添付一覧
○血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準に関する質疑応答集(Q&A)について
(令和4年11月2日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課通知)
血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の承認基準については、「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その3)」(平成30年5月10日付け薬生発0510第7号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)により示し、その運用については「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の承認基準に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成30年5月10日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡。以下「Q&A事務連絡」という。)により示してきたところです。
今般、血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の承認基準について、「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その4)」(令和4年11月2日付け薬生発1102第7号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)により、一部改正を行いましたので、その円滑な運用に資するため、質疑応答集(Q&A)を、別添のとおり取りまとめました。御了知の上、貴管内関係団体、関係事業者等への周知方お願いします。
なお、本事務連絡の発出に伴い、Q&A事務連絡は廃止します。
(別添)
血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準に関する質疑応答集(Q&A)
〔用いた略語〕
改正後承認基準:
「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その4)」(令和4年11月2日付け薬生発1102第7号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)
承認基準(その3):
「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その3)」(平成30年5月10日付け薬生発0510第7号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)
承認基準(その2):
「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準の改正について(その2)」(平成25年3月1日付け薬生発0301第5号厚生労働省医薬食品局長通知)
平成30年Q&A事務連絡:
「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の承認基準に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成30年5月10日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)
平成17年Q&A事務連絡:
「血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の承認基準に関するQ&Aについて」(平成17年7月20日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室事務連絡)
GLP基準:
「医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成17年厚生労働省令第37号)
【臨床試験の取扱い】
Q1:承認基準の改正により、臨床試験の取扱いは変わらないか。 |
A1:変わらない。
承認基準(その2)では、血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器(以下「血液透析器等」という。)における臨床試験の試験成績の取扱いを別添1及び別添2に定めていたが、承認基準(その3)では、臨床試験の試験成績の取扱いは、「医療機器に関する臨床試験データの必要な範囲等について」(平成20年8月4日付け薬食機発第0804001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)に基づき判断することとしたため、臨床試験の試験成績の取扱いを定めた別添1及び別添2を廃止した。また、承認基準(その3)に適合する場合には臨床試験の試験成績に関する資料の添付は不要とした。
