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○新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例に関するQ&Aについて

(令和3年6月4日)

(事務連絡)

(全国健康保険協会・健康保険組合・全国健康保険組合連合会・地方厚生(支)局あて厚生労働省保険局保険課通知)

健康保険制度の運営につきましては、平素より格別の御高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

標記については、「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について」(令和3年6月4日付け保保発0604第1号厚生労働省保険局保険課長通知)により、被扶養者の収入確認の特例措置に関して適切な対応を求めているところですが、当該特例措置の実施にあたって、別紙1及び2のとおりQ&Aを作成しましたのでお送りします(別紙1が保険者向け、別紙2が被保険者・被扶養者向け)。貴団体におかれては、内容について十分に御留意の上、適切に御対応いただくようお願い申し上げます。

[別紙1]

新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例に関するQ&A(保険者向け)

【制度等について】

Q1 新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例とは、どのような内容ですか。

A1 健康保険法の被扶養者認定の要件のうち、「主としてその被保険者による生計を維持するもの」に該当するか否かの判定については、厚生労働省から、被扶養者(認定対象者を含む。以下同じ。)の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、①被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること、②被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと、という取扱いを示しています。

また、各保険者が、被扶養者認定及び被扶養者の資格確認の際に、被扶養者の収入を確認するに当たっては、被扶養者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとしており、この年間収入については、給与収入、年金等の被扶養者の収入(又はその予定の収入)の状況により算定することとしています。

今般の特例措置は、本年の新型コロナウイルスワクチン接種業務については、例年にない対応として、期間限定的に行われるものであり、また、特にワクチン接種業務に従事する医療職の確保が喫緊の課題となっているという特別の事情を踏まえ、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入については、被扶養者の収入確認の際には年間収入に算定しないという特例を講ずるものです。

Q2 特例措置は被扶養者の年間収入が130万円未満であるか否かを判定する際のみに適用されるのでしょうか。被扶養者認定の要件のうち、生計維持要件においては、被保険者の年間収入との比較も行っています。この際の被扶養者の年間収入にはどのように算定するのでしょうか。

A2 今般の特例措置は、今般の新型コロナウイルスワクチン接種業務の緊要性に鑑み、医療職の被扶養者がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入について、被扶養者の収入確認の際の年間収入に算定しないというものです。この扱いは、年間収入が130万円未満であるか否かの判定のみではなく、被保険者の年間収入との比較においても同様の扱いとなります。

【対象者について】

Q3 特例措置は、どのような方が対象になるのでしょうか。

A3 本特例措置の対象者は、新型コロナワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)となります。

具体的には、ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサポートを含む。)、ワクチンの調製、接種後の経過観察等に有資格者として従事する医療職の方が対象となります。

Q4 医療職ではありませんが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A4 特例措置の対象とはなりません。

Q5 看護師の有資格者ですが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A5 ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサポートを含む。)、ワクチンの調製、接種後の経過観察等に有資格者として従事する場合には特例の対象となりますが、その他の場合は特例措置の対象とはなりません。

Q6 看護師の有資格者ですが、看護師としてではなく事務職として医療機関の受付等で勤務しています。雇用契約には変更はありませんが、ワクチン接種に伴って残業が増加しています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A6 特例の対象とはなりません。

一方で、被扶養者の収入確認に当たっては、「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和2年4月10日付け厚生労働省保険局保険課事務連絡)において、以下のような取扱いを示しているため、適切に対応いただきますようお願いします。

・ 例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること

・ 被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと

Q7 医療機関で看護師として勤務していますが、ワクチン接種の業務には関わっていません。雇用契約には変更はありませんが、ワクチン接種に伴って残業が増加しています。特例措置の対象となりますか。

A7 特例の対象とはなりません。

一方で、被扶養者の収入確認に当たっては、「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和2年4月10日付け厚生労働省保険局保険課事務連絡)において、以下のような取扱いを示しているため、適切に対応いただきますようお願いします。

