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○「医療費通知を活用した医療費控除申告簡素化」Q&Aの改正について

(令和3年12月24日)

(事務連絡)

(都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)・後期高齢者医療主管課(部)・都道府県後期高齢者医療広域連合事務局・全国健康保険協会・健康保険組合あて厚生労働省保険局保険課・厚生労働省保険局国民健康保険課・厚生労働省保険局高齢者医療課・厚生労働省保険局医療介護連携課通知)

所得税法等の一部を改正する法律(平成29年法律第4号)第1条の規定による改正後の所得税法(昭和40年法律第33号)により、医療費控除の申告手続が改正され、医療保険者が交付する医療費通知を医療費の明細書として確定申告書等に添付した場合には当該医療費に係る領収書の保存を要しないこととされ、その取扱いについては、「「医療費通知を活用した医療費控除の簡素化」Q&Aの改正について」(平成29年12月19日付厚生労働省保険局保険課事務連絡)、「「医療費通知を活用した医療費控除申告簡素化」Q&Aの改正について」(平成29年12月28日付厚生労働省保険局国民健康保険課事務連絡)、「「医療費通知を活用した医療費控除申告簡素化」Q&Aの改正について」(平成29年12月18日付厚生労働省保険局高齢者医療課事務連絡)及び「「医療費通知を活用した医療費控除申告簡素化」Q&Aの改正について」(令和元年7月4日付厚生労働省保険局保険課事務連絡)によりお示ししているところです。

今般、マイナポータルにおける医療費通知情報の閲覧が開始されたこと等を踏まえ、医療費通知情報の活用等について別添のとおり整理しましたので、御了知の上、貴管内市町村(特別区を含む。)及び関係団体への周知並びにその円滑な運用につき御配慮をお願いいたします。

なお、本事務連絡については、税務当局と協議済みであることを申し添えます。

(参考)

修正問

問31

※ 令和4年1月より、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」において医療費通知の利用が可能となることを踏まえ、内容を修正しました。

これまで、電子的に発行された医療費通知(PDF形式、XML形式等)を印刷して書面申告に使用することは認められておりませんでしたが、令和4年1月より、保険者から電子交付された医療費通知データ(XML形式)を基に、申告者自身が「QRコード付証明書等作成システム」を用いて作成・印刷した「QRコード付控除証明書等」に限り、書面申告に使用することが可能となる予定です。

新設問

問37~問41

※ 令和3年11月より、マイナポータルにおける医療費通知情報の閲覧が開始されたことを踏まえ、問を新設しました。医療費通知情報とは、保険医療機関・保険薬局の窓口で支払った公的医療保険に係る医療費の情報であり、マイナポータルでの閲覧や医療費控除の申告手続で利用が可能です。

以上

[別添]

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[参考:改正後全文]

「医療費通知を活用した医療費控除の簡素化」Q&A(R3.12.24版)

目次

1.総論

問1 「医療費通知を活用した医療費控除の簡素化」の趣旨如何。

問2 改正省令の項目を医療費通知に記載することが保険者に義務づけられるのか。

2.医療費通知の運用

問3 医療費通知に関する厚生労働省の過去の通知には、医療費通知の項目や実施頻度が定められているが、今回の省令改正により、これらの通知の内容も変更されるのか。

問4 レセプト事務の都合上、前年1月から12月分までの全てを確定申告時期に間に合うよう2月に発行することは困難であるが問題ないか。

問5 医療費通知の実施頻度、通知の回数(半年ごと、一年ごと等)や時期については、保険者の判断で自由に設定してよいか。

問6 改正省令の施行日が平成30年1月1日となっているが、平成29年中に発行した医療費通知に改正省令の項目が記載されていれば、それをもって、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使えるのか。また、今般の制度改正以前は、医療費通知を医療費控除の申告に使用することはできなかったため、「医療費控除の申告には使用できません」といった趣旨の文言が記載されている場合があるが、この場合にはどうか。

問7 改正省令の施行日が平成30年1月1日となっているが、平成29年1月以降の診療分に係る医療費通知を平成29年中に発行した場合には、改正省令の内容に合うように、再度、医療費通知を出し直さなければならないのか。

