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○人工知能関連技術を活用した医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)について

(令和4年3月31日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課通知)

医療機器の変更計画の確認申請の取扱いについては、「医療機器の変更計画の確認申請の取扱いについて」(令和2年8月31日付け薬生機審発0831第14号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)により示しているところです。また、「医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)について」(令和2年10月30日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)及び「医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)(その2)について」(令和3年10月30日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)により、変更計画の確認申請における申請方法、資料編纂等の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)を示しているところです。

今般、人工知能技術を活用した医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)を、別添のとおり取りまとめましたので、貴管内の製造販売業者において浸透が図られるよう、周知方御配慮願います。

[別添]

人工知能関連技術を活用した医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)

〔用いた略語〕

規則:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)

課長通知:令和2年8月31日付け薬生機審発0831第14号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知「医療機器の変更計画の確認申請の取扱いについて」

Q&A(その2):令和3年10月20日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡「医療機器の変更計画の確認申請に関する質疑応答集(Q&A)(その2)について」

〔留意事項〕

本Q&Aは、上記の課長通知についてその解釈を示したものであるが、本Q&A及び上記のQ&Aを参照しても、変更計画の確認申請に当たって疑義がある場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という)に相談するよう検討すること。

1.人工知能関連技術を活用した医療機器について

Q1:規則第114条の45の2第3項第2号のいう、医療機器(人工知能関連技術を活用したものに限る。)とはどのようなものか。

A1:深層学習を含む機械学習等により構築されたプログラムを主な機能として利用する医療機器を想定している。今後の技術の発展に伴い、概念の幅は変わりうる。

Q2:医療機器(人工知能関連技術を活用したものに限る。)とあるが、医療機器プログラムのみが対象となるのか。

A2:ハードウェアを含む有体物である医療機器であっても、人工知能関連技術を活用して医療機器の機能を実現しているものは対象となる。

Q3:医療機器(人工知能関連技術を活用したものに限る。)とあるが、変更の対象が人工知能関連技術に関連しない事項の場合も、規則第114条の45の2第3項第2号に従う必要はあるか。

A3:人工知能関連技術を用いた医療機器であっても、変更計画の対象となる変更内容が人工知能関連技術に関係しないものである場合は、規則第114条の45の2第3項第1号に従って対応すること。

Q4:設計や製造に人工知能関連技術を用いたものも対象となるのか。

A4:人工知能関連技術により構築されたプログラム自体を医療機器に搭載したものではなく、人工知能関連技術を用いて設計、製造されたものは対象とはならない。

2.人工知能関連技術に係る変更計画の確認申請に必要な資料について

Q5:変更計画確認申請書の各欄の記載事項は、原則として変更計画により変更が行われる前後の承認事項を新旧対照表の形式にて記載することとなっている。変更後の欄について、記載内容が明記できない場合、①届出時の届出書で記載予定の内容、②届出時の届出書には明確に記載することを説明文として記載することでよいか。

A5:認められない。変更計画には承認事項の変更内容を変更前後ともに明記し、その変更を実現するための改良方法と、改良が実現されたことを確認するための評価方法を適切な性能目標値とともに記載した資料を添付すること。

Q6:人工知能関連技術を活用した医療機器の場合、規則第114条の45の2第3項第1号関係の資料に加えて、「変更計画の作成及び実施に関する手順」及び「その他人工知能関連技術の適正かつ円滑な管理に必要な資料」の提出が求められているが、これらの提出を必要とする理由は何か。

A6:医療機器の設計開発においては、設計、検証、その検証を踏まえた設計の改良及び設計の改良の妥当性確認のサイクルが実施されるが、人工知能関連技術を活用した医療機器の場合は開発段階と同様に追加学習においても連続的に当該過程が実施されることが想定されるため、その手順の提出を求めている。

Q7:課長通知の別表2のイの1で示す「変更計画の作成及び実施に関する責任及び権限を記載した資料(※組織図的なもの)」について、具体的にどのような資料を提出する必要があるか。QMSの役割・責任関連の社内規程を参照すればよいか。

A7:変更が製造販売業者内部において実施される場合は、例えば社内規程やQMSの組織図等が考えられる。社外機関等を交えた共同研究開発の場合は、共同研究先との責任分担について明記した設計開発関連手順に準じた手順書や契約書等を示すこと。

Q8:課長通知の別表2のイの2で示す「変更計画の作成、照査、検証、妥当性確認及び変更計画の変更を実施するために必要な手順(※QMSの設計開発関連の手順で一部代用できる)。」について、具体的にどのような資料を提出する必要があるか。例えば、設計開発関連手順そのものでも良いと考えるが正しいか。

A8:QMS文書において、照査、検証、妥当性確認に必要な手順が記載されている場合は、当該QMS文書又はその概要を示した資料が該当しうる。設計開発関連手順と同様の手順に基づき市販後の変更を行う場合は、それも代用となり得る。

Q9:課長通知の別表2のイの3で示す「変更計画で示されたとおりの変更が実施されていることを確認するために必要な手順」について、具体的にどのような資料を提出する必要があるか。

A9:承認申請前の設計開発時に行われる改良の妥当性確認と同様に、変更計画で示されたとおりの変更が実施されたことを確認するための手順を示す必要がある。

Q10:課長通知 別表2ロ「その他人工知能関連技術の適正かつ円滑な管理に必要な資料」に対応する資料として「市販後に性能が変化することが想定される医療機器において、その性能を管理するために必要な手順」の添付が求められているが、具体的に何を指すか。

