アクセシビリティ閲覧支援ツール

○麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令の制定について

(令和3年7月5日)

(薬生監麻発0705第2号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

本日、麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第118号。以下「改正省令」という。)を制定するとともに、「麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令の制定について」(令和3年7月5日付け薬生発0705第2号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知。以下「局長通知」という。)を通知したところである。麻薬小売業者間譲渡許可(改正省令による改正後の麻薬及び向精神薬取締法施行規則(昭和28年厚生省令第14号。以下「規則」という。)第9条の2第2項の申請に係る麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号。以下「法」という。)第24条第12項第1号の許可をいう。以下同じ。)に係る手続の運用に当たっては、下記事項に留意されるよう、関係各方面に対する周知徹底及び適切な指導方御配慮願いたい。

なお、この通知は、令和4年4月1日から適用し、「麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令の制定について」(平成19年8月13日付け薬食監麻発第0813005号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)は廃止する。

1 麻薬小売業者間譲渡許可の申請について

(1) 局長通知「2 改正の概要」の(1)の②中「申請者となることが不適切な場合」に該当するか否かについては、麻薬小売業者の数、各麻薬小売業者の麻薬業務所間を移動する際に要する時間等を考慮して判断すること。また、都道府県は、必要に応じて、当該判断に必要な資料を提示又は提出させること。なお、不適切な場合に該当するか否かの判断に基準を設ける場合には、麻薬小売業者間における麻薬の譲渡・譲受が、患者に対する適切かつ円滑な麻薬の提供に資するものとする趣旨に鑑み、例えば、共同して申請するすべての麻薬小売業者が同一市区町村内である場合については、当該申請は原則認めることとし、それ以外の場合についても、麻薬小売業者の数、各麻薬小売業者の麻薬業務所間を移動する際に要する時間等を踏まえる等、各地域の実情に応じ、合理的と判断される場合には認めることとすること。

(2) 麻薬小売業者は、麻薬小売業者間譲渡許可の申請書(規則別記第10号の2様式。以下「許可申請書」という。)の記載に当たっては、以下に掲げる点に留意すること。

① 以下に掲げる事項については、麻薬小売業者の免許ごとに記載すること。なお、同一人が、申請者たる複数の麻薬小売業者の免許を有する場合、ア)の事項については、同一の内容を記載して差し支えないこと。

ア) 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)

イ) 麻薬業務所の名称及び所在地

② 麻薬小売業者を代表する者(以下「代表者」という。)を置く場合には、許可申請書に代表者を記載すること。

なお、既に麻薬小売業者間譲渡許可を受けた麻薬小売業者が、新たに代表者を置く場合は、麻薬小売業者間譲渡許可変更届(規則別記第10号の3様式。以下「変更届書」という。)により届け出ること。

③ 4以上の麻薬小売業者が共同して申請を行う場合、各麻薬小売業者に係る記載事項を記載する欄が不足するため、別紙(別紙様式1)を設けて記載事項を記載すること。なお、2又は3の麻薬小売業者が共同して申請を行う場合であっても、1の麻薬小売業者が許可申請書を使用する場合には、他の業者が別紙(別紙様式1)を使用することは差し支えないこと。

④ 期間を限定して許可を受けようとする場合、許可申請書の備考欄にその期間を記載すること。

(3) 麻薬小売業者は、麻薬小売業者間譲渡許可の申請に当たっては、許可申請書を当該麻薬小売業者の麻薬業務所の所在地を管轄する都道府県に提出すること。

なお、許可申請書の副本については、当該都道府県の指示に従い提出すること。

2 麻薬小売業者間譲渡許可の許可手続について

(1) 規則第9条の2第3項の麻薬小売業者間譲渡許可書は、別紙(別紙様式2)に必要事項を記載の上、許可申請書の副本又はそれに準じた内容の書面を添付したものとすること。

(2) 麻薬小売業者間譲渡許可をしたときは、麻薬小売業者間譲渡許可書を申請者の数と同じ部数、当該麻薬小売業者間譲渡許可を受けた麻薬小売業者(以下「許可業者」という。)に交付すること。

(3) 局長通知「2 改正の概要」の(2)の②中「必要最小限度の条件」については、以下に掲げる例を参考とすること。

① 麻薬小売業者は、麻薬小売業者間譲渡許可に基づき他の麻薬小売業者に麻薬を譲り渡す場合には、麻薬処方せんの写し(麻薬の在庫不足により、急な麻薬処方せんに対応できない場合の譲渡・譲受に限る。)及び譲受人が作成した譲受確認書(別紙(別紙様式3))の交付を受けた後、又はこれと引換えに麻薬を交付し、同時に、自らが作成した譲渡確認書(別紙(別紙様式4))を麻薬の譲受人に交付すること。

② ①により交付を受けた麻薬処方せんの写し(麻薬の在庫不足により、急な麻薬処方せんに対応できない場合の譲渡・譲受に限る。)及び譲受確認書又は譲渡確認書は、交付を受けた日から2年間保存すること。

