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[答]設問の①の場合には、「他の製造業者」の製造所において、移転された工程に関してプロセスバリデーションを行うこと。設問の②の場合には、原則として変更時のバリデーションを行う必要はないが、GMP組織体制等も考慮すること。

GMP13―84(バリデーション(その他))

[問]無菌製剤に係る製品に関するバリデーションは、具体的にはどのような内容について実施すればよいか。

[答]注射剤、点眼剤、眼軟膏剤、注射用水(製剤に限る)の無菌製剤に係る製品の製造工程については無菌性及び非発熱性の確保が重要であり、「第十七改正日本薬局方第二追補の制定により削除された参考情報の取扱いについて」(令和元年6月28日医薬品審査管理課/監視指導・麻薬対策課事務連絡)及びPIC/SのGMPガイドライン等、各種指針を参照し、適切に実施すること。

GMP13―85(バリデーション(その他))

[問]包装表示工程についてもプロセスバリデーションを行うべきか。

[答]一般的には、包装工程(一次包装を除く。)及び表示工程については、有効期限やロット番号の印字、添付文書の封入等に関して適格性が別途確認されれば、必ずしもプロセスバリデーションを行う必要はない。

GMP13―86(バリデーション(その他))

[問]企業の合併等により製造販売承認(届出)書の製造方法欄に記載された製造業者等の名称のみ変更があった場合、変更後の製造業者等の製造所の重要工程についてあらためてプロセスバリデーションを実施する必要があるか。

[答]設問のようにGMP体制の変更がなく文書及び記録が承継された場合には、名称変更前の製造業者等によりプロセスリデーションが実施され、恒常性が担保されていれば、構造設備並びに手順、工程その他製造管理及び品質管理の方法に変更がない限り、あらためてプロセスバリデーションを行う必要はない。

GMP13―87(バリデーション(その他))

[問]既に製造販売承認を受けて製造販売している医薬品に、新たに現状と異なる名称をつけて製造販売しようとする場合、新たな名称の医薬品に係る製品の重要工程についてプロセスバリデーションを実施する必要があるか。

[答]製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法に変更がない限り、「既に製造販売承認を受けて製造販売している医薬品」に係る製品についてプロセスバリデーションが既に実施されていれば、「新たな名称の医薬品」に係る製品についてあらためてプロセスバリデーションを行う必要はない。ただし、錠剤への刻印や形状等の変更が生じる場合は、当該工程以降についてあらためてプロセスバリデーションを行う必要がある。

GMP13―88(バリデーション(その他))

[問]バリデーションの実施を他社に依頼することは可能か。

[答]製造業者等及びそのバリデーションの責任者の責任のもとに、「他社」に依頼する業務の範囲を明確にし、バリデーションマスタープランに一般的事項を、かつ個別のバリデーションごとに作成するバリデーション計画書において具体的事項を規定した上で、分析、統計処理等バリデーションの実務を一部「他社」に委託しても差し支えない。

GMP13―89(バリデーション(その他))

[問]プロセスバリデーションを実施したロット以外に、バリデーションの目的でそれと同等の製造条件で製造した製品を、製造販売承認後にこれらの製品が承認書記載の製造方法どおりに製造されていることの確認、規格に適合していることの確認を行う等、市場への製造所からの出荷の可否判定を適切に実施した上で、市場へ出荷することは認められるか。

[答]プロセスバリデーションを実施したロット以外に、性能適格性評価(PQ)で製造したロットについても、出荷することが認められる場合がある。この場合には、設問の条件以外に、プロセスバリデーションを実施したロットと同様に製造条件が確定されたものであり、あらかじめバリデーション計画書に出荷のための基準が設定され、検証結果としてそれを満たすことが確認されれば出荷は認められる。

GMP13―90(バリデーション(その他))

[問]医薬品の安定供給に対するリスク低減等を目的として、原薬たる医薬品につき複数の製造元を準備して承認を受けようとする場合、製剤を製造する製造所の承認前GMP適合性調査の対象とされるプロセスバリデーションは、複数の製造元すべての原薬たる医薬品を用いて実施しておく必要があるか。

[答]承認時において供給する予定がない製造元の原薬について、例えば、結晶多形の存在、溶媒の違い等、製造方法の違い等を踏まえ、製剤の同等性や、製剤化の製法・規格等に及ぼす影響を、ラボスケールでの検証、PQ等により確認している場合等においては、調査時点においてプロセスバリデーションを要しない。

第14条(変更の管理)関係

変更管理

GMP14―1(変更の管理)

[問]製造所において製造場所、製造方法等の変更を行う場合、製造業者等として製造販売業者への連絡は必要か。

[答]製造販売業者との取決め等に基づき、改正省令公布通知第3の22(1)②のとおり製品品質若しくは承認事項に影響を及ぼす又はそのおそれがある場合には、製造販売業者への事前連絡が必要である。なお、取決めには、上記を考慮した判断基準を含めることが望ましい。

また、MF登録を受けている外国の原薬等製造業者についても上記同様であるが、製造販売業者との取決め等に基づき、MF国内管理人等を通して製造販売業者への事前連絡をする事も可能である。この場合、変更連絡が遅滞なく行われるよう留意すること。詳細は、GQP省令及び関係通知等も参照すること。

