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○麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令及び麻薬及び向精神薬取締法施行令の一部を改正する政令等の公布について(通知)

(令和4年7月27日)

(薬生発0727第1号)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

(公印省略)

本日、麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令及び麻薬及び向精神薬取締法施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第255号。以下「改正政令」という。)及び麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第105号)が公布されましたので、貴職におかれましては、下記事項について御了知の上、関係各方面に対する周知の徹底と適切な指導をお願い申し上げます。

第1 改正の趣旨

今般、国際連合事務総長より、千九百六十一年の麻薬に関する単一条約(昭和39年条約第22号)第3条第7項の規定に基づき、2物質を附表Ⅰに、向精神薬に関する条約(平成2年条約第7号)第2条第7項の規定に基づき、1物質を付表Ⅱに、また、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(平成4年条約第6号)第12条第6項の規定に基づき、3物質を付表Ⅰに、それぞれ追加することが決定された旨の通告があった。

このため、わが国でも、国内法令(麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令(平成2年政令第238号。以下「麻薬等指定政令」という。)、麻薬及び向精神薬取締法施行令(昭和28年政令第57号。以下「施行令」という。)及び麻薬及び向精神薬取締法施行規則(昭和28年厚生省令第14号。以下「施行規則」という。))を改正し、これらの物質を麻薬又は特定麻薬向精神薬原料として規制するため必要な措置をとるものであること。

第2 改正の内容

1 麻薬等指定政令の一部改正

(1) 次の3物質を新たに麻薬に指定した。

① 2―エチルアミノ―1―(3,4―メチレンジオキシフェニル)ブタン―1―オン及びその塩類

② 1―(ジエチルアミノ)エチル―2―(4―メトキシベンジル)―5―ニトロベンズイミダゾール及びその塩類

③ 1―{1―[1―(4―ブロモフェニル)エチル]ピペリジン―4―イル}―1,3―ジヒドロ―2H―ベンゾ[d]イミダゾール―2―オン及びその塩類

※ ①:向精神薬に関する条約の付表Ⅱに追加

②③:千九百六十一年の麻薬に関する単一条約の附表Ⅰに追加

(2) 次の3物質を新たに麻薬向精神薬原料に指定した。

① 4―アニリノピペリジン及びその塩類

② 1,1―ジメチルエチル=4―アニリノピペリジン―1―カルボキシラート及びその塩類

③ N―フェニル―N―(ピペリジン―4―イル)プロパンアミド及びその塩類

※ 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の付表Ⅰに追加

2 施行令の一部改正

1(2)の3物質を特定麻薬向精神薬原料に指定した。

3 施行規則の一部改正

今回、麻薬向精神薬原料に指定した3物質のうち、一定濃度以下のものについては、麻薬向精神薬原料に関する規制の適用を除外することとし、これらの物質として50%を超えて含有する物について、別表第三に追加指定した。

① 4―アニリノピペリジンとして50%を超えて含有する物

② 1,1―ジメチルエチル=4―アニリノピペリジン―1―カルボキシラートとして50%を超えて含有する物

③ N―フェニル―N―(ピペリジン―4―イル)プロパンアミドとして50%を超えて含有する物

4 施行期日

公布の日(令和4年7月27日)から起算して30日を経過した日(令和4年8月26日)から施行する。

第3 留意事項

1 麻薬関係

(1) 医薬品製造業者、研究者又はその他の者が業務又は研究のため、今般麻薬に指定される物質(以下「麻薬指定物質」という。)を継続して取り扱う場合には、改正政令の施行日以降、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号。以下「法」という。)による規制を受けることから、施行日までにあらかじめ麻薬研究者等の免許取得等必要な手続を行わせるとともに、記録、保管、届出等の規制事項について指導し、管理不備に起因する事故が発生しないよう指導されたい。

(2) 既に麻薬研究者等の免許を取得している者が、麻薬指定物質を取り扱う場合についても、(1)と同様に記録、保管、届出等の規制事項について指導し、管理不備に起因する事故が発生しないよう指導されたい。