③ 同時期に2以上の麻薬小売業者間譲渡許可を受けないこと。ただし、麻薬小売業者間譲渡許可書を返納した場合はこの限りではないこと。

(4) 麻薬小売業者間譲渡許可をした後、求めがあったときは、速やかに、麻薬小売業者間譲渡許可書の写し等により、許可業者の麻薬業務所の所在地を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部に対して情報提供を行っていただきたいこと。また、当該許可業者に対する監督権限を保健所設置市等に委譲している場合、必要に応じて当該保健所設置市等に対して情報提供を行っていただきたいこと。

3 許可業者の留意事項について

(1) 許可業者は、他の許可業者との間で麻薬の譲渡・譲受を行う場合、法第59条の6に基づき付された条件を遵守するほか、以下に掲げる点に留意すること。

① 麻薬の交付を行う場所は、事故の未然防止の観点から、適切と考えられる場所とすること。

② 麻薬の運搬については、それぞれの管理薬剤師又はその管理の下で業務に従事する者が行うこととし、配送業者や麻薬卸売業者等が行うことのないようにすること。

③ 麻薬の交付を行う際は、譲渡側・譲受側の許可業者の双方が立ち会い、品名・数量、破損等の有無を直接確認すること。

④ 麻薬の交付時までに破損等が確認された場合は、譲渡側の許可業者において事故届を提出することとし、交付後に破損等が確認された場合は、譲受側の許可業者において事故届を提出すること。

(2) 許可業者は、局長通知「2 改正の概要」の(4)の④の麻薬帳簿への記載を行う際には、備考欄に以下の点を記載すること。

① 譲渡・譲受の相手方の名称

② 規則第9条の2第1項第1号イ又はロのいずれに該当する譲渡・譲受であるか。

③ 製品番号

(3) 許可業者は、他の許可業者との間で麻薬の譲渡・譲受を行う場合、譲渡(譲受)確認書の備考欄に以下の点を記載すること。

① 規則第9条の2第1項第1号イ又はロのいずれに該当する譲渡・譲受であるか。

② 製品番号

(4) 麻薬小売業者間譲渡により譲り受けた麻薬については、麻薬卸売業者から譲り受けた麻薬と区別して保管する等、識別ができる状態にすること。

(5) 許可業者は、他の許可業者と有効期限切れの麻薬を譲渡・譲受する等、本制度の趣旨に沿わない譲渡・譲受を行わないことに留意すること。

(6) 許可業者は、局長通知「2 改正の概要」の(4)の⑦の届出を行う際には、品名ごとに、許可業者間における譲渡・譲受に係る数量の合計を算出し、合計欄に内数として括弧書きで併記すること。

(7) 麻薬の在庫不足により、急な麻薬処方せんに対応できない場合の譲渡・譲受における譲渡側の許可業者は、譲受側の許可業者が受領した麻薬処方せんに基づく予製行為を行うことはできないことに留意すること。

4 麻薬小売業者間譲渡許可の変更届及び追加届について

(1) 許可業者は、変更届書の記載に当たっては、以下に掲げる点に留意すること。

① 許可業者が3以上であるため、各許可業者に係る記載事項を記載する欄が不足する場合は、別紙(別紙様式5)を設けて記載事項を記載すること。なお、許可業者が2の場合であっても、1の許可業者が変更届書を使用する場合には、他の許可業者が別紙(別紙様式5)を使用することは差し支えないこと。

② 麻薬小売業者間譲渡許可において代表者を置き代表者が届け出る場合は、当該麻薬小売業者間譲渡許可に含まれる他の麻薬小売業者全員の同意を得た上で、変更届書の同意欄にチェックをすること。

(2) 許可業者は、変更届書の提出に当たっては、変更届書及び麻薬小売業者間譲渡許可書を当該許可業者の麻薬業務所の所在地を管轄する都道府県に提出すること。

なお、変更届書の副本については、当該都道府県の指示に従い提出すること。

(3) 許可業者は、当該麻薬小売業者間譲渡許可に新たに麻薬小売業者を加える場合の追加届書(規則別記第10号の4様式。以下「追加届書」という。)の記載に当たっては、以下に掲げる事項に留意すること。

① 許可業者及び追加する麻薬小売業者が4以上であるため、各許可業者に係る記載事項を記載する欄が不足する場合は、別紙(別紙様式5)を設けて記載事項を記載すること。なお、追加する麻薬小売業者が追加届書を使用する場合には、許可業者が別紙(別紙様式5)を使用することは差し支えないこと。

② 麻薬小売業者間譲渡許可において代表者を置き代表者が届け出る場合は、当該麻薬小売業者間譲渡許可に含まれる他の麻薬小売業者全員の同意を得た上で、追加届書の同意欄にチェックをすること。

(4) 許可業者及び追加する麻薬小売業者は、追加届書の提出に当たっては、追加届書及び麻薬小売業者間譲渡許可書を、当該許可業者の麻薬業務所の所在地を管轄する都道府県に提出すること。

