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○シタグリプチンリン酸塩水和物製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について
(令和4年9月1日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課通知)
今般、シタグリプチンリン酸塩水和物製剤の製造販売業者から、同製剤中においてニトロソアミン類に分類される化学物質(7‐Nitroso‐3‐(trifluoromethyl)‐5,6,7,8‐tetrahydro[1,2,4]triazolo‐[4,3‐a]pyrazine(以下「NTTP」という。))が検出された旨の報告がありました。
下記の事項について、ご了知いただきますようお願いいたします。
記
1.NTTPについて
NTTPは、シタグリプチンリン酸塩水和物製剤の原料又は製造工程中の分解産物がニトロソ化することにより生成すると考えられています。一般的に、ニトロソアミン類は発がん性を有する可能性がありますが、NTTPが発がん性を有するかは不明です。NTTP生成の詳細な原因については、現在、製造販売業者のほか、各国の当局が協力し、調査が進められているところです。なお、アメリカ食品医薬品局(FDA)においても、本件についての情報が発表されています。
2.シタグリプチンリン酸塩水和物製剤を服用している方等への対応について
同剤は2型糖尿病治療薬であり、FDAは、現時点で患者が医療の専門家に相談せずに服用を止めることは危険な可能性があるとして、無治療期間を防止するためにも臨床上適切な場合には同剤の使用継続を推奨しています。
一般的に、血糖降下薬については、服用の中止により様々な併発症のリスクを生じる可能性があります。そのため、医療機関等に対しては、患者自身の自己の判断のみにより服用を中止しないよう説明いただきたいこと、また、患者からシタグリプチンリン酸塩水和物製剤の服用の継続について照会等があり、他の薬剤への切り替え等の対応を希望される場合には、他の治療選択肢について医師又は薬剤師に相談していただくことについて周知方お願いいたします。なお、当該対応については、今後も最新の知見等に基づき、必要に応じて見直しを行うこととしています。
3.想定される健康被害のリスクについて
さらに、現在、製造販売業者が追加の非臨床試験の実施について検討するとともに安全性の評価を行っているところであり、結果がまとまり次第お知らせする予定です。
参考情報:
○本邦で販売されているシタグリプチンリン酸塩水和物製剤(令和4年9月1日現在)
・グラクティブ錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg、同錠100mg
・ジャヌビア錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg、同錠100mg
・スージャヌ配合錠
○FDAのホームページ
・FDA works to avoid shortage of sitagliptin following detection of nitrosamine impurity
(https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-works-avoid-shortage-sitagliptin-following-detection-nitrosamine-impurity)
以上