添付一覧
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて〔厚生年金保険法〕
(令和4年9月9日)
(/保保発0909第1号/年管管発0909第4号/)
(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業管理部門担当理事あて厚生労働省保険局保険課長・厚生労働省年金局事業管理課長通知)
(公印省略)
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号。以下「令和2年改正法」という。)のうち、適用事業所の範囲の見直し及び被保険者資格の勤務期間要件の見直しに係る改正事項については、本年10月1日(以下「施行日」という。)から施行されるところである。
当該改正に伴う事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、その実施に当たっては、遺漏のないよう取り扱われたい。
記
第1 適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険の適用事業所については、健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第3条第3項各号及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「厚年法」という。)第6条第1項各号においてその対象を規定している。
今般の改正により、法律又は会計に係る行政手続等を扱う業種(以下「士業」という。)の事業所又は事務所であって常時5人以上の従業員を使用するものは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所とすることから、健保法第3条第3項第1号及び厚年法第6条第1項第1号に「弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業」を追加し、「その他政令で定める者」として、健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第1条及び厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)第1条の2に「公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士」を規定する。
2.事務処理の概要
(1) 事業主による届出
従来、士業の事業所(法人又は任意適用の認可を受けて適用事業所となっている事業所を除く。)については、健保法及び厚年法における適用業種にあたらないことから適用事業所とされていなかったところ、施行日以後、常時5人以上の従業員を使用する場合には健保法及び厚年法の適用事業所となることから、事業主は、新規適用届、被保険者資格取得届等を日本年金機構(以下「機構」という。)に届け出るものであること。
なお、施行日前から事業を行っている士業の事業所についても、施行日に常時5人以上の従業員を使用する場合には、適用事業所となるため届出が必要となる。
(2) 業態分類の取扱い
施行日以後、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所となった士業の事業所は、「健康保険及び厚生年金保険の業態分類標準の改正について」(令和4年6月27日付保保発0627第1号、年管企発第0627第1号、年管管発0627第3号)により示した業態分類標準の「43(93)有資格者が法律会計関係業務を行う事業」として分類すること。
(3) 老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置
本改正により被保険者資格を取得した者に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置の取扱いについては、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う加給年金の支給停止規定の見直し及び被用者保険の適用拡大に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置に係る事務の取扱いについて」(令和4年3月29日付年管管発0329第17号)によること。
第2 被保険者資格の勤務期間要件の見直し
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格については、健保法第3条第1項及び厚年法第12条において適用除外要件を規定している。
被保険者資格の適用除外要件のうち、健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロに定める勤務期間に係る要件(以下「勤務期間要件」という。)について、「2月以内の期間を定めて使用される者」と規定していたところ、雇用の実態に即した健康保険・厚生年金保険の適切な適用を図る観点から、「2月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない者」とする。
2.事務処理の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格の取得基準のうち、勤務期間要件については、対象者が「2月を超える期間を定めて使用される場合」又は「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」において、被保険者への該当性を満たすこととなる。
(1) 雇用契約が更新されることが見込まれる場合の取扱い
「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」とは、次のア又はイに該当する場合であること。
ア 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
イ 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
ただし、ア又はイに該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には該当しないこととして取り扱うこととする。
(2) 被保険者資格の取得時期
ア 雇用契約の開始時から、雇用契約の更新が見込まれる場合
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、雇用契約の開始時に2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者資格を取得するものであること。
イ 雇用契約の開始後に、雇用契約の更新見込みが生じた場合
2月以内の期間を定めて使用された者であって、2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれなかったものについて、契約開始後に契約の更新が見込まれることになった場合、当該契約の更新が見込まれるに至った日に被保険者資格を取得するものであること。
なお、契約の更新が見込まれるに至った日は、労使双方の書面による合意があった日とする。
ウ 雇用契約が施行日を跨ぐ場合
施行日前から引き続き使用されている者は、施行日時点において「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するときには、施行日後の雇用契約期間にかかわらず、施行日において被保険者資格を取得するものであること。
(3) 事業主による届出
事業主は、2.(2)の取得時期に、対象者に係る被保険者資格取得届等を機構に届け出るものであること。
(4) 留意事項