なお、半透膜素材の有効性及び安全性を評価するための非臨床試験の一つとして、血液適合性を追加し、半透膜素材の特性に応じて評価を行うこととした。
【同等性を評価する際の既承認品の選択】
Q2:同等性の評価において、既承認品目を選択する際の留意事項は何か。 |
A2:既承認の血液透析器等のうち、適切であると考えられる比較対照品目(申請に係る品目と異なる一般的名称の既承認品目を含む。)を選択すること。なお、妥当性が説明できる場合は、比較項目ごとに異なる既承認品目を選択してもよい。
【既承認品との同等性の評価】
Q3:既承認品目との同等性はどのように評価するのか。 |
A3:A2で選択した既承認品目との同等性については、各試験又は評価結果の考察に加え、総合的に申請品目が既承認品目と同等と判断できる根拠を承認申請書添付資料に説明すること。半透膜素材及び性能の同等性評価について、次に事例を示す。なお、同事例と同様の方法により既承認品目との同等性を確認したものは、Q3及びA3に該当する旨を以て同等性の説明に替えて差し支えない。ただし、本事例は、同一の一般的名称の既承認品目と比較した場合の具体例であって、異なる一般的名称の既承認品目と比較した場合はこの限りではないことに留意すること。
(1) 半透膜素材の同等性 半透膜製造時の原液ポリマー仕込み分量について、ポリマー仕込み組成が5%以上の成分については比較対象の既承認品における当該成分の仕込み分量の±5%以内の違い、1%以上5%未満の成分については仕込み分量の±15%以内の違いである場合には、同等であるとみなす。1%未満の成分は同等性判断の対象としない。具体例は以下のとおり。 *既承認品目 半透膜素材成分の仕込み量 A素材:120kg B素材:5kg C素材:1kg ポリマー仕込み組成 A素材:95.2% B素材:4.0% C素材:0.8% A素材はポリマー仕込み組成が5%以上の成分、B素材は1%以上5%未満の成分、C素材は1%未満の成分。 *新たな申請での半透膜素材成分の同等性範囲 仕込み量 A素材:同等性の範囲は仕込み量の±5%以内であるので、114~126kg B素材:同等性の範囲は仕込み量の±15%以内であるので、4.25~5.75kg C素材については、ポリマー仕込み組成として1%未満の場合に限り、同等性の判断の対象にはしない。 (2) 性能の同等性 ①血液系による限外濾過率の同等性範囲 ±25%以内の違い ②水系によるクリアランスの対象溶質及び同等性範囲 尿素、クレアチニン及びビタミンB12 ±10%以内の違い リン酸 ±15%以内の違い ③血漿系によるふるい係数の対象溶質及び同等性範囲 アルブミン、イヌリン、及びβ2―ミクログロブリン又はミオグロビン ±50%以内の違い ④血液系によるβ2―ミクログロブリンクリアランスの同等性範囲 ±20%以内の違い |
【同等性の範囲の取扱い】
Q4:申請品目に係る半透膜素材が、承認基準(その2)及び平成17年Q&A事務連絡で示されていた既承認品と同等とされる範囲に該当する場合、当該半透膜素材について改正後の承認基準別紙の「7.2 血液適合性」の評価は不要と判断してよいか。 |
A4:貴見のとおり。承認基準(その2)及び平成17年Q&A事務連絡に基づき同等とされた半透膜素材は、改正後承認基準に基づいて評価した場合においても既承認品及びQ4及びA4と同等とみなされる(Q3及びA3参照)ため、改正後承認基準別紙の「7.2 血液適合性」の評価を省略して差し支えない。なお、異なる一般的名称の既承認品と同等性を比較した場合の評価項目等については、Q7及びA7の事例No.6を参照すること。
【性能及び安全性に関する規格欄への記載】
Q5:改正後承認基準別紙に規定された各要求事項のうち、承認申請書の「性能及び安全性に関する規格」欄に記載すべき項目は何か。 |
A5:承認申請書の「性能及び安全性に関する規格」欄には、改正後承認基準別紙の「5 物理的又は化学的要求事項」(引用するJIS T3250の「4.4 機械的特性」の血液側接続部分、透析液側接続部分及び濾液側接続部分を除く。なお、これらは承認申請書の「形状、構造及び原理」欄に記載する。)、「6 生物学的要求事項」、「7 性能に関する要求事項」及びエチレンオキサイド滅菌の品目においては、「10 エチレンオキサイド滅菌における滅菌残留物試験」を記載すること。製品の有効性の担保にβ2―ミクログロブリンクリアランスの規格値の設定が必要な場合には、β2―ミクログロブリンクリアランスも記載すること。
