添付一覧
○医療用医薬品を特定するための符号の容器への表示等について
(令和4年9月13日)
(/医政産情企発0913第1号/薬生安発0913第1号/)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)
(公印省略)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号。以下「改正法」という。)について、令和元年12月4日に公布されるとともに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和4年厚生労働省令第128号)について、令和4年9月13日に公布されたところです。
医療用医薬品へのバーコード表示については「医療用医薬品へのバーコード表示の実施要領」の一部改正について(平成28年8月30日付け医政経発0830第1号、薬生安発0830第1号、薬生監麻発0830第1号、厚生労働省医政局経済課長、厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知。以下「旧通知」という。)により取り扱ってきたところです。
改正法による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第68条の2の5の規定により行う医療用医薬品を特定するための符号のこれら容器への表示等については、別紙のとおり取り扱うこととしますので、御了知の上、貴管下関係業者に周知方お願いいたします。
なお、旧通知については、令和4年11月30日をもって廃止します。
[別紙]
医療用医薬品を特定するための符号の容器への表示等における実施要項
医療における医薬品の取り違え事故の防止及びトレーサビリティの確保並びに医薬品の流通の効率化を推進するため、医療用医薬品を特定するための符号(以下「特定用符号」という。)の容器等への表示を以下のとおり実施することとする。
1.表示対象及び表示するデータ
表示対象は医療用医薬品(体外診断用医薬品は除き、別に要項を定める。)とし、包装単位及び医療用医薬品の種類に応じ、次の表のとおり、商品コード、有効期限(注9)、製造番号又は製造記号及び数量(注5)を表示する。(注1)
(1) 調剤包装単位(注2)
医療用医薬品の種類 |
商品コード |
有効期限(注9) |
製造番号又は製造記号 |
特定生物由来製品 |
◎ |
◎ |
◎ |
生物由来製品(特定生物由来製品を除く。) |
◎ |
○ |
○ |
内用薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
○ |
○ |
注射薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
○ |
○ |
外用薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
○ |
○ |
(2) 販売包装単位(注3)
医療用医薬品の種類 |
商品コード |
有効期限(注9) |
製造番号又は製造記号 |
特定生物由来製品 |
● |
● |
● |
生物由来製品(特定生物由来製品を除く。) |
● |
● |
● |
内用薬(生物由来製品を除く。) |
● |
● |
● |
注射薬(生物由来製品を除く。) |
● |
● |
● |
外用薬(生物由来製品を除く。) |
● |
● |
● |
(3) 元梱包装単位(注4)
医療用医薬品の種類 |
商品コード |
有効期限(注9) |
製造番号又は製造記号 |
数量(注5) |
特定生物由来製品 |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
生物由来製品(特定生物由来製品を除く。) |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
内用薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
注射薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
外用薬(生物由来製品を除く。) |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
(注1)各記号の解釈は以下のとおり
「●」:法第68条の2の5に基づき必ず表示するもの
「◎」:本通知に基づき必ず表示するもの
「○」:任意表示