・ 例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること

・ 被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと

【対象となる収入について】

Q8 特例措置の対象となる収入は何ですか。

A8 特例措置の対象となる収入は、高齢者向けの新型コロナワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和6年3月末までのワクチン接種業務に対する賃金となります。(インフルエンザウイルスワクチン等、他のワクチン接種業務に対する賃金は対象となりません。)

なお、各保険者においては、被扶養者認定及び被扶養者の資格確認において対象者の収入を確認する際、被保険者から、ワクチン接種業務を行う事業者(市(区)町村又は医療機関)から発行された、ワクチン接種業務に従事したこと及びワクチン接種業務による収入額を証する書類の添付を求めることとしています。(今般のワクチン接種の緊要性に鑑み、各保険者の判断により、当該書類の添付を不要とする取扱いとしても差し支えません。)

Q9 ワクチン接種会場で看護師としてワクチン接種業務に従事しました。日給2万円で5日間勤務したのですが、対象収入はどうなりますか。

A9 ご質問のケースでは、日給2万円×5日間の10万円が特例措置の対象となります。

Q10 医療機関で看護師として勤務しました。月給10万円で勤務しましたが、ワクチン接種とそれ以外の勤務の両方を行っています。対象収入はどうなりますか。月給10万円すべてが特例措置の対象となりますか。

A10 特例措置の対象となる収入は、新型コロナワクチン接種業務に対する賃金となります。

このため、各事業者が対象収入を算定するに当たっては、例えば、ワクチン接種日や接種業務時間が決まっている場合には、

・時給制の場合には、ワクチン接種日の勤務時間や接種業務時間に時給を乗じる

・月給制の場合には、賃金をワクチン接種日の日数や接種業務時間とその他の業務の日数や業務時間と按分する

などして、合理的な方法で対象収入を計算することになります。

なお、各保険者において、「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について」(令和3年6月4日付け保保発0604第1号厚生労働省保険局保険課長通知)様式1に記載された対象収入を確認する際、雇用契約書等の添付書類を求めることは差し支えません。

Q11 ワクチン接種業務への勤務と同タイミングで別のアルバイトも始めています。どちらの収入も特例措置の対象になるのでしょうか。

A11 特例措置の対象となる収入は、新型コロナワクチン接種業務に対する賃金となります。

質問のケースでは、別のアルバイトの収入は特例措置の対象とはなりません。

Q12 令和6年3月の賃金が令和6年4月に支給された場合は対象となりますか。

A12 特例措置の対象となる収入は、高齢者向けの新型コロナワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和6年3月末までのワクチン接種業務に対する賃金となるため、令和6年3月の賃金が令和6年4月に支給された場合も、特例措置の対象となります。

Q13 ワクチン接種会場への交通費が支給された場合、この交通費は特例措置の対象となりますか。

A13 交通費についても特例措置の対象となります。

【申立書について】

Q14 申立書はいつ提出を求めればよいのですか。

A14 被扶養者認定や毎年の被扶養者の収入確認の際に申立書の提出を求めていただくこととなります。

なお、今般のワクチン接種の緊要性に鑑み、各保険者の判断により、当該書類の添付を不要とする取扱いとしても差し支えません。

Q15 申立書はどの期間に対応する収入を証明して貰えば良いのでしょうか。

A15 各保険者が被扶養者の資格確認を行うと決めているタイミングや通常求められる書類によって様々となるため、各保険者の判断となります。

想定される具体的なケースを、以下に示します。

(ケース1)

○ 毎年10月に被扶養者の資格確認が行われており、直近3ヶ月分の収入証明(雇用契約書、収入証明書等)の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年7~9月分の収入に対する申立書を提出

(ケース2)

○ 毎年10月に被扶養者の資格確認が行われており、直近1年間の収入証明(雇用契約書、収入証明書等)の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年4~9月分の収入に対する申立書を提出

また、令和4年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年10月~令和4年9月分の収入に対する申立書を提出

(ケース3)