問8 医療費控除の申告は、過去5年分さかのぼって行うことができるが、過去の医療費通知についても対応する必要があるのか。

問9 医療費控除の申告は、過去5年分さかのぼって行うことができるが、発行後5年間、保険者に医療費通知の保存義務が生じるのか。

問10 医療費通知の紛失等を理由とする被保険者の求めに応じ医療費通知の再交付を行った場合に、当該医療費通知は医療費控除の申告手続に使えるのか。

問11 改正省令の6項目以外の項目は、今後、標準項目として追加されないという理解でよいか。

問12 医療費通知を、被扶養者分もまとめて世帯単位で作成してもよいか。

問13 健康保険法上の被扶養者ではあるが、税法上の生計を一にする親族ではない者が含まれる世帯も想定されるが、こうした世帯に対して発行する医療費通知は、被保険者に係るものと被扶養者に係るものが区別できる状態にする必要があるのか。

3.医療費通知に記載する病院等の名称

問14 改正省令で医療費通知に記載することとなっている「療養を受けた病院、診療所、薬局その他の者の名称」は、施術者が個人事業主等の場合はどのように記載すればよいのか。

問15 受診した診療科が精神科や産婦人科であった場合や、DV被害者が受診した場合には、医療費通知に記載する医療機関等の名称を空白又は○○医療機関等としているが、これらの医療機関等に支払った医療費についても、医療費通知を医療費控除の申告に使えるのか。

4.医療費通知に記載する医療費の額(自己負担額)

問16 改正省令で医療費通知に記載することとなっている「支払った医療費の額」は、医療費総額(10割分)を指すのか、自己負担額(1~3割分)を指すのか。

問17 医療費通知に記載されている医療費には、公費負担医療、自治体単独の医療費助成、減額査定、未収金等が反映されておらず、医療費の額が正確ではない。これを医療費控除の申告に使うのは、不適切ではないか。

問18 医療費通知に記載されていない自治体単独の医療費助成等の額を、保険者がすべて確認して医療費通知に反映しなければならないのか。

問19 被保険者が給付を受けた公費負担医療の額について、保険者が把握している場合には、必ず医療費通知に反映しなければならないのか。

問21 (家族)療養費、(家族)出産育児一時金、高額療養費等の扱いはどうなるか。

問22 柔道整復療養費、はり・きゅう・マッサージ等の療養費、治療用装具の療養費の扱いはどうなるか。

問23 付加給付の扱いはどうなるか。

問24 セルフメディケーション税制(スイッチOTC薬の医療費控除の特例)との関係はどうなっているのか。

問25 医療費通知に記載されている医療費に未払いがあった場合には、どうするのか。

問26 保険者が医療費通知を作成する際、医療機関による請求遅れ(月遅れ請求)があった場合、療養を受けた年月の記載はどうすればいいか。

問27 審査による点数変更(減額査定等)があった場合の扱いはどうすればいいか。また、審査による点数変更(減額査定等)が年をまたいでしまった場合の扱いはどうすればいいか。

問28 医療機関窓口で支払う自己負担額の端数処理と医療費通知に記載する医療費の端数処理の方法は異なるが、このような従来の運用を変える必要はないと理解してよいか。このような端数処理が行われた医療費通知を医療費控除の申告に使っても問題ないのか。

問29 被保険者が支払った医療費の額を正確に反映しているとはいえない医療費通知を医療費控除の申告に使えるようにすることは、不適正な還付請求を助長することになるのではないか。

5.申告手続

問30 医療費通知を活用して医療費控除の申告をする場合、具体的にどのような手続になるのか。

問31 電子的に発行された医療費通知を印刷して紙で申告してもよいのか。

問32 紙の医療費通知のコピーを使用して申告してもよいのか。

問33 保険診療外の医療費や市販薬の購入費、交通費等については、どのように申告すればよいのか。

問34 医療費通知に記載されている医療費については、すべて領収書の保存が不要になるのか。

問35 今般の改正により、電子申告・書面申告の双方で医療費通知を活用できることになるが、申告時の要件や留意事項等を盛り込んだパンフレット等を作成していただけるのか。