GMP14―2(変更の管理)

[問]変更管理において、承認事項への影響に関して留意すべき事項は何か。

[答]例えば以下の事例があげられる。

1.製造業者等は最新の承認事項を入手し、当該変更が承認事項に影響を及ぼすおそれがあるか確認すること。MF登録を受けている国内製造業者も、自社のMF登録の最新版を参照し、当該変更の影響を確認すること。MF登録を受けている外国の原薬等製造業者は同様にMF国内管理人等より最新の登録事項を入手し、当該変更の影響を確認すること。(MF登録を受けている場合の承認事項の取扱いは、GMP3の2―1を参照のこと。)

2.承認事項への影響は、品質保証部門に係る業務を担当する組織が評価すること。

GMP14―3(変更の管理)

[問]変更管理において、製造販売業者への連絡及び確認に関して留意すべき事項について示してほしい。

[答]例えば以下の事例があげられる。

1.製造販売業者との取決め等に、製造販売業者に連絡及び確認すべき事項、ならびにその方法及び責任者等を定めること。

2.製品品質及び当該変更が承認事項に影響を及ぼすおそれがある変更については、適切に製造販売業者に連絡及び確認できるように、その判断基準を製造販売業者との取決め等に定めること。

3.製造販売業者への連絡及び確認が適切に実施できるように、1.及び2.について必要に応じて見直すことも取決めること。

なお、取決めに基づく製造業者等からの製造販売業者への上記に関する報告は適時行うことが重要である。

GMP14―4(変更の管理)

[問]変更管理に関し留意すべき事項について示してほしい。

[答]変更管理に関し一般的に留意すべき事項としては、例えば以下の事項が挙げられる。

1.GMPに関連するすべての変更は、適切な部門が起案を行い、品質保証に係る業務を担当する組織による承認を受けること。

2.GMP省令第8条第1項第10号の第14条の変更の管理に関する手順には、次の事項を含めること。

(1) GMP省令第14条第1項第1号の製品品質への影響評価においては、再バリデーションを行う必要性、変更を正当化するために必要な追加試験検査の必要性等の評価を含むこと。

(2) 変更後の製品品質の評価方法及び評価基準を変更の前にあらかじめ定めること。

(3) 変更に関連する文書の改廃及び職員の教育訓練の方法を変更の前にあらかじめ定め、かつ当該文書改廃及び教育訓練を確実に実施すること。

(4) GMP省令第14条第1項第4号のその他所要の措置として、規格及び試験検査方法、有効期間若しくは使用期限又はリテスト日及び表示を改める必要性の有無について、変更の前にあらかじめ決定しておくこと。

(5) 承認事項への影響を評価すること。

3.変更の実施後、GMP省令第14条第2項第1号の評価については、変更の下で製造又は試験検査を行った最初のロットから、複数のロットを対象とすること。

また、変更管理の手順と実務を明確にするため、実効性のある医薬品品質システムの構築に関して、以下の資料も参考となるものであること。

・How to Evaluate and Demonstrate the Effectiveness of a Pharmaceutical Quality System in relation to Risk‐based Change Management, PI 054‐1, PIC/S

GMP14―5(変更の管理)

[問]GMP省令第14条第1項第5号において、「前各号の業務の実施状況を品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者に対して文書により報告すること」とあるが、製造管理者にも品質保証に係る業務を担当する組織と同様に変更管理実施の都度、報告は必要か。

[答]品質保証に係る業務を担当する組織は個々の業務の実施状況をタイムリーに把握する必要がある。一方、製造管理者については、GMP省令第5条に規定する業務に支障がない限りにおいて、変更管理案件の実施状況を必ずしもその都度報告を受ける必要はない。例えば、製品品質若しくは承認事項に影響を及ぼす又はそのおそれの程度を考慮して、製造管理者に対し、その都度報告すべき変更管理案件と定期的に報告すべき変更管理案件の基準をあらかじめ、手順書等に規定し、それに従い製造管理者に適切なタイミングで報告することが考えられる。

第15条(逸脱の管理)関係

逸脱管理

GMP15―1(逸脱の管理)

[問]GMP省令第15条第1項に「製造手順等からの逸脱が生じた場合」とあるが、「逸脱」の概念をどのように考えたらよいのか。

[答]改正省令公布通知第3の23(1)①においては、「医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書に定められている事項に限らず、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される状態が保たれていない場合」を逸脱としている。

GMP15―2(逸脱の管理)

[問]GMP省令第15条第1項第1号に、「逸脱したことによる影響を調査し、」とあるが、この影響の調査にはどのような事項が含まれるか。

[答]ここでいう調査は製品品質への影響を特定することを目的としたものであるが、その際に重要なのは、影響の重大性並びに影響が及ぶ品目及びその数量を明確にすることである。逸脱の原因次第では、逸脱が発生した製造ロットのみならず、過去に製造した同一品目のロットないしは他品目の製造ロットにも影響が及ぶ可能性がある。また、影響が確認された又は否定できないと判断されたロットについては、当該ロットの不具合を取りのぞく措置又は出荷若しくは使用を取りやめる等の措置が必要となる。なお、製品品質への影響を正確に把握するためには、逸脱の原因の特定が必要となると考えられる。

GMP15―3(逸脱の管理)

