立法によってその解決を図ろうとしたものですので、給付金の支給の対象となる製剤は、訴訟の対象となっていたものに限られます。

具体的には、「特定フィブリノゲン製剤」とは、

① フィブリノーゲン―BBank(S39.6.9製造承認)

② フィブリノーゲン―ミドリ(S39.10.24製造承認)

③ フィブリノゲン―ミドリ(S51.4.30製造承認)

④ フィブリノゲンHT―ミドリ(S62.4.30製造承認)です。

また、「特定血液凝固第Ⅸ因子製剤」とは、

⑤ PPSB―ニチヤク(S47.4.22製造承認)

⑥ コーナイン(S47.4.22輸入販売承認)

⑦ クリスマシン(S51.12.27製造承認)

⑧ クリスマシン―HT(S60.12.17輸入販売承認)です。

なお、④と⑧については、ウイルスを不活化するために加熱処理のみが行われたものに限られます。

Q5―1 製剤投与の事実、因果関係、症状について裁判手続の中で確認を受けるためには、どのようにすればよいのですか。

(答)

給付金の支給を受けるためには、国を被告として、訴訟を提起する等していただくことが必要になります。

まずは、最寄りの弁護士会などにご相談ください。

(注) 弁護士への相談方法については、Q5―4をご参照ください。

Q5―2 裁判の請求の形としてはどのようなものがあるのでしょうか。

(答)

C型肝炎訴訟が国家賠償請求訴訟で行われていたことから、基本的には、国家賠償請求訴訟がなされています。

Q5―3 提訴はどこの裁判所に行えばよいのですか。

(答)

以下の裁判所に提訴することができます。

①現在お住まいの地域に関わらず、東京、大阪、福岡、名古屋及び仙台の各地方裁判所

②現在お住まいの地域を管轄する裁判所

Q5―4 裁判をするために弁護士に相談したいのですが、どのようにすればよいですか。また、弁護士に依頼するためにはどのような費用がかかりますか。

(答)

まずは、最寄りの弁護士会や日本司法支援センター(以下「法テラス」といいます。)(※)にご相談されている方が多いようです。

また、具体的な費用についても、最寄りの弁護士会や法テラスのほか、依頼時に弁護士等とご相談ください。

(※) 法テラスとは、「全国どこでも法的トラブルを解決するための情報やサービスを受けられる社会の実現」という理念の下に、国民向けの法的支援を行う中心的な機関として設立された組織です。

なお、全国にある法テラスの地方事務所において、経済的に余裕がない方に対し、無料法律相談や弁護士費用を立て替える業務を行っています。

【各都道府県弁護士会の法律相談センターホームページ】

https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/search/center.html

【法テラスホームページ】

https://www.houterasu.or.jp/(TOPページ)

https://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/(お近くの法テラス)

【法テラス連絡先】

0570―078374(平日9:00~21:00 土曜日9:00~17:00)

上記ホームページからメールのお問い合わせも可能(24時間受付)

Q5―5 裁判にかかる費用の負担はどうなるのでしょうか。

(答)

裁判手続の中で製剤投与の事実、因果関係、症状が認められた場合の弁護士費用について、法律(※)により支給を受ける金額の5%相当額を国が負担します。

さらに、提訴に際し、裁判所に納める費用が払えない場合は、訴訟救助(そしょうきゅうじょ)という制度があります。訴訟救助の主な対象は、訴状に貼る収入印紙代などです。同制度の活用については、弁護士等へご相談ください。

(※) 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法

Q6―1 製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうためには、どのような書類が必要ですか。

(答)

製剤投与の事実については、裁判手続の中で判断されることになりますが、製剤が投与された当時の診療録(カルテ)あるいはこれに代わる証拠により、判断がなされています。

この際には、診療録(カルテ)のみならず、手術記録、投薬指示書等の書面、医師、看護師、薬剤師等による投与事実の証明や本人、家族等による記録、証言等も考慮して、判断がなされることがありえます。

個別の事例については、弁護士等にご相談ください。

Q6―2 診療録(カルテ)以外の医療記録では、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

(答)

これまでの裁判手続の中では、直接的に製剤投与の記載がある医療記録として、以下のような書類等が、診療録(カルテ)あるいはこれに代わる証拠として提出され、判断がなされています。

なお、受けられた医療により作成される医療記録は異なりますので、以下のような書類でなくてはならないということではありません。個別の事例については、弁護士等にご相談ください。