施行日以後、短時間労働者の健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格の取得基準から、「同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること」(1年以上継続使用要件)が撤廃されるため、勤務期間要件については短時間労働者においても本通知に基づく取扱いとなること。なお、施行日前から引き続き使用されている短時間労働者で、1年以上継続使用要件を除く短時間労働者の取得基準を満たしている者については、(2)ウによる取扱いのほか、施行日時点において「2月を超える期間を定めて使用される場合」には、施行日後の雇用契約期間にかかわらず、施行日において被保険者資格を取得するものであること。
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて
(令和4年9月9日)
(保保発0909第2号)
(健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
(公印省略)
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号。以下「令和2年改正法」という。)のうち、適用事業所の範囲の見直し及び被保険者資格の勤務期間要件の見直しに係る改正事項については、本年10月1日(以下「施行日」という。)から施行されるところである。
当該改正に伴う事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、その実施に当たっては、遺漏のないよう取り扱われたい。
記
第1 適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険の適用事業所については、健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第3条第3項各号及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「厚年法」という。)第6条第1項各号においてその対象を規定している。
今般の改正により、法律又は会計に係る行政手続等を扱う業種(以下「士業」という。)の事業所又は事務所(以下「事業所等」という。)であって常時5人以上の従業員を使用するものは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所とすることから、健保法第3条第3項第1号及び厚年法第6条第1項第1号に「弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業」を追加し、「その他政令で定める者」として、健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第1条及び厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)第1条の2に「公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士に関する政令(昭和四十七年政令第百六十九号)第一条に規定する沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士」を規定する。
2.事務の取扱いについて
従来、士業の事業所等(法人又は任意適用の認可を受けて適用事業所となっている事業所を除く。)については、健保法及び厚年法における適用業種にあたらないことから適用事業所とされていなかったところ、施行日以後、常時5人以上の従業員を使用する場合には健保法及び厚年法の適用事業所となる。
なお、施行日前から事業を行っている士業の事業所等についても、施行日に常時5人以上の従業員を使用する場合には、適用事業所となる。
健康保険組合に加入する場合は、適用事業所の増加に伴う各種手続きを行った上で、当該事業所等の事業主に、新規適用届、被保険者資格取得届等を提出させること。
第2 被保険者資格の勤務期間要件の見直し
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格については、健保法第3条第1項及び厚年法第12条において適用除外要件を規定している。
被保険者資格の適用除外要件のうち、健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロに定める勤務期間に係る要件(以下「勤務期間要件」という。)について、「2月以内の期間を定めて使用される者」と規定していたところ、雇用の実態に即した健康保険・厚生年金保険の適切な適用を図る観点から、「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」とする。
2.事務の取扱い
健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロにおいて「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」とされていることから、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には、被保険者資格を取得することとなる。この場合において、事務の取扱いは以下のとおりとする。
(1) 雇用契約が更新されることが見込まれる場合の取扱い
「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」とは、次のア又はイに該当する場合であること。
ア 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されていること。
イ 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
ただし、ア又はイに該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には該当しないこととして取り扱うこととする。
(2) 被保険者資格の取得時期
ア 雇用契約の開始時から、雇用契約の更新が見込まれる場合
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、雇用契約の開始時に2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者資格を取得するものであること。
イ 雇用契約の開始後に、雇用契約の更新見込みが生じた場合
2月以内の期間を定めて使用された者であって、当初、2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれなかったものについて、契約開始後に契約の更新が見込まれることになった場合、当該契約の更新が見込まれるに至った日に被保険者資格を取得するものであること。
なお、契約の更新が見込まれるに至った日は、労使双方の書面等による合意があった日とする。
(3) 留意事項
短時間労働者に係る事務の取扱いについては、「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いについて」(令和4年3月18日付け保保発0318第2号)及び「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いに関するQ&A集の送付について」(令和4年3月18日付け事務連絡)を参照すること。
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて
(令和4年9月9日)
(保保発0909第3号)
(健康保険組合連合会長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
(公印省略)