なお、「7 性能に関する要求事項」のうち「7.2.2 血球損傷試験」については、半透膜素材の同等性評価の手段として必要に応じ実施するものとして規定した項目であるため、承認申請書の「性能及び安全性に関する規格」欄への記載は要さないこと。試験を実施した場合には、承認申請書添付資料の「1.3 類似医療機器との比較」にて説明し、試験成績書等を添付すること。
【血液適合性の基本的考え方について】
Q6:承認基準別紙の「7.2 血液適合性」において、溶血性及び血栓形成の評価項目が示されているが、ISO10993―4の評価すべき項目と異なるのはなぜか。 |
A6:「7.2 血液適合性」はあくまでも「7 性能に関する要求事項」の評価項目であり、透析器等の特性を考慮した上で性能として評価すべき項目を示している。一方、「6 生物学的要求事項」の評価においては、ISO10993―4に従い、血液適合性の評価項目を適切に選択すること。
【事例別血液適合性評価項目】
Q7:改正後承認基準別紙の「7.2 血液適合性」において、血液適合性の評価の流れ及び推定されるリスクと評価すべき項目の基本的考え方が示されているが、評価すべき項目について、例としてどのようなものがあるか。また、臨床試験が必要と考えられる原材料の事例としてどのようなものがあるか。 |
A7:原材料の事例別に評価すべき項目の例を下表に示す。なお、No.1の事例において、非臨床試験の試験成績等により臨床上の有効性及び安全性を十分評価できない場合には、臨床試験が必要となる可能性があることに留意すること。
No |
原材料の事例 |
推定されるリスク要因(表1※1) |
評価カテゴリ (試験又は試験以外) |
||||||
溶血性 |
血栓形成(in vitro) |
||||||||
1 |
2 |
材料由来 |
機械的 |
血液凝固 |
血小板活性化 |
補体 |
血液学 |
||
1 |
半透膜素材の一般名※2が既承認の医療機器で使用前例がない場合 【医療機器の原材料として新規】 |
該当 |
該当 |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
2 |
半透膜素材の一般名※2が既承認の血液透析器、血液濾過器又は血液透析濾過器で使用前例がないが、生物学的安全性のリスクが同等以上の医療機器に使用前例がある場合 【既承認の血液透析器等以外で前例あり】 |
該当 |
該当 |
● |
● |
○ |
○ |
○ |
● |
3 |
強い荷電をもつ添加剤※3を用いる場合 |
該当 |
該当 |
● |
● |
○ |
○ |
○※5 |
● |
4 |
親水性度合いが既承認品と異なる場合 |
該当 |
該当 |
● |
● |
○ |
○ |
○※5 |
● |
5 |
・添加剤※3が既承認品と異なる場合 ・組成比※4が既承認品と異なる場合 |
該当 |
該当 |
● |
● |
○ |
○ |
○ |
● |
6 |
既承認の血液透析器、血液濾過器又は血液透析濾過器で使用前例のある半透膜素材と同一の場合 【既承認の血液透析器等で前例あり】 |
非該当 |
非該当 |
○※6 |
●評価が必須、○必要に応じ評価を行う
※1:承認基準改正通知の別紙の「7.2.1 基本的考え方」の表1に示される推定されるリスク要因の1及び2を参照。
※2:半透膜素材の一般名とは、主剤の一般名を指す(例:ポリスルホン、ポリエーテルスルホン)。
※3:添加剤とは、血液透析器等(半透膜を含む。)の添加剤(最終製品に残るもの。)を指す(例:PVP)。
※4:組成比とは、最終製品の主剤及び添加剤の比率を指す。
※5:陽性荷電を持つ場合、水酸基を持つ場合等は、補体の評価を行う。
※6:該当する場合には、使用方法及び原理の違いを考慮し、濾過による影響を含めて評価すること。試験を行う場合には、例えば日本透析医学会の血液浄化器性能評価基準等の測定条件を参照できる。
【既承認品目に同一の膜面積をもつ製品が無い場合の性能特性の比較】
Q8:改正後承認基準別紙の「7.1 性能特性」について、既承認品目との比較を行う際、申請に係る医療機器と同一の膜面積を有する既承認品目(以下「同一膜面積品」という。)が無い場合はどのように扱えばよいか。また、既承認品目との比較試験を行う必要があるか。 |
A8:同一膜面積品が無い場合には、膜面積を換算して各評価項目を比較すること。限外濾過率については、例えば面積比例等による比較が考えられる。クリアランスについては、実測クリアランスから総括物質移動係数を算出し、その総括物質移動係数を用いて他の面積の場合のクリアランスを算出する方法、膜面積の異なる複数の実測クリアランスを用いて内挿する方法等が考えられるが、申請品目を比較できる妥当な方法を選択すること。また、β2―ミクログロブリンの血漿クリアランスについても同様に扱いうる。