○ 年度当初から通算した収入が130万円以上となったときに、連絡するよう伝えられている健康保険組合

⇒ ワクチン接種業務に従事したことによる収入を含めて130万円以上の収入となったときに、通算した期間の収入に対する申立書を添えて健康保険組合に相談

(ケース4)

○ 毎月の給与が108,334円以上となったときに、連絡するよう伝えられている健康保険組合

⇒ ワクチン接種業務に従事したことによる収入を含めて108,334円以上の収入となったときに、当該月の収入に対する申立書を添えて健康保険組合に相談

(ケース5)

○ 毎年10月に被扶養者の収入確認が行われ、課税証明書の提出を求めている健康保険組合

⇒ 課税証明書では、各年度の前年の所得(収入)の状況が記載されます。このため、ワクチン接種業務の収入が課税証明書に反映される、令和4年10月の被扶養者の資格確認時に令和3年4~12月分の収入に対する申立書を提出

また、令和5年10月の被扶養者の資格確認時に、令和4年1~12月分の収入に対する申立書を提出

※ 各年度の課税証明書は概ね各年度の6月中旬から交付されるため、毎年6月に被扶養者の収入確認を行うような場合では、令和4年6月の被扶養者の資格確認時に令和3年4~12月分の収入に対する申立書を、令和5年の被扶養者の資格確認時に令和4年1~12月分の収入に対する申立書を提出

(ケース6)

○ 毎年10月に被扶養者の収入確認が行われており、事業主が発行する給与支払見込証明書の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年7~9月分の収入に対する申立書を添えて、今後もワクチン業務に従事する旨を健康保険組合に相談

Q16 もともと勤務していた医療機関でワクチン接種業務を行ったほか、自治体のワクチン接種会場で勤務しました。申立書はそれぞれの事業所毎に作成するのでしょうか。

A16 複数の事業所においてワクチン接種業務に従事した場合には、それぞれの事業所毎に申立書を作成することになります。

Q17 被保険者から事業主や自治体に申立書の記載を断られたと相談を受けました。どうすればよいでしょうか。

A17 雇用契約書等からワクチン接種業務に従事したことが明らかな場合には、申立書の添付を不要として、特例措置を適用して差し支えません。

Q18 保険者が申立書を受理しない場合、行政指導の対象となるのでしょうか。

A18 保険者が通知に基づかない被扶養者認定を行ったことが判明した場合には、厚生労働省から認定の見直し及び通知に基づく事務の徹底について指導を行うことも考えられます。

【その他について】

Q19 この特例の対象となれば、引き続き被扶養者で居続けられるということでしょうか。

A19 新型コロナウイルスワクチン接種業務に係る収入を除外しても、なお、年間収入見込みが130万円以上となる場合などにおいては、被扶養者から外れることもあります。また、健康保険の被扶養者の要件は収入要件だけではないため、その他の要件を満たしていないことにより、被扶養者から外れることも考えられます。

Q20 ワクチン接種業務に従事したことによる収入増を理由に既に被扶養者から削除した方の取扱いはどうなるのか。

A20 今般の特例措置については、令和3年4月以降のワクチン接種業務による収入が対象となるため、同年4月以降の被扶養者の収入確認等において、ワクチン接種業務による収入を含めた1年間の収入見込みにより、被扶養者から削除する決定を行った者のうち、ワクチン接種業務による収入を除外した年間収入見込みが130万円未満である等の収入要件を満たし、また、被保険者との身分関係等の収入要件以外の被扶養者要件を満たしている者については、被保険者からの申し立てにより当該決定を取消し、遡及して被扶養者として取り扱うこととしています。

なお、当該被扶養者が、被扶養者から削除された後、国民健康保険に加入していた間に、国民健康保険の保険者から保険給付がなされている場合等においては、保険給付分に当たる返還金の徴収や療養費の請求が生じることとなります。返還金等の保険者間での調整については、「被保険者資格喪失後の受診により発生する返還金の保険者間での調整について」(平成26年12月5日付け保保発1205第1号、保国発1205第1号、保高発1205第1号厚生労働省保険局保険課長、国民健康保険課長及び高齢者医療課長連名通知)に準じて、適切に対応いただくようお願いします。