[問]GMP省令第15条第1項第2号ロに、重大な逸脱が生じた場合においては、当該逸脱に関連する製品に係る製造販売業者に対して速やかに連絡するとされているが、その際に留意すべき事項は何か。

[答]「重大な逸脱が生じた場合」とは、GMP省令第15条第1項1号の調査の結果から重大と判断された場合を指す。「当該逸脱に関連する製品」とは、調査において当該逸脱の影響範囲として特定された製品ロットのことを指しており、速やかに影響範囲を特定した上で、当該製品ロットに関連する製造販売業者に対して、連絡することを求めている。

なお、ユーティリティー、倉庫等、共通の設備及び施設で発生した逸脱についても、関連する製造販売業者にそれぞれの取決めに基づいて連絡すること。

GMP15―4(逸脱の管理)

[問]製造手順等からの逸脱が生じた場合、全ての逸脱についてCAPAを実施する必要があるか。

[答]GMP省令第15条第1項第2号ハのとおり、重大な逸脱が生じた場合は、所要のCAPAをとること。それ以外の逸脱についても、影響調査の結果を踏まえCAPAを検討することが望ましい。いずれの場合においてもCAPAの実施後その有効性を評価すること。なお、CAPA実施の有無に係わりなく、生じた逸脱については、その影響調査結果を、GMP省令第15条第1項第1号により、品質保証に係る業務を担当する組織に対して文書により報告する必要がある。

第16条(品質情報・品質不良等の処理)関係

品質情報等

GMP16―1(品質情報等)

[問]GMP省令第16条第1項の「品質等に関する情報(以下「品質情報」という。)」とは、具体的に何を指すか。

[答]品質情報は、製造販売業者、使用者、医療機関、原材料等の供給者、他の製造業者及び海外における関連情報(当該製品や類似製品、製造プロセス等に係る海外規制当局や学会からの情報や当該製造業者が、海外の原薬たる医薬品に係る製品製造業者や製剤製造業者に対して当該品質情報に関する調査を依頼し、原因究明やCAPA等の結果の報告が得られた等の情報)等製造業者等で入手した品質等に関する情報であり、関連する情報は適切に入手できるようなシステムを確立すること。

GMP16―2(品質情報等)

[問]製剤に係る製品の輸出先業者から当該製品に係る品質等に関する情報を得て、自主回収に着手することとした場合、回収の報告は必要か。

[答]法第68条の11及び施行規則第228条の22の規定に従い報告すること。

GMP16―3(品質情報等)

[問]品質不良又はそのおそれが判明した場合、製造業許可権者への報告の義務はあるか。

[答]品質情報の内容によって判断する。品質情報は、有効性及び安全性にも密接に関係する場合もあり、製造販売業者は、GQP省令又は、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成16年9月22日厚生労働省令第135号)(GVP省令)の規定に基づき適切な対応を行った上で、法第68条の10(副作用等の報告)に該当する場合には厚生労働大臣に、また法第68条の11(回収の報告)に該当する場合には厚生労働大臣又は都道府県知事(施行規則第228条の22)に報告しなければならない。

品質情報の処理

GMP16―4(品質情報の処理)

[問]改正省令公布通知第3の24(1)において、「製品に係る品質情報として、製品の製造に使用した原料等の品質に関する情報も含まれるものであること」とされているが、原料等製造時の不備に関する品質情報は、「逸脱の管理」の範疇で処理することでもよいか。

[答]差し支えない。

GMP16―5(品質情報の処理)

[問]改正省令公布通知第3の24(1)②において、「当該品質情報に係る事項がその製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その原因を究明し、製造・品質関連業務に関し改善が必要な場合には、所要の是正措置及び予防措置をとらなければならないものであること。」とあるが、原因がその製造所が使用する原料の供給業者にある場合どのような対応が必要か。

[答]必要な場合には、原料等の供給者等に対して原因究明及び改善等所要の指示を行うとともに、その結果を確認する必要がある。

GMP16―6(品質情報の処理)

[問])GMP省令第16条第1項第3号の「是正措置及び予防措置」の記録について、改正省令公布通知第3の24(1)③イに「是正措置及び予防措置の記録については、当該措置の進捗スケジュールに沿って漸次に作成し」とあるが、輸送容器の汚れ、ユーザー使用ミスによる破損等、当該製造所に起因するものでない事項ではあるものの当該製造業者等が何らかの措置をとった場合には、当該措置の状況を記録に記載すべきか。

[答]GMP省令第16条第1項第2号に明記されているとおり、当該製造所に起因するものでないことが明らかな品質情報に係る事項である場合には、当該製造業者等として当該品質情報に係るCAPAを記載した記録を作成する必要はない。ただし、当該製造所が製造管理又は品質管理に必要と判断した結果実施した措置については、記録すること。

GMP16―7(品質情報の処理)

[問]得られた品質情報に係る事項のうち、記録を作成すべき事項の範囲について示してほしい。例えば、市場から悪感発熱、湿しん等を生じたといった情報を得て、製造所において品質に係る試験検査を行ったところ異常がなかった事例等、結果的に製造所に起因するものでないことが明らかになった品質情報に係る事項については、GMP省令第16条でいう品質情報の内容、原因究明の結果及びCAPAの記録の作成の対象外と考えてよいか。