標記については、別添のとおり、健康保険組合理事長あて通知したので、御了知願いたい。
[別添]
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて
(令和4年9月9日)
(保保発0909第2号)
(健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
(公印省略)
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号。以下「令和2年改正法」という。)のうち、適用事業所の範囲の見直し及び被保険者資格の勤務期間要件の見直しに係る改正事項については、本年10月1日(以下「施行日」という。)から施行されるところである。
当該改正に伴う事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、その実施に当たっては、遺漏のないよう取り扱われたい。
記
第1 適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険の適用事業所については、健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第3条第3項各号及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「厚年法」という。)第6条第1項各号においてその対象を規定している。
今般の改正により、法律又は会計に係る行政手続等を扱う業種(以下「士業」という。)の事業所又は事務所(以下「事業所等」という。)であって常時5人以上の従業員を使用するものは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所とすることから、健保法第3条第3項第1号及び厚年法第6条第1項第1号に「弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業」を追加し、「その他政令で定める者」として、健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第1条及び厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)第1条の2に「公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士に関する政令(昭和四十七年政令第百六十九号)第一条に規定する沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士」を規定する。
2.事務の取扱いについて
従来、士業の事業所等(法人又は任意適用の認可を受けて適用事業所となっている事業所を除く。)については、健保法及び厚年法における適用業種にあたらないことから適用事業所とされていなかったところ、施行日以後、常時5人以上の従業員を使用する場合には健保法及び厚年法の適用事業所となる。
なお、施行日前から事業を行っている士業の事業所等についても、施行日に常時5人以上の従業員を使用する場合には、適用事業所となる。
健康保険組合に加入する場合は、適用事業所の増加に伴う各種手続きを行った上で、当該事業所等の事業主に、新規適用届、被保険者資格取得届等を提出させること。
第2 被保険者資格の勤務期間要件の見直し
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格については、健保法第3条第1項及び厚年法第12条において適用除外要件を規定している。
被保険者資格の適用除外要件のうち、健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロに定める勤務期間に係る要件(以下「勤務期間要件」という。)について、「2月以内の期間を定めて使用される者」と規定していたところ、雇用の実態に即した健康保険・厚生年金保険の適切な適用を図る観点から、「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」とする。
2.事務の取扱い
健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロにおいて「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」とされていることから、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には、被保険者資格を取得することとなる。この場合において、事務の取扱いは以下のとおりとする。
(1) 雇用契約が更新されることが見込まれる場合の取扱い
「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」とは、次のア又はイに該当する場合であること。
ア 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されていること。
イ 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
ただし、ア又はイに該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には該当しないこととして取り扱うこととする。
(2) 被保険者資格の取得時期
ア 雇用契約の開始時から、雇用契約の更新が見込まれる場合
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、雇用契約の開始時に2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者資格を取得するものであること。
イ 雇用契約の開始後に、雇用契約の更新見込みが生じた場合
2月以内の期間を定めて使用された者であって、当初、2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれなかったものについて、契約開始後に契約の更新が見込まれることになった場合、当該契約の更新が見込まれるに至った日に被保険者資格を取得するものであること。
なお、契約の更新が見込まれるに至った日は、労使双方の書面等による合意があった日とする。
(3) 留意事項
短時間労働者に係る事務の取扱いについては、「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いについて」(令和4年3月18日付け保保発0318第2号)及び「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いに関するQ&A集の送付について」(令和4年3月18日付け事務連絡)を参照すること。
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて
(令和4年9月9日)
(保保発0909第4号)
(全国健康保険協会理事長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
(公印省略)
標記については、別添のとおり、日本年金機構事業企画部門担当理事及び事業管理部門担当理事あて通知したので、御了知願いたい。
[別添]
○年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて
(令和4年9月9日)
(/保保発0909第1号/年管管発0909第4号/)
(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業管理部門担当理事あて厚生労働省保険局保険課長・厚生労働省年金局事業管理課長通知)
(公印省略)