Q21 医療機関において正社員として働いており、社会保険の被保険者となっています。ワクチン接種業務に従事したのですが、被扶養者になることはできますか。

A21 社会保険の適用事業所において、正社員として働かれる場合や、パート・アルバイト勤務であっても短時間労働者の社会保険の適用条件を持たす場合には、社会保険の被保険者となる必要があるため、被扶養者とはなりません。

Q22 医療機関で新しく働こうとしています。ワクチン接種業務に従事するのですが、社会保険の適用条件を満たしているため、健康保険に加入することになると事業主から伝えられました。被扶養者のままでいることはできますか。

A22 社会保険の適用事業所において、正社員として働かれる場合や、パート・アルバイト勤務であっても短時間労働者の社会保険の適用条件を持たす場合には、社会保険の被保険者となる必要があるため、被扶養者とはなりません。

Q23 国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済の被扶養者についても同様の取扱いとなるのでしょうか。

A23 国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済の被扶養者についても同様の取扱いとなります。

Q24 税や会社の扶養手当(家族手当)の計算においても、ワクチン接種業務による収入の特例は適用されるのでしょうか。

A24 この特例は健康保険等の被扶養者認定及び国民年金の第3号被保険者の認定のみに係る取扱いとなります。

[別紙2]

新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例に関するQ&A(被保険者・被扶養者向け)

【制度等について】

Q1 新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例とは、どのような内容ですか。

A1 健康保険法の被扶養者認定の要件のうち、「主としてその被保険者による生計を維持するもの」に該当するか否かの判定については、厚生労働省から、被扶養者(認定対象者を含む。以下同じ。)の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、①被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること、②被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと、という取扱いを示しています。

また、各保険者が、被扶養者認定及び被扶養者の資格確認の際に、被扶養者の収入を確認するに当たっては、被扶養者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとしており、この年間収入については、給与収入、年金等の被扶養者の収入(又はその予定の収入)の状況により算定することとしています。

今般の特例措置は、本年の新型コロナウイルスワクチン接種業務については、例年にない対応として、期間限定的に行われるものであり、また、特にワクチン接種業務に従事する医療職の確保が喫緊の課題となっているという特別の事情を踏まえ、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入については、被扶養者の収入確認の際には年間収入に算定しないという特例を講ずるものです。

Q2 特例措置は被扶養者の年間収入が130万円未満であるか否かを判定する際のみに適用されるのでしょうか。被扶養者認定の要件のうち、生計維持要件においては、被保険者の年間収入との比較も行っています。この際の被扶養者の年間収入にはどのように算定するのでしょうか。

A2 今般の特例措置は、今般の新型コロナウイルスワクチン接種業務の緊要性に鑑み、医療職の被扶養者がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入について、被扶養者の収入確認の際の年間収入に算定しないというものです。この扱いは、年間収入が130万円未満であるか否かの判定のみではなく、被保険者の年間収入との比較においても同様の扱いとなります。

【対象者について】

Q3 特例措置は、どのような方が対象になるのでしょうか。

A3 本特例措置の対象者は、新型コロナワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)となります。

具体的には、ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサポートを含む。)、ワクチンの調製、接種後の経過観察等に有資格者として従事する医療職の方が対象となります。

Q4 医療職ではありませんが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A4 特例措置の対象とはなりません。

Q5 看護師の有資格者ですが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A5 ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサポートを含む。)、ワクチンの調製、接種後の経過観察等に有資格者として従事する場合には特例の対象となりますが、その他の場合は特例措置の対象とはなりません。

Q6 看護師の有資格者ですが、看護師としてではなく事務職として医療機関の受付等で勤務しています。雇用契約には変更はなく、ワクチン接種に伴って残業が増加しています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A6 特例措置の対象とはなりません。

