[答]原薬たる医薬品に係る製品の製造工程は、通例、不純物の混在する原料から化学合成、抽出等により目的とする成分を得て、不純物を除去しつつ純度を上げていく工程から構成されている。したがって、「その他原薬の製品品質に重大な影響を与える工程」の具体例としては、最終反応工程、中間精製工程、晶出工程も原薬たる医薬品に係る製品の品質を決定的に支配する工程と位置づけられる場合にはその対象となる。
同一の原薬たる医薬品に係る製品であっても、原料、製造方法、製造設備等が異なれば、その品質に影響を与える工程は異なりうるので、個々の製造所における「その他原薬の製品品質に重大な影響を与える工程」は、原薬の種類、製造手順等により、製造業者等があらかじめ適切に定めるべきである。ただし、製造販売承認書に記載する必要があるとされた工程については、それに従うこと。
なお、「その他原薬の製品品質に重大な影響を与える工程」をあらかじめ適切に定めるに当たっては、製造プロセスにおける、品質に対する潜在リスクを特定し、科学的な評価をする品質リスクマネジメントの手法を取り入れることが有効である。
GMP0―2(一般的事項) [問]日本薬局方参考情報に収載されている各種技術情報は、どのように取り扱えばよいか。 |
[答]技術情報として、製剤の特性、製造工程の特徴等、リスクに応じて適切に活用し、参考にすればよい。なお、「第十七改正日本薬局方第二追補の制定により削除された参考情報の取扱いについて」(令和元年6月28日医薬品審査管理課、監視指導・麻薬対策課事務連絡)に記載のとおり、日本薬局方参考情報において削除された「最終滅菌医薬品のパラメトリックリリース」、「培地充填試験(プロセスシミュレーション)」及び「無菌医薬品製造区域の環境モニタリング法」についても、業務の参考となるものであること。
GMP0―3(一般的事項) [問]施行規則第25条第1項第5号の区分の製造業者、施行規則第35条第1項第5号の区分の外国製造業者、法第13条の2の2の保管のみを行う製造所又は法第13条の3の2の保管のみを行う製造所において、保管業務のみを行うような場合、GMP省令のどの条項を適用すればよいか。 |
[答]改正省令公布通知第1の3(4)にあるとおり、保管のみを行う製造所における保管に係る業務を含め、GMP省令の各条の規定は、その製造所における医薬品の製造管理、品質保証及び試験検査に係る業務(以下、製造・品質管連業務という。)又は医薬部外品の製造管理及び品質管理に係る業務を適切に行うにあたって必要とされる範囲で適用されるものであること。
GMP0―4(一般的事項) [問]輸出用医薬品の製造に係るGMP適合性調査申請を製造販売業者が行ってもよいか。 |
[答]薬事法第80条第1項において調査を受けなければならないのは「輸出用の医薬品等の製造業者」と規定されており、製造販売業者が行うものではない。
GMP0―5(一般的事項) [問]5年ごとの製造業の許可更新は、製造業者が申請し更新するが、品目ごとの承認維持のためのGMP適合性調査については、例えば複数の製造販売業者から委託を受けている製造業者が、当該製造販売業者の申請を一括して提出することは認められるか。 |
[答]設問の事例におけるGMP適合性調査については、その品目の製造販売承認を取得している製造販売業者が申請する。品目ごとの承認維持のためのGMP適合性調査は、承認後5年ごとに製造販売業者が申請することとなるが、製造販売承認の時期に関わらず製造業許可更新のタイミング(当該品目の製造販売承認日から5年ごとのGMP適合性調査を受けなければならない期限日よりも前)に合わせて、当該製造業者等が複数の製造販売業者の申請を一括して提出しても差し支えない。
GMP0―6(一般的事項) [問]GMP省令に規定された「製造業者等」の責務について、その製造業者等があらかじめ指定する者に行わせることは可能か。 |
[答]少なくとも、GMP省令第3条の3、第5条第2項及び第6条第1項~第3項に規定された製造業者等の業務についてはその製造業者等が法人である場合には、当該法人の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員が主体となって行うこと。これら以外の業務について、その製造業者等があらかじめ指定する者に行わせる場合は、当該業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する適切な責任者を選任し、当該業務の内容・範囲をGMP省令第6条第4項の文書で明確にし、当該文書をGMP省令第20条に従い保管すること。なお、製造業者等の業務をその製造業者等があらかじめ指定する者に行わせる場合であっても、当該業務の最終的な責任は、法人たる製造業者等の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員が負う。
サイトマスターファイル
