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○「児童福祉法施行令及び地方自治法施行令の一部を改正する政令」の公布について(通知)
(令和3年7月21日)
(子発0721第2号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各児童相談所設置市長あて厚生労働省子ども家庭局長通知)
(公印省略)
児童相談所の管轄区域については、「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」(令和元年法律第46号)による児童福祉法(昭和22年法律第164号)の改正により、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して、児童相談所を設置する地方公共団体が定めることとされたところであるが、その参酌すべき基準を定める「児童福祉法施行令及び地方自治法施行令の一部を改正する政令」(令和3年政令第209号。以下「改正令」という。)が、本日公布され、令和5年4月1日より施行される。
改正令の趣旨及び内容は、下記のとおりであるので、十分御了知の上、その運用に遺漏なきを期されたい。
なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言である。
記
第一 児童相談所の管轄区域に関する考え方について
改正令は、児童相談所における児童虐待相談対応件数の増加や、依然として死亡事例・重傷事例が発生していることを踏まえ、本通知の第二に記載する参酌基準を定め、児童相談所の管轄区域の適正化を図るものであること。なお、児童相談所の管轄区域に係る参酌基準については、改正令の施行の状況を踏まえ、今後も不断の検討を行っていくものであること。
第二 児童相談所の管轄区域に係る参酌基準について(改正令第1条)
1 地理的条件について(改正令による改正後の児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号。以下「新令」という。)第1条の3第1号)
都道府県の区域において、基礎自治体である市町村(特別区を含む。以下同じ。)が行政サービスの提供の基礎的な単位となっていることから、児童相談所の管轄区域は、一又は二以上の市町村の区域とすること。すなわち、市町村の区域を分割するような管轄区域とはしないこと。指定都市においては、区(総合区を含む。以下同じ。)が行政サービスの提供の基礎的な単位となっていることから、児童相談所の管轄区域は、当該指定都市の区域又は一若しくは二以上の区の区域とすること。
また、児童相談所の管轄区域を定めるに当たっては、管轄区域内の市町村、福祉事務所、学校、医療機関等の関係機関との緊密な連携を図るため、地理的条件を考慮する必要がある。この場合の地理的条件とは、区域内の関係機関の立地状況や、当該関係機関を利用する者の居住地域等を指すものであり、例えば学校の立地と通学する児童の居住圏や、医療機関の立地と利用者の居住圏などを考慮すること。
2 人口について(新令第1条の3第2号)
各児童相談所の担当するケース数等を適正なものとし、児童虐待への対応等を適切に行えるようにすることが必要であることから、新令第1条の3第2号において、管轄区域内の人口(以下「管轄人口」という。)は、「基本としておおむね50万人以下」とすべきことを規定したこと。
「おおむね50万人」との規定は、児童虐待相談等によりきめ細かく対応していくことが求められていること、国において中核市等への児童相談所の設置支援を行っていること、児童相談所の設置の基準に関するワーキンググループにおいて、管轄人口が100万人を超える児童相談所では対応件数が膨大になるとの指摘がされたこと等から、管轄人口20万人から100万人までの範囲が目安となる趣旨であり、これを踏まえて積極的に管轄区域の見直しを検討されたいこと。これは、管轄人口20万人を下回る児童相談所の設置を妨げるものではなく、また、管轄人口100万人以下の児童相談所が存する地域についても、児童相談所の新設等により管轄人口をおおむね50万人以下とするような管轄区域の見直しを積極的に検討されたいこと。
なお、児童相談所の管轄区域については、同号に規定する人口のみを基準に機械的に定めるのではなく、区域内の児童人口や将来の人口の見通し、1の地理的条件、3の交通事情等を含めた総合的な考慮の下に定められたいこと。
3 交通事情について(新令第1条の3第3号)
児童相談所は、虐待通告を受けてから速やかに一時保護を行うなど、児童の安全確保のため短時間で児童のいる場所へ到着する必要があること、また、管轄区域内の住民が児童相談所を訪れる際の利便性などの観点から、交通事情や関係機関の連絡調整の実施の状況を勘案し、区域内の各所へ移動しやすいよう管轄区域を定める必要があること。
なお、管轄区域が広大である場合には、児童相談所を新たに設置することの他に、支所を設置することにより、区域内の移動の利便性を向上させることも考えられること。
第三 その他
1 中核市等の児童相談所設置について
児童相談所は、都道府県、指定都市及び児童相談所設置市が設置するが、子育て支援施策の実施主体でもある基礎自治体が児童相談所を設置した場合は、これら関連部門との連携をより行いやすいと考えられる。
そのため、中核市等を含む地域の児童相談所の管轄区域を見直す場合には、こうした基礎自治体の役割も念頭に置きつつ、まずは当該中核市等が児童相談所設置市に移行することを積極的に検討されたいこと。
2 市町村と児童相談所の交流について
児童相談所を設置しない市(特別区を含む。)及び町村においても、児童虐待相談対応窓口や子育て支援窓口において、住民の子育てに関する相談に対応している。
厚生労働省において開催した「子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ」のとりまとめ(令和3年2月2日)において、子どもの福祉を確保するためには、基礎自治体である市町村職員のソーシャルワーク能力を高めていく必要があり、市町村と児童相談所の間の交流・連携を深めることの重要性が指摘されている。
この趣旨を踏まえて、市町村と児童相談所の職員の人事交流等の促進を図られたいこと。