一方で、被扶養者の収入確認に当たっては、「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和2年4月10日付け厚生労働省保険局保険課事務連絡)において、以下のような取扱いを示しています。

・ 例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること

・ 被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと

詳細な運用については、ご加入の健康保険組合等に問い合わせいただきますようお願いします。

Q7 医療機関で看護師として勤務していますが、ワクチン接種の業務には関わっていません。雇用契約には変更はありませんが、ワクチン接種に伴って残業が増加しています。特例措置の対象となりますか。

A7 特例措置の対象とはなりません。

一方で、被扶養者の収入確認に当たっては、「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和2年4月10日付け厚生労働省保険局保険課事務連絡)において、以下のような取扱いを示しています。

・ 例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること

・ 被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと

詳細な運用については、ご加入の健康保険組合等に問い合わせいただきますようお願いします。

【対象となる収入について】

Q8 特例措置の対象となる収入は何ですか。

A8 特例措置の対象となる収入は、高齢者向けの新型コロナワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和6年3月末までのワクチン接種業務に対する賃金となります。(インフルエンザウイルスワクチン等、他のワクチン接種業務に対する賃金は対象となりません。)

被保険者の方は、新たに被扶養者の認定を受けるとき又は保険者が被扶養者の資格確認を行うとあらかじめ決めているタイミングに、対象者の年間収入を確認されます。この際には、ワクチン接種業務を行う事業者(市(区)町村又は医療機関)から発行された、ワクチン接種業務に従事したこと及びワクチン接種業務による収入額を証する書類(様式1)を、他の書類と合わせて提出して下さい。(なお、各保険者の判断により、当該書類の添付を不要とする場合もありますので、詳細については、各保険者の指示に従って下さい。)

Q9 ワクチン接種会場で看護師としてワクチン接種業務に従事しました。日給2万円で5日間勤務したのですが、対象収入はどうなりますか。

A9 ご質問のケースでは、日給2万円×5日間の10万円が特例措置の対象となります。

Q10 医療機関で看護師として勤務しました。月給10万円で勤務しましたが、ワクチン接種とそれ以外の勤務の両方を行っています。対象収入はどうなりますか。月給10万円すべてが特例措置の対象となりますか。

A10 特例措置の対象となる収入は、新型コロナワクチン接種業務に対する賃金となります。

このため、各事業者が対象収入を算定するに当たっては、例えば、ワクチン接種日や接種業務時間が決まっている場合には、

・時給制の場合には、ワクチン接種日の勤務時間や接種業務時間に時給を乗じる

・月給制の場合には、賃金をワクチン接種日の日数や接種業務時間とその他の業務の日数や業務時間と按分する

などして、合理的な方法で対象収入を計算することになります。

なお、各保険者が「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について」(令和3年6月4日付け保保発0604第1号厚生労働省保険局保険課長通知)様式1(以下「様式1」という。)に記載された対象収入を確認する際、各保険者の判断により、雇用契約書等の添付書類が求められる場合があります。

Q11 ワクチン接種業務への勤務と同タイミングで別のアルバイトも始めています。どちらの収入も特例措置の対象になるのでしょうか。

A11 特例措置の対象となる収入は、新型コロナワクチン接種業務に対する賃金となります。

質問のケースでは、別のアルバイトの収入は特例措置の対象とはなりません。

Q12 令和6年3月の賃金が令和6年4月に支給された場合は対象となりますか。

A12 特例措置の対象となる収入は、高齢者向けの新型コロナワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和6年3月末までのワクチン接種業務に対する賃金となるため、令和6年3月の賃金が令和6年4月に支給された場合も、特例措置の対象となります。

Q13 ワクチン接種会場への交通費が支給された場合、この交通費は特例措置の対象となりますか。

A13 交通費についても特例措置の対象となります。

【申立書について】

Q14 申立書はいつ、どこに提出するのですか。

A14 被保険者の方は、新たに被扶養者の認定を受けるとき、又は保険者が被扶養者の資格確認を行うと決めているタイミングにおいて、年間収入を確認されます。この際に、被保険者の方が勤務している会社を通じて各保険者に対して、通常提出が求められる書類と合わせて、申立書を提出することになります。