GMP0―7(サイトマスターファイル) [問]医薬品適合性調査申請時に添付する資料としては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う政令、省令の制定及び改正について(薬生監麻発0713第12号令和3年7月13日)の第2章第2の8.(3)区分適合性調査オ.に、サイトマスターファイル又は同等の資料があげられているが、「サイトマスターファイル」とは何か。 |
[答]PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について(平成24年2月1日監視指導・麻薬対策課事務連絡)別紙(1)PIC/S GMPガイドライン パート1の第4章に定められている製造所のGMPに関連した作業活動を記述した文書であり、製造所に対する監査(実地又は書面)に際し、製造所の品質システムを含む活動概要を端的に示すことができ、有用である。PIC/Sの解釈覚書(“EXPLANATORY NOTES FOR PHARMACEUTICAL MANUFACTURERS ON THE PREPARATION OF A SITE MASTER FILE” PE 008‐4 1 Annex1 January 2011)を参照すること。
なお、海外当局からの査察等の際、この概念に相当する文書の提示を求められる可能性があることから、海外当局による査察等を受ける可能性のある製造業者は、可能な限りこの用語に対応する文書を準備しておくことが望ましい。
GMP0―8(サイトマスターファイル) [問]サイトマスターファイルに記載すべき事項は何か。また、記載する各々の事項について、どの程度記載すべきか。 |
[答]2018年度のGMP、QMS、GCTP及び医薬品添加剤のガイドラインの国際整合化に関する研究の成果物として、サイトマスターファイルのモックが作成され、総合機構のホームページに掲載されているので参考とすること。
なお、医薬品製造所の製造管理及び品質管理の実態は製造所ごとに異なることから、製造所の実態に応じて作成すること。
第2条(定義)関係
原料の定義
GMP2―1(原料の定義) [問]GMP省令第2条第4項の「原料」について改正省令公布通知第3の2(4)に「「原料」は、製造所において医薬品又は医薬部外品に係る製品の製造の用に供される物(製品中に残存しないものを含み、資材及び中間製品を除く。)」とあるが、「製品中に残存しない」原料とは具体的にどのようなものをいうのか。 |
[答]製造工程において使用される水で結果的に製品に含有されないもの、溶媒等で乾燥等の工程中で揮散される物質等が挙げられる。例えば、顆粒製造工程に用いられるエタノール、イソプロパノール、凍結乾燥に用いられる溶媒等がこれに当たる。これらのものを原料として含めたのは、その品質の良否が製品の品質に直接影響を及ぼすためであり、最終的に製品に含有されることとなる原料と同等の管理が必要となると考えられるためである。
GMP2―2(原料の定義) [問]GMP省令第2条第4項の規定にある「原料」に関し、原薬たる医薬品に係る製品の「原料」とは、原薬たる医薬品に係る製品の品質に影響を及ぼすような製造工程及びそれ以降の工程に使用する物質のみと考えてもよいか。 |
[答]原薬たる医薬品に係る製品の原料には、出発物質も含め製造に用いる物質がすべて該当する。なお、GMP省令の規定に基づく原薬に係る製品の製造管理及び品質管理については、原薬たる医薬品に係る製品の一連の製造工程が進行するに従い、当該製品の品質に及ぼすリスクを考慮し、原料の取扱いについても、原則厳格に行うことが求められる。
GMP2―3(原料の定義) [問]一般的にはGMP省令第2条第4項の「原料」には含まれないろ過助剤、イオン交換樹脂及びその再生剤、機器の殺菌消毒剤、器具・容器等の洗浄剤等については、どのような管理をすべきか。 |
[答]製品の品質に及ぼすリスクを考慮し、その特性、使用目的、使用方法等に応じた管理を行うこと。
GMP2―4(原料の定義) [問]主原料以外の、例えば少量使用する酸化防止剤、pH調節剤等は、GMP省令第2条第4項の「原料」として取り扱うべきか。 |
[答]原料として取り扱うこと。
GMP2―5(原料の定義) [問]製造工程に発酵工程が含まれている場合、培地は、GMP省令第2条第4項の「原料」として管理する必要があるか。 |
[答]製品の品質に重大な影響を及ぼしうる場合には、培地やその成分は原料としての管理を行うこと。
計器の校正の定義
GMP2―6(計器の校正の定義) [問]改正省令公布通知第3の2(25)①の「計器の校正」には、計器の示す値と真の値とに差があるときに、この差を調整することも含まれると解してよいか。 |
[答]「計器の校正」とは、必要とされる精度を考慮し、適切な標準器、標準試料等を用いて計器の示す値と真の値との関係を求めることをいうものであり、「調整」は含まれない。
