添付一覧
○不妊治療のために使用されることを目的として承認事項一部変更承認申請を行う医薬品に係る手数料の特例について
(令和4年1月13日)
(薬生薬審発0113第1号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)
(公印省略)
不妊治療で標準的に使用されている医薬品であって、当該治療に係る効能、効果、用法又は用量(以下「効能等」という。)が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)第14条の承認を受けていないものについては、「不妊治療において使用されている医療用医薬品の承認申請について」(令和3年7月30日付け薬生薬審発0730第5号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)において、日本製薬団体連合会に対し、積極的に承認申請をご検討いただくようお願いしています。
また、「不妊治療において使用されている医療用医薬品の適応外使用に係る取扱いについて」(令和3年7月30日付け医政研発0730第1号・薬生薬審発0730第4号厚生労働省医政局研究開発振興課長・厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長連名通知。以下「連名通知」という。)において、一般社団法人日本生殖医学会(以下「学会」という。)において取りまとめられた「生殖医療ガイドライン」において使用が推奨され、かつ、学会が薬事承認に係る要望を提出した、不妊治療で標準的に使用されている医薬品の取扱いを示したところです。
本日、当該医薬品について不妊治療のために使用されることを目的として効能等を追加する承認事項一部変更承認申請を行う場合の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)における審査の手数料の特例を設ける「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律関係手数料令の一部を改正する政令」(令和4年政令第19号。以下「改正令」という。)が公布、施行されました。
改正令による改正後の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律関係手数料令」(平成17年政令第91号。以下「手数料令」という。)附則第4条の特例の対象となる医薬品を、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律関係手数料令附則第四条の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品」(令和4年厚生労働省告示第1号。以下「指定告示」という。)により指定したところですが、その詳細については下記の通りとしますので、貴管内の製造販売業者及び製造業者に対して周知徹底を図るとともに、適切な指導を行って頂きますようお願いします。
記
1 手数料の特例の対象となる医薬品
手数料令附則第4条に定める特例の対象となる医薬品は、指定告示に定める医薬品であって、学会より不妊治療に係る薬事承認の要望があった以下の品目とします。
・製造販売業者に要望に係る見解の提出を求め、第47回及び第48回の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高いと判断された別紙1及び別紙2に掲げる品目並びにその品目を先発とする後発医薬品であって、別紙1及び別紙2に掲げる品目ごとの要望効能・効果を追加する一部変更承認を受けようとするもの
・学会より厚生労働省に対し不妊治療に係る薬事承認の要望があった品目のうち、連名通知に基づいて承認申請を行う別紙3に掲げる品目及びその品目を先発とする後発医薬品であって、学会より要望のあった効能等を追加する一部変更承認を受けようとするもの
2 手数料の特例を受けるための手続について
手数料令附則第4条に定める特例の対象となる医薬品は、手数料コードを「GG4 医療用医薬品製造販売一部変更承認(不妊治療、先の申請品目)」(手数料令附則第4条第1号に定める医薬品)又は「GG5 医療用医薬品製造販売一部変更承認(不妊治療、規格違い品目)」(手数料令附則第4条第2号に定める医薬品)として承認事項一部変更承認申請を行って下さい。
また、本特例は令和3年8月1日以降に承認申請されたものにも遡及して適用しますので、既に承認申請を行った製造販売業者にあっては、上記手数料コードに変更して承認申請書の差換えを行って下さい。
3 後発医薬品の効能等の是正にかかる一部変更承認申請について
不妊治療のために使用されることを目的として先発医薬品との効能等の相違を是正するための、後発医薬品における承認事項一部変更承認申請については、手数料令附則第4条に定める特例の対象外であり、従前の通り手数料令第32条第1項第2号イ(10)が適用されます。
なお、連名通知に基づいて承認申請される先発医薬品については、必要に応じて市販後における追加の安全性監視活動等を承認条件として求めることができることとされており、承認後当面の間、保険適用下での使用実態等を注視する必要があると考えております。従って、上記の後発医薬品に係る承認事項一部変更承認申請については、別途定める一定の期間を経過した後に受け付けることとします。
(別紙1)
第47回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(令和3年9月13日開催)において医療上の必要性が高いと判断された品目
No. |
成分名 |
要望効能・効果 |
要望用法・用量 |
会社名 |
販売名 |
1 |
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン |
