添付一覧
○医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について
(令和3年4月28日)
(薬生監麻発0428第2号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)
(公印省略)
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関して、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第90号。以下「改正省令」という。)が本年4月28日に公布され、同年8月1日に施行されます。その改正の趣旨、主な内容及び具体的運用等については下記のとおりですので、御了知の上、貴管下の関係業者等に対して周知及び指導方お願いします。
本通知の適用に伴って、「薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴う医薬品、医療機器等の製造管理及び品質管理(GMP/QMS)に係る省令及び告示の制定及び改廃について」(平成17年3月30日付け薬食監麻発第0330001号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)の記の第1章の第2の5.、同章の第6及び第3章並びに「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の取扱いについて」(平成25年8月30日付け薬食監麻発0830第1号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)の記の第1及び第2を廃止とします。
なお、下記に掲げる法令の条項は全て本年8月1日時点の条項であることをご留意ください。
記
第1 改正の経緯、趣旨等
1.製造所における医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下同じ。)及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の方法については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第14条第2項第4号(法第19条の2第5項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号。以下「GMP省令」という。)を定めている。
2.厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構及び都道府県は、平成27年7月から医薬品査察協定・医薬品査察協同スキーム(以下「PIC/S」という。)に加盟している。医薬品の製造管理及び品質管理(以下「GMP」という。)に関して、PIC/SによるGMPガイドラインが国際標準となっており、「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」(平成24年2月1日付け厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課事務連絡)により、その活用を推進してきたところである。
3.厚生労働省等が加盟して以降のPIC/SのGMPガイドラインの改訂、また、「GMP、QMS及びGCTPのガイドラインの国際整合化に関する研究」(平成29年度医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)の研究成果を踏まえて、今般、GMP省令について、一層の国際整合を図る観点等から、所要の改正を行ったものである。
(1) 医薬品に係る製品の製造における基本的な要求事項をGMP省令第2章第1節に、原薬たる医薬品に係る製品を製造する場合の追加的な要求事項を同章第2節に、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)第25条第1項第3号又は第35条第1項第3号の区分の製造所(以下「無菌医薬品区分製造所」という。)における追加的な要求事項を同章第3節に、法第2条第10項に規定する生物由来製品たる医薬品(以下「生物由来医薬品」という。)等に係る製品を製造する場合の追加的な要求事項を同章第4節に、生物由来医薬品のうち厚生労働大臣が指定するものに関する記録の保管の特例を同章第5節に、それぞれ規定したものであること。
(2) 医薬部外品に係る製品の製造所における製造管理及び品質管理に関しては、改正省令による改正前のGMP省令第32条において準用していた第2章の各規定の内容を踏襲することを基本として、改正省令による改正後のGMP省令第3章の各規定を整備したものであること。
(3) 製造所の構造設備について、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を、医薬品に係る製品の製造所に関してはGMP省令第9条第1項、第23条及び第26条に、医薬部外品に係る製品の製造所に関しては同令第37条及び第51条に規定したものであること。
(4) もとよりGMP省令の各条の規定は、その製造所における医薬品の製造管理、品質保証及び試験検査に係る業務(以下「製造・品質関連業務」という。)又は医薬部外品の製造管理及び品質管理に係る業務(以下「製造・品質管理業務」という。)(それぞれ法第13条の2の2第1項又は第13条の3の2第1項の規定による登録を受けた製造所(以下「保管のみを行う製造所」という。)における保管に係る業務を含む。)を適切に行うに当たって必要とされる範囲で適用するものであること。
4.なお、製造所における適正な製造管理及び品質管理は、GMP省令への適合によるのみならず、製造業の許可又は認定の要件たる薬局等構造設備規則(昭和36年厚生省令第2号)への適合及び法第18条第3項の規定に基づく製造業者の遵守事項の遵守に加えて、製造販売業者における医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第136号。以下「GQP省令」という。)への適合等が相俟って達成されるものであること。
第2 GMP省令が適用される医薬品及び医薬部外品
1.法第14条第1項に規定する医薬品及び医薬部外品のうち、同条第2項第4号及び第7項(これらの規定を同条第15項(法第19条の2第5項において準用する場合を含む。)及び法第19条の2第5項において準用する場合を含む。)の規定により製造所における製造管理及び品質管理の方法がGMP省令の基準に適合していると認められることが製造販売承認の要件とされているものは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号。以下「施行令」という。)第20条第1項に規定する医薬品及び同条第2項に規定する医薬部外品(具体的には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第二十条第二項の規定に基づき製造管理又は品質管理に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医薬部外品(平成16年厚生労働省告示第432号)において指定する医薬部外品)であること。
また、法第14条第1項の規定に基づいて製造販売承認を要しないものとして指定されている医薬品及び医薬部外品又は専ら輸出用に製造され、国内で製造販売されることのない医薬品及び医薬部外品にあっても、施行規則第96条に規定する医薬品及び医薬部外品(施行令第20条第2項の規定により製造管理又は品質管理に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医薬部外品)は、製造所における製造管理及び品質管理の方法がGMP省令の基準に適合することを要するものであること。
2.施行令第20条第1項の解釈は、以下によるものであること。これらの解釈は、施行規則第96条においても同様であること。
(1) 施行令第20条第1項第1号及び第2号に掲げられている医薬品は、人又は動物の身体に直接使用されることのない医薬品であること。
(2) 専らねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の駆除又は防止のために使用されることが目的とされている医薬品とは、その使用目的が殺虫又は殺そ等であるとして製造される医薬品たる殺虫剤、殺そ剤等を指すものであること。
(3) 専ら殺菌又は消毒に使用されることが目的とされている医薬品とは、その使用目的が殺菌又は消毒であるとして製造される医薬品たる殺菌消毒剤、酸化エチレン(ガス)等を指すものであること。
(4) 施行令第20条第1項第3号の「専ら前2号に掲げる医薬品の製造の用に供されることが目的とされている原薬たる医薬品」とは、その使用目的が同条第1号又は第2号に掲げられている医薬品の製造専用であるとして製造される原薬たる医薬品を指すものであること。
(5) 生薬を粉末にし、又は刻む工程のみを行う製造所とは、生薬の粉末加工又は刻み加工以外に医薬品の製造工程を行わない製造所を指すものであること。
(6) 薬局製造販売医薬品とは、施行令第3条の規定により、薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもって製造し、当該薬局において直接消費者に販売し、又は授与する医薬品であって、厚生労働大臣の指定する有効成分以外の有効成分を含有しないものをいうものであること。
(7) 医療又は獣医療の用に供するガス類のうち厚生労働大臣が指定するものは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第二十条第一項第六号及び第七号並びに医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第九十六条第六号及び第七号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品(平成16年厚生労働省告示第431号)第1号に掲げるものであり、現在のところ、亜酸化窒素、酸素、窒素、二酸化炭素並びに亜酸化窒素及び酸素の混合物が指定されている。ここでいうガス類とは、使用時に気体となるものを指すものであること。
3.体外診断用医薬品については、法第12条第1項において医薬品から除かれており、GMP省令は適用されない(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第169号)が適用される。)ものであること。
第3 逐条解説
<第1章 総則(第1条―第3条の2)>
1.第1条(趣旨)関係
GMP省令は、法第14条第2項第4号(第19条の2第5項において準用する場合を含む。)に規定する厚生労働省令で定める基準(製造所における製造管理及び品質管理の方法が適合すべき基準)を定めるものである旨を明示するものであること。
2.第2条(定義)関係
(1) 「製品」とは、製造所の製造工程を経た物(製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって製品となるもの(以下「中間製品」という。)を含む。)をいうものであること。なお、ここでいう「以後の製造工程」は同じ製造所内での製造工程を指しており、製造所から出荷される製品は、他の製造所の製造工程を経ることとなるもの(最終製品以外の製品)であっても、GMP省令における中間製品に当たらないものであること。原薬たる医薬品の製造所における中間製品は、当該製造所の製造工程を経た物のうち、以後の製造工程を経て原薬たる医薬品となるもの(原薬中間体)を指すものであること。
(2) 「最終製品」とは、GQP省令第9条第2項(同令第20条において準用する場合を含む。)の市場への出荷の可否の決定に供される医薬品又は医薬部外品たる製品をいうものであること。即ち、製造販売業者の下で製造販売の可否の決定がなされる製品を指すことから、製造販売されることのない製品(例えば、原薬たる医薬品、輸出専用に製造された製品)は含まないものであること。
(3) 「資材」とは、製品の容器、被包及び表示物(添付文書を含む。)をいうものであること。「被包」は包装材料を指すものであるが、薬事関係法令上規定のない梱包材等は含まないものであること。また、「表示物」については、添付文書のほか、医薬品について法第50条から第52条までの規定による事項、医薬部外品について法第59条並びに法第60条において準用する法第51条及び法第52条第2項の規定による事項が記載されているラベル等を含むものであること。
(4) 「ロット」とは、一の製造期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品及び原料(以下「製品等」という。)の一群をいうものであること。「原料」は、製造所において医薬品又は医薬部外品に係る製品の製造の用に供される物(製品中に残存しないものを含み、資材及び中間製品を除く。)を指し、他の製造所から出荷された製品が製造の用に供される場合を含むものであること。
(5) 「参考品」とは、出荷した製品に不具合が生じた場合等、出荷後に製品の品質を再確認する必要が生じた場合に備えて保管する試験検査用の検体をいうものであること。
(6) 「保存品」とは、最終製品のロットから採取された検体であって、流通している製品との同一性を確認するために使用されるものをいうものであること。
(7) 「リテスト日」とは、製造された日から一定の期間を経過した製品が、当該期間を経過した日以降において、引き続き所定の規格に適合しているかどうか等について、改めて試験検査を行う必要があるものとして設定される日をいうものであること。
(8) 「管理単位」とは、同一性が確認された資材の一群をいうものであること。
(9) 「医薬品品質システム」とは、医薬品に係る製品の製造業者及び法第13条の3第1項に規定する医薬品等外国製造業者(以下「外国製造業者」という。)が当該製品の品質に関して管理監督を行うためのシステムをいうものであること。
(10) 「品質リスクマネジメント」とは、医薬品に係る製品について、品質に好ましくない影響を及ぼす事象及びその発生確率(以下「品質リスク」という。)の特定、評価及び管理等を継続的に行うことをいうものであること。この場合の継続的とは、医薬品に係る製品の商業生産を開始しようとするとき(所要の知見及び技術の移転を含む。)から商業生産の終了まで継続するとの趣旨であること。
(11) 「安定性モニタリング」とは、定められた保管条件の下で、製品が有効期間若しくは使用の期限(以下単に「有効期間」という。)又はリテスト日までの期間にわたって規格に適合しているかどうかについて、継続的に確認することをいうものであること。
(12) 「照査」とは、設定された目標を達成する上での妥当性及び有効性を判定することをいうものであること。
(13) 「バリデーション」とは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法(以下「製造手順等」という。)が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいうものであること。
(14) 「是正措置」とは、検知された不適合(GMP省令に規定する要求事項等に適合しないことをいう。以下同じ。)その他の望ましくない状況の再発を防止するため、その原因となった状態を解消する措置をいうものであること。
(15) 「予防措置」とは、生じ得る不適合その他の望ましくない状況の発生を未然に防止するため、その原因となり得る状態を解消する措置をいうものであること。
(16) 「作業管理区域」とは、医薬品又は医薬部外品に係る製品の製造作業を行う場所(以下「作業所」という。)のうち、作業室、廊下等から構成されていて、全体が同程度に清浄の維持ができるように管理される場所をいうものであること。
(17) 「清浄区域」とは、作業所のうち、原料の秤量作業を行う場所、薬剤の調製作業を行う場所及び洗浄後の容器が作業所内の空気に触れる場所をいうものであること。
(18) 「無菌区域」とは、作業所のうち、無菌化された薬剤又は滅菌された容器が作業所内の空気に触れる場所、薬剤の充填作業を行う場所、容器の閉塞作業を行う場所及び無菌試験等の無菌操作を行う場所をいうものであること。
(19) 「細胞組織医薬品」とは、人又は動物の細胞又は組織から構成された医薬品(人の血液及び人の血液から製造される成分から構成される医薬品を除く。)をいうものであること。
(20) 「生物由来原料」とは、生物由来医薬品に係る製品の製造に使用する生物(植物を除く。)に由来する原料をいうものであること。
(21) 「ドナー」とは、細胞組織医薬品の原料となる細胞又は組織を提供する人(臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)第6条第2項に規定する脳死した者の身体に係るものを除く。)をいうものであること。
(22) 「ドナースクリーニング」とは、ドナーについて、問診、検査等による診断を行い、細胞組織医薬品に係る製品の原料となる細胞又は組織を提供するにつき十分な適格性を有するかどうかを判定することをいうものであること。この適格性については、生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)の第3(ヒト由来原料総則)のヒト細胞組織原料基準等に照らして適正である旨を含むものであること。