(3) (1)及び(2)について、法第49条等の規定に基づく麻薬研究者等の届出書に記載する麻薬指定物質の期初在庫数量については、施行日現在の在庫数量を記載するよう指導されたい。

(4) 医薬品製造業者、研究者又はその他の者が所有している麻薬指定物質のうち、今後必要としないものについては、改正政令の施行日までに廃棄するよう指導されたい。なお、麻薬指定物質を廃棄するときは、焼却等の当該物質を回収することが困難となるような方法で行うよう指導されたい。

(5) 改正政令の施行日以降に麻薬指定物質を発見した場合は、所定の調査を行い、状況に応じた措置をとられたい。

2 特定麻薬向精神薬原料関係

(1) 麻薬等原料製造業者、麻薬等原料卸小売業者又はその他の業者が業務のため、今般新たに指定された特定麻薬向精神薬原料3物質(以下「特定麻薬向精神薬原料指定物質」という。)を継続して取り扱う場合には、施行日以降、特定麻薬等原料製造業者及び特定麻薬等原料卸小売業者(以下「特定麻薬等原料製造業者等」という。)としての規制の適用を受けることとなるので、施行日以降であって取り扱うこととなる日までにあらかじめ(施行日と取り扱うこととなる日が同日の場合は施行日に)特定麻薬等原料製造業者等の届出等必要な手続きを行わせるとともに、記録、保管、届出等を行うことについて指導されたい。

(2) 麻薬等原料輸入業者及び麻薬等原料輸出業者のうち、

ア 現に、特定麻薬向精神薬原料物質を取り扱う者に対しては、施行日以降、特定麻薬向精神薬原料指定物質を取り扱うようになる場合には、他の特定麻薬向精神薬原料と同様、記録、保管、届出等を行うことについて指導されたい。

イ 新たに特定麻薬向精神薬原料を取り扱うこととなる者に対しては、施行日以降、特定麻薬向精神薬原料指定物質を輸入(輸出)する場合には、輸入(輸出)の都度、地方厚生(支)局麻薬取締部を経由し、厚生労働大臣へ事前の届出を行うこと等について指導されたい。

(3) 現に、特定麻薬向精神薬原料を取り扱う特定麻薬等原料製造業者等に対しては、施行日以降、特定麻薬向精神薬原料指定物質を取り扱う場合には、他の特定麻薬向精神薬原料と同様に、記録、保管、届出等を行うことについて指導されたい。

第4 物質の構造式等

別添のとおり

第5 その他

1 指定薬物としての指定解除について

麻薬指定物質は、現在、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第15項に規定する指定薬物として指定されているが、今般の改正政令の施行により、麻薬として指定され、指定薬物ではなくなる。

これに伴い、本日、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第十五項に規定する指定薬物及び同法第七十六条の四に規定する医療等の用途を定める省令の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第106号)が公布されているので、併せて御了知いただきたい。

2 「輸入及び輸出の届出を要しない麻薬向精神薬原料の量」等について

特定麻薬向精神薬原料指定物質については、輸出入及び事故の際には、その量にかかわらず届出が必要であるため注意されたい。

別添

1 麻薬

(1) 化学名:2―エチルアミノ―1―(3,4―メチレンジオキシフェニル)ブタン―1―オン

通称:Eutylone、bk―EBDB

構造:

(2) 化学名:1―(ジエチルアミノ)エチル―2―(4―メトキシベンジル)―5―ニトロベンズイミダゾール

通称:Metonitazene

構造:

(3) 化学名:1―{1―[1―(4―ブロモフェニル)エチル]ピペリジン―4―イル}―1,3―ジヒドロ―2H―ベンゾ[d]イミダゾール―2―オン

通称:Brorphine

構造:

2 特定麻薬向精神薬原料

(1) 化学名:4―アニリノピペリジン

通称:4―AP

構造:

(2) 化学名:1,1―ジメチルエチル=4―アニリノピペリジン―1―カルボキシラート

通称:t―BOC―4―AP

構造:

(3) 化学名:N―フェニル―N―(ピペリジン―4―イル)プロパンアミド

通称:Norfentanyl

構造:

以上