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○医薬品等の変更計画の確認申請等の取扱いについて

(令和3年6月16日)

(薬生薬審発0616第14号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)

(公印省略)

承認を受けた品目について承認された事項の一部の変更に係る計画(以下「変更計画」という。一般的にPACMP(Post―Approval Change Management Protocol)とも呼称される。)を用いた承認事項の変更制度については、「医薬品の品質に係る承認事項の変更に係る取扱い等について」(平成30年3月9日付け薬生薬審発0309第1号・薬生監麻発0309第1号)(以下「課長通知」という。)において試行してきたところです。

今般、変更計画を用いた承認事項の変更制度を法令上明確化する観点から、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)第2条の規定による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第135号。以下「法」という。)に位置づけ、下記のとおり取り扱うこととしましたので、御了知の上、貴管内関係団体、関係機関等に周知いただきますよう御配慮願います。

なお、本通知は令和3年8月1日から適用します。課長通知の記の第1により独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)が実施する「医薬品におけるPACMPを用いた承認事項の変更に係る相談」(以下「PACMP相談」という。)は適用日以降実施しませんが、適用日前にPACMP相談において策定され、合意した又は相談中の承認後変更管理実施計画書に関する取扱いについては、本通知に関わらず、なお従前のとおりとします。また、変更計画の確認を受けようとするときの適合性確認申請の取扱いについては、別途通知します。

第1 変更計画を用いた承認事項の変更制度の趣旨

変更計画を用いた承認事項の変更制度は、ICHで合意されたガイドラインである「ICH Q12医薬品のライフサイクルマネジメント」において示された考え方である。厚生労働大臣が承認する医薬品、医薬部外品又は化粧品(以下「医薬品等」という。)の製造販売承認後の品質に係る承認事項の変更に係る予測性及び透明性の向上に資するよう、製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者(以下「製造販売業者等」という。)とPMDAとがあらかじめ、製造方法等の変更内容、変更内容に対する評価方法及び判定基準、品質に係る承認事項の変更案、医薬品等適合性確認の要否等について合意しておき、その後、合意された評価方法に従って検討を行い、予定された結果が得られた場合は、届出により、品質に係る承認事項を予定していた案へ迅速に変更できる制度である(別紙フロー図を参照。)

第2 本通知の適用範囲

法第14条の7の2(法第19条の4において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定に基づき法第14条第1項の承認を受けた医薬品等の変更計画を立て、それを実施しようとする者又は選任外国製造医薬品等製造販売業者に実施させようとする者から確認申請があった場合に、当該医薬品等の成分及び分量又は本質(有効成分を除く。)、製造方法、貯蔵方法及び有効期間、規格及び試験方法、製造販売する品目の製造所、原薬の製造所等に関する変更計画について、所要の確認を行うこととしている。

本通知は、法第14条の7の2の規定に基づく医薬品等の変更計画の確認申請に係る品目について適用する。変更計画の確認申請に当たっては、科学性の確保された計画により当該変更が医薬品等の有効性及び安全性に影響を及ぼさないことを十分な根拠を以て示す変更計画が立てられる必要がある。

1 変更計画の確認を受けることができるのは、以下の全てに該当する承認事項の変更とする。

(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和3年厚生労働省令第15号)による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「規則」という。)第68条の3に掲げる事項の変更であること。

(2) 規則第68条の4に掲げる変更でないこと。

(3) 医薬品の場合にあっては、当該変更に係る製造業者又は外国製造業者が、「医薬品品質システムに関するガイドラインについて」(平成22年2月19日付け薬食審査発0219第1号・薬食監麻発0219第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長及び監視指導・麻薬対策課長連名通知)の内容に沿った医薬品品質システムを適切に運用し、当該変更に係る医薬品の製造所における製造管理及び品質管理を行っていること。また、医薬品品質システムの運用実態について、製造販売業者等が定期的に確認を行っていること。

(4) 「医薬品の製造販売承認書と製造実態の整合性に係る点検後の手続きについて」(平成28年2月12日付け薬生審査発0212第4号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長通知。以下「手続通知」という。)に基づき記載整備届出書が提出されている医薬品の場合、提出後の一部変更承認申請によりPMDAによる当該記載整備届出事項の確認が終了したことにより、手続通知の記4(2)及び5(2)に基づく承認事項又は原薬等登録簿(以下「MF」という。)の下線が削除されている医薬品の変更であること。

