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○メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品、要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品の取扱いについて

(令和3年12月28日)

(/薬生薬審発1228第1号/薬生安発1228第1号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

メチルロザニリン塩化物(別名:ゲンチアナバイオレット、クリスタルバイオレット)を含有する医療用医薬品、要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品の取扱いについて、令和3年12月20日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会における審議結果を踏まえ、別紙のとおりとしましたので、貴管下関係業者に対して指導方よろしくお願いします。

別紙

メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品、要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品の取扱いについて

メチルロザニリン塩化物(別名:ゲンチアナバイオレット、クリスタルバイオレット)は、消毒、着色等の目的で、医療用医薬品、要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品(以下「医療用医薬品等」という。)に有効成分又は添加物として使用される。他方、当該物質については、平成26年に国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議が評価を行い、遺伝毒性及び発がん性が認められたことから、一日許容摂取量(ADI)を設定できないとした。これを受け、平成30年7月、コーデックス委員会1が各国に対し、「食品中に残留することを防止すべき」との勧告を行った。また、同勧告を受け、令和元年6月、カナダ保健省はリスク評価を行い、企業が自主的に販売を中止したことから、ゲンチアナバイオレットを含有する非処方箋医薬品2の承認取消を発表した。

我が国においては、平成30年11月に、食品安全委員会が動物用医薬品におけるゲンチアナバイオレットに係る食品健康影響評価を実施し、遺伝毒性を示す可能性を否定できず、発がん性が示唆されたことから、ADIを設定すべきでないと判断している。これを受け、ゲンチアナバイオレットについて、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に規定する食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質として規定された(令和3年12月17日厚生労働省告示第408号)。

以上を受け、医療用医薬品等の取扱いについては、令和3年12月20日に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において審議を行った結果を踏まえ、以下の1.から5.のとおり取り扱うこととする。

1.医療用医薬品

医療用医薬品においては、有効成分であるか添加物であるかに関わらず、メチルロザニリン塩化物の含有を認めないこととする。ただし、代替品がなく、当該医薬品によるベネフィットがリスクを上回る場合に限り、そのリスク(遺伝毒性の可能性及び発がん性)を患者に説明し、同意を得た上で投与することを前提として認めることを許容する。

2.要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品

要指導・一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品においては、メチルロザニリン塩化物の含有を認めないこととする。

3.適用時期

通知日より適用する。

4.経過措置

通知日より前に承認等された医療用医薬品等については、令和4年12月31日まで、製造販売又は販売を認めることとする。

5.その他

貴管下関係業者において、メチルロザニリン塩化物を含有する医療用医薬品等で販売されているものがあれば、以下の(1)の報告事項について(2)の宛先まで報告されたい。

(1) 報告事項

・該当の製品名

・販売している業者名及びその連絡先

・問合せ先(都道府県における担当者連絡先)

(2) 宛先

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課

電子メール:mhlw-antaika@mhlw.go.jp

――――――――――

1 消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、FAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の策定等を行っている。

2 カナダ保健省では、ゲンチアナバイオレットを含有するヒト治療用製品についてリスク評価を行っているが、ゲンチアナバイオレットを含有するヒト用医薬品については、処方箋医薬品がなく、非処方箋医薬品1製品のみであった。