中間製品の定義
GMP2―7(中間製品の定義) [問]「中間製品」について、より具体的に示してほしい。 |
[答]中間製品とは、製造所内において、製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって当該製造所から出荷される製品となるものをいう。具体的には、当該製造所における最終的な包装が完了していないものが中間製品となる。
GMP2―8(中間製品の定義) [問]A工場で「製剤バルク」を製造し、B工場でこれを受け入れて小分け包装する場合、この「製剤バルク」は、原料、中間製品又は製品のいずれとして取り扱うべきか。 |
[答]設問の場合、「製剤バルク」は、「A工場」における製品であって、改正省令公布通知第3の2(4)にあるとおり「B工場」における原料となる。
GMP2―9(中間製品の定義) [問]GMP2―8の事例において、「B工場」では「製剤バルク」についてどのような試験検査を行う必要があるか。 |
[答]GMP省令に規定する「原料」とは、「製造所にとっての原料」であり、当該製造所で受け入れられる、当該製造所の製造工程を経る前のものを指している。当該製造所において行う原料としての試験検査は、製造販売承認(届出)書に規定されている規格及び試験方法のほか、当該製造所の製造管理及び品質管理を行う上で必要な規格を設定し、適切に試験検査を行うことで差し支えない。
GMP2―10(中間製品の定義) [問]ある製造所の一連の製造工程の途上における精製工程最終段階において製せられた結晶(湿品)の乾燥後の未粉砕品及びこれの粉砕篩過品(当該製造所において、その後に小分け、包装するもの)は、GMP省令第2条第1項の「中間製品」となるのか。 |
[答]設問の場合、「未粉砕品」、「粉砕篩過品」ともに中間製品である。GMP2―7を参照すること。
その他
GMP2―11(その他) [問]製造所、作業所、作業室の違いを示してほしい。 |
[答]GMP省令でいう製造所とは、法第13条の許可若しくは第13条の3の認定が与えられたもの、法第13条の2の2の登録を受けたもの又は法第13条の3の2の登録を受けたものをいう。作業所とは、GMP省令第2条第16項において「製造作業を行う場所」と定義されており、製造作業の現場に直結している事務室・試験検査室等を含む。作業室とは、作業所のうち製造作業を行う個々の部屋をいう。
GMP2―12(その他) [問]GMP省令第2条第18項の作業又は操作をクリーンブース内においてすべて行う場合には、「無菌区域」をクリーンブース内に限定してもよいか。 |
[答]差し支えない。
資材の定義
GMP2―13(資材の定義) [問]PTP包装用のプラスチックフィルム及びアルミ箔並びに坐剤用パックは、GMP省令第2条第3項の「容器」又は「被包」のいずれに該当するのか。 |
[答]PTP包装、SP包装等に使用されるプラスチックフィルム及びアルミ箔並びに坐剤用パックは被包であると解する。これらは製品に直接接触することから、リスクに応じた管理を行うこと。
GMP2―14(資材の定義) [問]容器に入れる乾燥剤は、GMP省令第2条第3項の「資材」に含まれるか。 |
[答]設問のような乾燥剤は、通例、GMP省令第2条第3項の資材には含まれないものの、GMP省令に規定する資材の管理に準じて取り扱うこと。特に「乾燥剤」が製品に直接接触する可能性のある場合には、汚染等を起こさないよう管理を行うこと。
GMP2―15(資材の定義) [問]原薬たる医薬品の場合、GMP省令第2条第3項の資材たる添付文書とはどのようなものを指すのか。 |
[答]製造専用医薬品については、施行規則第214条第2項の規定により法第52条第2項第1号の規定は適用されないので、大部分の原薬たる医薬品について添付文書は必要としない。
しかし、日本薬局方に収められている医薬品で、日本薬局方においてこれに添付する文書又はその容器若しくは被包に記載するように定められた事項、及び法第42条第1項の規定によりその基準が定められた医薬品で、その基準において、これに添付する文書又はその容器若しくは被包に記載するように定められた事項について、添付文書に記載するときは、それぞれ定められた記載事項を記載した添付文書が必要である。
GMP2―16(資材の定義) [問]法第50条に規定される事項が記載されないポリエチレン袋等に入れた原薬たる医薬品をファイバードラム等に封入し、流通させる場合、ポリエチレン袋等の取扱いはどのようにすればよいか。 |
[答]設問の場合の「ポリエチレン袋等」については、法第57条第1項の内袋に当たり、同項の規定において、医薬品は医薬品を保健衛生上危険なものにするおそれがある容器若しくは被包(内袋を含む。)に収められていてはならないこととされていることを踏まえ、GMP省令の規定に基づき適切に管理する必要がある。なお、設問の場合の「ファイバードラム」は法上の「直接の容器」に該当する。