(23) 「ドナー動物」とは、細胞組織医薬品の原料となる細胞又は組織を提供する動物をいうものであること。
(24) 「ドナー動物スクリーニング」とは、ドナー動物について、試験検査及び飼育管理を行い、細胞組織医薬品に係る製品の原料となる細胞又は組織を提供するにつき十分な適格性を有するかどうかを判定することをいうものであること。この適格性については、生物由来原料基準の第4(動物由来原料総則)の動物細胞組織原料基準等に照らして適正である旨を含むものであること。
(25) このほかGMP省令中の用語については、次によるものであること。
① 「計器の校正」とは、必要とされる精度を考慮し、適切な標準器又は標準試料等を用いて当該計器の示す値と真の値との関係を求めることを指すものであること。
② 「ロットを構成しない血液製剤」とは、施行令第80条第2項第3号イに掲げる生物学的製剤のうち、人の血液を原料とする医薬品であって、人全血液、人赤血球濃厚液、洗浄人赤血球浮遊液、白血球除去人赤血球浮遊液、合成血、解凍人赤血球濃厚液、新鮮凍結人血漿、人血小板濃厚液、乾燥人血液凝固第Ⅷ因子、乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体(原血漿が3人分以下からなるもの)、分画用原血漿等、ロット(GMP省令第2条第4項参照。)を構成することのない製品を指すものであること。
3.第3条(適用の範囲)関係
(1) 法第14条第1項に規定する医薬品又は医薬部外品について、施行令第20条の規定によりGMP省令が適用されるものであるときは、その製造販売業者(法第19条の2第4項に規定する選任外国製造医薬品等製造販売業者を含む。以下同じ。)は、当該医薬品又は医薬部外品に係る製品の製造業者及び外国製造業者(以下「製造業者等」と総称する。)に、医薬品にあってはGMP省令第2章、医薬部外品にあっては同令第3章の規定に基づいて、当該製品の製造所(保管のみを行う製造所を含む。以下同じ。)における製造管理及び品質管理を行わせることを要するものであること。
(2) 施行規則第96条の規定によりGMP省令が適用される医薬品又は医薬部外品に係る製品について、その製造業者等は、医薬品にあってはGMP省令第2章、医薬部外品にあっては同令第3章の規定に基づいて、当該製品の製造所における製造管理及び品質管理を要するものであること。
(3) 法第80条第1項に規定する輸出用の医薬品及び医薬部外品とは、施行令第70条の2第1項及び第2項の規定により、GMP省令が適用される医薬品及び医薬部外品であって、外国政府又は国際機関からGMP省令の基準に適合していることの証明を求められたものを指すものであること。当該医薬品又は医薬部外品に係る製品について、その製造業者は、医薬品にあってはGMP省令第2章、医薬部外品にあっては同令第3章の規定に基づき、当該製品の製造所における製造管理及び品質管理を要するものであること。
① 輸出用に製造する医薬品又は医薬部外品に係る製品のうちGMP省令が適用されるものについて、外国政府又は国際機関からGMP省令の基準に適合していることの証明を求められた場合には、製造業者は、法第80条第1項の規定により、当該製品の製造所における製造管理及び品質管理がGMP省令の基準に適合しているかどうかについての調査(以下「GMP適合性調査」という。)を受けることを要するものであること。
② GMP省令の基準に適合している旨の証明書の発給については、「輸出用医薬品、輸出用医療機器等の証明書の発給について」(平成26年11月25日付け薬食発1125第12号厚生労働省医薬食品局長通知)によるものであること。上記①のGMP適合性調査の結果からGMP省令の基準に適合していることが確認されないときは、当該証明書の発給を行わないことができるものであること。
(4) 上記(2)及び(3)に関して、製造業者等が法人の場合には、当該法人の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員が責任を負うものであること。なお、薬事に関する業務には、医薬品の製造業者等の製造所における製造・品質関連業務の管理監督、医薬部外品の製造業者等の製造所における製造・品質管理業務の管理監督が含まれるものであること。
(5) 製造所について法第13条第1項の規定による許可、法第13条の3第1項の規定による認定又は法第13条の2の2第1項若しくは法第13条の3の2第1項の規定による登録を受けることを要しない者は、GMP省令における製造業者等に当たらないものであること。なお、当該許可、認定又は登録を受けることを要しない場合であっても、医薬品の原料若しくは資材を製造し、又は医薬品の製造業者等の委託を受けて製造・品質関連業務の一部を行うときは、所要の製造管理及び品質管理が求められる。
4.第3条の2(承認事項の遵守)関係
(1) 「承認事項」とは、医薬品又は医薬部外品について、法第14条第1項若しくは第15項(法第19条の2第5項において準用する場合を含む。以下同じ。)又は法第19条の2第1項の承認を受けた事項をいうものであること。なお、成分及び分量又は本質、製造方法、規格及び試験方法等について、日本薬局方等の公定書、原薬等登録原簿等が参照されている場合には、それらの内容も承認事項に含まれることから、当該公定書、原薬等登録原簿等の改正、変更等について留意が必要であること。
(2) 上記の承認を受けた医薬品又は医薬部外品に係る製品は、その承認事項に従って製造することを要するものであること。なお、承認事項のうち、製品の成分若しくは分量(成分が不明なものにあっては、本質又は製造方法)又は性状若しくは品質が異なる場合には、法第56条(医薬部外品について、法第60条において準用する場合を含む。)の規定に違反することになりうるものであること。
(3) 法第14条第15項の承認事項の軽微な変更を行う場合には、同条第16項(法第19条の2第5項において準用する場合を含む。)及び施行規則第48条の規定により、当該変更をした後30日以内に届出が行われることとされており、当該届出が行われるまでの間における承認事項の遵守については、GMP省令第3条の2ただし書により免除しているものであること。
<第2章 医薬品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理>
医薬品の製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理について規定するものであること。
≪第1節 通則(第3条の3―第20条)≫
5.第3条の3(医薬品品質システム)関係
製造業者等は、実効性のある医薬品品質システムの構築を要するものであること。第3条の3各号は、医薬品品質システムの実施に必要な業務を規定するものであること。
医薬品規制調和国際会議(以下「ICH」という。)との整合性を考慮して、PIC/SのGMPガイドラインにおいて「医薬品品質システム(Pharmaceutical Quality System)」という用語が使われているところであり、ICHの医薬品品質システムに関するガイドライン(以下「ICHのQ10ガイドライン」という。)(「医薬品品質システムに関するガイドラインについて」(平成22年2月19日付け薬食審査発0219第1号、薬食監麻発0219第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、監視指導・麻薬対策課長連名通知)参照。)は、そのQ&A(「「製剤開発に関するガイドライン」、「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」及び「医薬品品質システムに関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成22年9月17日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課、監視指導・麻薬対策課事務連絡)参照。)等とともに、実効性のある医薬品品質システムの構築において参考になるものであること。
法人たる製造業者等の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員は、ICHのQ10ガイドライン及びPIC/SのGMPガイドラインにおける上級経営陣(Senior Management)に相当し、実効性のある医薬品品質システムの構築及び実施に関しても責任を負うものであること。
(1) 第3条の3第1号関係
品質方針は、法人たる製造業者等の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員による全社的なコミットメントとして、製品品質に関する取組み姿勢及び方向性を記述するものであり、その製造所における製造工程等に応じてGMP省令の要求事項等を満たすとともに、その製造業者等における医薬品品質システムの継続的な改善を推進する内容であることが求められる。品質方針を定め、医薬品品質システムの手続き等の構成要素を示す文書は、ICHのQ10ガイドライン及びPIC/SのGMPガイドラインにおける品質マニュアル(Quality Manual)に相当するものであること。なお、当該文書について、必ずしも1つの文書ファイルに収められていることを要するものでなく、例えば、複数の文書ファイルで構成する等は差し支えないものであること。
(2) 第3条の3第2号関係
品質目標は、品質方針に基づいたものとするとともに、法第17条第6項に規定する医薬品製造管理者及び法第68条の16第1項に規定する生物由来製品の製造を管理する者(外国製造業者にあっては法第13条の3第1項の認定を受けた製造所の責任者又は当該外国製造業者があらかじめ指定した者)(以下「製造管理者」と総称する。)又はGMP省令第4条第3項第1号に規定する品質保証に係る業務を担当する組織の下で文書により定めることを要するものであること。
(3) 第3条の3第3号関係
品質方針及び品質目標について、その製造所において医薬品品質システムに関わる全ての組織及び職員への周知を要するものであること。
(4) 第3条の3第4号関係
品質方針及び品質目標を達成するため、法人たる製造業者等の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員の主導により、製造所における製造管理及び品質管理に要する人材、設備、物品その他の資源を配分するとともに、定期的な医薬品品質システムの照査(その製造業者等の医薬品品質システムについて、品質目標を達成する上での妥当性及び有効性を判定することを指し、ICHのQ10ガイドライン及びPIC/SのGMPガイドラインにおけるマネジメントレビュー(Management Review)に相当するもの。)を要するものであること。また、当該照査の結果に基づいて所要の措置(GMP省令第6条第2項に規定する責任者の適切な配置、同条第3項に規定する人員の十分な確保、同条第4項に規定する管理体制の整備、その他必要な資源の配分等)を要するものであること。
(5) 第3条の3第5号関係
あらかじめ指定した者において、上記(3)及び(4)の業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。あらかじめ指定した者については、医薬品品質システム及びその照査に係る業務を熟知している職員を当該記録の作成及び保管の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
6.第3条の4(品質リスクマネジメント)関係
(1) 製造業者等は、品質リスクマネジメントを活用して医薬品品質システムを構築した上で、医薬品に係る製品について製造所における製造管理及び品質管理を要するものであること。
① 品質リスクマネジメントは、医薬品品質システムを構成する要素であるとともに、製造所において、医薬品に係る製品の品質リスクを特定し、製造手順等に対する科学的な評価及び管理を確立するために、製造業者等が主体的に取り組むものであること。製造工程の稼働性能及び製品品質の継続的な改善を促進するため、品質リスクマネジメントが有効な手法であることを考慮するものであること。
② ICHの品質リスクマネジメントに関するガイドライン(Q9ガイドライン)(「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」(平成18年9月1日付け薬食審査発第0901004号、薬食監麻発第0901005号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、監視指導・麻薬対策課長連名通知)参照。)は、PIC/SのGMPガイドラインにアネックス20として組み入れられているところであり、そのQ&A(「「製剤開発に関するガイドライン」、「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」及び「医薬品品質システムに関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成22年9月17日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課、監視指導・麻薬対策課連名事務連絡)参照。)及び「医薬品品質システムにおける品質リスクマネジメントの活用について」(平成29年7月7日付け厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課事務連絡)、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 038“ASSESSMENT OF QUALITY RISK MANAGEMENT IMPLEMENTATION”等とともに、品質リスクマネジメントの活用において参考になるものであること。
(2) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる品質リスクマネジメントの実施の手続きその他の必要な事項に係る文書及び記録の作成及び保管について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、品質リスクマネジメントに関して熟知している職員を当該文書及び記録の作成及び保管の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
7.第4条(製造部門及び品質部門)関係
(1) 製造所ごとに、製造管理者の監督の下に、製造管理に係る部門(以下「製造部門」という。)及び品質管理に係る部門(以下「品質部門」という。)を置くことを要するものであること。なお、施行規則第25条第1項第5号及び第35条第1項第5号の区分の製造所(以下「医薬品包装等区分製造所」という。)並びに保管のみを行う製造所において、その製造業者等の他の製造所において製造された製品又は製造に使用される原料若しくは資材の保管のみを行う場合には、品質保証及び試験検査に係る業務について、支障がないと認められる限りにおいて、その製造業者等の他の製造所の品質部門が行うこととすることは差し支えないものであること。
(2) 品質部門は、製造部門から独立した部門として、品質保証及び試験検査に係る業務を行うものであること。
(3) 品質部門の各組織には、その製造所における製造工程等に応じて、適切な人数の職員の配置を要するものであること。なお、品質部門における品質保証に係る業務及び試験検査に係る業務について、それぞれ業務に支障がない限りにおいて、従事する職員の兼任は差し支えないものであること(ただし、GMP省令第6条の規定により、業務を適切に実施しうる人員を十分に確保しなければならないものであること。)。
(4) 「製造業者等の他の試験検査設備を利用し又は第11条の5の規定に従って他に委託して自己の責任において行う試験検査」とは、製造所から外部において試験検査を行う施設(以下「外部試験検査機関」という。)に検体を搬送し、その製造業者等の自らの責任で結果の判定を行う試験検査を指すものであること。
通常、外部試験検査機関に依頼して試験検査を適切に行うには、
① GMP省令第11条第1項第3号の規定による文書(以下「試験検査指示書」という。)について、検体が採取された製造所及び外部試験検査機関の双方において適切に保管することが求められる。
② 試験検査に際して、試験検査指示書とともに、次に掲げる事項が表示等された検体を必要量送付することが求められる。試験検査指示書の内容に変更が生じたときは、品質部門の責任者が適切に修正等するとともに、外部試験検査機関へ速やかに送付することが求められる。
ア.検体の名称(又は検体たる原料、資材若しくは製品の規格に関連付ける参照番号)及び検体識別番号(同じロット、製造番号又は管理単位から採取された検体であっても採取場所、日時等により区別することができるよう付された当該検体に固有の番号をいう。以下同じ。)
イ.検体が採取された製造所の名称
ウ.検体の取扱い及び保管上の注意事項その他適切な試験検査に必要な事項