なお、必ずしも既承認品目との比較試験を求めるものではなく、製造販売業者の社内基準により一定の規格値を設定したうえで、試験品の性能が当該規格値の範囲内である事を示すことでもよい。その場合は、当該規格値が既承認品目との比較を行う上で妥当なものであることを説明する必要があることに留意すること。
【性能特性比較試験のサンプル数】
Q9:改正後承認基準別紙の「7.1 性能特性」について、既承認品目との比較を行う際、サンプル数はどう扱えばよいか。 |
A9:原則として、3ロット以上各3回以上の申請品目の測定結果を添付すること(承認申請書添付資料4.2設計検証及び妥当性確認文書の概要の結果を利用してもよい。)。比較対照となる既承認品目は、代表膜面積品(n=5以上)の測定結果を添付する。比較検討に当たっては、それぞれの平均値±標準誤差又は標準偏差を用いることで差し支えない。
なお、過去の測定値と比較する場合には、両測定値は同等の測定条件下で得られたものでなければならない(Q12及びA12参照)。
【半透膜の面積について複数のサイズバリエーションを持つ場合の取扱い】
Q10:一つの承認申請に係る品目が半透膜の面積について複数のサイズバリエーションを持つ場合、「7.1 性能特性」について、それぞれの膜面積での実測データが必要なのか。 |
A10:個々の事例によって、必要となる実測データは異なるものの、過去の実績から、限外濾過率、クリアランス及びβ2―ミクログロブリンの血漿クリアランスについては、Q8及びA8に例示した比較方法を用いることにより、一部の膜面積の実測データを省略できる場合がある。異なる膜面積間での性能特性の比較を行う上で妥当な方法を選択すること。
【性能特性データの取扱い】
Q11:製造販売業者が定めた設定血流量範囲及び設定透析液流量範囲に対して、クリアランス及び限外濾過率等に係る性能を保証するデータを承認申請時に提示する必要があると考えられるが、具体的にはどのようなデータ提示が必要となるのか。また、承認申請書等においてどのように記載すればよいのか。 |
A11:クリアランスを例に挙げて説明すると、標準的な透析液流量(例えば500mL/min)において血液流量を3点以上変えた時のクリアランス及び標準的な血液流量(例えば200mL/min)において透析液流量を3点以上変えた時のクリアランスを測定することが考えられる。測定に当たっては、これらすべての条件での実測値を提示することが望ましいが、血液透析器等での過去の実績から、実測クリアランスから総括物質移動係数を算出し、その総括物質移動係数を用いて他の流量条件の場合のクリアランスを算出する方法、流量条件の異なる複数の実測クリアランスを用いて内挿又は外挿する方法等を併用することも可能である。なお、どのような方法で得られた値であるのかを承認申請書添付資料に記載する必要がある。
承認申請書の「性能及び安全性に関する規格」欄に代表的な条件下でのデータを記載し、承認申請書添付資料の4.設計検証及び妥当性確認文書の概要にすべての条件下でのデータを記載すること。なお、既承認品との比較は「性能及び安全性に関する規格」欄に記載された代表的な条件下でのデータをもって行う(Q&A9参照)。また、申請者が定めた使用条件は、承認申請書の「使用方法」欄に記載すること。
以上の例における測定、記載要領をまとめると、下表のようになる。
「使用方法」欄 |
「性能及び安全性に関する規格」欄 |
添付資料 |
血液流量100~400mL/min、透析液流量400~600mL/minを記載する場合 |
血液流量200mL/min、透析液流量500mL/minでの値を記載 |
透析液流量500mL/min、血液流量100~400mL/minでの値及び血液流量200mL/min、透析液流量400~600mL/minでの値を記載 |
【測定条件依存性のある性能特性の取扱い】
Q12:既承認品目等と性能特性の比較試験を行う場合、例えば、JIS T3250の「5.6性能特性」に示されるふるい係数などの測定条件に依存する変数がある。このような変数を比較試験の際にどのように考慮すべきか。 |
A12:同等の測定条件下での実測値をもって、性能特性を比較する必要がある。JIS T3250では、流量など測定条件が規定されていない性能特性項目があるが、測定条件の参考値として、日本透析医学会雑誌,45(5):435―445,2012に推奨される条件があるため、これらを参考に測定条件を設定すること。ただし、当該文献には、限外濾過率の試験液等のJIS T3250と異なる点があるので、それらの条件については承認基準別紙の「7.1 性能特性」に基づきJIS T3250の条件で行う必要がある。