ロットの定義
GMP2―17(ロットの定義) [問]GMP省令第2条第4項に定める「ロット」の構成の事例を示してほしい。 |
[答]ロット構成の事例については、一律的に定められるものではなく、各製品について、製造条件、作業方法等を考慮して検討し、定めるべきものである。なお、生物学的製剤に係る製品のロットについては、生物学的製剤基準通則を参照すること。
GMP2―18(ロットの定義) [問]GMP省令第2条第4項に、ロットとは「一の製造期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品及び原料(以下「製品等」という。)の一群をいう。」とあるが、この場合の「一の製造期間」とはどの程度の期間と考えてよいか。 |
[答]一の製造期間については、製品の種類、剤形、作業形態、構造設備その他の違いによって様々であり、一概に決められるものではない。
GMP2―19(ロットの定義) [問]「均質性を有するように製造された製品及び原料」とは、どの程度の状態のものをいうのか。 |
[答]「均質性を有するように製造された製品及び原料」とは、均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠(バリデーションデータ等)があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ明記されている場合をいう。
GMP2―20(ロットの定義) [問]GMP省令第2条第4項に定めるロット構成の際の「均質性」は、どれくらいの範囲(バラツキ)まで認められるか。 |
[答]それぞれの製品の種類、均質性を確認するための試験検査の方法の違い等によって範囲が異なりうるので、一概に決められるものではない。
GMP2―21(ロットの定義) [問]原薬たる医薬品に係る製品についてロットを割り当てる場合、ロット内の「均質性」についてどの程度まで求められるのか。 |
[答]それぞれの原薬たる医薬品に係る製品の種類、均質性を確認するための試験検査の方法の違い等によって求められる均質性は様々であり、一概に決められるものではない。なお、GMP2―31の混合の前提条件に反しない限り、均質性を高めるため適切に混合することも一つの方法である。
ロット構成
GMP2―22(ロット構成) [問]同一製造ロットの中間製品を長時間にわたって、同一の製造条件及び製造設備により連続して充填包装する場合、同じロットとして取り扱ってもよいか。 |
[答]設問の場合、充填包装が長時間にわたって行われることにより、ロットの均質性が失われるおそれのあるときは、認められない。当該充填包装工程を経た製品のロットについては、均質性を有するように充填包装されたと考えられる単位ごととし、各ロットが均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠(バリデーションデータ等)を品質部門が確認し、それを医薬品製品標準書等にあらかじめ明記しておくこと。
なお、汚染物質の生成及びそのキャリーオーバーを防止するために必要な、適切な間隔での清浄化(原薬たる医薬品に係る製品の製造においては、不純物プロファイルに悪影響を及ぼしうるような分解物又は微生物汚染のキャリーオーバーの原因とならないようにすること。)に留意すること。通例、作業の内容が明らかであれば、医薬品製品標準書等には時間制限を規定することが一般的(工程内管理に係る試験検査により一定の目標を達成していることを確認することをもって終了する作業を除く。)である。
GMP2―23(ロット構成) [問]最終製品の製造所における包装工程において、同一のロットの中間製品をさらにいくつかのロットに分割してもよいか。 |
[答]差し支えない。ただし「中間製品」のロット番号と最終製品に表示した製造番号又は製造記号との関係を明確にし、双方向に追跡を可能とするように製造記録を作成すること。
GMP2―24(ロット構成) [問]同一の製造期間に、同一の製品の複数ロットを継続して製造するとき、ホッパーやパイプ内に前ロットの残留物が残存していても、理論上の各ロットの区分によりロットの区分けを行ってもよいか。 |
[答]同一の製造期間に、同一の製品の複数ロットを継続して製造するときであってもロットの区分を明確に行うことが原則であるが、液剤、顆粒剤などの場合には、以下の事項を考慮し、また、品質へのリスクを考慮して行うこと。
1.均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ明記されていること。
2.不良品が発生したこと等により回収等を行う場合には、前ロットの残存する可能性のある複数ロットについて、まとめて対処すること。