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号。以下「令和2年改正法」という。)のうち、適用事業所の範囲の見直し及び被保険者資格の勤務期間要件の見直しに係る改正事項については、本年10月1日(以下「施行日」という。)から施行されるところである。
当該改正に伴う事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、その実施に当たっては、遺漏のないよう取り扱われたい。
記
第1 適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険の適用事業所については、健康保険法(大正11年法律第70号。以下「健保法」という。)第3条第3項各号及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「厚年法」という。)第6条第1項各号においてその対象を規定している。
今般の改正により、法律又は会計に係る行政手続等を扱う業種(以下「士業」という。)の事業所又は事務所であって常時5人以上の従業員を使用するものは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所とすることから、健保法第3条第3項第1号及び厚年法第6条第1項第1号に「弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業」を追加し、「その他政令で定める者」として、健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第1条及び厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)第1条の2に「公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士」を規定する。
2.事務処理の概要
(1) 事業主による届出
従来、士業の事業所(法人又は任意適用の認可を受けて適用事業所となっている事業所を除く。)については、健保法及び厚年法における適用業種にあたらないことから適用事業所とされていなかったところ、施行日以後、常時5人以上の従業員を使用する場合には健保法及び厚年法の適用事業所となることから、事業主は、新規適用届、被保険者資格取得届等を日本年金機構(以下「機構」という。)に届け出るものであること。
なお、施行日前から事業を行っている士業の事業所についても、施行日に常時5人以上の従業員を使用する場合には、適用事業所となるため届出が必要となる。
(2) 業態分類の取扱い
施行日以後、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所となった士業の事業所は、「健康保険及び厚生年金保険の業態分類標準の改正について」(令和4年6月27日付保保発0627第1号、年管企発第0627第1号、年管管発0627第3号)により示した業態分類標準の「43(93)有資格者が法律会計関係業務を行う事業」として分類すること。
(3) 老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置
本改正により被保険者資格を取得した者に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置の取扱いについては、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う加給年金の支給停止規定の見直し及び被用者保険の適用拡大に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置に係る事務の取扱いについて」(令和4年3月29日付年管管発0329第17号)によること。
第2 被保険者資格の勤務期間要件の見直し
1.改正の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格については、健保法第3条第1項及び厚年法第12条において適用除外要件を規定している。
被保険者資格の適用除外要件のうち、健保法第3条第1項第2号ロ及び厚年法第12条第1号ロに定める勤務期間に係る要件(以下「勤務期間要件」という。)について、「2月以内の期間を定めて使用される者」と規定していたところ、雇用の実態に即した健康保険・厚生年金保険の適切な適用を図る観点から、「2月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない者」とする。
2.事務処理の概要
健康保険及び厚生年金保険における被保険者資格の取得基準のうち、勤務期間要件については、対象者が「2月を超える期間を定めて使用される場合」又は「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」において、被保険者への該当性を満たすこととなる。
(1) 雇用契約が更新されることが見込まれる場合の取扱い
「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」とは、次のア又はイに該当する場合であること。
ア 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
イ 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
ただし、ア又はイに該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には該当しないこととして取り扱うこととする。
(2) 被保険者資格の取得時期
ア 雇用契約の開始時から、雇用契約の更新が見込まれる場合
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、雇用契約の開始時に2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者資格を取得するものであること。
イ 雇用契約の開始後に、雇用契約の更新見込みが生じた場合
2月以内の期間を定めて使用された者であって、2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれなかったものについて、契約開始後に契約の更新が見込まれることになった場合、当該契約の更新が見込まれるに至った日に被保険者資格を取得するものであること。
なお、契約の更新が見込まれるに至った日は、労使双方の書面による合意があった日とする。
ウ 雇用契約が施行日を跨ぐ場合
施行日前から引き続き使用されている者は、施行日時点において「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するときには、施行日後の雇用契約期間にかかわらず、施行日において被保険者資格を取得するものであること。
(3) 事業主による届出
事業主は、2.(2)の取得時期に、対象者に係る被保険者資格取得届等を機構に届け出るものであること。
(4) 留意事項
施行日以後、短時間労働者の健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格の取得基準から、「同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること」(1年以上継続使用要件)が撤廃されるため、勤務期間要件については短時間労働者においても本通知に基づく取扱いとなること。なお、施行日前から引き続き使用されている短時間労働者で、1年以上継続使用要件を除く短時間労働者の取得基準を満たしている者については、(2)ウによる取扱いのほか、施行日時点において「2月を超える期間を定めて使用される場合」には、施行日後の雇用契約期間にかかわらず、施行日において被保険者資格を取得するものであること。