このため、各保険者の被扶養者資格の確認のタイミングに合わせて、ワクチン接種業務を行う事業者(市(区)町村又は医療機関)に対して、様式1によりワクチン接種業務に従事したこと及びワクチン接種業務による収入額を証明していただいて下さい。

なお、協会けんぽ加入の場合、被扶養者認定の際の被扶養者異動届は日本年金機構に提出し、被扶養者の年間収入見込みを確認することになります。届出に当たって収入額が確認できる書類(給与明細等)を添付する際に、ワクチン接種業務による収入額が含まれている場合には、届書の「扶養に関する申立書」欄に、添付書類の収入にワクチン接種業務による収入が含まれていること及びその金額を記載することにより、申立書の添付は不要とする取扱いとしています。

Q15 申立書はどの期間に対応する収入を証明して貰えば良いのでしょうか。

A15 各保険者が被扶養者の資格確認を行うと決めているタイミングや通常求められる書類によって様々となります。

想定される具体的なケースを、以下に示しますが、詳細な運用については、ご加入の健康保険組合等に確認下さい。

(ケース1)

○ 毎年10月に被扶養者の資格確認が行われており、直近3ヶ月分の収入証明(雇用契約書、収入証明書等)の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年7~9月分の収入に対する申立書を提出

(ケース2)

○ 毎年10月に被扶養者の資格確認が行われており、直近1年間の収入証明(雇用契約書、収入証明書等)の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年4~9月分の収入に対する申立書を提出

また、令和4年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年10月~令和4年9月分の収入に対する申立書を提出

(ケース3)

○ 年度当初から通算した収入が130万円以上となったときに、連絡するよう伝えられている健康保険組合

⇒ ワクチン接種業務に従事したことによる収入を含めて130万円以上の収入となったときに、通算した期間の収入に対する申立書を添えて健康保険組合に相談

(ケース4)

○ 毎月の給与が108,334円以上となったときに、連絡するよう伝えられている健康保険組合

⇒ ワクチン接種業務に従事したことによる収入を含めて108,334円以上の収入となったときに、当該月の収入に対する申立書を添えて健康保険組合に相談

(ケース5)

○ 毎年10月に被扶養者の収入確認が行われ、課税証明書の提出を求めている健康保険組合

⇒ 課税証明書では、各年度の前年の所得(収入)状況が記載されます。このため、ワクチン接種業務の収入が課税証明書に反映される、令和4年10月の被扶養者の資格確認時に令和3年4~12月分の収入に対する申立書を提出

また、令和5年10月の被扶養者の資格確認時に、令和4年1~12月分の収入に対する申立書を提出

※ 各年度の課税証明書については、概ね各年度の6月中旬から交付されるため、毎年6月に被扶養者の収入確認を行うような場合では、令和4年6月の被扶養者の資格確認時に令和3年4~12月分の収入に対する申立書を、令和5年の被扶養者の資格確認時に令和4年1~12月分の収入に対する申立書を提出

(ケース6)

○ 毎年10月に被扶養者の収入確認が行われており、事業主が発行する給与支払見込証明書の提出を求めている健康保険組合

⇒ 令和3年10月の被扶養者の資格確認時に、令和3年7~9月分の収入に対する申立書を添えて、今後もワクチン業務に従事する旨を健康保険組合に相談

Q16 もともと勤務していた医療機関でワクチン接種業務を行ったほか、自治体のワクチン接種会場で勤務しました。申立書はそれぞれの事業所毎に作成するのでしょうか。

A16 複数の事業所においてワクチン接種業務に従事した場合には、それぞれの事業所毎に申立書を作成することになります。

Q17 事業主や自治体に証明書の記載を断られました。どうすればよいでしょうか。

A17 特例措置に適用されなければ、被扶養者から外れてしまうことを事業主に説明し、証明書の記載を求めて下さい。

なお、どうしても証明書の記載を行っていただけない場合であって、雇用契約書等からワクチン接種業務に従事したことが明らかな場合には、特例措置の適用となることも考えられますので、ご加入の健康保険組合等に相談下さい。