(注2)調剤包装単位とは、製造販売業者が製造販売する医薬品を包装する最小の包装単位をいう。例えば、錠剤やカプセル剤であればPTPシートやバラ包装の瓶、注射剤であればアンプルやバイアルなどである。
(注3)販売包装単位とは、通常、卸売販売業者等から医療機関等に販売される最小の包装単位をいう。例えば、錠剤やカプセル剤であれば調剤包装単位であるPTPシートが100シート入りの箱、注射剤であれば10アンプル入りの箱などである。
(注4)元梱包装単位とは、通常、製造販売業者で販売包装単位を複数梱包した包装単位をいう。例えば、販売包装単位である箱が10箱入った段ボール箱などである。なお、元梱包装単位とは、原則として開封されていない状態で出荷されるものであり、販売包装単位が規定数量に満たないもの及び2種以上の販売包装単位を詰め合わせたものを除く。
(注5)数量は、元梱包装単位に含まれる販売包装単位の数量とする。
(注6)放射線遮へい用鉛容器に収納されている放射性医薬品に係る調剤包装単位への特定用符号表示は、放射線遮へい用鉛容器に行うこととする。
(注7)製剤見本への特定用符号表示は不要とするが、調剤包装単位への特定用符号表示を行う場合は、製品と同じ特定用符号を表示する。
(注8)医療用ガスにのうち、定置式超低温貯槽に納入された液体酸素及び液体窒素、可搬式超低温容器又は耐圧密封容器に充てんされた医療用ガスの特定用符号表示は、商品コードを除いて不要とする。なお、定置式超低温貯槽のように接近が難しいものについては、付近に設置された看板等に商品コードを記載することで差し支えない。
(注9)有効期限が製造販売承認書又は製造販売届書で定められていない医療用医薬品については、有効期限の表示を要しない。
2.容器等への特定用符号の記載の例外
法第68条の2の5に基づき記載する特定用符号のほか、その他の特定用符号について、以下のように取り扱う。
ア 容器等の面積が狭く特定用符号の記載が困難な医薬品
当該製品に特定用符号を記載した文書を添付する。(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「薬機則」という。)第228条の10の10第1項第1号)
イ 輸出用医薬品
容器等への特定用符号の記載を不要とする。(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)第74条第2項)
ウ 緊急承認又は特例承認を受けた医薬品
特定用符号を記載することにより流通の確保に支障が及ぶおそれがある場合等やむを得ず特定用符号を表示できない場合は、その容器等への表示を要しない。(薬機則第228条の10の10第2項)
なお、記載が可能になり次第速やかに対応すること。
エ 要指導医薬品、一般用医薬品、薬局製造販売医薬品
消費者が直接購入するものであり、本措置の対象外である。(薬機則第228条の10の10第3項第1号)
オ 医療の用に供するガス類(高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第60条の帳簿により管理される容器に充填されたものに限る。)
高圧ガス保安法により、高圧ガスの容器にはすでにトレーサビリティを確保する仕組み(充填容器の授受先、授受年月日等の情報を帳簿に記録し管理する仕組み)が存在するため、特定用符号の容器等への表示を不要とする。(薬機則第228条の10の10第3項第2号)
カ 製造専用医薬品
製造業者向けに販売される製品であり、特定用符号の容器等への表示を不要とする。(薬機則第228条の10の10第3項第4号)
3.商品コード
(1) 商品コードは、GS1の商品コード(GTIN:Global Trade Item Number)を使用する(より具体的には、調剤包装単位にはGTIN―13、販売包装単位と元梱包装単位にはGTIN―14を用いる)。バーコード表示する際は、調剤包装単位には先頭に「0」を付けた14桁のコードとして使用する。GTIN―14のインジケータ(先頭の数字)は、販売包装単位においては「1」、元梱包装単位においては「2」を使用する。
(2) GTINは、次のとおり付番する。
・GTINは個々の医薬品の包装単位の種類(注1)ごとに付すこと。ただし、元梱包装にあっては、販売包装と同一の商品アイテムコード(注2)とすること。また、調剤包装にあっては、販売包装と別の商品アイテムコードであること。
・GTINは販売を行う会社ごとに付番すること。ただし、医療用ガスについては、製造販売を行う会社ごとに付番すること。