○製剤投与当時の医療記録・・・投与した薬剤として製剤が記載されている場合や、治療経過として製剤の投与が記載されている場合があります。

―外来診療録、入院診療録

―分娩台帳、分娩記録、分娩伝票

―手術台帳、手術記録、手術伝票、麻酔記録、麻酔伝票

―看護記録、投薬指示書

―紹介状、診療情報提供書、レセプト(診療報酬明細書)

など

○母子健康手帳・・・分娩状況の欄に投与した薬剤として製剤が記載されている場合があります。

○製剤投与後の肝炎治療時の医療記録・・・肝炎治療の契機として、製剤を投与した医療機関から送付された紹介状が綴られ、そこに製剤投与の記載がされている場合や、感染を疑う原因として製剤の投与が記載されている場合があります。

○製剤投与後の分娩時の医療記録・・・過去の分娩の際に製剤を投与するような異常な経過があったとして、その経過と併せて製剤投与が記載されている場合があります。

○なお、カルテ(医療記録)等が不存在でも製剤投与の事実が認定された例もご参照下さい。

https://www.mhlw.go.jp/content/000960245.pdf

Q6―3 医療記録以外では、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

(答)

これまでの裁判手続の中では、医療記録以外にも、患者への製剤投与の事実を直接に記憶する医師、看護師、助産師といった医療従事者による投与事実の証明・証言や、企業の保有する情報(注)等が、医療記録に代わる証拠として提出され、判断がなされています。

なお、医師、看護師、助産師といった医療従事者により投与事実を証明する場合には、これらの医療従事者に製剤投与時の状況を詳しくご説明いただくことが多くあります。

個別の事例については、弁護士等にご相談ください。

(注) 企業が保有する情報の確認方法については、Q6―8をご参照ください。

Q6―4 医療従事者が製剤投与の記憶がないなど、投与事実の証明が直接できない場合は、製剤投与の事実を裁判手続の中で確認してもらうことはできないのですか。

(答)

医療従事者が患者への製剤投与の事実を直接記憶していないなど、投与事実が直接証明できない場合であっても、

○医療記録や母子健康手帳等、患者の病状・症状が分かる書類

○医療機関に対する過去の診療体制や治療方針等に関する照会への回答

○医療従事者の製剤使用経験に関する証明・証言

○患者本人又は家族による記録・証言

など、製剤が投与されたとする当時の状況が分かる証拠が提出され、判断がなされることがあります。

なお、上記の証拠に基づき、製剤投与の事実が確認できるか否かの判断をするに当たっては当時、

○患者が製剤の効能・効果があるとされる病状・症状にあったか否か

○担当医師がどのような病状・症状の患者に製剤を使用する方針であったか

○医療機関に当該患者に投与するだけの量の製剤が納入・保管されていたかどうか

などといった観点から、検討がなされています。

個別の事例については、弁護士等にご相談ください。

Q6―5 裁判手続きでは証拠調べの一環として、医療関係者等へ証人尋問を行う場合があるようですが、医療関係者はどのようなことについて尋問されるのでしょうか。

(答)

直接原告の診療に携わった医師などについて、事前に提出した陳述書の内容に不合理な点はないか等を調べるための裁判手続きが行われています。具体的には、以下のような事項について聞かれています。

○証人の診療経歴

○証人と原告との関係

○原告の病態において、証人が特定製剤を使用した事実

○原告の治療がなされた当時の証人の特定製剤の使用方法

○原告の治療がなされた当時の当該医療機関における特定製剤の納入・使用状況

○その他、その事件に関連する医学的な事項

かなり年数が経った事柄について聞かれることが多いですが、記憶する範囲内で回答していただくこととなります。

時間は様々ですが、裁判所は証人の診療や体調に配慮して実施しています。場所も、必ずしも裁判所の法廷で実施されているわけでもありません。また、証人が高齢であり身体が不自由である等、裁判所が認めた場合には付き添いする人を伴うこともあります。

Q6―6 対象製剤が納入されていた医療機関を調べる方法はありますか。

(答)

厚生労働省のホームページにフィブリノゲン製剤等を納入していた医療機関名を掲載しています。

【特定フィブリノゲン製剤関係】

C型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ

(フィブリノゲン製剤納入先医療機関名の再公表について)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068791.html

【特定血液凝固第Ⅸ因子製剤関係】

B型肝炎・C型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ

(血液凝固因子製剤納入先医療機関名等の公表について)

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0701-2/index.html

(注) リスト中の特定製剤の項目に○が付された施設が、この法律の対象となる製剤の納入された医療機関です。

なお、インターネットをご利用いただけない場合には、お手数ですが、最寄りの保健所又は厚生労働省フィブリノゲン製剤等に関する相談窓口(【連絡先】フリーダイヤル:0120―509―002 平日9:30~18:00)にお問い合わせください。