[答]製造所に起因しないことが明らかになったことを記録すること。なお、例えば、通常の試験検査の精度では検出しえない品質上の問題が原因である可能性もあり得ることから、特定ロットについての品質情報が集中していないか等、製造販売業者の品質保証部門とも連携を図り、原因究明を行っておくことは非常に重要である。また、設問の事例のように品質に係る試験検査を実施して原因を究明した場合には、原因究明の結果を記載した記録を作成し保管すること。

GMP16―8(品質情報の処理)

[問]GMP省令第16条第2項に、「製造業者等は、前項第三号の確認により品質不良又はそのおそれが判明した場合には、品質保証に係る業務を担当する組織に、手順書等に基づき、当該事項を製造管理者に対して文書により報告させなければならない。また、当該品質情報に関連する製品に係る製造販売業者に対する速やかな連絡、製品回収の判断に必要な情報の提供等、所要の措置をとるとともに、当該措置に係る記録を作成し、これを保管しなければならない。」とあるが、どのような場合がこれに該当するか。

[答]例えば、以下のような場合が報告対象として考えられるが、その他にも対応が必要となるケースがあると考えられるため、製造販売業者との取り決め等により、適切に把握しておくこと。

・製造販売業者からの品質情報に関し、原因究明の結果、自らの製造所に起因する場合。

・原料等の供給者からの情報を入手した場合。

・当該製品や類似製品、製造プロセス等に係る情報(国内外規制当局、学会等からの情報)を入手した場合。

・法令、関連通知の発出、改正等による必要な情報を入手した場合。

第17条(回収等の処理)関係

回収の範囲

GMP17―1(回収の範囲)

[問]品質情報に関連した返品は、回収に相当するか。

[答]「品質情報に関連した返品」の内容が明らかでないが、品質情報の申出者が品質情報を提供する際にその情報の根拠等のために製品の送付を受けること自体は必ずしもGMP省令第17条にいう「回収」には該当しない。

回収等の処理

GMP17―2(回収等の処理)

[問]GMP省令第17条(回収等の処理)の製造業者等があらかじめ指定した者が行う回収処理に係る業務と、GQP省令第12条(回収処理)の品質保証責任者が行う業務との違いは何か。

[答]製造業者等によりあらかじめ指定された者は、当該製造所に回収品を保管する場合の管理について手順書に基づき業務を行う。品質保証責任者は、回収に係る保管、処理等に関する製造業者等への指示等を行う。

不適とされた製品及び資材保管

GMP17―3(不適とされた製品及び資材保管)

[問]GMP省令第17条第2項に「前項の規定を準用」とされ、使用又は出荷に不適とされた、原料、資材及び製品は区分して保管する必要があるが、別室に保管しなければならないのか。

[答]別室が望ましい。ただし、教育訓練の計画的実施等必要な措置をとり、混同並びに汚染及び交叉汚染の防止上問題がなければ、少なくとも、物理的な分離がされ、包装単位での表示、線引き、ついたて等により明確に区分した、同一の部屋の別の場所を「不合格品置き場」等と明示し、そこに不合格品を保管しても差し支えない。

第18条(自己点検)関係

自己点検

GMP18―1(自己点検)

[問]GMP省令第18条の自己点検は、これを行おうとする製造業者等と、その製品に係る品目を製造販売する製造販売業者とが同一法人である場合、当該製造販売業者がGQP省令第10条の規定に基づき実施した製造所のGMPの定期確認をもって、当該製造業者等としての自己点検を実施したものとしてよいか。

[答]当該製造業者等としての自己点検の手順書に定めた内容を満たしていれば、同一法人たる製造販売業者が実施したGMP定期確認をもって、当該製造業者等としての責任において内容を照査、承認した上で、GMP省令第18条の自己点検に代えることとしても差し支えない。

GMP18―2(自己点検)

[問]GMP省令第18条第1項の「あらかじめ指定した者」については、改正省令公布通知第26の(1)において、「自己点検の対象となる業務に従事していない、客観的立場にあることが求められる」とされているが、やむを得ない場合、同一部門の者でその業務に関わっている者としてもよいか。

[答]GMP省令第18条第1項の「あらかじめ指定した者」については、改正省令公布通知第3の26の(1)において、「自己点検の対象となる業務の内容を熟知している職員を当該自己点検の責任者としてあらかじめ指定」とされていることに関係し、自己点検の対象となる業務の内容を熟知している者が同一部門の者以外にはいない等やむを得ない場合に限り、同一部門の者としても差し支えない。ただし、その場合であっても、改正省令公布通知公第26の(1)のとおり、自らが当該自己点検の対象となる業務に従事していない者とし、当該職員の適格性等をあらかじめ評価しておくこと。

また、自己点検を行う職員も、自らが従事している業務に係る自己点検を担当しないことが望ましいが、「あらかじめ指定した者」と同様に取り扱うことは差し支えない。

GMP18―3(自己点検)