6.システム改修

問36 システム改修コストは、国で負担してもらえるのか。

7.医療費通知情報

問37 医療費通知情報とはどのような情報か。

問38 過去何年分の医療費通知情報が閲覧可能か。

問39 医療費通知情報は、被扶養者分もまとめて世帯単位で閲覧可能か。

問40 医療費通知情報を活用して医療費控除の申告をする場合、具体的にどのような手続になるのか。

問41 電子的に発行された医療費通知情報を印刷して紙で申告をする場合、具体的にどのような手続きになるのか。

1.総論

問1 「医療費通知を活用した医療費控除の簡素化」の趣旨如何。

(答)平成29年度税制改正により、所得税等の医療費控除の申告手続が、従来の医療費等の領収書の添付等に代わり、「医療費控除の明細書」を添付する方式に改められました。これに伴い、「医療費控除の明細書」として、医療保険者が交付する医療費通知を活用できることとされました。(注1)

今般の制度改正により、医療費控除の申告に係る医療費等の領収書については、確定申告期限等から5年間保存する必要がありますが、確定申告書等に一定の要件を満たす医療費通知(注2)を添付した場合には、当該医療費通知に記載されている医療費の領収書については保存する必要がないこととされ、従来の領収書の収集・保存・添付が不要となるほか、一定の要件の下(注3)で保険者から電子交付された医療費通知データをe―Taxを利用した電子申告時に活用することにより申告手続の簡素化に資するものと考えています。

(注1)平成29年分以後の確定申告書等を平成30年1月1日以後に提出する場合に適用されます。

(注2)以下の標準項目を記載した医療費通知に限ります。

①被保険者(又はその被扶養者)の氏名

②療養を受けた年月

③療養を受けた者の氏名

④療養を受けた病院、診療所、薬局その他の者の名称

⑤被保険者又はその被扶養者が支払った医療費の額

⑥保険者の名称

(注3)保険者による電子署名が行われているなど、別途、国税庁が定める仕様に準拠するものに限ります。

問2 改正省令の項目を医療費通知に記載することが保険者に義務づけられるのか。

(答)今回の省令改正は、平成29年度税制改正により、所得税等の医療費控除の申告の際に、医療費の明細書として医療保険者が交付する医療費通知を活用できることとされたことに伴い、保険者が医療費通知を交付する場合の標準項目を6項目示したものです。また、所得税法施行規則についても同様の改正が行われました。

今回の改正により、医療費通知のうち上記の標準項目(6項目)を記載したもの(電子交付された医療費通知については一定の要件を満たすものに限る(問1参照))は、医療費控除の申告に活用できるようになりますが、医療費通知にこれらの標準項目を記載することを保険者に義務づけるものではありません。

なお、従来から、予算編成通知において、被保険者などが受診した際の医療費の実情を理解してもらうとともに、健康に対する理解を深め、結果的に組合の健全な運営に資することから、医療費通知について積極的に取り組む旨を記載しておりますが、この取扱いについての変更はありません。

2.医療費通知の運用

問3 医療費通知に関する厚生労働省の過去の通知には、医療費通知の項目や実施頻度が定められているが、今回の省令改正により、これらの通知の内容も変更されるのか。

(答)「国民健康保険における医療費の通知について」(平成10年4月27日付厚生省保険局国民健康保険課長通知)及び「長寿医療制度における医療費適正化対策事業等の実施について」(平成21年4月16日付厚生労働省保険局高齢者医療課長通知)における通知項目に関して、今回の省令改正を反映した改正を行う予定です。

問4 レセプト事務の都合上、前年1月から12月分までの全てを確定申告時期に間に合うよう2月に発行することは困難であるが問題ないか。

(答)今般の税制改正は、医療費通知を活用することにより「医療費控除の明細書」を作成する手間を省くことができること、これまで医療費控除の申告の際に添付していた領収書の収集・保存・添付が不要となること、また、e―Taxを利用した電子申告により申告手続を簡素化することを目的としています。