8.第5条(製造管理者)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において製造管理者が行う業務について規定するものであること。
① 第5条第1項第1号関係
製造管理者は、製造・品質関連業務(保管のみを行う製造所における保管に係る業務を含む。以下同じ。)が適正かつ円滑に行われるよう統括するとともに、医薬品品質システムが適切に運用されるよう管理する立場にあり、当該製造所における製造・品質関連業務について権限と責任を有するものであること。
② 第5条第1項第2号関係
製造管理者は、医薬品品質システムの運用状況を確認するとともに、その改善を要するかどうかについて、製造業者等への文書による報告を要するものであること。
ア.製造管理者からの当該文書(製造管理者が自らの責任で作成したもの)による報告を踏まえ、法人たる製造業者等の代表者を含む薬事に関する業務に責任を有する役員の主導により、GMP省令第3条の3第4号の規定による必要な資源の配分がなされるものであること。
イ.法第17条第6項に規定する医薬品製造管理者にあっては、同条第7項の規定により、医薬品の製造の管理を公正かつ適正に行うために必要があるときは、製造業者に対し、意見を書面により述べなければならないものであること。
③ 第5条第1項第3号関係
製造管理者は、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の規格並びに製造手順等が承認事項と相違することのないよう、品質保証に係る業務を担当する組織に管理させるものであること。
④ 第5条第1項第4号関係
製造管理者は、品質不良その他製品品質に重大な影響が及ぶおそれがある場合において、所要の措置が速やかにとられていること及びその進捗状況を確認するほか、必要に応じて、改善等所要の措置をとるよう、当該製造所の職員(GMP省令第6条第1項の責任者を含む。)に指示するものであること。
(2) 製造業者等は、製造管理者の業務を妨げないことはもとより、GMP省令第3条の3第4号の規定による必要な資源の配分等、製造管理者の業務遂行に必要な支援を行うことが求められる。なお、法第18条第4項の規定により、医薬品の製造業者は、法第17条第7項の規定により述べられた医薬品製造管理者の意見を尊重するとともに、法令遵守のために措置を講ずる必要があるときは当該措置を講じなければならないものであること。
9.第6条(職員)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所における責任者(製造・品質関連業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者をいう。)の配置、人員の確保等について規定するものであること。
(2) 製造・品質関連業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有するとは、各々従事する製造・品質関連業務の種類及び内容、実務経験、GMP省令第19条、第25条及び第29条の規定による教育訓練の経歴等に鑑みて、当該業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有することを、その製造業者等の医薬品品質システムの下、保証することを趣旨とするものであること。
(3) 医薬品の製造業者等の製造所において、製造・品質関連業務の適切な実施を保証するため、十分な人員の確保を要するものであること。
(4) 製造・品質関連業務に従事する職員(製造管理者及び責任者を含む。)の責務及び管理体制について、各々の職責及び権限並びに協働体制の組織図を示す等して、文書により適切に定めることを要するものであること。
10.第7条(医薬品製品標準書)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において製造される医薬品に係る製品(中間製品を除く。なお、製造所から出荷される製品は、GMP省令における中間製品に当たらないものであること。)に関して所定の事項を記載した文書の作成等について規定するものであること。当該文書(以下「医薬品製品標準書」という。)は、品質部門の承認を受け、当該製造所において製造・品質関連業務を適切かつ円滑に行うことができるよう、必要な関連部門、組織及び職員に配付、周知等を行った上で備え置くことを要するものであること。なお、必ずしも製造品目ごとに1対1対応させて医薬品製品標準書を作成することを要するものでなく、例えば、複数の製造品目で共通する事項を適宜まとめて作成する、ひとつの製造品目に関する事項を記載した複数の文書ファイルで構成する等は差し支えないものであること。
(2) 医薬品製品標準書の内容は、GQP省令第10条第5項の規定により医薬品の製造販売業者から製造業者等に提供される、適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の実施に必要な品質に関する情報に則したものであること。法第14条第1項に規定する医薬品(以下「承認医薬品」という。)に係る製品を製造する場合において、医薬品製品標準書の内容が当該医薬品の承認事項と相違することのないよう管理することは、その品質保証に係る重要な業務のひとつであること。また、その製造業者等がGMP省令第11条の4第2項の規定により当該製品の原料及び資材(以下「原料等」という。)の供給者(同令第27条第1項第12号に規定する生物由来原料の原材料採取業者等を含む。以下同じ。)と締結した取決め、同令第11条の5第1項の規定により当該製造業者等の委託を受けて製造・品質関連業務の一部を行う他の事業者(以下「外部委託業者」という。)と締結した取決め、GQP省令第7条の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項等に則した内容であることが求められる。
(3) 医薬品製品標準書の記載事項は、その製造所における製造・品質関連業務の適切な実施に支障がない内容及び範囲で足りるものであり、当該製品に係る医薬品の他の製造所における製造工程(保管を含む。)、承認事項等の全てについて記載を要するものでないこと。
① 第7条第1号及び第3号関係
「承認事項のうち、当該製造所における製造方法、規格及び試験方法その他の必要な事項」及び「製造手順」として、次に掲げる事項のうち、その製造所から出荷する製品に該当するものについて記載するものであること。
ア.製品及びその製造に使用する原料の成分(成分が不明なものにあってはその本質)及び分量並びに規格及び試験検査の方法
イ.容器及び被包の規格及び試験検査の方法
上記ア.及びイ.の規格及び試験検査の方法に関して、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 承認事項の規格(日本薬局方等の公定書又は規格集の規格を参照している場合を含む。)について、製造業者等において管理上必要なものとして自主的に所定の規格より厳格な規格が設定される場合には、当該規格及び品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて当該規格の妥当性を示す根拠
(イ) 日本薬局方等の公定書又は規格集を参照している試験検査について、当該公定書又は規格集の規定に基づき、規定の試験法に代わる試験検査の方法が規定の試験法以上の真度及び精度がある場合であって当該試験検査の方法が用いられるときは、当該試験検査の方法及び品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて当該試験検査の方法の妥当性を示す根拠
(ウ) 承認事項及び日本薬局方等の公定書又は規格集に定められていない規格及び試験検査について、製造業者等において管理上必要なものとして自主的に設定する場合には、当該規格及び試験検査の方法並びに品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて当該規格及び試験検査の方法の妥当性を示す根拠
(エ) 試験検査が外部試験検査機関で行われる場合には、当該試験検査の項目並びにそれらの規格及び試験検査の方法
(なお、承認医薬品に係る製品にあっては、GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査に係る外部試験検査機関について、当該医薬品の承認事項になっていることが前提であること。)
ウ.品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて製品品質に影響を及ぼすものとして選定した原料等、その保管条件及びGMP省令第11条の4の規定による供給者の管理の方法
エ.表示物(最終製品にあっては、販売名及び一般的名称、成分及び分量、用法及び用量、効能又は効果並びに使用上の注意又は取扱上の注意等の所要事項が記載されるもの)の規格及び仕様
オ.製造方法及び製造手順(工程内検査、中間製品の規格及び試験検査の方法並びに品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて当該規格及び試験検査の方法の妥当性を示す根拠を含む。)
カ.秤量、調製、充填等の作業における標準的仕込み量及びその妥当性を示す根拠(GMP省令第13条に規定するバリデーションの結果等)
キ.製品の保管条件及び有効期間又はリテスト日並びにそれらの妥当性を示す根拠(安定性試験の結果等)
ク.GMP省令第11条の4第2項の規定による原料等の供給者との取決め、同令第11条の5第1項の規定による外部委託業者との取決め等について、それらの内容(なお、GMP調査実施者の求めに応じて、当該取決め文書の写しを提示できるようにしておくことが求められる。)
② 第7条第2号関係
ア.法第42条第1項の規定により定められた基準として、現在のところ、生物由来原料基準、生物学的製剤基準(平成16年厚生労働省告示第155号)、放射性医薬品基準(平成25年厚生労働省告示第83号)が定められている。
イ.薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分については、法第18条第3項の規定により定められた製造業者又は外国製造業者の遵守事項、法第79条第1項の規定により製造販売承認に付された条件等が該当するものであること。法第18条第3項の規定により定められた製造業者の遵守事項として、現在のところ、放射性医薬品の製造及び取扱規則(昭和36年厚生省令第4号。以下「製造取扱規則」という。)が定められている。
③ 第7条第4号関係
「その他所要の事項」として、次に掲げる事項を含むものであること。
ア.医薬品製品標準書の作成、改訂及び承認の日付、医薬品製品標準書の管理番号
イ.医薬品製品標準書の作成、改訂及び承認の責任者(承認を行った品質部門の責任者)の氏名並びに配付先
ウ.GQP省令第7条の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項の内容(なお、GMP調査実施者の求めに応じて、当該取決め文書の写しを提示できるようにしておくことが求められる。)
11.第8条(手順書等)関係
(1) 製造・品質関連業務を適正かつ円滑に行うため、製造所ごとに所定の手順について記載した文書の作成等について規定するものであること。当該文書(以下「GMP省令第8条第1項の手順書」という。)は、当該製造所において必要な関連部門、組織及び職員に配付、周知等を行った上で備え置くことを要するものであること。なお、当該製造所において該当しない業務に関する手順(例えば、当該製造所の製造・品質関連業務を他に委託することのない場合におけるGMP省令第8条第1項第7号の手順)については、GMP省令第8条第1項の手順書を要しないものであること。また、必ずしもGMP省令第8条第1項の各号に1対1対応させて作成することを要するものでなく、例えば、当該業務を行う職員、組織、部門等で適宜まとめて作成する等は差し支えないものであること。
改正省令による改正前のGMP省令第8条第1項の衛生管理基準書、同条第2項の製造管理基準書及び同条第3項の品質管理基準書として既に作成され、製造所に備え置かれている各文書については、改正省令による改正後のGMP省令第8条第1項第1号から第3号までの各手順について記載した文書とみなすものとし、当該文書の名称等を形式的に変更するためだけの改廃等は要しないものであること。
① 第8条第1項第1号関係
ア.構造設備及び職員の衛生管理に関する手順は、それら衛生管理に係る業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。製造衛生に係る内容に限らず、試験検査に係る業務等において衛生管理が必要な場合には、当該衛生管理に関する手順も含むものであること。
イ.職員の衛生管理は、職員が微生物等により原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を汚染することの防止を目的とするものであること。
ウ.構造設備及び職員の衛生管理に関する手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 構造設備の衛生管理に関する手順
((ア)) 構造設備の清掃、保守、滅菌等に関する手順(当該清掃、保守、滅菌等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
((イ)) GMP省令第9条第2項ただし書による清浄化に関する手順(当該清浄化の方法、間隔、確認方法等を含む。)
<無菌医薬品区分製造所の場合>
((ウ)) 作業室又は作業管理区域の清浄度の維持管理に関する手順
((エ)) 無菌操作を行う区域における空気の管理に関する手順
((オ)) 注射剤に係る製品を製造する場合における、GMP省令第23条第3号ニの規定による配管部等の洗浄及び滅菌に関する手順(当該洗浄及び滅菌の方法、間隔、確認方法等を含む。)
<生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合>
((カ)) 生物学的製剤(ロットを構成しない血液製剤を除く。)に係る製品を製造する場合における、GMP省令第26条第1号に規定する構造設備の衛生管理に関する手順
((キ)) ロットを構成しない血液製剤に係る製品を製造する場合における、GMP省令第26条第2号に規定する構造設備の衛生管理に関する手順
((ク)) 人の血液又は血漿を原料とする製品を製造する場合における、GMP省令第26条第3号に規定する製造区域、設備及び器具の衛生管理に関する手順
(イ) 職員の衛生管理に関する手順
((ア)) 製造作業に従事する職員以外の者の作業所への立入り制限に関する手順
((イ)) 作業所における、入退時の更衣及び手洗い、防護具の着用等に関する手順
((ウ)) 職員の健康状態の把握に関する手順
((エ)) 作業所における、所持品及び化粧の制限、飲食喫煙の禁止等に関する手順
<無菌医薬品区分製造所の場合>
((オ)) GMP省令第24条第6号及び第7号に規定する職員の衛生管理に関する手順
<生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合>
((カ)) GMP省令第27条第1項第5号及び第6号に規定する職員の衛生管理に関する手順
((キ)) 細胞組織医薬品に係る製品を製造する場合における、GMP省令第27条第2項第4号に規定する衛生管理に関する手順
② 第8条第1項第2号関係
ア.製造工程(保管を含む。)、製造設備、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の管理に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、製造設備についてGMP省令第9条第1項、第23条及び第26条に適合させる業務を適切に、製造管理について同令第10条、第24条並びに第27条第1項及び第2項の各号の業務(構造設備及び職員の衛生管理に係る業務を除く。)を適切に遂行できる内容であることが求められる。
イ.製造工程(保管を含む。)、製造設備、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の管理に関する手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) GMP省令第9条第1項第5号イ及びロの場合における、製品等の漏出防止に関する手順
(イ) 交叉汚染することにより他の製品等に重大な影響が及ぶおそれのある製品等を取り扱う場合における、交叉汚染の防止に関する手順
(ウ) GMP省令第10条第1号に規定する製造指図書の作成、承認、配付等に関する手順
(エ) 製造部門の責任者による製造作業の指示に関する手順
(オ) ロットを構成する製品の製造作業に関して、当該製品の一群が均質性を有するように製造されるための手順
(カ) 製造に関する記録の作成等に関する手順
(キ) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)が適正である旨の確認等に関する手順
((ア)) 重要な秤量、計量及び小分け作業については、作業者以外の職員の立会又はそれと同等以上の管理に関する手順を含むものであること。