【血球損傷試験の位置付け】
Q13:「6 生物学的要求事項」に従い血液透析器等の生物学的安全性が確認されている場合にあっては、半透膜素材の性能に係る設計検証及び妥当性確認として実施する改正後承認基準別紙の「7.2.2 血球損傷試験」については、GLP基準への適合が求められる試験ではないと解してよいか。 |
A13:貴見のとおり。性能評価を主目的とする性能試験において、血液適合性試験を組込むことは可能であり、この場合においてGLP準拠は求められないが、従来どおり申請書の信頼性の基準に係る要求事項である医薬品医療機器等法施行規則第114条の22を順守する必要がある。
【膜面積の表示】
Q14:改正後承認基準別添の12「表示」では、JIS T3250に規定される医療機器への表示が求められている。当該規格では、必ずしも膜面積の表示を要することとされていないが、表示する必要はないのか。 |
A14:JIS T3250に規定される表示項目以外の表示は必須ではないが、膜面積は一般的に表示されている事項であり、使用者も膜面積を参考としているため、膜面積を表示することが望ましい。
【持続緩徐式血液濾過器等への適用】
Q15:今回の承認基準の改正により、血液透析器等の特性である半透膜素材の同等性評価手段の一つとして、血液適合性による評価の方法が示されたが、この考え方は改正後承認基準の適用範囲に限らず、例えば持続緩徐式血液濾過器や血漿分離器等の半透膜に血液を循環させる医療機器においても、同様に取扱うことが可能か。 |
A15:持続緩徐式血液濾過器や血漿分離器等の半透膜に血液を循環させる医療機器の取扱いについては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に相談されたい。
【一変申請時の血球損傷試験の実施】
Q16:「承認基準あり」区分で一部変更承認申請を行う場合において、承認基準別紙の「7.2.2 血球損傷試験」は必ず行う必要があるのか。 |
A16:半透膜素材が変更される場合には、一部変更承認申請の際にも変更の内容に応じて血液適合性の評価が必要になる(Q7及びA7参照)。ただし、半透膜素材が変更される場合は、一部変更の範囲を超え新たな承認申請が必要となる場合があることに留意すること。疑義がある場合には独立行政法人医薬品医療機器総合機構に相談されたい。
【亜慢性全身毒性、慢性全身毒性】
Q17:亜急性全身毒性試験等の結果において、対照群との比較試験や、既存データ等と比較して有意な毒性が認められない場合には、暴露の長期化によるリスクを許容できるとの説明により、亜慢性全身毒性試験及び慢性全身毒性試験の実施を省略してよいか。 |
A17:差し支えない。なお、説明については、いずれの場合も科学的根拠を示し、適切に妥当性を説明すること。
【がん原性】
Q18:「がん原性」の評価において、遺伝毒性試験の結果を以て遺伝子毒性型発がん物質の評価を担保できると解してよいか。また、非遺伝子型発がん物質の評価については、その化学物質が非遺伝子型発がん物質でないこと(その化学物質が非遺伝子型発がん物質を含まないこと)を文献情報等により確認することで、評価可能と解してよいか。なお、長期試験(亜慢性毒性、慢性毒性など)から前がん病変が認められない場合には、発がん性が懸念されないと判断してよいか。 |
A18:いずれも差し支えない。なお、説明については、いずれの場合も科学的根拠を示し、適切に妥当性を説明すること。
【埋植試験】
Q19:埋植試験については、血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器の場合には、接触する組織は血液であるため、短中期的埋植影響については、血液適合性試験から適切な試験項目を設定し評価を行い、長期的埋植影響については、Q17に示される亜急性全身毒性試験結果や既存データ等を用いて総合的に長期的な評価を行うことで問題ないか。 |
A19:差し支えない。なお、説明については、いずれの場合も科学的根拠を示し、適切に妥当性を説明すること。また、血液適合性試験の試験項目の設定には、「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方についての改正について」(令和2年1月6日付薬生機審発0106第1号)の別添第8部 血液適合性試験、8.1の表や血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器承認基準 7.2血液適合性 等の考え方が参考になる。