なお、追加届書の副本については、当該都道府県の指示に従い提出すること。

(5) 規則第9条の2第9項の麻薬小売業者間譲渡許可書の書き替えは、

・変更届書又は追加届書に添付された麻薬小売業者間譲渡許可書に変更事項を裏書きの上、変更届書又は追加届書の副本を添付すること

・変更後の許可内容を記載した許可書を新規に作成すること

等をいうこと。なお、変更後の許可書を新規作成することをもって書き替えする場合は、書き替え前の内容が分かるようにすること。

(6) 変更届書を受理したときは、書き替え後の許可書を、変更を届け出た許可業者の数と同じ部数、当該許可業者に交付すること。追加届書を受理したときは、書き替え後の許可書を新たに加えられた麻薬小売業者の数複製の上、追加を届け出た業者の数と同じ部数、当該業者に交付すること。

(7) 麻薬小売業者間譲渡許可書を書き替えて交付した後、求めがあったときは、速やかに、変更届書の写し等により、変更を届け出た許可業者の麻薬業務所の所在地を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部に対して情報提供を行っていただきたいこと。また、当該許可業者に対する監督権限を保健所設置市等に委譲している場合、必要に応じて当該保健所設置市等に対して情報提供を行っていただきたいこと。

5 麻薬小売業者間譲渡許可書の再交付について

許可業者は、局長通知「2 改正の概要」の(8)の麻薬小売業者間譲渡許可書の再交付申請を行う際には、麻薬小売業者間譲渡許可書再交付申請書(別紙(別紙様式6))によること。

6 麻薬小売業者間譲渡許可書の返納について

(1) 許可業者は、局長通知「2 改正の概要」の(9)の麻薬小売業者間譲渡許可書の返納を行う際には、麻薬小売業者間譲渡許可書返納届(別紙(別紙様式7。以下「返納届」という。))を提出すること。なお、許可業者が3以上であるため、各許可業者に係る記載事項を記載する欄が不足する場合は、別紙(別紙様式5)を設けて記載事項を記載すること。なお、許可業者が2の場合であっても、1の許可業者が返納届を使用する場合には、別紙(別紙様式5)を使用することは差し支えないこと。

(2) 麻薬小売業者間譲渡許可書の返納を受けた都道府県は、当該許可書の表面に、許可が無効である旨及び返納を受けた年月日を記載するとともに、当該許可書を返納した許可業者に交付すること。

(3) 麻薬小売業者間譲渡許可書の返納を受けた後、求めがあったときは、速やかに、麻薬小売業者間譲渡許可書返納届の写し等により、当該許可書を返納した許可業者の麻薬業務所の所在地を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部に対して情報提供を行っていただきたいこと。また、当該許可業者に対する監督権限を保健所設置市等に委譲している場合、必要に応じて当該保健所設置市等に対して情報提供を行っていただきたいこと。

7 許可申請書、変更届書及び返納届の記載等にかかる留意点について麻薬小売業者又は許可業者(以下「業者」という。)は、許可申請書、変更届書又は返納届(以下「許可申請書等」という。)を提出するにあたり、以下に掲げる方法によっても差し支えないこと。

① 許可申請書等及び各別紙(許可申請書の別紙については別紙様式1、変更届書及び返納届の別紙については別紙様式5)に記載する業者数については、記載できる最大数を記載する必要はなく、一葉に1の業者のみの記載でも差し支えないこと。

② ①の場合、空欄となる記載事項欄には、斜線をひくこと。

③ 各業者が記載した許可申請書等及び各別紙については、麻薬小売業者間譲渡許可を申請等する業者のうち、代表者を置いた場合は代表者又は任意の業者がとりまとめ、代表して都道府県に提出すること。

8 その他

(1) 麻薬小売業者間譲渡許可制度に係る監視において、例えば、本許可に基づく譲渡・譲受を行った麻薬製剤について、現在処方されている患者以外に同製剤の交付を求める患者がいる見込みがない場合などについては、不足していた麻薬の確保に関し、「麻薬取扱者等の指導、監督について」(平成12年1月7日付け医薬発第17号医薬安全局長通知)の別添「麻薬等取扱施設に対する立入検査実施要領」の「3.麻薬小売業者に対する立入検査点検項目1の2.麻薬小売業者間譲渡許可」中「1の2―6譲受があった場合(麻薬の在庫不足により、急な麻薬処方せんに対応できない場合の譲受に限る)、不足していた麻薬の在庫を譲受後に確保しているか。(指導事項)」及び「1の2―8複数回の譲渡・譲受があった場合、一方的に譲り渡すだけの者、又は譲り受けるだけの者になってはいないか。(指導事項)」に係る指導は要さないものとして差し支えないこと。

(2) 改正省令の施行の際現に麻薬小売業者間譲渡許可を受けている者については、その許可期限内において、改正省令の施行後の麻薬小売業者間譲渡許可を受けている者とみなす。新たに代表者を置く場合は、変更届書(別記第10号の3様式)を用いて代表者の申請を行うこと。

以上

(別紙様式1)

(別紙様式2)

(別紙様式3)

(別紙様式4)

(別紙様式5)

(別紙様式6)

(別紙様式7)