((イ)) 法第50条から第52条までの規定による事項が記載されている資材及び製品については、当該記載が適正である旨の確認に関する手順を含むものであること。
((ウ)) 人又は動物由来の原料を使用して医薬品に係る製品を製造する場合には、当該原料が生物由来原料基準の該当する規定に照らして適正である旨の確認に関する手順を含むものであること。
(ク) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の保管、出納等に関する手順
((ア)) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)のバーコード管理システム又はそれと同等以上の管理に関する手順
((イ)) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の取違い防止のための手順
(ケ) 製造設備の清浄の確認等に関する手順
(コ) 製造設備の点検整備、製造に関する計器の校正等に関する手順(当該点検整備、校正等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
(サ) 製造管理が適切に行われていることの確認及び品質保証に係る業務を担当する組織への当該確認の結果の報告に関する手順
(シ) その他製造工程等の管理に関する手順
((ア)) 作業所における事故の防止、発生時の対応等に関する手順
((イ)) 作業環境の管理に関する手順
((ウ)) 工程管理のために必要な管理値に関する手順
((エ)) 製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)の管理に関する手順
<無菌医薬品区分製造所の場合>
(ス) 無菌医薬品に係る製造設備の管理に関する手順
(セ) 無菌医薬品に係る原料、資材及び製品(中間製品を含む。)、製造工程(無菌性保証に係る重要工程を含む。)並びに製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)の管理に関する手順
<生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合>
(ソ) GMP省令第26条に規定する構造設備のうち製造設備の管理に関する手順
(タ) 製造に使用する生物由来原料の管理に関する手順
(チ) 製造に使用する動物及び微生物の管理に関する手順
(ツ) 生物由来医薬品等に係る製造工程の管理に関する手順
((ア)) 製品等を不活化する場合又は製品等に含まれる微生物等を不活化若しくは除去する場合における、GMP省令第27条第1項第1号に規定する製造工程の管理に関する手順
((イ)) 発酵等の生物化学的な技術を用いる場合における、GMP省令第27条第1項第2号に規定する製造工程の管理に関する手順
((ウ)) カラムクロマトグラフ装置等を用いる場合における、GMP省令第27条第1項第3号に規定する製造工程の管理に関する手順
((エ)) 培地を培養槽中に連続的に供給し、連続的に排出させる培養方式を用いる場合における、GMP省令第27条第1項第4号に規定する製造工程の管理に関する手順
(テ) 製造の過程において微生物に汚染された物品及び使用動物(製造又は試験検査に使用する動物(ドナー動物を含む。)をいう。以下同じ。)の死体の処理に関する手順
(ト) 痘そう病原体、急性灰白髄炎病原体、有芽胞病原菌又は結核菌を取り扱う場合における、GMP省令第27条第1項第10号に規定する管理に関する手順
(ナ) 細胞組織医薬品に係る製品を製造する場合における、GMP省令第27条第2項各号の業務に関する手順
③ 第8条第1項第3号関係
ア.試験検査設備及び検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第11条第1項各号、第21条並びに第28条第1項、第2項各号及び第3項各号の業務を計画的かつ適切に遂行ができる内容であることが求められる。試験検査を外部試験検査機関に依頼して行う場合には、検体の受渡し方法、試験検査の結果の伝達方法等を明確に定めておくことが求められる。
イ.試験検査設備及び検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の検体の採取等に関する手順(当該検体を採取する場所の特定を含む。)
(イ) 採取した検体及び試験検査用の標準品の保管に関する手順
(ウ) 試験検査指示書の作成、承認、配付等に関する手順
(エ) 品質部門の責任者による試験検査の作業指示に関する手順
(オ) 試験検査に関する記録の作成等に関する手順
(カ) 最終製品の参考品及び保存品の保管及び試験検査に関する手順
(キ) GMP省令第11条第1項第6号に規定する原料等の参考品の保管及び試験検査に関する手順
(ク) 試験検査に関する設備及び器具の点検整備、計器の校正等に関する手順(当該点検整備、校正等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
(ケ) 試験検査の結果の判定等に関する手順
(コ) 試験検査について、規格に適合しない結果(いわゆる“Out of Specification”。以下「OOS」という。)となった場合における原因の究明、是正措置及び予防措置等に関する手順
(サ) 原薬たる医薬品を製造する場合における、GMP省令第21条に規定する参考品の保管及び試験検査に関する手順
(シ) 特定生物由来医薬品(法第2条第11項に規定する特定生物由来製品たる医薬品をいう。以下同じ。)又は細胞組織医薬品の最終製品を製造する場合における、GMP省令第28条第1項に規定する参考品の保管及び試験検査に関する手順
(ス) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合における、GMP省令第28条第2項各号の業務に関する手順
(セ) 細胞組織医薬品に係る製品を製造する場合における、GMP省令第28条第3項各号の業務に関する手順
(ソ) その他適切な試験検査の実施に必要な手順
((ア)) 試験検査用の標準品、試薬試液及び試験用水等の管理に関する手順
((イ)) 再度の試験検査を行う場合の取扱いに関する手順
④ 第8条第1項第4号関係
安定性モニタリングに関する手順は、最終製品たる医薬品を製造する場合にはGMP省令第11条の2第1項各号の業務を計画的かつ適切に、同条第2項の業務を適切に、原薬たる医薬品を製造する場合には同令第21条の2第1項各号の業務を計画的かつ適切に、同条第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑤ 第8条第1項第5号関係
製品品質の照査に関する手順は、GMP省令第11条の3第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑥ 第8条第1項第6号関係
原料等の供給者の管理に関する手順は、GMP省令第11条の4第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑦ 第8条第1項第7号関係
外部委託業者の管理に関する手順は、GMP省令第11条の5第1項及び第2項各号の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑧ 第8条第1項第8号関係
製造所からの出荷の管理に関する手順は、GMP省令第12条第1項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑨ 第8条第1項第9号関係
バリデーションに関する手順は、GMP省令第13条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であるとともに、その製造所におけるバリデーションに関して、次に掲げる事項及び手順をあらかじめ文書としておくことが求められる。
ア.その製造所におけるバリテーションに関する全体的な方針
イ.その製造所においてバリデーションに係る業務に従事する職員の責務及び管理体制(なお、GMP省令第6条第4項の規定による文書を適宜参照することは差し支えないものであること。)
ウ.その製造所においてバリデーションにより検証する事項(本通知の第4の2.のバリデーション指針の(2)の事項のうち該当するもの)
エ.バリデーションに関する手順及びバリデーションの計画に関する文書の変更の管理に関する手順(なお、GMP省令第14条の変更の管理に関する手順を適宜参照することは差し支えないものであること。)
オ.バリデーションに関する手順及びバリデーションの計画に関する文書からの逸脱の管理に関する手順(なお、GMP省令第15条の逸脱の管理に関する手順を適宜参照することは差し支えないものであること。)
カ.バリデーションの計画に関する文書及びバリデーションの結果に関する文書について、それぞれ作成、改訂、承認、報告、保管等に関する手順(なお、GMP省令第20条第1項各号の業務に関する手順を適宜参照することは差し支えないものであること。)
キ.その他バリデーションを適正かつ円滑に行うため必要な手順
⑩ 第8条第1項第10号関係
GMP省令第14条の変更の管理に関する手順は、同条第1項各号及び第2項各号の業務(当該変更に関連する製品に係る製造販売業者及び法第19条の2第1項の承認を受けた者(以下「外国製造医薬品等特例承認取得者」という。)への連絡・確認を含む。)を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑪ 第8条第1項第11号関係
GMP省令第15条の逸脱の管理に関する手順は、同条第1項各号及び第2項の業務(関連する製品に係る製造販売業者への連絡を含む。)を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑫ 第8条第1項第12号関係
GMP省令第16条の品質情報及び品質不良等の処理に関する手順は、同条第1項各号及び第2項の業務(当該品質情報に関連する製品に係る製造販売業者への連絡・情報提供を含む。)を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑬ 第8条第1項第13号関係
回収等の処理に関する手順は、GMP省令第17条第1項各号の業務(同条第2項において準用する場合を含む。)を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑭ 第8条第1項第14号関係
自己点検に関する手順は、GMP省令第18条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑮ 第8条第1項第15号関係
教育訓練に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第19条各号、第25条各号及び第29条各号の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。職員の従事する業務の種類、内容等に応じて、教育訓練の責任者が定めた教育訓練プログラムを含むものであること。
⑯ 第8条第1項第16号関係
文書及び記録の作成、改訂及び保管に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第20条第1項各号、第22条、第27条第3項、第28条第4項、第30条及び第31条の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
⑰ 第8条第1項第17号関係
ア.その他適正かつ円滑な製造・品質関連業務に必要な手順としては、例えば、品質保証に係るGMP省令第11条第2項各号及び第3項の業務に関する手順、製造する製品に係る製造販売業者、外国製造医薬品等特例承認取得者及び他の製造業者等との円滑な連携に関する手順等が考えられるものであること。
イ.施行規則第25条第1項第2号の区分の製造所(以下「放射性医薬品区分製造所」という。)においては、次に掲げる製造・品質関連業務に必要な手順を含めることで差し支えないものであること。
(ア) 構造設備及び職員について、製造取扱規則第2条第1項第1号、第2号、第4号、第7号、第9号等の規定による衛生管理
(イ) 製造取扱規則第2条第3項、第4項及び第6項の規定による製造工程等の管理
(ウ) 製造取扱規則第2条第2項から第4項までの規定による試験検査(放射性物質たる検体の保管を含む。)
(エ) 放射性医薬品に係る製品の製造所からの出荷及び出庫における運搬に関して、製造取扱規則第2条第7項及び放射性物質等の運搬に関する基準(平成17年厚生労働省告示第491号。以下「運搬基準」という。)の規定による放射性輸送物の適格性の確認
(オ) 回収され、又は使用若しくは出荷に不適当とされた製品(中間製品を含む。)、原料及び資材のうち放射性物質又は放射性物質によって汚染された物を廃棄処分する場合について、製造取扱規則第2条第5項及び第3条の規定による廃棄
(カ) 製造取扱規則第10条の規定による危険時の措置
(キ) 製造取扱規則第11条の規定による帳簿の作成等
(2) 医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書並びに同令第2章に規定する記録について、継続的に信頼性(いわゆるデータ・インテグリティ)を確保するため、同令第20条第2項各号の業務の方法に関する事項を文書により定めることを要するものであること。この場合の継続的とは、それらの文書及び記録の作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続するとの趣旨であること。
12.第8条の2(交叉汚染の防止)関係
(1) 医薬品に係る製品の交叉汚染を防止するため、製造手順等について所要の措置をとらなければならないものであること。当該措置をとるに当たっても、GMP省令第3条の4第1項の規定による品質リスクマネジメントの活用を要するものであること。
(2) 医薬品に係る製品への交叉汚染の防止には、製造所の構造設備に係るGMP省令第9条、第23条及び第26条、製造管理に係る同令第10条、第24条及び第27条等の遵守が不可欠なものであること。
13.第9条(構造設備)関係
(1) 医薬品に係る製品の製造所の構造設備に関して、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を規定するものであり、それらに鑑みて製造所の構造設備が適合しているかどうかを判断するものであること。
① 第9条第1項第1号関係
構造設備(GMP省令第23条及び第26条に規定する構造設備を含む。)について、その用途に応じ適切に清掃及び保守が行われ、必要に応じて滅菌されるとともに、それら記録の作成及び保管を要するものであること。
② 第9条第1項第2号関係
製品等により有毒ガスを取り扱う場合には、当該有害ガスの処理設備を要するものであること。
③ 第9条第1項第3号関係
作業所のうち作業室は、製造する製品の種類、剤形及び製造工程に応じ、じんあい又は微生物による汚染を防止するのに必要な構造及び設備を有していることを要する(ただし、製造設備等の有する機能により当該汚染を防止する効果を得られる場合を除く。)ものであること。
ア.GMP省令第9条第1項第3号ただし書による場合としては、製造する製品の種類、剤形及び製造工程に応じて、例えば、次に掲げる場合が考えられるものであること。
(ア) 製造設備が閉鎖式設備であって、製造作業中に製品のじんあい又は微生物による汚染を防止するに十分な効果が得られる場合
(イ) 作業室又は製造設備に設置した層流装置等によって、製造作業中の製品のじんあい又は微生物による汚染を防止するに十分な効果が得られる場合
イ.原薬たる医薬品に係る製品の製造所にあっては、次に掲げる状態であることが求められる。
(ア) 最終の精製以後の製造工程において、最終の精製を経た中間製品を容器へ充填及び閉塞するまでの作業(製品等を秤量及び調製する作業を含む。)を行う作業室は、これら以外の製造作業を行う作業室から区別されていること。
(イ) 最終の精製以後の製造工程において、最終の精製を経た中間製品を秤量する作業を行う作業室及び粉末等の固形製品のじんあいが発生する調製作業又は容器へ充填及び閉塞する作業を行う作業室には、必要に応じて、じんあい除去装置を備えていること。
(ウ) 最終の精製以後の製造工程において、異なる原薬たる医薬品に係る製品の製造作業が同じ作業室で行われる場合には、GMP省令第8条の2及び第9条第1項第5号の規定により、当該製品の交叉汚染を防止するため、当該作業室における設備、手順、工程等について所要の措置がとられていなければらならないものであること。
ウ.上記イ.以外の作業所にあっては、次に掲げる状態であることが求められる。
(ア) 原料の秤量作業、製品の調製作業、充填作業又は閉塞作業を行う作業室が、これら以外の製造作業を行う作業室と区別されていること。
(イ) GMP省令第9条第1項第5号イ又はロの製品等を取り扱う作業室と、その他の製品等を取り扱う作業室とが、互いに他方の作業室の職員の通路とならないように造られていること。ただし、密閉容器(通常の取扱いにおいて内容物の漏出及び汚染を生じない容器を指す。以下同じ。)に納められた製品等のみを取り扱う作業室及び製品等から採取された検体のみを取り扱う作業室については、この限りでないものであること。