3.汚染物質の生成及びそのキャリーオーバーを防止するために必要な、適切な間隔での清浄化(原薬たる医薬品に係る製品の製造においては、不純物プロファイルに悪影響を及ぼしうるような分解物又は微生物汚染のキャリーオーバーの原因とならないようにすること。)に留意すること。
GMP2―25(ロット構成) [問]内用液剤等に係る製品の製造において、1台の混合タンク中の薬剤が数日間にわたって同一の条件、同一の製造設備により充填されるときに、当該混合タンク1台分の薬剤の充填がなされた製品をまとめて1ロットとし、同一のロット番号を付してもよいか。また、このとき当該製品の試験検査のための採取はどの時点で行うのが適当か。 |
[答]以下の条件を満たす場合、認められる。
1.均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠(バリデーションデータ等)があり、それを品質部門が確認していること。
2.医薬品製品標準書等にあらかじめ明記されていること。
3.医薬品製品標準書等には時間制限を規定すること。
また、GMP2―22も留意すること。なお、サンプリングは、そのロットの代表として、正確な試験検査の判定ができる時点に行う必要がある。
GMP2―26(ロット構成) [問]製造用水としての注射用水の製造を連続的に行う場合には、ロット管理は必要ないと考えてよいか。 |
[答]困難な場合には、いわゆるロットとしての管理を行う必要はない。ただし、バリデーション結果に基づき、品質管理上必要な頻度において必要な項目について試験検査を実施する必要がある。なお、不良品が発生したこと等により回収等を行う場合には、合理的な根拠をもって区分することができる範囲において一つの単位として対処することが必要となる。
GMP2―27(ロット構成) [問]同一の製造期間に同一の製造条件、同一の製造設備により、蒸留水を連続的に生産しながらアンプル等に充填、閉塞して、日本薬局方注射用水を製造している。品質管理上必要な措置を講じることにより均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等に明記されている場合には、一定の期間又は一定単位数量ごとにロットを構成してもよいか。 |
[答]設問の場合のロット構成は差し支えない。
GMP2―28(ロット構成) [問]同一製造期間に一連の製造工程において製造された異なるバッチの中間製品(製剤)について、均質性を確認した上で、包装段階において同一ロット構成としてもよいか。 |
[答]製品のロットの構成は、均質性を有するように製造されたことを示す科学的な根拠があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等に明記されている場合には、一群のものを同一ロットとして扱って差し支えない。なお、均質性の評価にあたっては、単に中間製品が規格に適合していることのみならず、工程内管理に係る試験検査結果等も併せて評価すること。
ロット構成(原料)
GMP2―29(ロット構成(原料)) [問]同一ロットの原料の受入れが複数日にわたっても、当該原料の供給者における製造単位を、受け入れた製造所における原料の一ロットとして取り扱ってもよいか。 |
[答]同一ロットの原料が分納された設問のような場合には、輸送時の品質変化等を勘案し、分納されたものごとにロットを別のものとして管理することが原則である。ただし、輸送時の品質変化等も考慮した上で、受入れ時の試験検査により均質性を有すると確認された範囲内において、一ロットとして取り扱っても差し支えない。なお、設問の事例の原料のロットごとの試験検査については、GMP11―12を参照すること。
GMP2―30(ロット構成(原料)) [問]生薬原料のロット管理はどのようにすべきか。 |
[答]例えば、受入れ時の試験検査により均質性を有すると推定される場合には、同一輸入単位を一ロットとして取り扱っても差し支えなく、いわゆる買付け見本により買い付けた場合には、当該買付け見本にそれぞれ相当する単位で均質性を有すると推定されるものを一ロットとして取り扱っても差し支えない。ただし、外観検査その他受入れ時の試験検査により均質性が疑われるものについては、別ロットとして取り扱うこと。
ロットの混合等
GMP2―31(ロットの混合等) [問]原薬たる医薬品に係る製品のロットについて、GMP2―19の「均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠」のモデルを示してほしい。 |
[答]次に「ロットが均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠」の例と「ロットの混合の可否の考え方」を示す。
ロットが均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠の例;。:p
No. |
Ⅰ |
Ⅱ |
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区分 |
