添付一覧
○新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた後天性低フィブリノゲン血症における乾燥人フィブリノゲンの使用に当たっての留意事項について
(令和3年9月6日)
(/薬生薬審発0906第6号/薬生安発0906第20号/薬生血発0906第1号/)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長、厚生労働省医薬・生活衛生局血液対策課長通知)
(公印省略)
フィブリノゲンHT静注用1g「JB」(一般名:乾燥人フィブリノゲン)(以下「本剤」という。)については、令和3年9月6日付け薬生薬審発0906第2号・薬生安発0906第16号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長及び医薬安全対策課長連名通知(以下「事前評価通知」という。)にて通知したとおり、令和3年9月6日開催の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議報告書に基づき、公知申請についての事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないとされました。ただし、事前評価通知にて示したとおり、本剤については、まずは、効能・効果を産科危機的出血に限ることとしました。
本剤の使用に当たっては、具体的な留意事項として下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関に対する周知をお願いします。また、貴管下の卸売販売業者に対しても適切に対応するよう周知願います。
記
1.本剤の効能又は効果について
事前評価通知のとおり、当面、本剤の効能又は効果は、「先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向の改善」及び「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」であること。
2.本剤の効能又は効果に関連する注意について
本剤の後天性低フィブリノゲン血症患者に対する投与の適否や投与開始時期については、添付文書の記載に加え、関連学会のガイドライン等の最新の情報を参考としつつ、適切に判断すること。
3.用法及び用量並びに用法及び用量に関連する注意について
本剤を後天性低フィブリノゲン血症に用いる場合であって、投与後に血症フィブリノゲン血症が改善しない場合には追加の投与を検討することができること。ただし、追加投与の適否は、フィブリノゲン以外の因子の出血への関与の可能性も考慮して慎重に判断し、本剤を漫然と投与することがないよう注意すること。
4.本剤の適正使用の方策について
本剤の「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」における使用は、産科危機的出血を適切に管理できる医療機関において、適切な投与対象に対して行われる必要がある。そのため、本剤投与は、血中フィブリノゲン値の迅速測定が可能で、かつ産科危機的出血の管理に精通した医師が常駐するなど、日本産科婦人科学会等(以下「学会」という。)が定める使用施設の条件を満たした医療機関において使用すること。
本剤の「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」での使用については、学会が適正使用に関する実態把握及び調査(以下「調査等」という。)を行いつつ使用することとされていることから、本剤を使用する医療機関においては、学会の調査等に適切に協力すること。また、副作用等の報告については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に適切に報告すること。なお、製造販売業者から副作用等の報告に関する情報収集等の協力依頼がなされた際には、これに協力すること。
5.本剤の安定供給等について
本剤は、人の血液から製造される医薬品であり、血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全に排除することができない特定生物由来製品であり、また、製造販売業者による供給量には限界がある。そのため、「先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向」を効能又は効果として本剤が既に使用されているところ、今般の事前評価終了に伴う使用の拡大により、有用性が確認されていない投与対象に該当する症例に使用されることがないよう、血液製剤の使用指針(平成31年3月厚生労働省医薬・生活衛生局)における基本的考え方や関連学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、本剤を適切な対象に投与するとともに、使用目的に照らして適切な投与量に限ること。
本剤を使用する医療機関においては、製造販売業者から安定供給のための使用状況及び使用症例の確認があった場合には、適切に対応すること。