④ 第9条第1項第4号関係
作業所のうち、原料の秤量作業、製品の調製作業、充填作業又は閉塞作業を行う作業室は、当該職員以外の者の通路とならないように造られていることを要する(ただし、当該作業室の職員以外の者による製品への汚染のおそれがない場合を除く。)ものであること。
ア.原薬たる医薬品に係る製品の製造所にあっては、最終の精製以後の製造工程において、最終の精製を経た中間製品を容器へ充填及び閉塞するまでの作業を行う作業室に適用することを原則とするものであること。
イ.GMP省令第9条第1項第4号ただし書による場合について、原薬たる医薬品に係る製品の作業所にあっては、最終の精製以後の製造工程において上記ア.の作業室の職員以外の者による製品への汚染のおそれがない場合であって、構造設備等の有する機能により当該製品への汚染のおそれがないときに限られるものであること。
⑤ 第9条第1項第5号関係
医薬品に係る製品等を取り扱う作業室(密閉容器に納められた製品等のみを取り扱う作業室及び製品等から採取された検体のみを取り扱う作業室を除く。)に関して、当該製品等に専用とすること及び当該製品の漏出を防止する措置(いわゆる封じ込め措置)を要する場合について規定するものであること。
ア.密閉容器に納められた製品等のみを取り扱う作業室及び製品等から採取された検体のみを取り扱う作業室については、医薬品に係る製品等が交叉汚染し難い状態にあることから、適用しないこととするものであること。
イ.微量で過敏症反応を示す製品等とは、例えば、ペニシリン類、セファロスポリン類等の強い感作性を有する成分を含有する製品等を指すものであること。
ウ.交叉汚染することにより他の製品等に重大な影響が及ぶ製品等として、例えば、細胞毒性を有する抗がん剤等の劇薬又は毒薬のように、強い薬理作用又は毒性を有する製品等を含むものであること。当該製品等を取り扱う作業室において、交叉汚染を防止する適切な措置をとることができない場合には、当該作業室を当該製品等に専用とするとともに、当該製品等の漏出を防止する措置(いわゆる封じ込め措置)を要するものであること。
エ.交叉汚染を防止する適切な措置に関しては、次に掲げる内容であることが求められる。
(ア) 薬理学的・毒性学的評価による科学的データに基づいて、当該製品等の成分の残留管理が可能である旨が裏付けられること。また、当該成分の残留管理のための限度値について、薬理学的・毒性学的評価に基づいて設定され、検証された分析法により適切に定量することができること。
(イ) 上記(ア)を踏まえ、当該成分の不活化又は製造設備の清浄化(洗浄)について、GMP省令第13条に規定するバリデーションが適切に行われること。
(ウ) その他当該作業室における医薬品に係る製品への交叉汚染の防止に関して、品質リスクマネジメントを活用して製品の製造管理及び品質管理(上記(イ)の不活化又は清浄化が行われた後の再汚染を防止する必要な措置をとることを含む。)が行われること。
製造設備を共用する場合における交叉汚染の防止については、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 043“CROSS―CONTAMINATION IN SHARED FACILITIES”、PI 046 Annex“GUIDELINE ON SETTING HEALTH BASED EXPOSURE LIMITS FOR USE IN RISK IDENTIFICATION IN THE MANUFACTURE OF DIFFERENT MEDICINAL PRODUCTS IN SHARED FACILITIES”、PI 009“INSPECTION OF UTILITIES”等が参考になるものであること。
オ.当該製品等の漏出を防止する措置に関して、空気処理システムを別系統にする場合には、作業室内の空気が当該システムを通して外気中へ放出されるまでに終末処理を要するものであること。
⑥ 第9条第1項第6号関係
医薬品に係る製品の製造に必要な質及び量の水(設備及び器具並びに容器の洗浄水、試験検査に用いる水を含む。)を他から購入等することにより、製造管理及び試験検査に係る業務に支障がない場合には、製造所において必ずしも当該水の供給設備を要しないものであること。
(2) GMP省令第9条第2項の規定は、同令が適用されない物品と医薬品に係る製品との交叉汚染の防止の見地から、医薬品に係る製品等を取り扱う作業室(密閉容器に納められた製品等のみを取り扱う作業室及び製品等から採取された検体のみを取り扱う作業室を除く。)で、当該物品の製造作業を行うことを制限するものであること。なお、医薬品に係る製品を製造する場合であって、当該製品をGMP省令が適用されない物品(例えば、動物用医薬品、治験の対象とされる薬物等)に併用又は転用することは差し支えないものであること。
① GMP省令第9条第2項ただし書に関して、同令が適用されない物品と医薬品に係る製品との交叉汚染を防止する適切な措置については、次に掲げる対応が求められる。
ア.薬理学的・毒性学的評価による科学的データに基づいて、当該物品の成分の残留管理が可能である旨が裏付けられること。また、当該成分の残留管理のための限度値について、薬理学的・毒性学的評価に基づいて設定され、検証された分析法により適切に定量することができること。
イ.当該成分を不活化又は除去するため、上記ア.を踏まえ、あらかじめ検証された工程又は清浄化が適切に行われること。
ウ.当該作業室における医薬品に係る製品への交叉汚染の防止(GMP省令第8条の2参照。)に関して、品質リスクマネジメントを活用して、製造管理及び品質管理(上記イ.の不活化又は清浄化が行われた後の再汚染を防止する必要な措置をとることを含む。)が行われること。
② GMP省令第9条第2項第1号及び第2号については、同令が適用されない物品と医薬品に係る製品との交叉汚染を防止する適切な措置をとることが困難と考えられるものであること。これらの場合において、医薬品に係る製品等を取り扱う作業室で当該物品の製造作業を行ってはならないものであること。
ア.第9条第2項第1号関連
微量で過敏症反応を示す物質に関して、GMP省令が適用されない物品のうち、例えば、治験の対象とされる薬物の製造作業においてペニシリン類、セファロスポリン類等の強い感作性を有する物質を取り扱う場合が考えられるものであること。
イ.第9条第2項第2号関連
GMP省令が適用されない物品のうち、人の身体に使用されることが目的とされていないものは、その成分について必ずしも人に対する薬理作用及び毒性が明らかでない場合があり、当該成分の薬理学的・毒性学的評価による科学的データに基づいて交叉汚染を防止する適切な措置が困難と考えられるものであること。
14.第10条(製造管理)関係
医薬品の製造業者等の製造所において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。
(1) 第10条第1号関係
製造工程(保管を含む。)における指示事項、注意事項その他必要な事項には、その製造工程に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものを含むものであること。それらの事項を記載した文書(以下「製造指図書」という。)を作成し、承認を行う業務については、製造部門の職員のうち、当該製造指図書による作業内容を熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。承認医薬品に係る製品を製造する場合において、製造指図書の内容が当該医薬品の承認事項と相違することのないよう管理することは、その製造管理に係る重要な業務のひとつであること。
① 製造指図書の作成及び承認の日付、製造指図書の管理番号
② 製造指図書の作成及び承認の責任者(GMP省令第20条第1項第1号の規定による承認を行った者)の氏名並びに配付先
③ 製造工程の製造作業を指示する責任者の氏名、製造作業を行うべき日付及び(必要に応じて)時刻
④ 製品(中間製品を含む。)の名称(又は製品の規格に関連付ける参照番号)及び性状又は剤形
⑤ 製造工程で使用する原料等の名称(又は原料等の規格に関連付ける参照番号)、GMP省令第11条第1項第8号の規定による品質部門からの文書による報告(原料等について試験検査の結果を判定した結果の報告)に基づくロット番号(ロットを構成しない原料については製造番号)及び管理単位番号の指定、使用数量、使用順序、取扱い上の注意事項等
⑥ 製造工程における製品(中間製品を含む。)のバッチサイズ、期待される収量(期待される収量を求めることが困難な場合には標準的な収量)及び収量の許容限度値
⑦ 製造工程における温度、時間その他の工程内管理値等の重要な工程パラメータ、作業所及び設備器具の清浄に関する指示事項及び注意事項(交叉汚染を防止するための注意事項を含む。)等
⑧ その他製造作業に必要な事項(例えば、作業所内における原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の運搬及び一時保管の条件、製造作業の時間的間隔等)
(2) 第10条第2号関係
製造部門の責任者により、製造指図書に基づいて、製品の製造作業に従事する職員に対する当該作業の指示を要するものであること。当該責任者については、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(3) 第10条第3号関係
① 製品の製造作業は、製造指図書に基づく指示を受けて行うことを趣旨とするものであること。製造指図書に基づかない製造作業が故意に行われることのないよう厳重な手順を定めるとともに、製造指図書からの逸脱が判明したときはGMP省令第15条の逸脱として速やかに所定の対応を要するものであること。
② ロットを構成する製品については、原則として、1の製造指図書に基づいて1の製造期間内に一連の製造工程により製造された製品の一群が1のロットとなる(均質性を有する)よう製造作業を行うことを要するものであること。
(4) 第10条第4号関係
ロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に製造に関する記録(以下「製造記録」という。)の作成及び保管を要するものであること。製造記録には、その製造工程等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
① 製造記録を作成した日付、製造記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
② 製品(中間製品を含む。)の名称(又は製品の規格に関連付ける参照番号)及びロット番号(ロットを構成しない製品については製造番号)
③ 製造指図書の写し又はその参照番号
④ 製造作業の期間(作業期間)、製造作業の開始、重要な中間段階及び完了の日時、製造作業に従事した職員及び作業主任の氏名又はイニシャル
⑤ 製造工程で使用した原料等の名称、ロット番号(ロットを構成しない原料については製造番号)及び管理単位番号、使用数量(実測値)
⑥ 製造工程を経た製品(中間製品を含む。)の出来高数量、期待される収量又は標準的な収量に対する収率
⑦ 工程内検査の結果及び工程内管理値に適合しない結果となった場合にとられた措置
⑧ 製造作業が製造指図書に従って行われた旨の確認及び確認を行った職員の氏名又はイニシャル
⑨ 製造作業において製造手順等からの逸脱(以下単に「逸脱」という。)が生じた場合における、逸脱の内容及び製造部門においてとられた措置
⑩ その他製造工程で生じた事象、製造工程で用いた製造設備及び器具に関する記録等
(5) 第10条第5号関係
① 製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、それぞれ適正である旨を確認するとともに、当該確認の結果(GMP省令第12条の規定による出荷の可否の決定結果を含む。)に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
② 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)が適正である旨の確認は、GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査の結果について同項第8号の規定による品質部門からの報告に基づくほか、法第50条から第52条までの規定による事項が記載されている資材及び製品については、当該記載が適正である旨の確認も含むものであること。
③ 人又は動物由来の原料を使用して医薬品に係る製品を製造する場合には、当該原料が生物由来原料基準の該当する規定に照らして適正である旨の確認も含むものであること。
(6) 第10条第6号関係
① 製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、それぞれ適正に保管し、出納を行うとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
② 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の適正な保管及び出納並びにそれらに関する記録については、その原料、資材及び製品に応じて、次に掲げる対応が求められる。
ア.製品等の保管についてはロットごと(ロットを構成しない製品等の保管については製造番号ごと)に、資材の保管については管理単位ごとに、それぞれ明確に標識、区分等がなされ、取違え等を防止する措置がとられていること。
イ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)ごとに、品質部門においてGMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査が行われる前後で標識、区分等がなされ、取違え等を防止する措置がとられていること。
ウ.法第50条から第52条までの規定による事項が記載されている資材の保管にあっては、品目別に区分されるとともに、それぞれの保管場所に当該資材の品目名又は品目記号の標識がなされ、取違え等を防止する措置がとられていること。
エ.製品等の保管に関して、その品質に影響のないよう適切な保管条件の下で行われていること。関係法令による保管条件が定められている場合には、当該保管条件によること。
オ.原料等の保管及び出納に関する記録には、原料についてはロットごと(ロットを構成しない原料については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、入庫した日付及び数量、保管中にとられた措置、出庫した日付及び数量が記載されていること。
カ.製品(中間製品を含む。)の保管及び出納に関する記録には、各製品のロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に入庫した日付及び数量、保管中にとられた措置、出庫した日付及び数量並びに当該製造所からの出荷先が記載されていること。
(7) 第10条第7号関係
製造工程(保管を含む。)に係る構造設備の清浄を確認するとともに、当該確認の結果に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(8) 第10条第8号関係
製造作業に従事する職員の衛生管理を行うとともに、当該衛生管理に関する記録の作成及び保管を要するものであること。職員の衛生管理については、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる対応が求められる。
① 製造作業に従事する職員以外の者の作業所への立入りの制限
② 作業所における、入退時の更衣及び手洗い、防護具の着用等
③ 職員の健康状態の把握
④ 作業所における、所持品及び化粧の制限、飲食喫煙の禁止等
(9) 第10条第9号関係
① 製造工程(保管を含む。)に係る構造設備を定期的に点検整備するとともに、当該点検整備に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
② 製造工程(保管を含む。)に係る計器について、校正を適切に行う(当該製造業者等の責任の下、適切な認証機関等に依頼して行う場合を含む。)とともに、当該校正に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(10) 第10条第10号関係
上記(4)から(9)までの記録により製造管理が適切に行われていることを確認し、当該確認の結果について、品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告を要するものであること。
① 製造部門からの当該文書による報告を踏まえ、品質保証に係る業務を担当する組織においてGMP省令第11条第3項の規定による確認がなされるものであること。
② 製造管理が適切に行われていること確認し、当該確認の結果の報告書を作成し、承認を行う業務については、製造部門の職員のうち、製造管理に関して熟知している職員を当該確認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(11) 第10条第11号関係
