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○デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行等について

(令和4年4月27日)

(/老高発0427第1号/国住心第145号/)

(各都道府県・各政令市・各中核市住宅担当部長、福祉担当部長あて厚生労働省老健局高齢者支援課長・国土交通省住宅局安心居住推進課長通知)

令和3年5月19日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号。以下「整備法」という。)において、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(平成13年法律第26号。以下「法」という。)についても、契約締結前の書面交付等について電磁的方法により行うことなどを可能とする見直しが行うこととされ、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日に施行することとされたところである。

今般、令和4年4月27日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行期日を定める政令(令和4年政令第180号)」により、整備法の一部が令和4年5月18日から施行されることに伴い、書面の交付を電磁的方法で行う際の承諾の手続等を規定するため、「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第181号)」、「宅地建物取引業施行規則及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和4年国土交通省令第43号)」、「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省・国土交通省令第1号)」及び「高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針の一部を改正する告示(令和4年厚生労働省・国土交通省告示第540号)」により、「高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令」(平成13年政令第250号。以下「政令」という。)、「高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則」(平成13年国土交通省令第115号。以下「単管省令」という。)、「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則」(平成23年厚生労働省・国土交通省令第2号。以下「共同省令」という。)及び「高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針」(平成21年厚生労働省・国土交通省告示第1号。以下「告示」という。)についても改正され、同日に施行されることとなったところである。

ついては、下記内容を確認の上、法令に基づくサービス付き高齢者向け住宅制度及び終身賃貸借制度の的確かつ適切な運用が図られるようお願いするとともに、貴管下市町村に対しても、周知いただくようお願いする。

また、サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」という。)の登録事業者や終身賃貸事業者に対しても、この旨周知いただくとともに、書面の交付等が電磁的方法で行われた場合においても、消費者が適切に書面を保存するために必要な取組を行う旨、周知いただくようお願いする。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4に基づく技術的助言であることを申し添える。

第1 改正の趣旨

規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)において、「原則として全ての見直し対象手続(※)について、恒久的な制度的対応として、年内に、規制改革推進会議が提示する基準に照らして順次、必要な検討を行い、法令、告示、通達等の改正やオンライン化を行う」こととされていることを踏まえ、法において書面によることを求めている手続について、書面による手続に電磁的記録による手続も含めることとするための所要の改正等を行うこととしたものである。

※所管する行政手続等のうち、法令等又は慣行により、国民や事業者等に対して紙の書面の作成・提出等を求めているもの、押印を求めているもの、又は対面での手続を求めているもの。

第2 改正の概要

1.書面による契約の見直し

(1) 法において、以下の契約については、書面により締結することとされている。今般の改正により、書面により締結することに、電磁的記録により締結することを含むこととする。

① サ高住の入居契約【法第7条第1項第6号イ関係】

② 終身建物賃貸借の契約【法第52条第2項(新設)及び第54条第2号関係】

③ 期間付死亡時終了建物賃貸借の契約【法第57条関係】

(2) 告示において、以下の契約については、書面により締結することが望ましいこととされている。今般の改正により、書面により締結することに、電磁的記録により締結することを含むこととする。

① 高齢者居宅生活支援サービスが委託又は提携により提供される場合の賃貸人又は登録事業者とその委託先等との契約【告示五関係】

② 高齢者居宅生活支援サービスを提供する事業者が、入居者と契約した高齢者居宅生活支援サービスの一部を別の事業者に委託すること又は別の事業者と提携することにより提供させる場合の高齢者居宅生活支援サービスを提供する事業者とその委託先等との契約【告示五関係】

2.書面による交付の見直し

(1) 法において、登録事業者はサ高住の入居契約を締結するまでに、入居しようとする者に対し、登録事項等を記載した書面を交付して説明しなければならないこととされている。今般の改正により、入居しようとする者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとする。【法第17条第2項(新設)関係】

また、入居しようとする者の承諾を得る手続及び電磁的方法等については、以下のとおり政令及び共同省令において定めることとする。

① 入居しようとする者の承諾を得る手続 <政令関連>

入居しようとする者から承諾を得る手続を、以下のとおり規定する。【政令第3条(新設)関係】

イ 承諾は、あらかじめ電磁的方法の種類及び内容を示した上で、書面又は電子情報処理組織を使用する方法等によって得るものとする。

ロ 承諾を得た場合であっても、入居しようとする者から電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、電磁的方法による提供をしてはならない。ただし、当該申出後に再び承諾を得た場合は、この限りではないこととする。

② 入居しようとする者の承諾を得る手続の種類及び内容 <共同省令関連>

承諾を得る際に、あらかじめ示す電磁的方法の種類及び内容を、以下のとおり規定する。【共同省令第20条の3(新設)関係】

イ 電磁的方法の種類

(i) 電気通信回線を通じて書面に記載すべき事項を送信し、入居しようとする者の電子計算機に備えられた受信者ファイルに記録する方法

例) 電子メールを利用して必要な情報を送付する方法

(ii) 登録事業者の電子計算機に記録された書面に記載すべき事項を、電気通信回線を通じて入居しようとする者の閲覧に供し、入居を希望する者の電子計算機に備えられた受信者ファイルに記録する方法