・過去に使用したGTINは、当該GTINが付番された医薬品が販売中止された場合であっても、別の医薬品に再使用してはならないこと。
(注1)調剤包装では、10錠のPTPシートと21錠のPTPシートは別の種類として取り扱うものであること。
(注2)商品アイテムコードは、GTINのコード体系に含まれる商品の違いを示す数字である。
4.GTINの変更
GTINを変更する必要がある場合又は変更してはならない場合は、次の表のとおりとする。
調剤包装のGTIN |
販売包装のGTIN |
||
1 |
代替新規申請により、ブランド名は変更せず、剤形及び有効成分の含量(又は濃度等)に関する情報を付した販売名に変更した場合 |
× |
○ |
2 |
代替新規申請により、ブランド名を変更した場合 |
○ |
○ |
3 |
有効成分以外の成分又はその分量を変更した場合 |
× |
× |
4 |
製剤の色、形状又は大きさを変更した場合(原則、電子化された添付文書が改訂される場合であり、医薬品製造販売承認事項一部変更承認の場合) |
○ |
× |
5 |
調剤包装単位又は販売包装単位の表示内容、デザインを変更した場合 |
× |
× |
6 |
薬価基準において、銘柄別収載から統一名収載に移行した場合又は統一名収載から銘柄別収載へ移行した場合 |
× |
× |
7 |
販売を行う会社が社名を変更した場合 |
× |
× |
8 |
販売を行う会社を変更した場合(合併・吸収の場合を除く。) |
○ |
○ |
(注1)各記号の解釈は以下のとおり
○:GTINを変更する必要がある。×:GTINを変更してはならない。
(注2)個別の事情によっては、上記のGTIN変更の要否に該当しないケースもありうる。
例:
・添加物の変更により生物由来製品であったものがそうでなくなった場合
・製剤の色、外形、寸法、におい、味等が明らかに変更となった場合
(注3)製造販売業者の社名変更などにより、製品の販売名称(屋号など)の変更を行う場合は表中の2に該当する。
5.バーコードシンボル体系
包装単位及び表示するデータに応じ、次のバーコード又は二次元コードを用いる。
(1) 調剤包装
商品コードに加え製造番号又は製造記号及び有効期限を表示する場合は、GS1データバー限定型合成シンボルCC―Aを用いる。表示面積が小さい場合は、GS1データバー二層型合成シンボルCC―Aを用いることができる。
商品コードのみ表示する場合は、GS1データバー限定型を用いる。表示面積が小さい場合は、GS1データバー二層型を用いることができる。
(2) 販売包装
GS1データバー限定型合成シンボルCC―Aを用いる。表示面積が小さい場合は、GS1データバー二層型合成シンボルCC―Aを用いることができる。
(3) 元梱包装
GS1―128シンボルを用いる。
6.データ要素の表記順及びGS1アプリケーション識別子
データ要素の表記順及びGS1アプリケーション識別子は、日本産業規格X0531(情報技術―自動認識及びデータ取得技術―GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子並びにその管理)を踏まえ、次のとおりとする。
データ要素 |
表記順 |
GS1アプリケーション識別子 |
商品コード |
1 |
01 |
有効期限 |
2 |
17又は7003 |
数量 |
3 |
30 |
製造番号又は製造記号 |
4 |
10又は21 |
7.適用時期
令和4年12月1日以降に製造販売業者が出荷判定する製品より適用。
8.その他
(1) 特定用符号で表示される情報のうち医薬品を特定する商品コードについては、医療機関等において円滑に利用されるようその管理運用が一元的に行われることが望ましい。そのため、各製品の販売業者がこれら商品コードを一般財団法人医療情報システム開発センターに登録し、同センターが商品コードを管理し、そのデータを医療機関等に提供することとされていること。
(2) 調剤包装単位の包装形態によっては直接表示では読み取りが困難なものがあるため、そのようなものに対しては、特定用符号と販売名等を印刷したシールを1枚毎に剥離できるような複層ラベルとしたものを1調剤包装単位当たり1枚以上、二次容器又は販売包装単位の容器に貼付すること等でも差し支えないこと。
(3) PTPシート、坐剤コンテナ、点眼などのユニットドーズなどの連包状の内袋については1連に少なくとも1箇所の特定用符号表示を行うこと。
(4) 内袋(PTPシート、分包シート等)への特定用符号表示に際しては、エンドレスデザインレイアウトの場合は必ず枠囲みすること。