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○追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医用画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)について

(令和4年12月8日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課通知)

近年、人工知能技術を利用した医用画像診断支援システムやDNAシークエンサーを利用した遺伝子変異解析システム等の先端的な技術を活用した診断用医療機器の実用化が進んでいるところであり、このような診断用医療機器の製造販売承認申請書の添付資料として利用することを目的として、「追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医用画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いについて」(令和3年9月29日付け薬生機審発0929第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)を示しているところです。

今般、別添のとおり、追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医用画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)を取りまとめましたので、情報提供いたします。ついては、貴管内の製造販売業者において浸透が図られるよう、周知方御配慮願います。

なお、同旨の事務連絡を関係団体宛てに送付していることを申し添えます。

[別添]

追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医用画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)

[略語]

課長通知:「追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医用画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いについて」(令和3年9月29日付け薬生機審発0929第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)

個人情報保護法:「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)

倫理指針:「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年、文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)

PMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構

[留意事項]

本Q&Aは、上記の課長通知についてその解釈を示したものであるが、本Q&Aの有無に係わらず、疑義が生じた場合には、PMDAに相談をすること。なお、本Q&Aは、個人情報保護法、倫理指針等の関連法令に基づいて適切な対応がなされていることが前提となる。

Q1:動画データ及び心電図、血圧、脳波等の波形情報についても、「医用画像データ」と同様に取り扱ってよいか。

A1:動画データ及び心電図、血圧、脳波等の波形情報についても、明らかに個人を識別できる情報が含まれていなければ、「医用画像データ」と同様に取り扱って差支えない。

Q2:性能評価試験計画書の作成の開始以降に撮影された医用画像データ等であって、取得の時点においては当該試験に用いられることを目的としていなかったものについても、性能評価試験に基づくデータ、生体試料又はこれらに関連する診療情報の症例ごとの収集時に既に撮影、採取等がなされているのであれば、既存の医用画像データ等として、課長通知の対象としてよいか。

A2:差支えない。

Q3:課長通知の1の「通常の診療で得られたもの又はそれらを収集したバイオバンク、データベース等において提供されているものに限り」の「バイオバンク、データベース等」には、公的なものに加え、民間のバイオバンク又はデータベース事業者が所有するものも含まれるのか。

A3:含まれる。ただし、二次利用、第三者提供等に際して、個人情報保護法、倫理指針等、適切な対応がなされていることに留意すること。

Q4:課長通知の2(1)及び2(2)には、具体的にどのような性能評価試験が該当するのか。

A4:人工知能技術を利用した医用画像診断支援システムの性能評価試験の場合、例えば、通常診療で得られた大腸内視鏡画像データのみを収集し、複数の専門医等により病変が疑われる箇所を特定し、それを正解として、被験機器に同じ画像を解析させた時の病変検出の感度、特異度等を評価する性能評価試験は、課長通知の2(1)に該当する。一方、大腸内視鏡画像データ、胸部X線CT画像データ及びそれに紐付く確定診断の情報(病理診断結果など)を収集し、確定診断の結果を正解として、被験機器に画像を解析させた時の当該疾患に特有の浸潤影検出の感度、特異度等を評価する性能評価試験は、課長通知の2(2)に該当する。

生体試料を用いた性能評価試験の場合、例えば、通常診療で得られた残余検体のみを収集し、対照法となる分析装置等による判定結果を正解として、被験機器に同じ検体を分析させたときの判定結果の一致率等を評価する性能評価試験は、課長通知の2(1)に該当する。一方、通常診療で得られた残余検体及びそれに紐付く確定診断の情報を収集し、確定診断の結果を正解として、被験機器に検体を分析させたときの感度、特異度等を評価する性能評価試験は、課長通知の2(2)に該当する。

Q5:課長通知の2(1)において、「既存の医用画像データ又は生体試料のみを収集し、新たに評価上必要な情報等を付ける等した上で、診断用医療機器の性能評価に用いる場合(試験に使用するデータ等の信頼性確保のために、原資料(カルテ情報等)との照合ができるようにしておく必要がない場合)」とされているが、提供元の医療機関においてデータ等と原資料の対応表を残している又は医用画像データ等とカルテ情報等を照合する等により特定の個人を識別できる場合には、どのように取り扱えばよいか。

A5:特定の個人を識別できる場合であっても、既存の医用画像データ又は生体試料のみを収集し、これらに関連する既存の診療情報を収集しないのであれば、課長通知の2(1)に準じて取り扱うこと。

Q6:課長通知の2(1)の場合、患者等の同意取得は必要であるのか。また、患者等の同意取得が必要な場合、何か留意すべきことはあるか。

A6:個人情報保護法、倫理指針等の関連法令に基づき、患者等の同意取得の必要性が適切に判断され、必要な場合には適切に同意取得されている必要がある。同意取得の必要性については、医用画像データ又は生体試料を既に性能評価試験実施者が入手済みである場合など、様々なケースが想定されることから、必要に応じて、PMDAに相談されたい。また、適切な同意取得が必要な場合は、医療機関等のデータ提供元から実際の資料を入手するなどして申請者が直接確認する必要はないものの、患者等の同意がどのような方法で取得されたのか、申請者は説明できなければならない。