[問]自己点検を定期的に行う場合、毎回、改正省令公布通知第3の26(1)①に定められた事項すべてについて行い、記録を残す必要があるか。

[答]必ずしも、毎回、改正省令公布通知第3の26(1)①のすべての事項について自己点検を行う必要はない。数回に分けて実施する場合には、定められた期間に、定められた事項をすべて行うようにあらかじめ実施計画を立てた上で実施し、その記録を残すこと。なお、製造管理者及び品質保証に係る業務を担当する組織は、自己点検が行われていることを確認し、自己点検の結果は、GMP省令第6条第4項の製造所の職員の責務及び管理体制において、製造業者等や製造所に関し管理監督を行う立場の職員等に報告し、その注意を喚起すること。

GMP18―4(自己点検)

[問]改正省令公布通知第3の26(1)でいう「自己点検に係る業務の一部を外部委託業者に委託する場合には、同令第11条の5の規定による適切な管理を要するものであること。」とはどのような場合が想定されるか、またその場合の留意事項は何か。

[答]例えば、外部の専門家への委託が想定される。委託する場合であっても、自己点検の主体は製造業者等であることから、製造業者等は、自己点検の目的を踏まえ、外部委託業者の適格性を評価したうえで委託し、その結果を自ら判断する必要がある。

第19条(教育訓練)関係

教育訓練

GMP19―1(教育訓練)

[問]教育訓練の時間については、作業の内容により一概には決められないと考えるが、最低何時間行えばよいか。

[答]製造する製品の種類、作業の内容等により教育訓練の内容は大きく異なりうることから、一概に決められるものではない。製造業者等において、実効性を評価した上で内容、時間、時期(作業等の変更を予定している場合には、当該変更の実施前までに十分な時間的余裕をもって行うこと。)等を定め、計画的に実施すること。

GMP19―2(教育訓練)

[問]GMP省令第19条第1号における「職員」には、メンテナンス等を担当する職員についても該当するとのことであるが、社外の工事(装置)業者の作業員も含まれるのか。

[答]製品の品質に影響を及ぼしうる作業に従事する者の場合には教育訓練を行い、実施記録を5年間保管する必要がある。

GMP19―3(教育訓練)

[問]改正省令公布通知第3の27(1)②ア「GMP概論」、イ「衛生管理概論」とは具体的にどのようなことを意味するのか。

[答]「GMP概論」とは、関係法令を含め、GMP省令の目的、考え方等の概要をいい、「衛生管理概論」とは、GMP省令に規定する衛生管理の目的、考え方等の概要をいう。

GMP19―4(教育訓練)

[問]GMP省令第19条第3号の教育訓練の実施の記録の中に教材を一緒に保存しておく必要があるか。

[答]必ずしも必要ない。教育訓練に使用した教材を確認することができるように保存しておくことで差し支えない。

GMP19―5(教育訓練)

[問]GMP省令第19条第4号に「教育訓練の実効性を定期的に評価し」とあるが、この「定期的」とはどのくらいの頻度と考えればよいか。また、「実効性を評価する」とは具体的にどのような対応をすればよいか。

[答]教育訓練の実施頻度については、例えば、実地訓練は製造する製品の種類、使用する構造設備等によって大きく異なりうるので、製造業者等が実情に合わせ定めて差し支えない。また、「実効性の評価」とは、製造業者等として、教育訓練の内容が的確に実務に反映されていることを評価することをいう(例えば更衣手順の確認のための模擬操作等による評価等)。

GMP19―6(教育訓練)

[問]GMP省令第19条第4号に「教育訓練の実効性を定期的に評価し、必要に応じて改善を図る」とあるが、どのような評価により改善を図ればよいか。

[答]職員が担当業務や職責を理解し、遂行する能力を有しているか、現在の教育訓練システムが有効なものとなっているかを評価し、教育訓練資料の更新の必要性や実施頻度、手法等について改善措置を検討すること。

第20条(文書及び記録の管理)関係

文書等の管理

GMP20―1(文書等の管理)

[問]手順書等の作成、改訂等を行う上での注意事項を示してほしい。

[答]GMP省令に規定する手順書等の作成、改訂等に当たっては、製造業者等は、GMP省令第20条の規定に基づき、あらかじめ指定した者に手順書等に基づき、承認、配付、保管等を行わせるとともに、作成又は改訂の日付を当該手順書等に記載させ、かつそれ以前の改訂に係る履歴を保管させなければならない。また、最新の改訂状況を識別することができるようにしておくこと。

なお、改訂に係る履歴については、過去の改訂の日付、改訂事項等が少なくとも5年間(当該手順書等に係る製品の有効期間に1年を加算した期間が5年より長い場合には、その有効期間に1年を加算した期間)さかのぼって分かるようにしておくこと。また、手順書等の写しが存在する場合(正本との混同等を防止するために識別表示等の措置を講じること。)には、正本を訂正すると同時に写しの配布及び差替えを行う等、すべての写しが確実に訂正されるようにしておくこと。なお、文書を廃止するに当たっては、廃止された文書が意図に反して使用されることを防止すること。

GMP20―2(文書等の管理)

[問]製造記録及び試験検査記録の保管についてGMP省令第20条等において、定められた期間保管することとされているが、当該製造所の保管設備の収容能力に鑑み2年以上経過した記録に限り当該製造業者の本社に保管することとしてもよいか。

