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○不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて

(令和4年3月25日)

(保医発0325第7号)

(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長通知)

(公印省略)

診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)及び使用薬剤の薬価(薬価基準)(平成20年厚生労働省告示第60号。以下「薬価基準」という。)については、それぞれ令和4年厚生労働省告示第54号及び令和4年厚生労働省告示第57号をもって改正され、令和4年4月1日から適用することとされたところです。

今般、令和4年度診療報酬改定による不妊治療の取扱いに関して、不妊治療で使用される医薬品についても、原則として、薬事承認の効能・効果、用法・用量の範囲で使用する場合には保険適用となります。つきましては、関係する医薬品に係る留意事項を下記のとおりとするので、貴管下の保険医療機関、審査支払機関等に対して周知徹底をお願いします。

なお、不妊治療で使用される医薬品のうち、公知申請に係る事前評価が終了したものの取扱いについては、「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」(令和4年3月25日付け保医発0325第8号)によりお示ししているところなのでご了知願います。

1 薬価基準の一部改正に伴う留意事項について

(1) バイアグラ錠25mg、同錠50mg、同ODフィルム25mg及び同ODフィルム50mg並びにシアリス錠5mg、同錠10mg及び同錠20mg

本製剤について、保険適用の対象となるのは、勃起不全による男性不妊の治療を目的として一般不妊治療におけるタイミング法において用いる場合であることから、以下1)~7)の全ての要件を満たした場合に限り算定できる。

なお、本製剤は、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成18年厚生労働省告示第107号。以下「掲示事項等告示」という。)第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものである。

1) 本製剤の投与を行う医師は、原則として、泌尿器科について5年以上の経験を有すること。

ただし、特段の理由(例えば、近隣に要件を満たす医師がおらず、投与可能な他の保険医療機関に患者を紹介できない等)がある場合には、「診療報酬の算定方法」(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科点数表」という。)区分番号「B001」の「32」一般不妊治療管理料に係る施設の届出を行っている保険医療機関に限り、投与しても差し支えない。その場合、当該理由を診療録に記載すること。

また、診療報酬明細書の摘要欄に、以下の事項を記載すること。

① 投与を行う医師に係る要件として次に掲げるもののうち、該当するもの(「投与医要件ア」又は「投与医要件イ」と記載)

ア 泌尿器科について5年以上の経験を有する医師

イ ア以外で、特段の理由がある場合

② 上記①イに該当する場合、当該理由

2) 他の医療機関において不妊症に係る診療が行われている患者に対し、当該保険医療機関から紹介を受けて本製剤を投与する場合は、紹介元の施設と連携し、必要な情報共有を行える体制を有すること。

3) 本製剤の投与に際して、関連学会が作成した勃起不全に関するガイドラインの診断アルゴリズムに従い、勃起不全と診断された患者であること。なお、その旨を診療録に記載すること。

4) 本製剤を投与される患者又はそのパートナーのいずれかが、本製剤の投与日から遡って6か月以内に、医科点数表区分番号「B001」の「32」一般不妊治療管理料又は医科点数表区分番号「B001」の「33」生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること。

また、診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に、以下の事項を記載すること。

① 上記の管理料に係る医学的管理を受けているのが、本製剤を投与する患者又はそのパートナーのいずれであるか

② 上記の管理料に係る医学的管理を行っている保険医療機関名(投与する保険医療機関と同一である場合には省略しても差し支えない。)

③ 上記の管理料の算定が行われた年月(投与日から遡って6か月以内に限る。)

5) 本製剤の投与にあたっては、その数量は、1回の診療につき、タイミング法における1周期分に限り、かつ、4錠以下であること。

6) 本製剤を繰り返し投与する場合は、投与の継続期間は6か月間を目安とすること。6か月を超えて投与を継続する場合は、継続の必要性を改めて検討し、必要と判断した理由及び初回投与の年月を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、6か月を超えて投与を継続する場合も、その継続期間は原則として初回投与から1年以内とする。

7) 本製剤を保険診療において処方する場合、処方箋の備考欄に、保険診療である旨を記載すること。

(2) レコベル皮下注12μgペン、同皮下注36μgペン及び同皮下注72μgペン

① 本製剤は性腺刺激ホルモン製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

② 本製剤については注入器一体型のキットであるので、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定する場合、医科点数表区分番号「C151」注入器加算は算定できないものであること。

(3) ガニレスト皮下注0.25mgシリンジ

① 本製剤はゴナドトロピン放出ホルモン誘導体であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

② 本製剤については針付注入器一体型のキットであるので、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定する場合、医科点数表区分番号「C151」注入器加算及び「C153」注入器用注射針加算は算定できないものであること。

③ 本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

(4) セトロタイド注射用0.25mg

① 本製剤はゴナドトロピン放出ホルモン誘導体であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

② 本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

(5) ルテウム腟用坐剤400mg

本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

(6) ウトロゲスタン腟用カプセル200mg

本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

(7) ルティナス腟錠100mg

本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

(8) ワンクリノン腟用ゲル90mg

本製剤は、掲示事項等告示第十第二号(一)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日間を限度とする。)は適用されないものであること。

2 関係通知の一部改正について

(1) 「クエン酸シルデナフィル製剤に係る取扱いについて」(平成11年3月9日付け保険発第20号)を廃止する。

(2) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正について」(平成21年3月23日付け保医発第0323001号)の記の2の(1)を削り、(2)及び(3)を1つずつ繰り上げる。

(3) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部改正について」(平成22年9月24日付け保医発0924第1号)の記の2の(3)の①を削り、②及び③を1つずつ繰り上げる。

(4) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部改正について」(平成25年6月21日付け保医発0621第1号)の記の2の(10)の①中「「月経困難症」」を「「「月経困難症」及び「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」」に改める。

(5) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部改正について」(平成25年8月27日付け保医発0827第2号)の記の2の(4)の①中「「月経困難症」」を「「「月経困難症」及び「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」」に改め、③を削る。

(6) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)等の一部改正等について」(平成29年2月14日付け保医発0214第3号)の記の3の(1)の①及び(3)を次のように改める。

(1) ヤーズフレックス配合錠

① 本製剤の効能・効果は、「子宮内膜症に伴う疼痛の改善」、「月経困難症」及び「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」であること。

(3) オビドレル皮下注シリンジ250μg

① 本製剤は性腺刺激ホルモン製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

② 本製剤は針付注入器一体型のキットであるので、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定する場合、医科点数表区分番号「C151」注入器加算及び「C153」注入器用注射針加算は算定できないものであること。

(7) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」(平成30年8月28日付け保医発0828第1号)の記の3の(1)の①中「「月経困難症」」を「「「月経困難症」及び「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」」に改め、③を削る。

(8) 「ゴナールエフ皮下注用75、同皮下注用150、同皮下注ペン300、同皮下注ペン450及び同皮下注ペン900の医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について」(平成31年2月21日付け保医発0221第3号)の記の1を次のように改める。

1 効能・効果等の一部変更承認に伴う留意事項について

ゴナールエフ皮下注用75及び同皮下注用150

本製剤は性腺刺激ホルモン製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、医科点数表区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を算定できるものであること。

(参考:新旧対照表)

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