医療費通知の発行スケジュールとの関係で、前年分の全ての月の医療費を反映した医療費通知を確定申告時期に間に合うように発行できない場合があるということは承知しておりますが、その場合でも、医療費通知を活用して医療費控除の申告をされる方の利便性を考慮し、可能な限り多くの月が対象となるようご対応をお願いいたします。

なお、医療費通知に反映できない月分の医療費については領収書に基づいて作成した明細書を申告書に添付していただくことになります。こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

問5 医療費通知の実施頻度、通知の回数(半年ごと、一年ごと等)や時期については、保険者の判断で自由に設定してよいか。

(答)今回の省令改正により、医療費通知の実施頻度や通知の回数・時期について何らかの基準を設けるものではありませんが、各保険者におかれては、①一年分(医療費通知に反映できない月がある場合には、反映できる月分まで)の医療費通知を2月上旬から中旬に発行する、②前年分のうち、確定申告の時期までに通知できない月分(12月分など)については、修正申告等を行う場合に円滑に申告手続が進められるよう、翌年1月分以降の医療費とは分けて使用できるようにする(例えば、年ごとに異なる用紙で通知を発行する、1枚の用紙を年ごとに分割できるようにする、必要に応じて再交付する旨を周知する等)など、医療費通知を活用して医療費控除の申告をされる方の利便性を考慮した対応をお願いいたします。

問6 改正省令の施行日が平成30年1月1日となっているが、平成29年中に発行した医療費通知に改正省令の項目が記載されていれば、それをもって、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使えるのか。また、今般の制度改正以前は、医療費通知を医療費控除の申告に使用することはできなかったため、「医療費控除の申告には使用できません」といった趣旨の文言が記載されている場合があるが、この場合にはどうか。

(答)平成29年中に発行した医療費通知に改正省令の標準項目が記載されていれば、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使うことができます。「医療費控除の申告には使用できません」といった趣旨の文言が記載されている場合も同様です。

問7 改正省令の施行日が平成30年1月1日となっているが、平成29年1月以降の診療分に係る医療費通知を平成29年中に発行した場合には、改正省令の内容に合うように、再度、医療費通知を出し直さなければならないのか。

(答)問6の答のとおり、平成29年中に発行した医療費通知に改正省令の標準項目が記載されていれば、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使うことができます。

平成29年中に発行した、標準項目を記載していない医療費通知について、改正省令の内容に合うように再度出し直していただくことを求めるものではありませんが、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使うためには、改正省令の標準項目を記載していることが必要になります。

問8 医療費控除の申告は、過去5年分さかのぼって行うことができるが、過去の医療費通知についても対応する必要があるのか。

(答)今般の改正は、平成29年分以後の確定申告書等を平成30年1月1日以後に提出する場合に適用されますので、施行時(平成30年1月1日)においては過去分についての対応は想定されません。

平成31年以降、過去の医療費通知についても医療費控除の申告に使えるよう対応していただくことを求めるものではありません。

問9 医療費控除の申告は、過去5年分さかのぼって行うことができるが、発行後5年間、保険者に医療費通知の保存義務が生じるのか。

(答)発行後5年間、保険者に医療費通知の保存義務が生じるということはありませんので、医療費控除の申告が可能な期間にあわせて、発行後5年間、再発行できる状態にしていただく必要は必ずしもありません。

問10 医療費通知の紛失等を理由とする被保険者の求めに応じ医療費通知の再交付を行った場合に、当該医療費通知は医療費控除の申告手続に使えるのか。

(答)医療費通知に改正省令の標準項目が記載されていれば、平成29年分の所得税の医療費控除の申告手続に使うことができます。

問11 改正省令の6項目以外の項目は、今後、標準項目として追加されないという理解でよいか。

(答)医療費通知の標準項目を追加する予定はありません。

問12 医療費通知を、被扶養者分もまとめて世帯単位で作成してもよいか。

(答)被扶養者分もまとめて世帯単位で医療費通知を作成するという現行の運用を変更していただく必要はありません。

なお、その場合には、「療養を受けた者の氏名」を記載するとともに、療養を受けた者ごとに医療費等を記載する必要があります。

問13 健康保険法上の被扶養者ではあるが、税法上の生計を一にする親族ではない者が含まれる世帯も想定されるが、こうした世帯に対して発行する医療費通知は、被保険者に係るものと被扶養者に係るものが区別できる状態にする必要があるのか。