① その他製造管理のために必要な業務としては、例えば、交叉汚染することにより他の製品等に重大な影響が及ぶおそれのある製品等を取り扱う場合における、交叉汚染の防止に係る業務等が考えられるものであること。
② 放射性医薬品区分製造所においては、放射性医薬品に係る製品(中間製品を含む。)及び放射性物質たる原料の保管及び出納の管理に関して、製造取扱規則第2条第4項及び第6項の規定による取扱いを含む適切な管理とすることで差し支えないものであること。
15.第11条(品質管理)関係
医薬品の製造業者等の製造所において品質部門に行わせる品質保証及び試験検査に係る業務について規定するものであること。
(1) 品質部門(試験検査に係る業務を担当する組織)の行う試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合を含む。)は、その製造所において取り扱う原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、医薬品製品標準書(承認事項、法第42条第1項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第8条第1項の手順書に基づくものであること。輸入製品について、その外国製造業者の製造所における製造工程(保管を含む。)が適切に行われていることを確認するために試験検査を行うとしても、外国製造業者による製造管理及び品質管理を代替しうるものではない。
① 第11条第1項第1号関係
製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに試験検査を行うのに必要な検体を採取するとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.検体を採取する業務は、原則として品質部門の職員が行うものであること。ただし、GMP省令第10条第6号の規定により製造部門が保管している原料、資材及び製品(中間製品を含む。)から検体を採取する業務について、同令第4条第2項に規定する品質部門の独立性が保たれる限りにおいて、品質部門の監督指示の下、当該原料、資材及び製品を取り扱う製造部門の職員に行わせることは差し支えないものであること。なお、採取された検体たる原料、資材及び製品についても、GMP省令第10条第6号の規定による出納の対象となるものであること。原料等の検体の採取については、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス8が参考になるものであること。
イ.検体の採取に関する記録(以下「検体採取記録」という。)には、採取した検体に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。なお、下記④ア.の試験検査記録に検体の採取に関する事項が記載される場合には、検体採取記録を別途作成することを要しないものであること。
(ア) 検体採取記録を作成した日付、検体採取記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
(イ) 検体の名称(又は検体たる原料、資材若しくは製品の規格に関連付ける参照番号)及び検体識別番号
(ウ) 原料等の検体にあっては原料等の供給者の名称
(エ) 上記(イ)の検体が採取された製品等のロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は資材の管理単位番号
(オ) 上記(イ)の検体の採取方法(採取に用いた器具、容器等)及び採取数量
(カ) 上記(イ)の検体を採取した場所及び日時並びに採取の責任者の氏名
② 第11条第1項第2号関係
採取した検体及びその試験検査用の標準品について、外部試験検査機関で保管する場合を含めて、適切な保管(混同するおそれがなく、好ましくない保存状態を避ける方法によるほか、当該検体及び標準品を試験検査に用いた履歴(試験検査に用いた日付、数量等を記録したもの)とともに保管する等)を要するものであること。
③ 第11条第1項第3号関係
品質部門の責任者により、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の試験検査に従事する職員(外部試験検査機関で当該試験検査を担当する者を含む。)に対して、当該作業につき文書(試験検査指示書)による指示を要するものであること。当該責任者については、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。承認医薬品に係る製品を製造する場合において、試験検査指示書の内容が当該医薬品の承認事項と相違することのないよう管理することは、その試験検査に係る重要な業務のひとつであること。試験検査指示書には、その試験検査に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.試験検査指示書の作成及び承認の日付、試験検査指示書の管理番号
イ.試験検査指示書の作成及び承認の責任者(GMP省令第20条第1項第1号の規定による承認を行った者)の氏名並びに配付先(外部試験検査機関を含む。)
ウ.検体の名称(又は検体たる原料、資材若しくは製品の規格に関連付ける参照番号)及び検体識別番号
エ.医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書に基づく試験検査の項目及び試験検査を行うべき日付
オ.試験検査に用いる設備、器具、計器等の指定
カ.試験検査における検体の取扱いその他の指示事項及び注意事項
④ 第11条第1項第4号関係
採取した検体について、試験検査指示書に基づき、製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに試験検査を行うとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.試験検査に関する記録(以下「試験検査記録」という。)には、その試験検査に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 試験検査記録を作成した日付、試験検査記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
(イ) 試験検査を行った検体の名称(又は検体たる原料、資材若しくは製品の規格に関連付ける参照番号)及び検体識別番号
(ウ) 上記(イ)の検体の採取場所、性状又は剤形、原料等の検体にあっては原料等の供給者の名称等
(エ) 上記(イ)の検体が採取された製品等のロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は資材の管理単位番号
(オ) 試験検査指示書の写し又はその参照番号
(カ) 試験検査の項目及び検体たる原料、資材又は製品の規格
(キ) 試験検査を行った日時、試験検査に用いた設備、器具、計器等及び試験検査に従事した職員の氏名又はイニシャル(外部試験検査機関の場合には、外部試験検査機関の名称及び担当者の氏名又はイニシャル)
(ク) 試験検査で得られた数値(その算出式を含む。)、観察された事象等
(ケ) GMP省令第11条第1項第8号の規定による判定の結果、当該判定を行った日付及び当該判定の責任者の氏名
イ.試験検査記録については、試験検査に係る業務の一部を外部試験検査機関に依頼して行う場合にあっても、試験検査を依頼した製造所の品質部門において作成することが求められる。
⑤ 第11条第1項第5号関係
最終製品(ロットを構成するものに限る。)の参考品及び保存品の保管について規定するものであること。
ア.所定の試験検査とは、医薬品製品標準書(承認事項、法第42条第1項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第8条第1項の手順書に基づく試験検査を指すものであること。適切な保管条件については、原則としてその最終製品が市場に出荷された形態(出荷時の包装単位が大容量である等、保管上やむを得ない場合には、市場に出荷されたものと同等の機能の包装がなされた形態)で、通常の流通状態における保管条件も勘案することが求められる。また、混同するおそれがなく、好ましくない保存状態を避ける方法によるほか、参考品を試験検査に用いた履歴(試験検査に用いた日付、数量等を記録したもの)とともに保管する等、適切な保管が求められる。
イ.最終製品の保存品について、当該参考品と同期間の保管を要するものであること。保存品の包装形態及び保管条件が参考品と同等の場合には、必ずしも参考品と区別して保管することを要しないものであること。
ウ.参考品及び保存品とする検体を採取する時点において、当該ロットについて必ずしもGMP省令第12条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。また、保存品については、その目的(流通している製品との同一性の確認)を十分果たすことができる限りにおいて、必ずしもロットごとに検体を採取して保存品とすることを要しないものであること。
エ.参考品及び保存品の保管期間については、その最終製品のロットが製造された日から、当該製品(最終製品)の有効期間に1年(放射性医薬品の最終製品にあっては6ヶ月又は品質リスクマネジメントに基づく適切な日数)を加算した期間とするものであること。
⑥ 第11条第1項第6号関係
医薬品に係る製品の製造に使用した原料等のうち当該製品の品質に影響を及ぼすものについて、参考品の保管を規定するものであること。
ア.各原料等が製品品質に影響を及ぼすものかどうかについては、製造業者等において各原料等の品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて判断されるべきものであること。
イ.当該原料等について、原料にあっては当該原料のロットごと(ロットを構成しない原料については製造番号ごと)に所定の試験検査(当該原料の試験検査)に必要な量の2倍以上の量の、資材にあっては当該資材の管理単位ごとに所定の試験検査(当該資材の試験検査)に必要な量の参考品の保管を要するものであること。
ウ.所定の試験検査とは、医薬品製品標準書(承認事項、法第42条第1項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第8条第1項の手順書に基づく試験検査を指すものであること。適切な保管条件については、当該原料等の供給者によって設定された保管条件を考慮の上、製造業者等において当該原料等の品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて設定することが求められる。また、混同するおそれがなく、好ましくない保存状態を避ける方法によるほか、当該参考品を試験検査に用いた履歴(試験検査に用いた日付、数量等を記録したもの)とともに保管する等、適切な保管が求められる。
エ.当該原料等の参考品の保管期間については、それぞれ当該原料等が使用された製品についてGMP省令第12条第1項の規定による出荷判定が行われた日から、放射性医薬品に係る製品の原料にあっては当該原料の安定性に基づく適切な期間、その他の原料等にあっては2年間とするものであること。
オ.当該原料等の供給者については、GMP省令第11条の4第2項の規定による適切な管理を要するものであること。
⑦ 第11条第1項第7号関係
試験検査に関する設備及び器具を定期的に点検整備するとともに、当該点検整備に関する記録の作成及び保管を要するものであること。また、試験検査に関する計器の校正を適切に行うとともに、当該校正に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
⑧ 第11条第1項第8号関係
ア.上記④の試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合のほか、GMP省令第11条第2項の規定により外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代える場合を含む。)の結果の判定を行い、当該判定の結果について、製造部門への文書による報告を要するものであること。
(ア) 品質部門からの当該文書による報告を踏まえ、製造部門においてGMP省令第10条第5号の規定による確認がなされるものであること。
(イ) 試験検査の結果を判定し、当該判定の報告書を作成し、承認を行う業務については、品質部門の職員のうち、当該試験検査の規格及び品質保証に関して熟知している職員を当該判定の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(ウ) 同じ検体について行われた試験検査において複数回の測定等の一部がOOSとなった場合の判定に当たっては、当該データの適切な取扱いが求められる。
イ.上記④の試験検査についてOOSとなった場合には、あらかじめGMP省令第8条第1項の手順書に定めた手順に従って、当該OOSの原因を究明し、その原因を解消してOOSの再発を防止するため所要の是正措置及び予防措置をとるとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。是正措置及び予防措置の記録については、当該措置の進捗スケジュールに沿って漸次に作成することが求められる。
(ア) 上記イ.の原因の究明に関して、製品(中間製品を含む。)の試験検査のOOSについて製造部門における製造工程(保管を含む。)、製造作業等に起因する場合のほか、原料又は資材の試験検査のOOSについて当該原料又は資材の供給者に起因する場合、試験検査に係る業務を担当する組織又は外部試験検査機関における検体の取扱い、試験検査の方法等に起因する場合等があり得るものであること。
(イ) 上記イ.の是正措置及び予防措置をとった上でなおも同様のOOSとなることが頻発する場合には、GMP省令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査を行うことが考慮されるものであること。
⑨ 第11条第1項第9号関係
その他品質保証及び試験検査のために必要な業務としては、行われる試験検査に応じて、例えば、試験検査用の試薬試液及び培地の管理、その記録の作成及び保管等が考えられるものであること。
(2) 輸入製品に係るGMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査(外観検査を除く。)に関して、輸入先国におけるGMP基準及び当該GMP基準に対する適合性の確認に関する手続が我が国のものと同等であると認められる場合に、製造業者の製造所の品質保証に係る業務を担当する組織において、当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代えることができる取扱いについて規定するものであること。
① 輸入先国におけるGMP基準及び当該GMP基準に対する適合性の確認に関する手続が我が国のものと同等であると認められる場合としては、現在のところ、欧州連合、スイス、英国及びオーストラリアとの間で所管当局によるGMP適合性確認の結果の相互受入を合意している医薬品に関するものであること。
② 輸入製品に係るGMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査を、当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代えることができる場合にあっても、当該輸入製品の外観検査、同令第11条の2第1項第4号又は第21条の2第1項第4号の規定による安定性モニタリングの評価、同令第16条の品質情報等から品質に疑義が生じたときには、必要な試験検査を行うことが求められる。
③ 輸入先国の外国製造業者の製造所は、法第13条の3第1項の規定による認定を受けている必要があるものであること。承認医薬品に係る製品にあっては、当該外国製造業者の製造所及び製造工程(保管を含む。)を含めて、当該医薬品の承認事項になっていることが前提であること。
④ 輸入先国の外国製造業者が行う試験検査に関して、外部試験検査機関で行われる場合も含まれうるが、承認医薬品に係る製品にあっては、当該外部試験検査機関を含めて、当該医薬品の承認事項になっていることが前提であること。
⑤ 製造業者が、輸入製品に係るGMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査を当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代える場合において、品質保証に係る業務を担当する組織に行わせる業務については次に掲げるとおりであること。
ア.第11条第2項第1号関係
当該輸入製品が当該外国製造業者の製造所において適切な製造手順等により製造されていることに関して、定期的な確認を要するものであること。当該輸入製品に係る製造販売業者との取決めに基づき、当該製造販売業者がGQP省令第10条第1項第1号の規定により定期的に確認した結果を共有することは差し支えないものであること。