[答]GMP省令において定められた期間内においては、記録類は当該製造所において保管することを原則とするが、その記録が当該製造所において容易に利用することができ、当該製造所においての製造管理及び品質管理に支障を来さない場合には、設問のような方法によることとしても差し支えない。この場合、手順書等にあらかじめルールを明記しておくとともに、当該製品を製造した製造所の製造部門又は品質部門の指示及び責任の下において保管すること。また、GMP適合性調査等に当たって支障のないよう配慮すること。

GMP20―3(文書等の管理)

[問]製造管理又は品質管理に関する記録を磁気媒体等により保管する場合、元の手書きの記録は保存せずに、新たにコンピュータに記憶させて保管することは認められるか。

[答]「製造販売業者におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン」(平成22年10月21日薬食監麻発1021第11号)に従い適切に管理されたコンピュータ化システムで、「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針」(平成17年4月1日薬食発第0401022号別紙)(以下「ER/ES指針」という。)の要件を満たした条件で保管することとした場合においても、データインテグリティを確保する観点から元の「手書きの記録」も別途保管する必要がある。

GMP20―4(文書等の管理)

[問]最終結果を得るために使用した元となるデータ及び最終結果を得るに至った過程を含む記録である「生データ」にはどのようなものが該当するか事例を示してほしい。

[答]生データは、最終結果が正しく出されたことを検証することができるものであることが必要である。例えば、試験検査に係る生データとしては、次のものが挙げられる。

1.測定機器からプリント機能により出力されるデータ

2.記録計から出力されるチャート又は読み取った値を記録したもの

3.測定機器に表示される値を書き取ったもの

4.観察結果を書きとめたもの

5.チャートなどの波形データを電子的に記録したファイル

6.写真

7.上記のデータを使用し計算、換算等を行った際の過程を記録したもの等

なお、データインテグリティの観点から「生データ」は得られた時の状態で利用可能であるよう保存すること。

コンピュータの利用等

GMP20―5(コンピュータの利用等)

[問]GMP省令において規定される「文書により指示」には、コンピュータ化システム等を利用した電子的な媒体による指示が含まれるか。

[答]その理解でよい。なお、電子的な媒体による指示の内容は正確に保管されるものでなければならず、紙媒体による指示と同様、GMP省令が定める期間保存されなければならない。「文書により定め」、「文書により報告」、及び「文書を作成」等も同様である。

GMP20―6(コンピュータの利用等)

[問]試験検査の記録をコンピュータにより作成し紙媒体に印刷したものに捺印して保管しているが、この場合もER/ES指針の適用を受けるか。

[答]GMP省令により保管が義務づけられている文書の正本として、生データを転記して試験結果の一覧表等を紙媒体で作成、保存した上で、併せて電磁的な記録を保存する場合には、可能な限り本指針に基づくことが望ましい。なお、本指針の適用の有無によらず、生データについても適切に管理を行うこと。一方、測定機器が生成したデータを電子的に転送して作成した記録及びコンピュータ内で2次加工や判定等を行った場合は、本指針の適用対象となる。

GMP20―7(コンピュータの利用等)

[問]GMP省令に規定する記録類をマイクロフィルム、マイクロフィッシュにより保管してもよいか。

[答]差し支えない。ただし、マイクロフィルム等の縮小技術を用いる場合には、必要な情報の取出し及びハードコピーの入手が容易に行えるようにしておくこと。

GMP20―8(コンピュータの利用等)

[問]GMP省令に規定する文書のうち、コンピュータ化システムにより保存、作成、交付等を行えるものがあるか。

[答]GMP省令に規定する文書で、電磁的記録による保存が認められるものは、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(平成16年法律第149号)第3条に基づく「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(平成17年3月25日厚生労働省令第44号。)(以下「e文書省令」という。)第3条に規定されているが、基本的にGMP省令に規定されたすべての文書、記録類においてコンピュータ化システムにより作成、保管、交付ができると考えてよい。

ただし、コンピュータ化システムによりこれらの文書類を作成、記録、交付する場合は、当該コンピュータ化システムが、ER/ES指針に規定された要件を備え、かつ「製造販売業者におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン」(平成22年10月21日薬食監麻発1021第11号)に基づき適切に管理されていることが求められる。なお、ここでいう交付とは、GMP省令でいう報告、指示及び配付について電子的な媒体を通して行うことを意味する。

GMP20―9(コンピュータの利用等)

[問]コンピュータにより製造指図書(原本の写し)を作成する場合、その内容を印刷したものに指図年月日の記入、指図者の署名又は記名押印が必要か

[答]

1.製造指図書の作成を書面により行う場合には、指図年月日については、機械的に印刷されたもので差し支えない。ただし、製造指図を行うこととされた者の署名又は記名押印(記名は印刷されたもので差し支えない。)が必要である。

2.製造指図書を書面での指図に代えて電磁的記録による指図とする場合には、製造部門の責任者は、e文書省令、ER/ES指針の規定を踏まえ、電子署名を行うこと。

GMP20―10(コンピュータの利用等)

[問]品質部門が、原料や資材に関する試験検査結果の判定結果の製造部門への報告書として、コンピュータから打ち出されたものを用いる場合、品質部門の署名又は記名押印は必要か。

[答]文書により報告を行う場合には、署名又は記名押印がなされていることが必要である。品質部門による試験検査結果の判定結果の製造部門への報告については、書面によるほか、コンピュータ上で電磁的方法により行うことも可能であるが、その場合には、ER/ES指針の規定を踏まえた電子署名が必要である。