(答)被扶養者分もまとめて世帯単位で医療費通知を作成するという現行の運用を変更していただく必要はありません。ご指摘のような場合における申告手続については、国税庁ホームページをご確認ください。

3.医療費通知に記載する病院等の名称

問14 改正省令で医療費通知に記載することとなっている「療養を受けた病院、診療所、薬局その他の者の名称」は、施術者が個人事業主等の場合はどのように記載すればよいのか。

(答)保険者の実情に応じ、個人又は施術者が所属する団体等の名称を記載していただきますようお願いします。

なお、医療機関等の名称の欄が所属する団体等の名称や空白の場合は、具体的な医療機関等の名称が不明ですので、領収書に基づいて医療費通知(原本)に必要事項を補完記入していただくか(注1)、領収書に基づき作成した「医療費控除の明細書」を申告書に添付していただくことになります。

また、申告者自身が作成した「医療費控除の明細書」を添付した場合には、医療費の領収書を申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

(注)

1 申告者自身が医療費通知に必要事項を補完記入した場合には、その補完記入した欄については、次の(注2)と同様の取扱いとなりますので、医療費通知を申告書に添付した場合であっても、その補完記入した欄に対応する医療費の領収書については、申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

2 「医療費控除の明細書」の「2 医療費の明細」欄に必要事項を記載してください。

問15 受診した診療科が精神科や産婦人科であった場合や、DV被害者が受診した場合には、医療費通知に記載する医療機関等の名称を空白又は○○医療機関等としているが、これらの医療機関等に支払った医療費についても、医療費通知を医療費控除の申告に使えるのか。

(答)医療費通知の医療機関等の名称の欄に空白又は○○医療機関等と記載されている場合には、当該医療費については、領収書に基づいて医療費通知(原本)に、医療費の明細として必要事項を補完記入していただくか(注1)、領収書に基づき作成した「医療費控除の明細書」(注2)を申告書に添付していただくことになります。

なお、申告者自身が作成した「医療費控除の明細書」を添付した場合には、医療費の領収書を申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

(注)

1 申告者自身が医療費通知に必要事項を補完記入した場合には、その補完記入した欄については、次の(注2)と同様の扱いとなりますので、医療費通知を申告書に添付した場合であっても、その補完記入した欄に対応する医療費の領収書については、申告者が5年間保存する必要があります。

2 「医療費控除の明細書」の「2 医療費の明細」欄に必要事項を記載してください。

4.医療費通知に記載する医療費の額(自己負担額)

問16 改正省令で医療費通知に記載することとなっている「支払った医療費の額」は、医療費総額(10割分)を指すのか、自己負担額(1~3割分)を指すのか。

(答)改正省令の「支払った医療費の額」は、自己負担相当額を指します。

問17 医療費通知に記載されている医療費には、公費負担医療、自治体単独の医療費助成、減額査定、未収金等が反映されておらず、医療費の額が正確ではない。これを医療費控除の申告に使うのは、不適切ではないか。

(答)公費負担医療、自治体単独の医療費助成、減額査定、未収金等など、医療費通知に反映されていないものについては、申告者自身が領収書等を確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。この場合に必要となる具体的な手続については、国税庁ホームページをご確認ください。

なお、公費負担医療制度や自治体単独の医療費助成により自己負担の減免を受けた申告者から、自己負担の減免額に関して照会があった場合に、適切にご対応頂くことについて、厚生労働省から自治体に対して協力依頼を行っております。

こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

問18 医療費通知に記載されていない自治体単独の医療費助成等の額を、保険者がすべて確認して医療費通知に反映しなければならないのか。

(答)自治体単独の医療費助成等の額を、保険者が確認する必要はありません。医療費通知に記載されている医療費の額(自己負担相当額)と実際に支払った自己負担額が一致していない場合には、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。

