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○狂犬病予防法施行令の一部を改正する政令等の施行に係る取扱いについて
(令和4年3月9日)
(健感発0309第2号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)
(公印省略)
平素より、狂犬病予防対策の推進につきまして、御理解と御協力を賜り誠にありがとうございます。
令和3年12月22日に狂犬病予防法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第338号。以下「改正令」という。)が、令和4年2月24日に狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第24号。以下「改正省令」という。)が公布され、令和4年4月1日より施行されることとなりました。
つきましては、改正令及び改正省令の施行に係る取扱いについて、下記のとおりとしましたので、内容について御了知の上、関係者(都道府県にあっては管内の市町村を含む。)へ周知いただくとともに、その適切な運用に御配慮願います。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的助言であることを申し添えます。
記
1.改正の内容
(1) 改正令について
改正令による改正後の狂犬病予防法施行令(昭和28年政令第236号。以下「新令」という。)第2条第2項第1号の「その犬又はその犬の所有者の所在が判明しない場合」、同項第2号の「その犬が本邦以外の地域に所在することが明らかな場合」、同項第3号の「前2号が掲げる場合のほか、特別の事情があるため、その犬の登録を消除することが適当であると認める場合」には、同項の規定により、市町村長の職権により狂犬病予防法(昭和25年法律第247号。以下「法」という。)第4条の登録を受けた犬に関して当該登録の消除を行うことができることとなる。
(2) 改正省令について
改正省令による改正後の狂犬病予防法施行規則(昭和25年厚生省令第52号。以下「新規則」という。)第10条において、当該犬が生後25年以上であって、かつ、死亡したものと推定される場合には、新令第2条第2項第3号に規定する「特別の事情」に該当するものとする。
2.留意事項
(1) 新令及び新規則に基づき、職権により犬の登録を消除するに際しては、下記の事項にも留意が必要であること。
① 新令第2条第2項第1号に規定するその犬又はその犬の所有者の所在が判明しない場合は、例えば、法に基づく毎年1回の狂犬病の予防注射に関して、原簿に登録されている犬の所有者の住所に案内を送付したが、当該案内が複数回差し戻されるなど当該住所において犬の所有者の生活の実態が確認できない場合が考えられること。
② 新令第4条第2項第2号に規定する「その犬が本邦以外の地域に所在することが明らかな場合」は、海外への転出に関する任意の届出等によりその犬の所有者から入手した海外渡航に関する情報(渡航期間、渡航先等)等に基づき判断することが適当であること。
海外に転出したことが確認できた場合は、転出元市町村の判断で新令第4条第2項第2号に基づき登録原簿から削除することが可能であること。この場合、再度入国した際には、法に基づき犬の所有者の届出を受け、転入先自治体において、新規の登録を行う必要があること。
なお、その犬が、将来的に管下の住所に帰国することを予定していることが確認された場合は、帰国した際に再度犬の登録を行うための市町村及び犬の保有者の負担を考慮し、登録の消除は行わないといった取扱いも可能であること。
③ 新規則第10条で規定する犬の年齢については、我が国で飼育される犬の推定寿命に関する調査研究(※)において、現状国内では、生後25年以上の犬はほぼ生存していないといった結論が導かれていることを踏まえたものであるが、生後25年以上であっても、法に基づく毎年1回の狂犬病の予防注射の接種履歴等でその犬の生存が確認されている場合は新規則第10条の「死亡したものと推定される場合」には当たらないこと。
※ 我が国で飼育される犬の推定寿命に関する調査研究
― Inoue, M. et al. Estimating the life expectancy of companion dogs in Japan using pet cemetery data. 2018. J. Vet. Med. Sci.80(7):1153―1158
― 令和2年度厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「わが国の狂犬病予防体制の推進のための研究」
(2) 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第39号)に基づくマイクロチップの装着等の義務化に係る法の特例(以下「狂犬病予防法の特例」という。)が、令和4年6月1日より施行される。これに伴い、狂犬病予防法の特例に基づき環境大臣に通知を求める市町村において「鑑札とみなされたマイクロチップ」を装着している犬については、環境大臣の指定登録機関が運営するマイクロチップ情報登録システムを通じて、海外を含む犬の所在地の情報が確認可能となる予定であること。