Q6―7 裁判手続で必要とされる書類や情報などはどのように入手することができますか。

(答)

まずは、製剤を投与されたと考えられる医療機関やその後の治療を受けられた医療機関に問い合わせをされる方が多いようです。

また、委任を受けた弁護士に医療機関から提供できることもあるようですので、医療機関や弁護士等にご相談ください。

なお、医療記録については、裁判手続の中で、裁判所に申し立てることにより、裁判所を経由して入手することもできます。

Q6―8 製薬企業が患者情報をもっていると聞きましたが、どのように確認することができますか。

(答)

製薬企業において、医療機関からの「特定フィブリノゲン製剤」や「特定血液凝固第Ⅸ因子製剤」による肝炎等の副作用/感染症の報告を保有している場合がありますので、製薬企業にお問い合わせください。

【PPSB―ニチヤク以外の製薬企業】

田辺三菱製薬(株)(今後番号の変更がありえます)

フリーダイヤル:0120―614―600(平日9:30~17:00)

【PPSB―ニチヤクの製薬企業】

武田薬品工業(株)(今後番号の変更がありえます)

代表:03―3278―2111(平日9:00~17:30)

なお、田辺三菱製薬(株)によれば、PPSB―ニチヤクを除く特定製剤に関して企業に保有されている副作用/感染症の報告については、廃院等の場合を除き投与された医療機関に情報提供がなされているとのことです。

また、武田薬品工業(株)によれば、PPSB―ニチヤクに関して企業に保有されている副作用/感染症の報告(2例)については、投与された医療機関に情報提供がなされているとのことです。

Q7 給付金を請求する前に亡くなってしまった場合には、給付金は受け取れなくなってしまうのですか。

(答)

給付金の支給を受けることができる方が、その請求をせずにお亡くなりになった場合には、その方の相続人が給付金の請求を行うことができます。

Q8―1 給付金の額はいくらですか。

(答)

裁判手続の中で認められた症状に応じて、以下の額の給付金が支給されます。

① 慢性C型肝炎の進行による肝硬変・肝がん・死亡 4,000万円

② 劇症肝炎(遅発性肝不全を含む)に罹患して死亡 4,000万円

③ 慢性C型肝炎 2,000万円

④ ①~③以外(無症候性キャリア) 1,200万円

(②は、2022年(令和4年)の法律(※)改正により、劇症肝炎等に罹患して死亡した者の給付金の水準について、慢性C型肝炎が進行して死亡した者等と同水準とされたものです。

この法律改正の施行前に1,200万円の給付金の支給が行われたものについては、差額の2,800万円の給付金の支給がなされますが、その手続は、通常の給付金請求と同じ手続となります。

(※) 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法)

Q8―2 以前、慢性C型肝炎に罹患していたのですが、治療の結果、治癒しました。こうした場合には、いくらの支給を受けることができますか。

(答)

獲得性の傷病について「特定フィブリノゲン製剤」や「特定血液凝固第Ⅸ因子製剤」の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染された方であれば、その後治癒した方であっても、支給の対象となります。

その際、給付金の額の基準となる症状は、裁判手続の中で判断されることになります。例えば、慢性C型肝炎に罹患していた方が、治療の結果、治癒した場合であっても、裁判手続の中で慢性C型肝炎に罹患していたと認められれば、2,000万円が支給されることになります。

Q9―1 給付金をもらった後、症状が悪化した場合はどうなるのですか。

(答)

給付金が支給された後20年以内に症状が進行した場合には、追加給付金の支給を受けることができます。

その額は、進行した症状に応じた給付金の額と、既に支給された給付金の額との差額になります。

(注) 平成24年9月の法改正で延長

Q9―2 追加給付金の支給を受けるためには、再度、訴訟を提起しなければならないのですか。

(答)

追加給付金の支給に当たっては、症状が進行したことを証明する医師の診断書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出いただくことにより確認することになっていますので、再度、訴訟を提起していただく必要はありません。

具体的には、Q11―2の手続をご覧ください。

Q10―1 給付金の請求はいつまでに行えばよいですか。

(答)

給付金については、原則として、法律の施行日から20年以内(2028年(令和10年)1月17日まで)に請求していただくことが必要です。

なお、2028年1月17日までに訴訟の提起等をしていた場合には、2028年1月18日以降であっても和解等が成立した日から1月以内に請求していただけばよいことになっています。