この場合の具体的な手続については、国税庁ホームページをご確認いただくか税務署にお問い合わせいただくのが望ましいですが、例えば、以下のようなものが考えられます。

① 該当する行に、記号を付すなどした上で、欄外に、「窓口負担額なし。」と記載する。

② 該当する行の医療費負担額の左右余白に、「窓口負担なし。」と記載する。

こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

問19 被保険者が給付を受けた公費負担医療の額について、保険者が把握している場合には、必ず医療費通知に反映しなければならないのか。

(答)公費負担医療の金額が医療費通知に反映されていない場合には、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。この場合に必要となる具体的な手続については、国税庁ホームページをご確認ください。

被保険者の利便性に鑑み、対応可能な場合には医療費通知に反映いただくのが望ましいと考えていますが、公費負担医療についての医療費通知上の扱いは各保険者により異なるものと考えており、各保険者における現行の扱いを必ずしも変更していただく必要はありません。

問21 (家族)療養費、(家族)出産育児一時金、高額療養費等の扱いはどうなるか。

(答)(家族)療養費、(家族)出産育児一時金、高額療養費、高額介護合算療養費など、医療費通知に記載されている医療費の額に反映されていないものについては、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。

問22 柔道整復療養費、はり・きゅう・マッサージ等の療養費、治療用装具の療養費の扱いはどうなるか。

(答)柔道整復療養費、はり・きゅう・マッサージ等の療養費、治療用装具の療養費等に係る医療費通知上の扱いは、各保険者により異なるものと考えており、各保険者における現行の扱いを変更していただく必要はありません。医療費通知に記載されている医療費の額に反映されていないものについては、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。

問23 付加給付の扱いはどうなるか。

(答)付加給付についての医療費通知上の扱いは、各保険者により異なるものと考えており、各保険者における現行の扱いを変更していただく必要はありません。付加給付が、医療費通知に記載されている医療費の額に反映されていない場合は、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。

問24 セルフメディケーション税制(スイッチOTC薬の医療費控除の特例)との関係はどうなっているのか。

(答)セルフメディケーション税制(平成29年1月1日~平成33年12月31日までの間にスイッチOTC医薬品を一定額購入した場合の特例措置)と医療費控除については、重複適用は受けられず、どちらかを選択して申告していただくことになっており、この点に関して、今般の税制改正による取扱いの変更はありません。

なお、セルフメディケーション税制の対象となるスイッチOTC医薬品は、保険診療の対象外であるため、医療費通知に含まれることはありません。

問25 医療費通知に記載されている医療費に未払いがあった場合には、どうするのか。

(答)医療費通知に記載されている医療費に未払いがあった場合には、申告者自身が領収書等で確認して、その年中に実際に負担した額を申告していただくことになります。

こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

問26 保険者が医療費通知を作成する際、医療機関による請求遅れ(月遅れ請求)があった場合、療養を受けた年月の記載はどうすればいいか。

(答)医療機関による請求遅れ(月遅れ請求)があった場合には、実際に療養を受けた年月での記載をお願いします。

上記の記載が医療費通知への反映に間に合わなかった場合には、申告者自身が領収書等で確認して、その年中に実際に負担した額を申告していただくことになります。

問27 審査による点数変更(減額査定等)があった場合の扱いはどうすればいいか。また、審査による点数変更(減額査定等)が年をまたいでしまった場合の扱いはどうすればいいか。

(答)審査による点数変更(減額査定等)があった場合には、被保険者に対して自己負担額の調整(還付又は徴収)が行われることになりますので、当該調整後の医療費の額(自己負担額)を記載していただきますようお願いします。

審査による点数変更が年をまたいでしまい、当該調整が年内にできなかった場合には、請求時の医療費の額(自己負担額)を記載していただくことになります。この場合、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくか、後日修正申告等をしていただく必要があります。

こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

問28 医療機関窓口で支払う自己負担額の端数処理と医療費通知に記載する医療費の端数処理の方法は異なるが、このような従来の運用を変える必要はないと理解してよいか。このような端数処理が行われた医療費通知を医療費控除の申告に使っても問題ないのか。

(答)運用上ご指摘のような端数処理方法の違いがあることは承知しており、従来の運用を変えていただく必要はありません。そのような端数処理が行われた医療費通知を医療費控除の申告に使うという点については、税務当局と調整済みであり、そのまま申告に使っていただいて差し支えありません。