Q7:課長通知の2(2)において、「試験に使用する診療情報の信頼性確保のために、原資料(カルテ情報等)との照合ができるようにしておく必要がある場合」とされているが、性能評価試験に使用する診療情報等の信頼性確保のための適切な管理として、原資料(カルテ情報等)との照合(SDV)まで求められるのか。また、PMDAによる信頼性調査時に原資料(カルテ情報等)の確認は行われるのか。

A7:医療機器GCP省令で求めているモニタリングで実施されるような原資料(カルテ情報等)との照合(SDV)を行う必要性については、収集する情報や性能評価試験の特性、求める信頼性の水準等を踏まえ、判断されたい。また、原則、PMDAによる信頼性調査では、申請者に対し、医用画像データ等又は生体試料及びこれらに関連する既存の診療情報の収集以降の管理について信頼性確保のための適切な対応がとられていたか、根拠資料に基づき確認する。根拠資料の作成・保存が十分でない場合や、例えば、同様のデータが異なる複数の症例として利用されている、医学的に妥当性の低いデータが利用されている、撮影日と確定診断日に時系列の矛盾があるままデータが利用されている等、データに疑義がある場合などは、必要に応じて、原資料(カルテ情報等)の照合も行う場合があることに留意すること。

Q8:課長通知の2(2)①において、患者等の同意取得に際して、説明同意文書に規制当局への開示に関する記載が無いなど、規制当局が原資料(カルテ情報等)を閲覧する可能性があることについて、適切に対応ができていない場合には、規制当局が信頼性調査を実施できないため、製造販売承認申請書の添付資料として、データを利用できないことになるのか。

A8:規制当局が行う信頼性調査は法令に基づき実施するものであり、個人情報保護法における「法令に基づく場合」の例外事例に該当することから、規制当局が原資料(カルテ情報等)を閲覧する可能性があることについて、個人情報保護法上は問題なく、必要な場合に信頼性調査を実施することは可能である。同意に際して説明同意文書に規制当局への開示に関して記載されていないことによって、データを製造販売承認申請書の添付資料として利用できないことにはならないが、患者等に対して丁寧に説明する観点から、説明同意文書に規制当局が原資料(カルテ情報等)を閲覧する可能性がある旨を追記するなど、できるだけ早期に追加の対応を取ることを推奨する。なお、規制当局が原資料(カルテ情報等)を閲覧する必要があると判断したにも拘わらず、医療機関等のデータ提供元の協力が得られない等の理由で、規制当局が原資料(カルテ情報等)の閲覧ができない場合、疑義が生じたままのデータについては利用できなくなる可能性がある点には留意すること。

Q9:課長通知の2(2)①について、「患者等の同意が適切に得られていること」について、申請者が行う説明の根拠資料はどのようなものが考えられるか。

A9:患者等の同意の取得の必要性は、関連法令に基づき適切に判断され、患者等の同意の取得は、関連法令に基づき、適切な対応がなされる必要がある。申請者は、患者等の同意がどのような方法で取得され、その方法が適切であったか、その方法が遵守されているかについて説明する必要があるが、医療機関等のデータ提供元から実際の資料を入手するなどして、個々の症例の同意の適切性を確認する必要はないと考える。申請者が同意取得の適切性を説明する際には、例えば、性能評価試験計画書、医療機関等のデータ提供元へ配布した説明・同意文書案、医療機関等が患者へ配布した説明資料・同意文書用紙(同意の署名等の未記入のもの)、研究実施者が審査依頼を行った倫理審査に係る資料、データ提供元との契約・合意文書等が根拠資料になるものと思われるが、必要に応じてPMDAに個別に相談すること。

Q10:課長通知の2(1)及び2(2)の場合について、承認申請時の申請区分、性能評価試験の試験プロトコルについて相談する際の相談区分、及び信頼性確保の方法について相談する際の相談区分はどうすればよいか。

A10:「承認申請時の申請区分」については、新医療機器である場合には、2(1)及び2(2)ともに「新医療機器」区分、改良医療機器である場合には、2(1)は「改良医療機器(臨床なし)」区分、2(2)は「改良医療機器(臨床あり)」区分で承認申請すること。「性能評価試験の試験プロトコルについて相談する際の相談区分」については、PMDAに確認すること。「信頼性確保の方法について相談する際の相談区分」については、2(1)及び2(2)に拘わらず、PMDAに全般相談を申し込むこと。状況や論点を確認の上、全般相談でその後の相談区分を案内することとなる。

Q11:匿名加工情報を用いて診断用医療機器の性能評価試験を実施する場合は、どのように取り扱えばよいか。

A11:匿名加工情報を用いた性能評価試験を実施する場合は、必要に応じて、個別にPMDAに相談すること。

以上