イ.第11条第2項第2号関係
当該外国製造業者の製造所が輸入先国におけるGMP基準に適合していることに関して、輸入先国の所管当局が発給した当該適合を証する文書(GMP証明書若しくは製剤証明書)又はその写しを定期的に(当該証明書に有効期間が定められている場合には当該有効期間ごとに)入手し、確認することは差し支えないものであること。
ウ.第11条第2項第3号関係
品質保証に係る業務を担当する組織において、上記ア.及びイ.の確認の記録の作成及び保管を要するものであること。
エ.第11条第2項第4号関係
(ア) 当該外国製造業者が行った試験検査(GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査)の記録については、当該外国製造業者の製造所の品質部門において作成されたものであること。
欧州連合加盟国を輸入先国とする製品にあっては、「相互承認に関する日本国と欧州共同体との間の協定の運用について」(平成28年4月28日付け薬生監麻発0426第3号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)の記の4.に掲げる事項が記載されたバッチ証明書を指すものであること。
(イ) 品質保証に係る業務を担当する組織において、上記(ア)の記録から当該輸入製品に係る試験検査が適正である旨を確認するとともに、その確認の記録の作成及び保管を要するものであること。
(3) 品質保証に係る業務を担当する組織において、GMP省令第10条第10号の規定により製造部門から文書により報告された製造管理に係る確認の結果について、ロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に確認を要するものであること。
16.第11条の2(安定性モニタリング)関係
(1) 最終製品たる医薬品の製造所において品質部門に行わせる当該医薬品(最終製品たる医薬品)の安定性モニタリングに係る業務について規定するものであること。
① 第11条の2第1項第1号関係
安定性モニタリングを行う医薬品(最終製品たる医薬品)を適切に選定し、必要量の検体の採取を要するものであること。
ア.品質リスクを特定し、評価を行った結果に基づいて適切に選定する限りにおいて、必ずしも全ての包装形態、全てのロットについて安定性モニタリングを行うことを要しないが、その選定の妥当性を示す根拠も含めて、下記⑤の記録の作成が求められる。
イ.安定性モニタリング用の検体を採取する時点において、当該検体を採取するロットについて必ずしもGMP省令第12条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。
② 第11条の2第1項第2号関係
上記①の医薬品(最終製品たる医薬品)の規格のうち保存により影響を受けやすい項目及びOOSとなった場合に当該医薬品(最終製品たる医薬品)の有効性又は安全性に影響を及ぼすと考えられる項目について、試験検査の項目として選定を要するものであること。必ずしも最終製品の規格の項目全てについて試験検査を行うことを要しないが、その選定の妥当性を示す根拠も含めて、下記⑤の記録の作成が求められる。
③ 第11条の2第1項第3号関係
上記①の検体を保管し、上記②の試験検査の項目について、適切な間隔で試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合を含む。)を要するものであること。当該試験検査を行う間隔については、その医薬品(最終製品たる医薬品)が有効期間にわたって規格に適合しているかどうかを継続的に確認できるよう適切に設定することが求められる。
④ 第11条の2第1項第4号関係
上記③の試験検査の結果に基づき、当該医薬品(最終製品たる医薬品)の品質への影響の評価を要するものであること。また、上記①の検体のほか、GMP省令第11条第1項第5号又は第6号の参考品について当該製品の出荷後に試験検査を行った場合も同様の対応が求められる(下記⑤及び(2)において同じ。)。
⑤ 第11条の2第1項第5号関係
上記①の検体の採取についてはGMP省令第11条第1項第1号に規定する検体の採取と同様に、上記③の試験検査については同項第4号に規定する試験検査と同様に、記録の作成及び保管を要するものであること。また、安定性モニタリングを行う医薬品(最終製品たる医薬品)及び試験検査の項目の選定、検体の保管並びに試験検査の結果に基づく品質への影響評価に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 上記(1)④の評価の結果からOOS又はそのおそれ(例えば、有効期間中にOOSを生じる可能性を示唆する傾向)がある場合には、最終製品たる医薬品の製造業者等は、所要の措置(当該医薬品(最終製品たる医薬品)に係る製造販売業者への速やかな連絡、医薬品(最終製品たる医薬品)の回収の判断に必要な情報の提供等)をとるとともに、当該措置に係る記録の作成及び保管を要するものであること。なお、当該製造販売業者への連絡、情報の提供等については、GQP省令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
17.第11条の3(製品品質の照査)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において品質保証に係る業務を担当する組織に行わせる製品品質の照査に係る業務について規定するものであること。
① 第11条の3第1項第1号関係
製造工程(保管を含む。)並びに原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の規格(医薬品製品標準書又はGMP省令第8条第1項の手順書に記載されているもの。原料等の規格については、同令第11条の4第1項第1号の規定による。)の妥当性(GMP省令第3条の3第2号の品質目標を達成する上での妥当性)を検証することを目的として、定期的(過去に行われた製品品質の照査の結果を考慮した上で、通常1年ごと)又は随時に、製品品質の照査を要するものであること。随時に行う製品品質の照査としては、例えば、ある製品(中間製品を含む。)の試験検査についてOOSとなることが頻発する場合において、当該製品の製造工程(保管を含む。)及び規格並びに使用する原料等の規格について妥当性を再検証することを目的として、随時に製品品質の照査を行うなどが考えられるが、そうした場合のみに限定されるものではない。
② 第11条の3第1項第2号関係
製品品質の照査を行った結果について、製造管理者への文書による報告を要するものであること。
ア.品質保証に係る業務を担当する組織からの当該報告書を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
イ.当該報告書を作成し、承認を行う業務については、品質保証に係る業務を担当する組織の職員のうち、製品品質の照査に関して熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(2) 製品品質の照査の結果から、その製造所における製品の製造管理若しくは品質管理に関して改善を要する場合又はGMP省令第13条に規定するバリデーションを行うことを要する場合において、製造業者等は、同令第5条第1項第2号の規定による製造管理者からの報告を踏まえ、所要の措置(GMP省令第6条第2項に規定する責任者の適切な配置、同条第3項に規定する人員の十分な確保、同条第4項に規定する管理体制の整備、その他必要な資源の配分、同令第13条に規定するバリデーションを行うこと等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。なお、法第18条第4項の規定により、医薬品の製造業者は、法第17条第7項の規定により述べられた医薬品製造管理者の意見を尊重するとともに、法令遵守のために措置を講ずる必要があるときは当該措置を講ずること等を要するものであること。
18.第11条の4(原料等の供給者の管理)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において品質保証に係る業務を担当する組織に行わせる原料等の供給者の管理に係る業務について規定するものであること。
① 第11条の4第1項第1号関係
原料等について、その品質の確保のため適切な規格を定めることを要するものであること。当該規格については、医薬品製品標準書の記載事項となるものであること。
② 第11条の4第1項第2号関係
原料等の供給者について、適格性を評価した上で選定することを要するものであること。
③ 第11条の4第1項第3号関係
原料等の製造管理及び品質管理が適切かつ円滑に行われているかどうかについて定期的な確認を要するものであること。承認医薬品に係る製品の原料等について、その原料等の製造所が承認事項となっている場合には、その製造所が承認事項に従っている旨の確認を含むものであること。その原料等を使用する製品に係る製造販売業者との取決めに基づき、当該製造販売業者がGQP省令第10条第1項第1号の規定により定期的に確認した結果を共有することは差し支えないものであること。
④ 第11条の4第1項第4号関係
上記①から③までの業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 原料等のうち製品品質に影響を及ぼすものについて、当該原料等の製造管理及び品質管理の方法に関してその供給者と文書により必要な取決め(品質保証に係る業務を担当する組織がGMP省令第11条の4第1項各号の業務を適切に行うため必要な事項を含む。)の締結を要するものであること。ただし、当該取決めが、当該原料等を使用する製品に係る製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者と当該供給者との間において締結されている場合は、この限りでないものであること。例えば、医薬品の有効成分として使用する原料について、その医薬品の製造販売業者と当該原料の供給者との間においてGQP省令第7条の規定により必要な取決めが締結されている場合は、当該原料を使用する製造業者等と当該原料の供給者との間での取決めの締結を要しないものであること。
① 各原料等が製品品質に影響を及ぼすものかどうかについては、GMP省令第11条第1項第6号と同様に、製造業者等において各原料等の品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて判断されるべきものであること。
② 医薬品の有効成分として使用される原料の供給者の管理については、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 047 Annex“GUIDELINE ON THE PRINCIPLES OF GOOD DISTRIBUTION PRACTICE OF ACTIVE SUBSTANCES FOR MRDICINAL PRODUCTS FOR HUMAN USE”等が参考になるものであること。また、有効成分以外の原料の供給者の管理については、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 045“GUIDELINES ON THE FORMALISED RISK ASSESSMENT FOR ASCERTAINING THE APPROPRIATE GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR EXCIPIENTS OF MEDICINAL PRODUCTS FOR HUMAN USE”等が参考になるものであること。
③ 製品品質に影響を及ぼす原料等について、その供給者を変更するときには、当該変更に関してGMP省令第14条の規定による適切な管理を要するほか、必要に応じて、変更後の供給者からの原料等を使用して同令第13条に規定するバリデーションを行うことが求められる。
19.第11条の5(外部委託業者の管理)関係
(1) 製造・品質関連業務の一部を外部委託業者に委託する場合には、当該外部委託業者と文書により必要な取決めの締結を要するものであること。ただし、当該取決めが、当該製造・品質関連業務が行われる製品に係る製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者と当該外部委託業者との間において締結されている場合には、この限りでないものであること。例えば、GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査を外部委託業者(外部試験検査機関)に委託して行う場合であって、当該試験検査が行われる製品に係る製造販売業者と当該外部委託業者(外部試験検査機関)との間においてGQP省令第7条の規定により必要な取決めが締結されているときは、当該試験検査に係る製品の製造業者等と当該委託業者(外部試験検査機関)との間での取決めの締結を要しないものであること。
① GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査を外部委託業者(外部試験検査機関)に委託して行う場合には、外部委託業者(外部試験検査機関)とあらかじめ、同項第3号の文書による作業の指示、同項第4号の記録の作成及び信頼性確保の方法(試験検査の結果の伝達等の相互の連絡方法を含む。)、試験検査を行うに当たって必要な技術的条件及び検体の運搬時における管理の方法、外部委託業者(外部試験検査機関)が委託された試験検査に係る業務(試験検査に関する設備及び器具の定期的な点検整備並びに計器の校正を含む。)を適正かつ円滑に行っているかどうかについて同条第2項第2号の定期的な確認の方法等、必要な事項について取り決めておくことが求められる。
② 外部委託業者に委託しうる製造・品質関連業務としては、GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査のほか、例えば次に掲げる業務が考えられるが、これらの業務のみに限定されるものではなく、また、いずれも他の事業者に行わせることにつき支障がないと認められる範囲に限られるものであること。
ア.GMP省令第9条第1項第1号に規定する構造設備(同令第23条及び第26条に規定する構造設備を含む。)の清掃及び保守
イ.GMP省令第11条第1項第2号に規定する検体及び試験検査用標準品の保管
ウ.GMP省令第11条第1項第5号に規定する最終製品の参考品並びに同項第6号に規定する原料等の参考品の保管及び試験検査
エ.GMP省令第11条第1項第7号に規定する設備及び器具の点検整備並びに計器の校正
オ.GMP省令第11条の2第1項第3号に規定する安定性モニタリングに係る検体の保管及び試験検査
カ.GMP省令第18条第1項第1号に規定する自己点検
キ.GMP省令第20条第1項第3号に規定する文書及び記録の保管
ク.GMP省令第21条第1項に規定する原薬たる医薬品の参考品の保管及び試験検査
ケ.GMP省令第21条の2第1項第3号に規定する安定性モニタリングに係る検体の保管及び試験検査
コ.GMP省令第22条第1号に規定する文書及び記録の保管
サ.GMP省令第27条第1項第7号及び第28条第2項第3号に規定する使用動物の飼育
シ.GMP省令第27条第1項第8号及び第28条第2項第4号に規定する汚染物及び動物死体の処置
ス.GMP省令第27条第1項第12号に規定する生物由来原料に関する記録の保管
セ.GMP省令第28条第1項に規定する特定生物由来医薬品又は細胞組織医薬品の最終製品の参考品又は生物由来原料の保管及び試験検査
ソ.GMP省令第30条に規定する文書及び記録の保管
タ.GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査並びに上記ウ.、オ.、ク.、ケ.及びセの試験検査のうち委託されたものについて、当該外部試験検査機関における試験検査の方法が期待される結果を与えることを検証するバリデーションに係るGMP省令第13条第1項各号の業務
なお、上記ウ.、オ.、ク.、ケ.及びセの試験検査に係る外部試験検査機関について、必ずしも当該試験検査に係る医薬品の承認事項になっていることは前提としないが、GMP省令第11条の5の規定による適切な管理を要するものであること。
(2) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる外部委託業者の管理に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、当該委託に係る製造・品質関連業務を熟知している職員を当該外部委託業者の管理の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第11条の5第2項第1号関係
外部委託業者との取決めの締結に際して、当該外部委託業者の適性及び能力の確認を要するものであること。ただし、当該取決めが、当該製造・品質関連業務が行われる製品に係る製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者と当該外部委託業者との間において締結されている場合には、この限りでないものであること。