ロット間の均質性 |
ロット内の均質性 |
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事例分類 |
仕込量 |
ロット間において同じ |
ロット間において異なる |
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最終工程 |
混合操作あり |
混合操作なし ただし、遠心分離操作は1回ないし複数回行われる 最終晶析機が単一 乾操機は複数(同一型) ※最終晶析機が複数(サイズ違い)の場合においては「均質性なし」となる。 |
|||
下記「合理的な根拠」を活用するに当たっての製造工程等の条件 |
製造工程の操作手順(人) |
母液及び中間体の回収手順を含め、単位操作の手順が確立し、工程管理規格があらかじめ設定されている。 収量計算が明らかとなっている。 |
指図量ごとに、母液及び中間体の回収手順を含め、単位操作の手順が確立し、工程管理規格があらかじめ設定されている。 収量計算が明らかとなっている。 |
単位操作の手順が確立し、工程管理規格があらかじめ設定されている。 |
同左 |
原料及び資材 |
規格に適合したものが使用されている。 |
同左 |
同左 |
同左 |
|
設備器具等 |
あらかじめ定められた設備器具等が使用されている。 有効成分が異なる製品の製造において共用の場合には清浄化の方法及びその評価の方法が確立している。 |
指図量ごとに、あらかじめ定められた設備器具等が使用されている。 有効成分が異なる製品の製造において共用の場合には清浄化の方法及びその評価の方法が確立している。 |
あらかじめ定められた設備器具等が使用されている。 |
同左 |
|
時間制限 |
作業シフトごと、日ごと、週ごとなど操作条件により時間が決められている。 |
同左 |
同左 |
同左 |
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合理的な根拠 |
項目 ◎必須項目 ○必要に応じて実施 |
◎含量等承認事項 ○粒子径、比容、結晶多形、晶癖、安息角、溶解性等 |
同左 |
◎混合時間及び混合速度を定めるための含量等必要項目 |
◎乾燥条件(時間、温度など) ◎粉砕条件 (供給速度、スクリーンサイズ)を定めるための含量、乾燥減量、粒度等の必要項目 |
判定 |
確立された採取の方法により、得られた複数ロットのデータに差のないこと。 |
確立された採取の方法により、得られた指図量ごとの複数のデータが、ロットサイズ間及びロット間において差のないこと。 |
確立された採取の方法により、得られたロット内のデータに差のないこと。 |
同左 |
|
ロットの混合の可否の考え方
前提条件(一のロットからの分画物をあらかじめ定めた手順に従って工程内で混ぜる(当該工程に係るロット番号が決められる時点)こと(例:一のロットを複数に分けて遠心分離を行い乾燥後1ロットに統合する。)は、ここでいう「混合」とは考えない。)
1.試験検査の結果、規格外にあることが判明したロットを規格に適合させる目的で混合を行ってはならないこと。
2.混合される各ロットは、あらかじめ定められた工程により製造され、試験検査がなされ、規格に適合していることが確認されていること。
3.混合の工程は、十分に管理及び文書化を行うこと。混合されたロットについては、必要に応じ、あらかじめ定められた規格に適合しているか否かについて試験検査を行うこと。
4.混合の工程に係る製造記録は、当該混合を構成した各ロットへの追跡を可能とするように作成すること。
5.製品の物理学的特性が重要なものである場合には、混合されたロットの均質性を示すために、混合の工程についてバリデーションを行うこと。当該バリデーションは、混合の工程が影響を及ぼしうる重要な特性(例:粒度分布、かさ密度等)の検証を含むこと。
6.混合されたロットの有効期間、使用期限又はリテスト日は、当該統合又は混合を構成した各ロットのうち最も古いものの製造年月日に基づくこと。
可となる場合 |
|
内容 |
根拠資料及びデータ |
(1) 適品どうしの混合(「端数処理」を含む。) |
・混合前の試験検査成績 ・混合条件の設定資料(採取手順を含む。) ・混合前ロットのリテスト期間の設定 ・混合後の使用期限の設定 ・混合前ロットの保存条件 |
(2) 製造過程の中間体どうしの混合(偶発的繰返し) 例:遠心分離機に残存する先行ロットの湿った結晶層 |
・製造記録(ただし、ロット構成の均質性を有する合理的な根拠があること) ・非専用の設備器具の場合においては清浄化の手順及びその評価の方法が必要 |
(3) 異なる物理的パラメータ(かさ比容、粒度等)を持つ中間体の混合 |
・規格に適合していること。 ・(1)の条件を満足していること。 |