生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化 |
採卵のおよそ34~36時間前に5,000~10,000単位を筋注又は皮下投与する。 |
あすか製薬株式会社、富士製薬工業株式会社、持田製薬株式会社 |
ゴナトロピン筋注用5000単位 注射用HCG5,000単位「F」、同10,000単位「F」 HCGモチダ筋注用5千単位、同1万単位 |
2 |
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン |
一般不妊治療における排卵誘発及び黄体化 視床下部―下垂体機能障害に伴う無排卵又は希発排卵、原因不明不妊、及び男性不妊で人工授精を実施する場合 |
通常、5,000~10,000単位を単回皮下又は筋肉内投与する。 |
あすか製薬株式会社、富士製薬工業株式会社、持田製薬株式会社 |
ゴナトロピン筋注用5000単位 注射用HCG5,000単位「F」、同10,000単位「F」 HCGモチダ筋注用5千単位、同1万単位 |
3 |
ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン |
生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
通常150又は225IUを月経周期2日目又は3日目から1日1回皮下又は筋肉内投与する。患者の反応に応じて1日450IUを超えない範囲で適宜用量を調節し、卵胞が十分に発育するまで継続する。本剤の最終投与後、卵胞最終成熟を誘発する。 |
あすか製薬株式会社、フェリング・ファーマ株式会社、富士製薬工業株式会社 |
HMG筋注用75単位「あすか」、同150単位「あすか」 HMG注射用75IU「フェリング」、同150IU「フェリング」 HMG筋注用75単位「F」、同150単位「F」 |
4 |
精製下垂体性性腺刺激ホルモン |
生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
通常150又は225IUを月経周期2日目又は3日目から1日1回皮下投与する。患者の反応に応じて1日450IUを超えない範囲で適宜用量を調節し、卵胞が十分に発育するまで継続する。本剤の最終投与後、卵胞最終成熟を誘発する。 |
あすか製薬株式会社、富士製薬工業株式会社 |
uFSH注用75単位「あすか」、同150単位「あすか」 フォリルモンP注75、同150 |
5 |
ナファレリン酢酸塩水和物 |
生殖補助医療における早発排卵の防止 |
1回あたり片側の鼻腔内に1噴霧(ナファレリンとして200μg)又は左右の鼻腔内に各々1噴霧ずつ(ナファレリンとして400μg)を1日2回投与する。 |
ファイザー株式会社 |
ナサニール点鼻液0.2% |
6 |
ブセレリン酢酸塩 |
生殖補助医療における早発排卵の防止 |
1回あたり左右の鼻腔内に各々1噴霧ずつ(ブセレリンとして300μg)を1日2~4回投与する。 |
サノフィ株式会社 |
スプレキュア点鼻液0.15% |
7 |
レトロゾール |
多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発 |
初回治療周期は2.5mgを月経周期3日目から5日間投与する。効果不良の場合には、次周期以降の1日投与量を5mgに増量する。 |
ノバルティスファーマ株式会社 |
フェマーラ錠2.5mg |
(別紙2)
第48回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(令和3年10月13日開催)において医療上の必要性が高いと判断された品目
No. |
成分名 |
要望効能・効果 |
要望用法・用量 |
会社名 |
販売名 |
1 |
セトロレリクス酢酸塩 |
調節卵巣刺激下における早発排卵の防止(用法の追加) |
卵巣の反応に応じて本剤を投与開始し、採卵誘発当日まで、セトロレリクスとして0.25mgを1日1回腹部皮下に連日投与する。 |
日本化薬株式会社 |
セトロタイド注射用0.25mg |
2 |
クロミフェンクエン酸塩 |
生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
クロミフェンクエン酸塩50~100mg/日で月経周期3日目から投与開始し、卵胞が十分発育するまで継続する。 |
富士製薬工業株式会社 |
クロミッド錠50mg |
3 |
ジドロゲステロン |
生殖補助医療における黄体補充 |
ジドロゲステロン錠(内服)1回10mg、1日3回 ① 新鮮胚移植 採卵日から投与開始とし妊娠成立(妊娠47週)まで継続する。 ② 自然周期で凍結融解胚移植 排卵日から投与開始とし妊娠成立(妊娠47週)まで継続する。 ③ ホルモン調整周期で凍結融解胚移植 月経開始後からエストロゲン製剤を投与し子宮内膜の肥厚が得られた時点でジドロゲステロン併用を開始する。 ジドロゲステロン投与は妊娠成立~最長妊娠12週まで継続する。 |
マイランEPD合同会社 |
デュファストン錠5mg |
4 |
メトホルミン塩酸塩 |
多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発 (一般不妊治療での使用) |
最初の2週間は500mg/日から開始し、消化器系の副作用の有無をみながら1000~1500mg/日まで増量する。投与中は卵胞発育や基礎体温を観察し、排卵までに中止すること。 |
大日本住友製薬株式会社 |
メトグルコ錠250mg、同500mg |
5 |
メトホルミン塩酸塩 |
多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