例) ウェブサイト上に表示した情報を入居を希望する者がダウンロードする方法

(iii) 登録事業者の電子計算機に備えられた受信者ファイルに記録された書面に記載すべき事項を、電気通信回線を通じて入居しようとする者の閲覧に供する方法

例) 特設のインターネットのページ上で記載事項を閲覧させる方法

(iv) 書面に記載すべき事項を記録した磁気ディスク、シー・ディー・ロム等を交付する方法

ロ 電磁的方法の内容

ファイルへの記録の方式(PDF等)

③ 入居しようとする者から承諾を得る方法<共同省令関連>

承諾を得る方法等を、以下のとおり規定する。【共同省令第20条の4(新設)関係】

イ 承諾を得る方法

(i) 電気通信回線を通じて承諾等をする旨を送信し、登録事業者の電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

例) 電子メールを利用して承諾等を行う旨を送付する方法

(ii) 電気通信回線を通じて電磁的方法の種類及び内容を入居しようとする者の閲覧に供し、登録事業者の電子計算機に備えられたファイルに承諾等をする旨を記録する方法

例) 登録事業者のウェブサイト上に表示された方法に従って承諾を行う旨を登録事業者に送付する方法

(iii) 承諾等をする旨を記録した磁気ディスク、シー・ディー・ロム等を交付する方法

ロ その他

イに掲げる方法は、登録事業者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものとする。

④ 提供に用いる電磁的方法<共同省令関連>

提供に用いる電磁的方法等を、以下のとおり規定する。【共同省令第20条の2(新設)関係】

イ 電磁的方法の種類(②イと同じ)

ロ その他

②イに掲げる電磁的方法は、以下の基準に適合するものでなければならない。

・入居しようとする者が記録を出力することにより書面を作成できるものであること

・②イ(ii)に掲げる方法については、書面に記載すべき事項を登録事業者の電子計算機に記録する旨又は記録した旨を入居しようとする者に対し通知すること。ただし、入居しようとする者が閲覧していたことを確認したときはこの限りではない。

・②イ(iii)に掲げる方法については、書面に記載すべき事項を受信者ファイルに記録する旨又は記録した旨を入居しようとする者に対し通知すること。ただし、入居しようとする者が閲覧していたことを確認したときはこの限りではない。

(2) 共同省令において、登録事業者は登録事項の変更があったとき等は、入居者に対し、変更内容を記載した書面を交付して、説明しなければならないこととされている。(1)の改正の趣旨を踏まえ、当該書面の交付についても、入居者の承諾を得て、電磁的方法により提供することができることとする。なお、入居者の承諾を得る手続及び電磁的方法等については、(1)と同様とする。【共同省令第22条第2項~第8項(新設)関係】

(3) 告示において、以下の内容については、書面により提供することが義務付けられている又は書面により提供することが望ましいとされている。(1)の改正の趣旨を踏まえ、当該内容についても、電磁的方法により提供することができることとする。

① 書面により提供することが義務付けられている内容

・入居者に提供する高齢者生活支援サービスの内容、登録事業者と連携又は協力をする高齢者居宅生活支援事業を行う者が提供する高齢者居宅生活支援サービスの内容等の登録住宅に関する情報【告示三関係】

② 書面により提供することが望ましいとされている内容

・高齢者居宅生活支援サービスが委託または提携により提供される場合に、賃貸人又は登録事業者が入居者に対して説明する内容【告示五関係】

・高齢者居宅生活支援サービスを提供する事業者が、提供する高齢者居宅生活支援サービスについて、入居相談時に入居希望者に対して説明する内容【告示五関係】

・高齢者居宅生活支援サービスを提供する事業者が、入居者と契約した高齢者居宅生活支援サービスの一部を別の事業者に委託すること又は別の事業者と連携することにより提供させる場合に、入居者に対して説明する内容【告示五関係】

3.その他の改正内容

(1) 今般の改正の趣旨を踏まえ、単管省令及び告示において、書面による保存が義務付けられている又は書面による保存に努めることとされている書類についても、電磁的記録による保存を認めることとする。【単管省令第37条第2項(新設)及び告示三関係】

※単管省令については、令和3年8月31日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う国土交通省関係省令の整備等に関する省令(令和3年国土交通省令第53号)」において改正され、令和3年9月1日より施行されている。

(2) 法及び政令において条項の新設がされたことに伴い、政令、共同省令、単管省令、告示及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第三十八条の国土交通大臣が定める基準(平成31年国土交通省告示第385号)について、形式面の所要の改正を行う。

第3 経過措置

単管省令に定める別記様式及び共同省令に定める別記様式第1号について、形式面の所要の改正を行うこととなるが、施行の際現にある改正前の様式による申請書についても、当分の間、なおこれを使用することができるものとする。

第4 その他

今般の改正の趣旨及び規制改革実施計画において「各府省は、所管する行政手続等のうち、法令等又は慣行により、国民や事業者等に対して紙の書面の作成・提出等を求めているものについて、必要な措置を講じるとともに、その周知を行う。」とされたことを踏まえ、各地方公共団体においても、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定する手続について、特段の支障がない限り、電子メールでの登録申請書等の提出を認める等、オンラインでの対応を促進いただくようお願いする。

以上