問29 被保険者が支払った医療費の額を正確に反映しているとはいえない医療費通知を医療費控除の申告に使えるようにすることは、不適正な還付請求を助長することになるのではないか。

(答)今般の制度改正は、所得税等の医療費控除の申告手続が、従来の医療費等の領収書の添付等に代わり、「医療費控除の明細書」を添付する方式に改められたことに伴い、さらに申告手続を簡素化する観点から医療保険者が交付する医療費通知を活用できることとしたものです。

医療費通知に記載されている医療費の額(自己負担額)が、実際に支払った自己負担額と一致していない場合には、申告者自身が領収書等で確認して、実際に負担した額を申告していただくことになります。

こうした点を含め、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

5.申告手続

問30 医療費通知を活用して医療費控除の申告をする場合、具体的にどのような手続になるのか。

(答)医療費通知を活用して医療費控除を受ける申告手続は、次のとおりです。

① 医療費通知に記載された医療費のみについて医療費控除を受ける場合

医療費通知(原本)を確定申告書に添付して申告します。

② 医療費通知に記載されていない医療費についても医療費控除を受ける場合

「医療費控除の明細書」とともに医療費通知(原本)を確定申告書に添付して申告します。

なお、これらの申告手続については、いずれも書面により申告する方法(注1)とe―Taxを利用した電子申告による方法(注2)があります。具体的な手続に関しては、国税庁ホームページ又はe―Taxホームページをご確認ください。

(注)

1 医療費通知に記載されていない医療費について「医療費控除の明細書」を作成して医療費控除を受ける場合、医療費通知に必要事項を補完記入して医療費控除を受ける場合(問13、14参照)については、その領収書を確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

2 平成29年分のe―Taxを利用した電子申告については、被保険者が、被保険者向けウェブサイトにログインし、被保険者端末へ医療費通知(データ)をダウンロードした後、e―Taxへ医療費通知(データ)をアップロードする方式となります。

問31 電子的に発行された医療費通知を印刷して紙で申告してもよいのか。

(答)医療費通知を用いて書面申告する場合は、以下のいずれかを確定申告書に添付する必要があります(注1)。

①保険者が紙で発行した医療費通知の原本

②保険者から電子交付された医療費通知データ(XML形式)を基に、申告者自身が「QRコード付証明書等作成システム」を用いて作成・印刷した「QRコード付控除証明書等」(注2)

なお、上記②の方式以外で医療費通知を印刷したものを使用して書面申告することはできません(注3)。

(注)

1 医療費控除の書面申告については、医療費通知のほか、申告者自身が作成した「医療費控除の明細書」を添付して申告することも可能です。この場合、医療費等の領収書について、申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

2 医療費通知に対応した「QRコード付証明書等作成システム」は、令和4年1月よりe―Taxホームページにてリリース予定です。

3 ただし、当該印刷物を申告者自身が作成した「医療費控除の明細書」の参考添付資料として使用することは可能です。この場合、医療費控除の明細書の「2 医療費(上記1以外)の明細」に「別紙のとおり」と記載してください。

問32 紙の医療費通知のコピーを使用して申告してもよいのか。

(答)医療費控除を書面により申告する際には、医療費通知の原本を提出する必要があります。

問33 保険診療外の医療費や市販薬の購入費、交通費等については、どのように申告すればよいのか。

(答)医療費通知に記載されていない医療費等について申告する場合は、領収書に基づき作成した「医療費控除の明細書」を申告書に添付していただくことになります。

その場合、当該領収書については、申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

問34 医療費通知に記載されている医療費については、すべて領収書の保存が不要になるのか。

(答)医療費通知を申告書に添付した場合、当該医療費通知に記載されている医療費については、法令上、領収書を保存する必要はありません。

ただし、医療費通知に記載されていない医療費分について医療費控除の申告をする場合は、領収書に基づき作成した「医療費控除の明細書」を申告書に添付していただくことになります。その場合、当該領収書については、申告者が確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