最初の2週間は500mg/日から開始し、消化器系の副作用の有無をみながら1000~1500mg/日まで増量する。投与中は卵胞発育や基礎体温を観察し、採卵までに中止すること。 |
大日本住友製薬株式会社 |
メトグルコ錠250mg、同500mg |
6 |
レトロゾール |
原因不明不妊における排卵誘発 |
初回治療周期は2.5mgを月経周期3日目から5日間投与する。効果不良の場合には、次周期以降の1日投与量を5mgに増量する。 |
ノバルティスファーマ株式会社 |
フェマーラ錠2.5mg |
7 |
カベルゴリン |
卵巣過剰刺激症候群の発症抑制 |
カベルゴリン0.5mgを卵子成熟(トリガー)のhCGまたはGnRHアゴニスト投与開始日または採卵後から7~8日間経口投与する。 |
ファイザー株式会社 |
カバサール錠0.25mg |
(別紙3)
成分(剤形) |
日本生殖医学会より要望があった効能等 |
販売名 (製造販売業者) |
エストラジオール(外用ゲル剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ル・エストロジェル0.06% (富士製薬工業株式会社) |
エストラジオール(外用ゲル剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
ル・エストロジェル0.06% (富士製薬工業株式会社) |
エストラジオール(経口剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ジュリナ錠0.5mg (バイエル薬品株式会社) |
エストラジオール(経口剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
ジュリナ錠0.5mg (バイエル薬品株式会社) |
エストラジオール(ゲル剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ディビゲル1mg (サンファーマ株式会社) |
エストラジオール(ゲル剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
ディビゲル1mg (サンファーマ株式会社) |
エストラジオール(貼付剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
エストラーナテープ0.72mg、同0.36mg (久光製薬株式会社) |
エストラジオール(貼付剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
エストラーナテープ0.72mg、同0.36mg (久光製薬株式会社) |
エストラジオール吉草酸エステル(注射剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
プロギノン・デポー筋注10mg (富士製薬工業株式会社) |
クロミフェンクエン酸塩(経口剤) |
男性不妊症に対する造精機能の改善 |
クロミッド錠50mg (富士製薬工業株式会社) |
クロルマジノン酢酸エステル(経口剤) |
生殖補助医療における黄体ホルモン併用調節卵巣刺激法 |
ルトラール錠2mg (富士製薬工業株式会社) |
結合型エストロゲン(経口剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
プレマリン錠0.625mg (ファイザー株式会社) |
結合型エストロゲン(経口剤) |
凍結融解胚移植におけるホルモン調整周期 |
プレマリン錠0.625mg (ファイザー株式会社) |
シクロフェニル(経口剤) |
生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
セキソビット錠100mg (あすか製薬株式会社) |
ジドロゲステロン(経口剤) |
生殖補助医療における黄体ホルモン併用調節卵巣刺激法 |
デュファストン錠5mg (マイランEPD合同会社) |
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール(経口剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ヤーズフレックス配合錠 (バイエル薬品株式会社) |
ナファレリン酢酸塩水和物(点鼻液) |
生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化 |
ナサニール点鼻液0.2% (ファイザー株式会社) |
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール(経口剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ルナベル配合錠LD、同ULD (ノーベルファーマ株式会社) |
ブセレリン酢酸塩(点鼻液) |
生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化 |
スプレキュア点鼻液0.15% (サノフィ株式会社) |
メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(経口剤) |
生殖補助医療における黄体ホルモン併用調節卵巣刺激法 |
ヒスロン錠5、プロベラ錠2.5mg (協和キリン株式会社、ファイザー株式会社) |
レトロゾール(経口剤) |
生殖補助医療における調節卵巣刺激 |
フェマーラ錠2.5mg (ノバルティスファーマ株式会社) |
レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール(経口剤) |
生殖補助医療における周期調整 |
ジェミーナ配合錠 (ノーベルファーマ株式会社) |
令和4年1月13日時点