GMP2―32(ロットの混合等) [問]同一の製造条件及び製造設備により製造した複数バッチの原薬たる医薬品に係る製品を混合して1ロットを構成させたい。混合前の複数バッチについてもすべての項目の試験検査が必要か。 |
[答]混合する前に「バッチ」が規格に適合することを確認するものとし、そのバッチの規格には品質管理上必要と判断される項目を設定し、試験検査を実施すること。
GMP2―33(ロットの混合等) [問]輸液製剤に係る製品の製造において、いくつかのバッチをまとめて一のロットを構成させる場合が多いが、一般的な留意点を示してほしい。 |
[答]輸液製剤の製造工程において複数回に分けて滅菌したバッチを、まとめて1ロットとするような場合のロット構成についての留意点については、以下の事項を品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ明記しておくこと。
1.均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠
2.滅菌工程の工程監視を同時的に実施し、それを記録として保管し、かつ最終製品において滅菌工程の不具合が疑われる場合には、関連する可能性のあるすべての滅菌バッチを対象に調査し、適切に処置する旨の規定
GMP2―34(ロットの混合等) [問]原薬たる医薬品に係る製品について、あるロットの端数を他のロットと混合して1ロットとすることは可能か。 |
[答]あるロットの不適を隠蔽することを目的として混合してはならないが、規格に適合したロットの端数品をまとめて1ロットとすることは差し支えない。当該ロットが均質性を有するように処置を行い、混合する前に規格に適合していることを確認すること。また、その手法については品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ記載し、また、ロットの履歴が確認できるよう記録を作成すること。
GMP2―35(ロットの混合等) [問]最終近くまで一連の製造工程を経てきた一のロットを、最終工程の晶出後の工程において二分割して原薬たる医薬品に係る製品を製造しているが、最終的にはこれを統合して1ロットとして取り扱ってもよいか。 |
[答]適切な工程管理に適合したものを、均一にできるプロセスを経て原薬たる医薬品に係る製品となることが必要である。晶出後の原薬たる医薬品に係る製品が均質性を有するように製造されたことを示す合理的な根拠があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ明記されている場合には、1ロットとして取り扱っても差し支えない。
GMP2―36(ロットの混合等) [問]一連の製造工程を経てきた一のロットを分割し、同一条件において複数台の混合機により混合を行う場合、それぞれを統合して1ロットとして取り扱ってもよいか。 |
[答]「複数台の混合機」が同一の混合効果を持ち、均質性を有するように製造されることを示す合理的な根拠(バリデーションデータ等)があり、それを品質部門が確認し、医薬品製品標準書等にあらかじめ明記されている場合には、1ロットとして取り扱っても差し支えない。
GMP2―37(ロットの混合等) [問]一連の製造工程を経てきた一のロットを分割し、異なった型式の高圧蒸気滅菌装置を用いて滅菌を行ったものそれぞれを統合して1ロットとして取り扱ってもよいか。 |
[答]滅菌単位のトレーサビリティが確保されていることが必要である。1ロットとして取り扱う場合には、滅菌単位での記録が適切に作成され、かつ均質性がバリデートされていれば認められる。滅菌バリデーションについては、「第十七改正日本薬局方第二追補の制定により削除された参考情報の取扱いについて」(令和元年6月28日医薬品審査管理課、監視指導・麻薬対策課事務連絡)の内容を参照すること。
GMP2―38(ロットの混合等) [問]製剤に係る製品包装後の製品ロットと原液調製バッチ又は配合バッチとの関係が明確に追跡できるのであれば、包装後の製品の1ロットが原液調製バッチ又は配合バッチの複数に相当するものであってもよいか。 |
[答]GMP2―28を参照すること。
ロットと製造番号等
GMP2―39(ロットと製造番号等) [問]GMP省令の規定に基づくロット管理を行うためにロットごとに製品に付記する番号と、法第50条第3号に規定する医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載される製造番号又は製造記号とは同じでなければならないか。 |
[答]製造段階においてのロット番号と製造番号又は製造記号との関係を明確にし、双方向に追跡を可能とするように製造記録を作成するものとしていれば、必ずしも同じ番号又は記号である必要はない。
GMP2―40(ロットと製造番号等) [問]製造番号又は製造記号として、製造した年月日の略号を用いることにより、同一の有効成分ではあるがその含量の異なる別の品目に結果として同じ製造番号又は製造記号を表示してもよいか。 |