Q18 申立書を提出したにもかかわらず、保険者から被扶養者から外すと伝えられました。どうすればよいでしょうか。

A18 健康保険の被扶養者の要件は、収入要件だけではないため、その他の要件を満たしていないことにより、被扶養者から外れることとなったことも考えられます。まずは、ご加入の健康保険組合等に対して、被扶養者から外れることとなった理由を確認していただくようお願いします。

【その他について】

Q19 この特例の対象となれば、引き続き被扶養者で居続けられるということでしょうか。

A19 新型コロナウイルスワクチン接種業務に係る収入を除外しても、なお、年間収入見込みが130万円以上となる場合などにおいては、被扶養者から外れることもあります。また、健康保険の被扶養者の要件は、収入要件だけではないため、その他の要件を満たしていないことにより、被扶養者から外れることも考えられます。

Q20 ワクチン接種業務に従事したことによる収入増を理由に既に被扶養者から削除されました。どうすればよいでしょうか。

A20 今般の特例措置については、令和3年4月以降のワクチン接種業務による収入が対象となるため、同年4月以降の被扶養者の収入確認等において、ワクチン接種業務による収入を含めた1年間の収入見込みにより、被扶養者から削除する決定を行った者のうち、ワクチン接種業務による収入を除外した年間収入見込みが130万円未満である等の収入要件を満たし、また、被保険者との身分関係等の収入要件以外の被扶養者要件を満たしている者については、当該決定を取消し、遡及して被扶養者として取り扱うこととしています。

該当する被扶養者については、申立書をご加入の健康保険組合等に提出し、相談していただくようお願いします。

なお、被扶養者の削除の決定が取り消され、遡及して被扶養者となった場合において、現在、国民健康保険に加入していた場合には、国民健康保険の資格喪失を行うことが必要になります。この際には、新しく発行された健康保険の被保険者証をもって、市町村国保の窓口において手続きをすることになりますので、詳細な取扱いについては、市町村国保に御相談して下さい。(なお、被扶養者から削除された後、国民健康保険に加入していた間に、国民健康保険の保険者から保険給付がなされている場合等においては、保険給付分に当たる返還金の徴収や療養費の請求が生じることとなりますので、必要な手続きについて、市町村国保に御相談下さい。)

Q21 医療機関において正社員として働いており、社会保険の被保険者となっています。ワクチン接種業務に従事したのですが、被扶養者になることはできますか。

A21 社会保険の適用事業所において、正社員として働かれる場合や、パート・アルバイト勤務であっても短時間労働者の社会保険の適用条件を持たす場合には、社会保険の被保険者となる必要があるため、被扶養者とはなりません。

Q22 医療機関で新しく働こうとしています。ワクチン接種業務に従事するのですが、社会保険の適用条件を満たしているため、健康保険に加入することになると事業主から伝えられました。被扶養者のままでいることはできますか。

A22 社会保険の適用事業所において、正社員として働かれる場合や、パート・アルバイト勤務であっても短時間労働者の社会保険の適用条件を持たす場合には、社会保険の被保険者となる必要があるため、被扶養者とはなりません。

Q23 国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済の被扶養者についても同様の取扱いとなるのでしょうか。

A23 国家公務員共済、地方公務員共済及び私立学校教職員共済の被扶養者についても同様の取扱いとなります。ご所属の共済組合等に問い合わせいただきますようお願いします。

Q24 税や会社の扶養手当(家族手当)の計算においても、ワクチン接種業務による収入の特例は適用されるのでしょうか。

A24 この特例は健康保険等の被扶養者認定及び国民年金の第3号被保険者の認定のみに係る取扱いとなります。