A10:当該医療機器の性能に影響を及ぼす因子を管理する手順を指す。例えば、バリデーション用を含めた追加学習に用いるデータの取得や選定の手順、学習方法、性能評価に用いるデータの取得を含めた試験の実施方法等が考えられる。どのような因子を管理すべきかについては品目に応じて検討すること。

3.手続きの明確化

Q11:規則第114条の45の12第2項で示す変更計画に従った変更を届出により行うことが可能な範囲として、手数料令第12条第1項第1号イ(5)から(9)までに掲げる変更に限定しているが、臨床評価を必要とする変更については変更計画の確認を受けることができないと考えてよいか。

A11:臨床評価を要する変更であっても、変更計画の確認を受けることは可能である。ただし、変更の適用にあたっては、一部変更承認申請を行うこと。この場合、総合機構は、変更計画に従った変更であるかどうかについて、書面又は実地の調査を行う。

Q12:課長通知の第3変更計画確認申請書に添付すべき資料の取扱い及び作成上の留意点第3項に「添付資料は、(中略)サマリー・テクニカル・ドキュメント(STED)の形式を参考とし」とされているが、人工知能関連技術を用いた医療機器の場合はどのように考えればよいか。

A12:表1を参考に作成すること。

Q13:変更計画の確認を受けた後に、学習データ収集先の医療機関を変更する必要が生じた場合、変更計画変更確認申請が必要か。

A13:変更計画軽微変更届出に該当する可能性もあるため、総合機構へ相談すること。

Q14:変更計画において事前に確認を受けた性能目標値を僅差で達成できなかった場合、変更計画に従った変更の届出は行えないと考えてよいか。

A14:基本的には試験結果が性能目標未達の場合は届出できないと考えるべきである。Q&A(その2)のA6を参考に、対応を検討すること。

Q15:変更計画に従った変更の届出に添付した、試験の結果を示す資料及び変更の内容に係る資料について、調査は行われるのか。

A15:課長通知第3に示すとおり、規則第114条の22の規定に基づき収集され作成されたものであることを確認するために、信頼性調査で求めている資料の提出を求めることがあるため、速やかに提出できるようにしておく必要がある。

4.その他

Q16:規則第114条の45の4第2項第4号に人工知能関連技術を活用した医療機器で変更計画の確認を受けることができない場合として、「当該医療機器の品質、有効性及び安全性に重大な影響を与えるおそれのある変更」と規定されているが、どのような例が該当するのか。

A16:稀に生じうる想定困難な事象を対象としているため、具体例はお示しできない。

表1.医療機器の変更計画の確認申請に添付すべき資料の項目

別表

添付資料

添付資料の項目

課長通知(別表1、別表2)

STED形式

別表1 変更計画確認申請書に添付すべき資料の項目(規則第114条の45の2第3項第1号関係)

イ.変更計画

1.開発の経緯に関する資料

2.国内外における使用状況

1.品目の総括

1.1 品目の概要

1.2 開発の経緯

1.3 類似医療機器との比較

1.4 外国における使用状況

3.変更計画に関する資料

4.設計検証及び妥当性確認文書の概要

4.新旧対照表

3.機器に関する情報

ロ.設計及び開発の検証方法に関する資料

1.性能及び安全性の変更に関する検証の実施計画に関する資料

2.その他設計検証の実施計画に関する資料

4.設計検証及び妥当性確認文書の概要

2.基本要件基準への適合性

3.リスクマネジメントの実施体制に係る計画に関する資料

4.安全上の措置を講じる際の体制に係る計画に関する資料

6.リスクマネジメント

6.1 リスクマネジメントの実施状況

6.2 安全上の措置を講じたハザード

5.製造工程と製造所の変更に係る計画に関する資料

6.滅菌の変更に係る計画に関する資料

7.製造に関する情報

7.1 滅菌方法に関する情報

7.臨床試験の試験に係る実施計画に関する資料

8.臨床評価の実施計画に関する資料

8.臨床試験の試験成績等

8.1 臨床試験成績等

9.製造販売後調査等の計画に関する資料

9.製造販売後調査等の計画

10.添付文書に関する資料

5.添付文書(案)

別表2 変更計画確認申請書に添付すべき資料の項目(規則第114条の45の2第3項第2号関係)

イ.変更計画の作成及び実施に関する手順

人工知能関連技術の品質、有効性及び安全性を確保するために必要と考えられる以下の実施手順

1.変更計画の作成及び実施に関する責任及び権限を記載した資料(※組織図的なもの)

4.設計検証及び妥当性確認文書の概要

2.変更計画の作成、照査、検証、妥当性確認及び変更計画の変更を実施するために必要な手順(※QMSの設計開発関連の手順で一部代用できる)

4.設計検証及び妥当性確認文書の概要

3.変更計画で示されたとおりの変更が実施されていることを確認するために必要な手順

4・信頼性調査に該当するような事項を検証する手順を示す。

ロ.その他人工知能関連技術の適正かつ円滑な管理に必要な資料

1.その他人工知能関連技術の適正かつ円滑な管理に必要な資料

市販後に性能が変化することが想定される医療機器において、その性能を管理するために必要な手順

9.製造販売後調査等の計画