GMP20―11(コンピュータの利用等)

[問]試験検査成績をインプットするとあらかじめ記憶されている規格と対比し、各項目が規格内の場合、自動的に合格とアウトプットされるシステムにより品質判定を行ってもよいか。

[答]「アウトプット」すること自体は差し支えないが、品質部門はあらためて試験検査の結果を検討して適否の判定を行う必要がある。

GMP20―12(コンピュータの利用等)

[問]製造所の製造管理及び品質管理に係るコンピュータ化システムの開発及び利用に際してバリデーションは必要か。また、その際に遵守すべき事項は何か。

[答]コンピュータ化システムを製造管理及び品質管理のために開発及び利用するのであれば、コンピュータ化システムバリデーション(CSV)は必要であるが、加えてそのシステムの開発から運用、廃棄まで適正に管理されることが必要である。コンピュータ化システムの管理に当たっては、「製造販売業者におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン」(平成22年10月21日薬食監麻発1021第11号)や、関連ガイドラインの最新版等によること。

GMP20―13(コンピュータの利用等)

[問]電子的な媒体の利用における、記録の入力、変更及び削除を行った場合は、どのように記録するのか。

[答]記録の入力、変更及び削除を行った場合の記録は、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI041における「Audit Trail」にあたるものであり、電磁的記録の真正性を担保するための記録類を指す。この考え方からは、すべての入力及び修正の記録を作成することが求められる。また、変更及び削除を行った場合にはその理由の記録も必要である。

第21条(原薬たる医薬品品質管理)関係

原薬たる医薬品の参考品保管

GMP21―1(原薬たる医薬品の参考品保管)

[問]GMP省令第21条の原薬たる医薬品の参考品の保管において、原薬たる医薬品の容器の材質と異なる別の容器に保管してもよいか。

[答]原薬たる医薬品の容器と同等又はよりよく保護する容器であれば差し支えない。

GMP21―2(原薬たる医薬品の参考品保管)

[問]当該製造業者等のA工場において原薬たる医薬品を製造し、全量を同一製造業者等のB工場に搬入し、B工場において製剤化を行う場合、原薬たる医薬品の参考品の保管場所はA工場又はB工場のいずれでもよいか。

[答]設問の場合には、「A工場」で保管することが原則である。ただし、「B工場」における参考品の保管及び利用に関するルール等(「A工場」の品質部門の責任においてその指示の下で保管すること。)を、手順書等にあらかじめ規定するとともに、GMP省令第11条の5に規定する取決めの締結等により、「A工場」においてのGMP適合性調査に当たって支障のないように配慮されている場合には、「B工場」で保管しても差し支えない。

GMP21―3(原薬たる医薬品の参考品保管)

[問]GMP省令第21条第1項第1号の「出荷が完了」とは何を意味するか。

[答]「原薬GMPのガイドラインに関するQ&Aについて」(平成28年3月8日監視指導・麻薬対策課事務連絡)には、以下の記述があるので参照のこと。

Q6.1

「[ICH Q7,6.13]に「これらの記録を、該当するロットの出荷が完全に終了した後少なくとも3年以上保存すること」とあるが、「出荷が完全に終了」とは、何を意味するか。」

A6.1

「リテスト日を設定している原薬について、[ICH Q7,6.13]は、製造、試験及び出荷に関連した記録を、その原薬ロットの「出荷が完全に終了した」後少なくとも3年以上保存することとしている。この「出荷が完全に終了」とは、1つの原薬ロットが当該原薬の製造業者等によってサプライチェーン上の次の者に全て出荷されることと理解されている。

また、代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者[ICH Q7,17]が扱う原薬の場合における「出荷が完全に終了」とは、受入れたその全ての原薬ロットが出荷されることをいう。」

ICH Q7の意図するところは、原薬が市場にあると考えられる期間は、何らかの問題や製品苦情の調査のために、記録を保存することである。ICH Q7が作成された当時許容されていた業界の慣行(industry practice)では、製造業者等が3年を越えてリテスト日を設定することは想定されていなかったが、ICH Q7のこの章で「少なくとも3年以上」と記載することで、より長い記録の保存期間もカバーすることになる。それにより、その原薬が市場で入手できる全期間にわたり記録が保存されるというGMPの基本的な原則や地域の要求に沿う形となっている。

該当する原薬が使用された製剤が市場で入手できると考えられる期間、その原薬の記録を保存しようと考慮することは、好ましい業界の慣行(good industry practice)である。

原薬たる医薬品のリテスト日

GMP21―4(原薬たる医薬品のリテスト日)

[問]リテスト日を超えた場合には、どのように対応すればよいか。

[答]定められた条件の下で保管されていた原薬たる医薬品のロットを、リテスト日を超えて製品の製造に使用する場合には、再度試験検査を行い、所定の規格に適合していることを確認し、速やかに使用すること。このような再確認は、原薬たる医薬品の一ロットについて初回以降においても合理的な根拠(安定性試験データ等)があり、それが手順書等にあらかじめ規定されているときは、複数回実施することとしても差し支えない。すなわち、使用された残りの原薬たる医薬品は、リテスト日以降においても、試験検査を行い、所定の規格に適合していることを再確認した場合には使用しうる。