また、医療費通知に必要事項を補完記入した場合も同様です(問13、14参照)。

問35 今般の改正により、電子申告・書面申告の双方で医療費通知を活用できることになるが、申告時の要件や留意事項等を盛り込んだパンフレット等を作成していただけるのか。

(答)今般の改正についてのパンフレット等を作成することは考えていませんが、申告手続や医療費通知作成上の留意点等については、内容が固まり次第、随時情報提供してまいりますので、保険者から被保険者への適切な情報提供をお願いいたします。

6.システム改修

問36 システム改修コストは、国で負担してもらえるのか。

(答)今般の税制改正に対応するために必要なシステム改修費用に係る平成29年度予算措置については、電子申告への対応を効率的に実施する観点から、全国健康保険協会及び健康保険組合のうち、既に被保険者向けウェブサイトを運営している保険者に対して、同ウェブサイトから医療費通知データをダウンロードして電子申告を行うために必要なシステム改修費用の補助を実施することとしております。対象となる保険者に対してお知らせしています。

7.医療費通知情報

問37 医療費通知情報とはどのような情報か。

(答)医療費通知情報とは、保険医療機関・保険薬局の窓口で支払った公的医療保険に係る医療費の情報であり、マイナポータルでの閲覧や医療費控除の申告手続で利用が可能です。

具体的には、受診者情報(氏名、性別、生年月日、年齢、保険者番号、被保険者証等記号・番号・枝番)と医療費の情報(総額、保険者負担額、公費負担額、窓口負担相当額、診療年月、診療区分、診療実日数、医療機関等名称)が閲覧可能です。

ただし、以下の事例のように、審査支払機関での取り扱いとならない情報については、医療費通知情報として表示されません。

・高額な医療費を保険医療機関・保険薬局の窓口で支払い、後日、保険者から支給を受けた場合の高額療養費

・立て替え払いをしたときの療養費(保険資格を確認できずに受診した場合や海外で療養を受けた場合等)

・コルセット等の治療用装具を作成した場合の費用

・はり・きゅう、あんま・マッサージ・指圧の施術費用

・整骨院・接骨院で受けたときの柔道整復療養費

・保険適用外の費用(自由診療や差額ベッド代等)

・審査支払業務を健康保険組合と直接契約している保険薬局で支払った費用

問38 過去何年分の医療費通知情報が閲覧可能か。

(答)過去3年分を閲覧可能です。ただし、2021年8月以前の診療分については閲覧対象外です。

問39 医療費通知情報は、被扶養者分もまとめて世帯単位で閲覧可能か。

(答)世帯単位では閲覧できません。基本的には、本人の情報のみ閲覧可能です。なお、マイナポータルでの代理人設定を行うことにより、ご家族の方等の医療費通知情報を閲覧することができるようになる予定です。

問40 医療費通知情報を活用して医療費控除の申告をする場合、具体的にどのような手続になるのか。

(答)申告の際に、「マイナポータル連携」(注1)を利用することにより、医療費通知情報のデータを取得することができますので、当該データを申告書とともにe―Taxで送信してください。この場合、当該医療費通知情報に含まれる医療費については、領収書を保存する必要はありません。

なお、「医療費控除の明細書」への入力については、医療費通知情報に含まれる医療費を、当該明細書の「1 医療費通知に記載された事項」に入力(注2)してください。

また、医療費通知情報に含まれない医療費について申告する場合には、別途、明細書への入力等が必要となります。

(注)

1 「マイナポータル連携」の詳細は国税庁ホームページの「マイナポータル連携特設ページ」(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mynapo.htm)をご覧ください。

2 申請者は、医療費通知情報に含まれる医療費について、保険者から高額療養費や立て替え払いの療養費の現金給付を受けた場合には、確定申告の際にその旨を申告する必要があります。

問41 電子的に発行された医療費通知情報を印刷して紙で申告をする場合、具体的にどのような手続きになるのか。

(答)マイナポータルのWeb画面やPDFを印刷・ダウンロードしたものは医療費通知情報の原本ではありませんが、医療費控除の参考添付資料とすることが可能です。その場合、医療費控除の明細書の「2 医療費(上記1以外)の明細」欄に「別紙のとおり」と記載してください。この場合、領収書の保存が5年間必要になります。