2 なお、当面、MFの登録内容に関する変更は対象にしない。

第3 医薬品等変更計画確認申請書の記載事項等について

1 医薬品等変更計画確認申請書の記載事項について

変更計画の確認申請においては、規則第68条の2第1項に定める医薬品等変更計画確認申請書に記載する各事項について、変更計画の確認申請を行う品目が既に承認されている場合には承認番号及び承認年月日を、承認申請中の場合にはシステム受付番号及び承認申請年月日を記載する。また、対面助言を受けていればその番号、規則第68条の2第3項に掲げる医薬品等変更計画確認申請書に添付すべき資料(以下「添付資料」という。)の名称及び初回承認取得時からの承認事項の変更の経緯を医薬品等変更計画確認申請書の備考欄に記載すること。医薬品等変更計画確認申請書は、邦文で記載されたものでなければならない。

2 添付すべき資料の取扱い及び作成上の留意点等について

(1) 添付資料は、規則第43条の規定に基づき収集され、かつ、作成されたものとすること。

(2) 添付資料には、以下を含めること。また、添付資料は、原則として電子的に作成したものをPDFその他の電子ファイルとして提出することとし、これによりがたい場合は当該資料の原本を明瞭にスキャンしてPDFに変換したものを提出すること。

① 変更計画の内容を反映した承認書の変更案及び該当部分の変更前後の比較表(承認書新旧対照表案を含む)。

② 変更計画

変更計画には、以下の内容を含めること。

・ 提案する変更及びその妥当性を含む詳細な説明

・ リスクアセスメントに基づき作成した、変更が品質に及ぼす潜在的な影響を評価する試験又は検討の一覧、並びにそれらの試験方法及び判定基準(特性解析、出荷試験、安定性試験、工程内管理試験等を含む)

・ 承認されている管理戦略への適合性又は予定する変更に伴い必要となる管理戦略の変更に関する考察

・ その他満たすべき条件

・ 該当する場合、同一又は類似製品における過去の経験から得られた、開発、製造、特性解析、出荷試験、安定性試験等のリスクの低減に有用な参考データ

・ 医薬品等適合性確認の要否

③ 法第14条第15項の規定に基づく承認事項の一部変更承認又は同条第16項の規定に基づく軽微変更届出が初回承認取得時以降になされている場合には、初回承認取得時からの承認の経過。また、当該品目の承認書の写し及び当該品目に係る承認又は最後に受けた承認事項一部変更承認以降、変更計画確認申請までに提出された軽微変更届出の写し

(3) コモン・テクニカル・ドキュメント(以下「CTD」という。)形式で変更計画の確認申請を行う場合には、変更計画を含む添付資料は、FD申請書内に変更計画ファイルとして添付した上で、モジュール2.3.R及びモジュール3に格納すること。CTD形式で医薬品変更計画確認申請を行わない場合には、変更計画を含む添付資料は、FD申請書内に変更計画ファイルとして添付した上で、「医薬品の承認申請について」(平成26年11月21日付け薬食発1121第2号厚生労働省医薬食品局長通知)記の第2別表1(以下「別表1」という。)のロ及びハに格納すること。FD申請書内に添付する文書並びにモジュール2.3.R又は別表1のロ及びハに格納する文書については邦文とすること。

(4) 医薬品等変更計画確認申請書に添付すべき資料は、邦文で記載されたものでなければならないが、医薬品の承認申請書に添付すべき資料について取扱いと同様とする。

(5) なお、変更計画の確認が完了した後、その旨を証する書類(以下「確認書」という。)を申請者に交付する。

第4 変更計画を変更する際の取扱い

(1) 確認された変更計画を変更しようとするときは、規則第68条の7に定めるとおり、変更の内容が軽微なものについては、同条第1項の届出により対応することが可能であるが、軽微な変更ではない変更を行う場合は、法第14条の7の2第1項の確認申請が必要となる。規則第68条の7第2項各号に掲げるものへの該当性については、必要に応じPMDAに相談すること。

(2) 確認を受けた変更計画の変更に係る確認申請を行う場合は、規則第68条の2第2項の医薬品等変更計画確認事項変更確認申請書の備考欄に、変更計画の変更内容、過去に変更計画の確認を受けた後に法第14条の7の2第1項後段の規定による確認申請を行い確認を受けている場合又は規則第68条の7第1項の届出を行っている場合には初回変更計画確認からのその履歴及び変更理由を記載し、第3の1に沿って医薬品等変更計画確認事項変更確認申請書を作成した上で、第3の2に掲げる事項のほか、以下の内容を添付資料に含めること。なお、変更計画の変更が生じない箇所については、添付資料の提出を行う必要はないが、当該箇所についての変更がない旨を説明する必要がある。