GMP21―5(原薬たる医薬品のリテスト日)

[問]リテスト日を設定できる原薬たる医薬品とは、どのようなものか。

[答]定められた保存条件の下であれば、相当な期間その品質が確保されることが、安定性試験等の結果により保証されている原薬たる医薬品に適用することができる。物理的、化学的に不安定であることがあらかじめ知られている原薬たる医薬品については、リテスト日の設定の対象として考えず、従来どおり有効期間(使用期間)を設定する必要がある。

第21条の2(安定性モニタリング)関係

原薬たる医薬品の安定性モニタリング

GMP21の2―1(原薬たる医薬品の安定性モニタリング)

[問]原薬たる医薬品の安定性モニタリングはどのように行えばよいのか。

[答]原薬たる医薬品の安定性モニタリングは、原則として原薬たる医薬品の製造所において行う。具体的な実施方法等については、「原薬GMPのガイドライン」(平成13年11月2日医薬発第1200号)の11.5原薬の安定性モニタリングに詳細な説明がなされているので、これに準拠した方法で行うことが望ましい。原薬たる医薬品製造所が製剤製造所と同一であっても、原薬たる医薬品の安定性モニタリングは実施しなければならない。

GMP21の2―2(原薬たる医薬品の安定性モニタリング)

[問]GMP省令第21条の2第1項第1号おいて、必要量の検体を採取するとあるが、採取した検体を入れる容器は、製品とは異なる材質の容器でよいか。

[答]製品の容器と同じ材質のものであることが原則である。ただし、容器の材質が異なることによる当該製品に及ぼす影響が同等であることを確認し、手順書等にあらかじめその旨を明記している場合にはこの限りでない。

GMP21の2―3(原薬たる医薬品の安定性モニタリング)

[問]GMP省令第21条の2第1項第2号でいう、規格のうち保存により影響を受けやすい及び適合しない場合に当該製品の有効性又は安全性に影響を与えると考えられる項目とは何か。

[答]研究開発段階で実施された設計、試作検討や安定性試験等から得られた知見をもとに、温度、湿度等の影響を受けやすい項目を選定すること。なお、重金属、ヒ素など明らかに経時変化がないと考えられる項目については省略しても差し支えない。

GMP21の2―4(原薬たる医薬品の安定性モニタリング)

[問]GMP21の2―4(原薬たる医薬品安定性モニタリング)生薬及び漢方生薬製剤の原薬たる医薬品のうち、「刻み生薬」及び「粉末生薬」は安定性モニタリングの対象となるか。

[答]生薬の特性から、「刻み生薬」及び「粉末生薬」の原薬たる医薬品は、安定性モニタリングの対象ではない。なお、生薬エキス及び配合エキスは該当する。

GMP21の2―5(原薬たる医薬品の安定性モニタリング)

[問]GMP省令第21条の2第1項第4号に「前号の試験検査の結果に基づき、当該医薬品の品質への影響を評価すること。」とあるが、この評価は、品質部門の試験検査に係る業務を担当する組織と品質保証に係る業務を担当する組織のどちらが行うのがよいか。

[答]GMP省令第21条の2第1項第4号の評価については、GMP11の2―12(安定性モニタリング)と同様に、客観的な評価が必要であることから品質部門のうち、品質保証に係る業務を担当する組織が評価を行うことが望ましい。

第22条(文書及び記録の保管)関係

文書及び記録の保管

GMP22―1(文書及び記録の保管)

[問]原薬たる医薬品に係る製品の手順書等を改訂する場合には、GMP省令第20条第1項第2号に基づき当該手順書等に改訂の日付を記載するとともに、それ以前の改訂に係る履歴を保管することをもって足り、改訂以前の旧手順書等をすべて保管する必要はないと考えてよいか。

[答]改訂前の「旧手順書等」については、GMP省令第22条の規定にあるとおり、使用しなくなった日から所定の期間保管しなければならない。なお、文書を廃止するに当たっては、廃止された文書が意図に反して使用されることを防止すること。

第23条(無菌医薬品の製造所の構造設備)関係

無菌医薬品の製造所の構造設備

GMP23―1(無菌医薬品の製造所の構造設備)

[問]GMP省令第23条に、無菌医薬品の製造所の構造設備が規定されているが、この基準は、製造販売承認(届出)書に「無菌」であることが規定されているすべての無菌医薬品に係る製品の製造所に適用されるのか。

[答]無菌医薬品とは、注射剤、点眼剤、眼軟膏剤、注射用水(製剤に限る。)及び製造販売承認(届出)内容として無菌性に係る規格が設定されている品目を指し、設問で言及されている省令の規定は、これらすべての品目に係る製品の製造所に適用される。

GMP23―2(無菌医薬品の製造所の構造設備)

[問]GMP省令第23条第1号の「清浄の程度」とは具体的にどのようなものをいうのか。

[答]「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」及び「最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指針」又は、関連する指針等の最新版を参照すること。

GMP23―3(無菌医薬品の製造所の構造設備)

[問]GMP省令第23条第2号の規定に関し、無菌医薬品に係る製品の洗浄後の容器の乾燥作業又は滅菌作業を行う作業室は専用であることとあるが、洗浄作業を行う作業室は専用でなくてもよいか。