[答]設問の場合、品目が明らかに異なることにより回収対象の製造ロットか否かの識別が容易なものであって、かつ回収等に支障がない(結果的に識別が困難であるために回収に支障が生じた場合の責任は、当該表示を行った者に帰することがあることに留意すること。)のであれば差し支えない。ただし、製造段階においてのロット番号と、最終製品に表示した製造番号又は製造記号との関係を明確にし、双方向に追跡を可能とするように記録を作成すること。
GMP2―41(ロットと製造番号等) [問]製造所からの出荷可否決定前の製品の添付文書を差しかえる場合等、既出荷品の同一ロット製品と区分するために、個装箱に「識別記号」を付記したいが、直接の容器等への付記は行わなくてもよいか。 |
[答]製造番号又は製造記号と紛らわしくなければ、直接の容器等には記載しなくても差し支えない。
GMP2―42(ロットと製造番号等) [問]同一製造ロットの中間製品を包装工程においていくつかの種類の包装単位に包装する場合、異なった包装単位又は包装形態に同一の製造番号又は製造記号を表示してもよいか。 |
[答]設問の場合、同一製造番号又は製造記号が表示されたとしても品目が明らかに異なることにより回収対象の製品ロットか否かの識別が容易なものであって、回収等に支障がない(結果的に識別が困難であるために回収に支障が生じた場合の責任は、当該表示を行った者に帰することがあることに留意すること。)のであれば、同一の製造番号又は製造記号を表示しても差し支えない。
ただし、製造段階においてのロット番号と最終製品に表示した製造番号又は製造記号との関係を明確にし、双方向に追跡を可能とするように製造記録を作成すること。
(例)
① 100錠ビン入、1,000錠ビン入に同じ製造番号又は製造記号を表示しても差し支えない。
② 100錠ビン入、100錠PTP包装に同じ製造番号又は製造記号を表示しても差し支えない。
管理単位
GMP2―43(管理単位) [問]GMP省令第2条第8項に定義されている資材の管理単位はどのような範囲のものをいうか |
[答]例えば、資材の供給者における当該資材の原材料(素材)の品質規格、製造方法等が同一であり、かつ当該資材の受入れ時の試験検査の実績等から、均質性を有すると確認された範囲内において、次のいずれかの単位を一管理単位としても差し支えない。
1.資材の供給者においての製造単位
2.資材の供給者においての資材の原材料(素材)の管理のための単位
3.資材の供給者においての製造業者等への納入単位
是正措置及び予防措置
GMP2―44(是正措置及び予防措置) [問]GMP省令第2条第14項及び第15項において規定される「状態を解消する措置」の適切性について、どのように判断すればよいか。 |
[答]例えば、品質リスクマネジメントの活用により、検知された不適合その他の望ましくない状況の再発等のリスクが許容可能な水準まで低減されていることを確認するといった方法が考えられる。また、同様の事象の再発がないこと等を確認することにより、措置の有効性について適切に評価を行うこと。
第3条の2(承認事項の遵守)関係
承認事項の順守
GMP3の2―1(承認事項の遵守) [問]承認事項に従って製造するにあたり、どのようなことに留意する必要があるか。 |
[答]製造業者等は、当該製品の製造販売承認(届出)書の製造方法及び試験方法に関する情報を当該製品の製造販売業者より入手し、承認内容と製造実態に相違が生じないようにすること。なお、製造販売業者は、GQP省令第10条第5項の規定により、製造販売承認(届出)書の内容を含む、適正かつ円滑な製造管理及び品質に関する情報を、製造業者等に提供する必要があり、製造業者等としても、常に最新情報を入手できるよう製造販売業者と密接に連携すること。特に、製造販売承認時、製造販売承認事項一部変更承認及び製造販売承認事項に係る変更計画の確認(以下「一部変更承認等」という。)時並びに軽微変更届出時には確実に情報を入手すること。また、原薬等登録原簿(以下、「MF」という。)登録を受けている場合、製造販売業者とのMF利用契約に基づき、自らMF登録内容と製造実態に相違が生じないようにすること。具体的には、製造業者等は、最新のMF登録内容を把握し、MF登録内容へ影響を及ぼす又はそのおそれのある変更を行おうとする場合は、適切なタイミングで製造販売業者に連絡(製造販売業者との取決めによるMF国内管理人等を通じた連絡を含む。)し、製造販売業者の確認を得たうえで、変更を実施する必要がある。
第3条の3(医薬品品質システム)関係
医薬品品質システム
GMP3の3―1(医薬品品質システム) [問]既にISO9001等に基づく品質マネジメントシステムを構築している場合、改めてGMP省令に基づいた医薬品品質システムを構築する必要があるか。 |