① 医薬品等適合性確認の要否が変わるかどうかを含め、合意した変更計画からの変更点及び変更することの妥当性に関する説明(変更計画案の中に記載すること)

② 法第14条の7の2第1項後段の規定による確認申請を行う内容に関して、変更計画の内容を反映した承認書の変更案及び該当部分の変更前後の比較表(承認書新旧対照表案を含む)

③ これまでの確認書の写し

④ 規則第68条の7第1項の規定に基づく届出がなされている場合には、当該届出に関する資料

⑤ 過去に確認を受けた全ての変更計画の写し

なお、変更計画を大幅に変更する必要がある場合には、確認を受けた変更計画の変更に係る確認申請ではなく、別途新たな変更計画の確認申請が必要となる場合もあることから、必要に応じPMDAと相談すること。

(3) 確認を受けた変更計画の軽微な変更に係る届出を行う場合には、規則第68条の7第1項の届書に添付する変更計画の変更案に、合意した変更計画からの変更点及び変更することの妥当性に関する説明を記載すること。また、変更計画に定める変更を反映した場合の承認申請書案及び該当部分の変更前後の比較表(承認申請書新旧対照表案を含む)を添付すること。

(4) 変更計画の変更の確認が完了した後においても、確認書を申請者に交付する。

第5 変更計画に従った変更を行う場合の取扱いについて

1 変更計画に従った変更に係る届書の編集方法

(1) 規則第68条の13第2項に掲げる、変更計画に従った変更を行う届出の届書に添付すべき資料には、以下を含めること。また、添付すべき資料は、原則として電子的に作成したものをPDFその他の電子ファイルとして提出することとし、これによりがたい場合は当該資料の原本を明瞭にスキャンしてPDFに変換したものを提出すること。なお、これらの資料については、確認を受けた変更計画に従い得られた情報を基に作成されたものであること。また、これらの資料について、規則第43条の規定に基づき収集され、かつ、作成された旨の陳述書を提出すること。

① 得られた結果が、事前に合意した判定基準に合致する旨の試験成績及び概括評価

② 医薬品等適合性確認が必要な場合には、医薬品等適合性確認の結果通知書の写し

③ 変更計画の内容を反映した承認書の変更案の該当部分及び変更前後の比較表(承認書の新旧対照表案を含む)

④ これまでの確認書の写し

⑤ 規則第68条の7第1項の規定に基づく届出がなされている場合には、当該届出に関する資料

⑥ 最新の変更計画

⑦ 承認書の写し(過去に承認事項の一部変更承認が行われている場合には、当該承認に係る承認書の写しを含む)

⑧ 当該品目に係る承認、前回の一部変更承認又は前回受けた変更計画の確認以降、変更計画に従った変更を行う届出までに提出された軽微変更届出(法第14条第16項)の写し

2 変更計画に従った変更に係る届出後の取扱い

(1) 変更計画に従った変更が行うことができるようになるまでの日数は、当該届出が受理された日から起算して通常、PMDAの40勤務日を経過した後とする。ただし、①変更計画の確認申請を受けることができる事項(規則第68条の3各号に掲げる事項)に係る直近の承認を受けてから、当該事項に関する軽微変更届(法第14条第16項)が提出されておらず、かつ、②変更計画について最後に確認を受けてから規則第68条の7の届出を行っていない場合は、届出が受理された日から起算して20勤務日を経過した後とする。

(2) 以下の場合は、変更計画に従った変更を行うことができず、法第14条の7の2第7項の規定に基づき厚生労働大臣が命じた場合には、その届出に係る変更の中止等、必要な措置を講じることが求められる。また、変更計画に従った変更と認められない変更を行う場合には、当該変更に係る製造販売承認事項一部変更承認申請が必要になる。

① 確認された変更計画に従った変更が行われていなかった場合

② 確認された変更計画において期待された試験結果が得られなかった場合

③ 確認された変更計画の変更が行われており、その変更の程度に鑑み、本来は法第14条の7の2第1項の申請が必要であったものの、規則第68条の7に定める届出で対応されていたこと等が判明した場合

なお、上記②の場合にあっては、変更計画自体の見直しが必要かどうか製造販売業者等において検討の上、必要に応じPMDAに相談すること。また、確認された変更計画において得られた試験結果等について疑義が生じた場合等、上記①~③に該当するか不明な場合には、厚生労働省及びPMDAにおける確認を行うことがあること。

別紙 変更計画の確認申請及び変更計画に基づく変更の届出のフロー