(注1) 令和4年12月の法改正で延長

(注2) 法律の施行日の20年後は、2028年(令和10年)1月15日が該当しますが、土曜日のため、期限は同年1月17日となります。

Q10―2 追加給付金の請求はいつまでに行えばよいですか。

(答)

追加給付金については、請求される方が症状が進行したことを知った日から、5年以内(注)に請求していただくことが必要です。

なお、追加給付金は、給付金が支給された後20年以内に症状が進行した場合に支給されるものです。

(注) 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成29年法律第45号)により、令和2年4月1日より、「3年以内」から「5年以内」に改正されました。

Q11―1 給付金の請求はどのように行えばよいですか。

(答)

以下の書類を提出して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に請求していただくことになっています。

① 製剤投与の事実、因果関係、症状を証明する和解調書等の正本又は謄本

② 給付金支給請求書(※)

③ 住民票の写し(注)その他の給付金支給請求書に記載した事実を証明する書類

なお、※印の用紙は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に備え付けています。また、同機構のホームページからもダウンロードして使用することができます。

(注) 住民票の写しは市区町村から発行されたものをコピーせずにそのまま提出してください。

【機構ホームページ】

http://www.pmda.go.jp/relief-services/hepatitis-c/0003.html

Q11―2 追加給付金の請求はどのように行えばよいですか。

(答)

以下の書類を提出して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に請求していただくことになっています。

① 症状が進行したことが分かる医師の診断書(※)

② 追加給付金支給請求書(※)

③ 住民票の写し(注)その他の追加給付金支給請求書に記載した事実を証明する書類

なお、※印の用紙は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に備え付けています。また、同機構のホームページからもダウンロードして使用することができます。

(注) 住民票の写しは市区町村から発行されたものをコピーせずにそのまま提出してください。

【機構ホームページ】

http://www.pmda.go.jp/relief-services/hepatitis-c/0003.html

Q12 給付金の請求に関する問い合わせはどこに行えばよいですか。

(答)

給付金の支給は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が行います。実際の請求に当たっては、裁判手続の中で製剤投与の事実、因果関係、症状について確認を受けていただいた上で、同機構までご相談ください。

その他、給付金の支給に関しご不明な点がございましたら、独立行政法人医薬品医療機器総合機構までお問い合わせください。

【連絡先】フリーダイヤル:0120―780―400

【受付時間】月曜日から金曜日まで(祝日、年末年始を除く) 9:00~17:00

【給付金等の支給の仕組みに関する情報ページ】

http://www.pmda.go.jp/relief-services/hepatitis-c/0001.html

Q13 給付金や追加給付金には、税金がかかるのですか。

(答)

給付金や追加給付金には、所得税等の税金はかからないこととされています。

Q14 給付金のほかに肝炎患者に対する医療費の助成などの支援制度はありますか。

(答)

B型・C型ウイルス性肝炎の根治を目的としたインターフェロン治療、B型ウイルス性肝炎の核酸アナログ製剤治療及びC型肝炎のインターフェロンフリー治療への医療費の助成に関する制度があり、所得に応じて、治療費に対する自己負担限度額が軽減されます。

詳しくは、お住まいの都道府県へお問い合わせください。

【肝炎治療に対する医療費の助成に関する情報ページ】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kanen/kangan/iryouhijyosei.html

特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法前文

フィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤にC型肝炎ウイルスが混入し、多くの方々が感染するという薬害事件が起き、感染被害者及びその遺族の方々は、長期にわたり、肉体的、精神的苦痛を強いられている。

政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、感染被害者及びその遺族の方々に心からおわびすべきである。さらに、今回の事件の反省を踏まえ、命の尊さを再認識し、医薬品による健康被害の再発防止に最善かつ最大の努力をしなければならない。

もとより、医薬品を供給する企業には、製品の安全性の確保等について最善の努力を尽くす責任があり、本件においては、そのような企業の責任が問われるものである。

C型肝炎ウイルスの感染被害を受けた方々からフィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤の製造等を行った企業及び国に対し、損害賠償を求める訴訟が提起されたが、これまでの五つの地方裁判所の判決においては、企業及び国が責任を負うべき期間等について判断が分かれ、現行法制の下で法的責任の存否を争う訴訟による解決を図ろうとすれば、さらに長期間を要することが見込まれている。

一般に、血液製剤は適切に使用されれば人命を救うために不可欠の製剤であるが、フィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤によってC型肝炎ウイルスに感染した方々が、日々、症状の重篤化に対する不安を抱えながら生活を営んでいるという困難な状況に思いをいたすと、我らは、人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならないと考える。しかしながら、現行法制の下でこれらの製剤による感染被害者の方々の一律救済の要請にこたえるには、司法上も行政上も限界があることから、立法による解決を図ることとし、この法律を制定する。

内閣総理大臣の談話

平成20年1月11日

本日、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法が成立いたしました。

これら製剤による感染被害者とその遺族の方々は、これまで長きにわたって、心身ともに言葉に尽くせないほどのご苦労があったと思います。感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて、率直に国の責任を認めなければなりません。感染被害者とその遺族の皆さまに心からお詫び申し上げます。

私自身、一日も早くこの問題を解決したいと思ってまいりました。大阪高等裁判所における和解協議にも誠実に対応してまいりましたが、地方裁判所ごとに異なる内容の判決が出されてきたC型肝炎訴訟について、司法の判断を踏まえつつ、一方でこれらの製剤による感染被害者の方々の一律救済の要請に応えるには、現行法制の下では限界があり、議員立法による全面解決を決断いたしました。

一日も早い救済を実現するために、与党と弁護団との精力的な協議、迅速な立法化作業、会派を超えて国会での速やかな対応が行われ、本日、法案が成立し、長年にわたるC型肝炎訴訟の解決が図られることになりました。心より感謝を申し上げます。

感染被害者の方々は、国に対し、肝炎対策の充実を要請してこられました。その懸命な活動が一つの契機となり、政府・与党において肝炎対策について真剣に検討を進めることになりました。

その結果、無料で受けられる肝炎ウイルス検査を拡大するとともに、来年度から国と地方公共団体が協力して7か年で総額1800億円規模のインターフェロン治療に対する医療費助成を行うこと等を内容とする新たな肝炎総合対策を実施することといたしております。これにより、肝炎の早期発見、そして必要な方々すべての早期治療が進むことを期待いたしております。

さらに、今回の事件の反省に立ち、薬害を繰り返してはならないとの決意のもと、命の尊さを再認識し、医薬品による健康被害の再発防止に向けた医薬品行政の見直しに取り組んでまいります。

改めて、長年にわたる感染被害者の方々のご労苦にお詫び申し上げるとともに、再発防止に最善、最大の努力を重ねることをお約束いたします。

和解基本合意書調印式における厚生労働大臣談話

本日ここに、薬害肝炎全国原告団及び弁護団の方々にあらためてお会いし、ただいま訴訟の和解に向けた基本合意書に調印をいたしました。

フィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤による感染被害者とその遺族の方々は、これまで長年にわたり大変なご苦労があったと思います。感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止できなかったことについて、率直に国の責任を認めるとともに、感染被害者とその遺族の皆様に心からお詫び申し上げます。また、お亡くなりになられた方々に対し、ご冥福をお祈り申し上げますとともに、療養を続けておられる方々やご家族の皆様に心からお見舞い申し上げます。

去る11日に、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」が両院ともに全会一致により成立いたしました。

昨年12月23日に議員立法で全面解決を図るという福田総裁のご決断があり、その後、与党の関係者の方々の大変なご尽力、さらに国会での会派を超えた賛同と迅速な対応をいただいて速やかに法律が成立し、解決の道筋がつきましたことに感謝を申し上げますとともに、この法律に基づく給付金の支払いが円滑に行われますよう、万全の準備を進めてまいります。

また、製剤の納入医療機関の公表等により、製剤の投与を受けた方々の確認を促進し、肝炎ウイルス検査を受けることを勧奨するとともに、広く法律の内容の周知を図ってまいります。

そして、本日の基本合意書でお約束しました、本件事件の第三者機関での検証、原告・弁護団との継続的な協議の場の設定についても、順次、実行に移してまいります。

申し上げるまでもなく薬害は二度とあってはなりません。今回の反省に立って、命の尊さを決して忘れることなく、患者の方々お一人お一人に常に思いをいたしながら、医薬品行政の見直しに取り組み、再発防止に向けた具体策を検討して参ります。

また、皆様の肝炎対策の充実に向けての活動が契機となり、肝炎対策が大きく前進しつつあります。

来年度からは「肝炎治療7カ年計画」に基づく総額1800億円規模のインターフェロン治療に対する医療費助成などを推進して参ります。

改めて、長年にわたる感染被害者の方々のご労苦にお詫び申し上げるとともに、厚生労働大臣として、命の尊さを改めて深く認識し、薬害の再発防止、肝炎の早期発見、治療体制の充実に全力を尽くすことをお約束いたします。

別添3

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