② 第11条の5第2項第2号関係
外部委託業者が当該委託に係る製造・品質関連業務を適切かつ円滑に行っているかどうかについて定期的に確認するとともに、必要に応じて当該外部委託業者への改善請求を行うものであること。当該委託に係る製造・品質関連業務が行われる製品に係る製造販売業者との取決めに基づき、当該製造販売業者がGQP省令第10条第1項第1号の規定により定期的に確認した結果及び同条第2項第1号の規定により指示した結果を共有することは差し支えないものであること。
③ 第11条の5第2項第3号関係
上記①及び②の業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。
20.第12条(製造所からの出荷の管理)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において品質保証に係る業務を担当する組織に行わせる製造所からの出荷の管理に係る業務について規定するものであること。
① 製造・品質関連業務が適切に行われたかどうかの評価及び製品の製造所からの出荷の可否の決定に関しては、当該可否の決定に係る製品について、GMP省令第10条第10号の規定による製造部門からの文書による報告、同令第11条第1項第8号の規定による判定の結果、同条第3項の規定による確認等を踏まえて、その製造所における製造・品質関連業務の状況をロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に把握した上で、当該評価及び決定がなされるものであること。
② 放射性医薬品区分製造所においては、放射性医薬品に係る製品の製造所からの出荷及び出庫における運搬に関して、製造取扱規則第2条第7項及び運搬基準の規定による放射性輸送物の適格性の確認を含む適切な管理とすることで差し支えないものであること。なお、当該運搬に関する管理については、GQP省令第7条第4号の規定により当該放射性医薬品の製造販売業者が放射性医薬品区分製造所の製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
(2) 上記(1)の業務(製造所からの出荷の管理に係る業務)を行う者については、PIC/SのGMPガイドラインにおけるオーソライズドパーソン(Authorised Person(s))の役割を担うものであり、品質保証に係る業務を担当する組織の職員のうち、その製造所における製造・品質関連業務の種類及び内容、当該職員の実務経験並びにGMP省令第19条、第25条及び第29条の規定による教育訓練の経歴等に鑑みて、当該業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者を選任し、その職責及び権限を含め、同令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(3) 製造業者等は、上記(1)の業務(製造所からの出荷の管理に係る業務)を行う者が当該業務を行うに当たって、支障を生じないようにしなければならないものであること。
(4) 上記(1)①の決定(製品の製造所からの出荷の可否の決定)が適正に行われるまで、製造所から製品を出荷してはならないものであること。
① 品質部門において製品の試験検査の結果の判定(GMP省令第11条第1項第8号の規定による判定)が適切に行われた上で、品質保証に係る業務を担当する組織による上記(1)①の決定がなされ、製造所から製品を出荷することが原則であるが、有効期間が短い等、その特性上、所定の試験検査の一部について結果が判明する前に上記(1)①の決定を行わざる得ない製品を製造する場合であって次に掲げる事項に合致するときは、当該試験検査の結果の判定が行われる前に上記(1)①の決定を行うこととして差し支えないものであること。
ア.当該製品に係る医薬品の承認事項、法第42条第1項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち品質に関する事項として、所定の試験検査の一部について結果の判定が行われる前に、製品の製造所からの出荷の可否の決定を行うことができる旨が定められていること。
イ.医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項第8号の手順を記載した文書に、所定の試験検査の一部について結果の判定が行われる前に製品の製造所からの出荷の可否の決定を適切に行うため必要な事項、手続き等をあらかじめ定めていること。
ウ.当該製品を製造所から出荷した後に判明した試験検査の結果について、当該製品に係る製造販売業者への速やかな連絡、医薬品の回収の判断に必要な情報の提供等、所要の措置をとること。なお、当該連絡等については、GQP省令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
② その製造業者等の他の医薬品包装等区分製造所又は保管のみを行う製造所における保管のため製品を搬送する場合には、GMP省令第11条第1項第8号の規定による判定が行われる前に製品を出庫することは差し支えないものであること。この場合、その医薬品包装等区分製造所又は保管のみを行う製造所からの出荷の可否の決定に際して、当該2製造所における製造・品質関連業務が適切に行われたかどうかについて包括して評価することを要するものであること。また、そうした出荷の可否の決定に関する手順について、GMP省令第8条第1項の手順書に適切に定めておくことが求められる。
21.第13条(バリデーション)関係
(1) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるバリデーションに係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、バリデーションの対象となる構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該バリデーションの責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第13条第1項第1号関係
バリデーションを行うに当たっては、GMP省令第3条の4第1項の規定による品質リスクマネジメントの活用及び同令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査とともに、本通知の第4の2.のバリデーション指針又はこれと同等以上の海外のガイドライン(例えば、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス15及び関連する推奨文書PI 006“VALIDATION MASTER PLAN, INSTLLATION AND OPERATIONAL QUALIFICATION, NON―STERILE PROCESS VALIDATION, CLEANING VALIDATION”等)を参照することが求められる。
ア.第13条第1項第1号イ関係
「当該製造所において新たに医薬品の製造を開始する場合」とは、医薬品に係る製品について、その製造所において新たに製造を開始(新たな製造品目を導入)する場合を指すものであること。承認医薬品に係る製品にあっては、その製造所及び製造工程(保管を含む。)を含めて、当該医薬品の承認事項になることが前提であり、承認事項の一部変更承認において製造所が追加又は変更される場合を含むものであること。
イ.第13条第1項第1号ロ関係
「製造手順等について製品品質に大きな影響を及ぼす変更がある場合」とは、製造所の構造設備、手順、工程等について変更を行う場合であって、その変更が製品品質に大きな影響を及ぼすと考えられるときを指すものであること。製品品質に大きな影響を及ぼすかどうかについては、製造業者等において当該変更の品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて判断されるべきものであるが、製造手順等の変更はGMP省令第14条の規定による適切な管理を要するものであり、また、承認医薬品に係る製品にあっては当該承認事項の一部変更承認を要する可能性があるものであること。
ウ.第13条第1項第1号ハ関係
「その他製品の製造管理及び品質管理を適切に行うために必要と認められる場合」としては、無菌性保証に係る重要工程の定期的なバリデーションが含まれるほか、例えば、製品の試験検査(GMP省令第11条の2第1項第3号及び同令第21条の2第1項第3号に規定する試験検査を含む。)においてOOSが発生又はそのおそれがある場合、同令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査の結果からバリデーションを行うことを要する場合等が考えられるものであること。
② 第13条第1項第2号関係
バリデーションの計画及び結果について、品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告を要するものであること。
(2) 上記(1)のバリデーションの結果から、その製造所における製品の製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、製造業者等は、所要の措置(製造手順等の見直し等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
22.第14条(変更の管理)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において原料、資材若しくは製品(中間製品を含む。)の規格又は製造所の構造設備、手順、工程等について変更(原料等の供給者又は外部委託業者を変更する場合を含む。以下同じ。)を行おうとする場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、変更を行おうとする原料、資材若しくは製品(中間製品を含む。)の規格又は製造所の構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該変更の管理の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第14条第1項第1号関係
当該変更による製品品質及び承認事項への影響の評価を要するものであること。承認事項が変更されることに伴う変更の場合には、変更後の承認事項に従っているかどうか(GMP省令第3条の2参照。)についての評価を要するものであること。
② 第14条第1項第2号関係
上記①の評価の結果から、当該変更が製品品質若しくは承認事項に影響を及ぼす場合又はそのおそれがある場合には、当該変更に関連する製品に係る製造販売業者及び外国製造医薬品等特例承認取得者への事前の連絡及び確認を要するものであること。なお、当該製造販売業者への事前の連絡及び確認については、GQP省令第7条第5号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
③ 第14条第1項第3号関係
上記①及び②の評価及び確認の結果に基づき、当該変更を行うことについて品質保証に係る業務を担当する組織における承認を要するものであること。品質保証に係る業務を担当する組織の職員から、当該変更の承認の責任者をあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
④ 第14条第1項第4号関係
上記③の承認を受けて変更を行うに際して、当該変更が反映されるべき全ての関連文書(医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書のほか、製造指図書、試験検査指示書等を含む。)が確実に改訂され、関連する職員への教育訓練等を通じて当該変更の内容が徹底されることを確保することを趣旨とするものであること。なお、当該文書の改訂についても、GMP省令第20条第1項の規定による適切な管理を要するものであること。
⑤ 第14条第1項第5号関係
上記①から④までの業務の実施状況について、品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者への文書による報告を要するものであること。当該文書による報告を踏まえ、品質保証に係る業務を担当する組織においてGMP省令第5条第1項第3号の業務、製造管理者により同令第5条第1項第1号の業務が行われるものであること。
⑥ 第14条第1項第6号関係
上記①から⑤までの業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 医薬品の製造業者等の製造所において品質保証に係る業務を担当する組織に行わせる上記(1)の変更(原料、資材若しくは製品(中間製品を含む。)の規格又は製造所の構造設備、手順、工程等についての変更)を行った後の業務について規定するものであること。
① 第14条第2項第1号関係
製品品質への影響(製品品質に好ましくない又は意図しない影響が生じていないかどうか等)を再確認し、当該変更の目的(GMP省令第3条の3第2号の品質目標を含む。)が達成されていることを確認するための評価を要するものであること。
ア.製造業者等において当該変更の品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて、当該変更の目的が達成されていることを確認するための評価に要する製品のロット数、製造期間等をあらかじめ定めた上で、当該評価を行うことが可能となり次第、遅滞なく製品品質への影響を再確認することが求められる。
イ.製造手順等について製品品質に大きな影響を及ぼす変更が行われた場合には、GMP省令第13条に規定するバリデーションの結果(同条第1項第2号の規定による品質保証に係る業務を担当する組織への報告書)の評価を含むものであること。
② 第14条第2項第2号関係
製品品質又は承認事項に影響を及ぼす変更を行った場合には、当該変更に関連する製品に係る製造販売業者及び外国製造医薬品等特例承認取得者への連絡を要するものであること。なお、当該連絡について、上記(1)②の確認を受けていることをもって代替しうるものではないこと。なお、当該製造販売業者への連絡については、GQP省令第7条第2号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
③ 第14条第2項第3号関係
上記①及び②の業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。
23.第15条(逸脱の管理)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において構造設備、手順、工程等からの逸脱が生じた場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。なお、OOSが生じた場合における業務については、GMP省令第11条第1項第8号の規定によるものであること。あらかじめ指定した者については、逸脱が生じた場合における業務を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、同令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第15条第1項第1号関係
医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書に定められている事項に限らず、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法に期待される状態が保たれていない場合には逸脱として、その内容を記録するとともに、当該逸脱による影響を調査し、その結果について、品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告及び確認を要するものであること。
② 第15条第1項第2号関係
重大な逸脱が生じた場合において追加的に必要となる業務について規定するものであること。重大な逸脱であるかどうかについては、製造業者等において当該逸脱による品質リスクを特定し、評価した結果に基づいて判断されるべきものであるが、例えば、当該逸脱により製品品質に影響を及ぼす又はそのおそれがある場合、承認事項に従っていない又はそのおそれがある場合等は、重大な逸脱と考えうるものであること。
ア.当該逸脱に関連する製品に係る製造販売業者への速やかな連絡を要するものであること。なお、当該製造販売業者への連絡については、GQP省令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
イ.当該逸脱の原因を究明するとともに、その結果を踏まえて、所要の是正措置及び予防措置をとらなければならないものであること。
ウ.上記ア.及びイ.の内容について、品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告及び確認を要するものであること。当該文書による報告を踏まえ、品質保証に係る業務を担当する組織においてGMP省令第5条第1項第3号の業務が行われるものであること。
エ.上記イ.の是正措置及び予防措置をとった上でなおも同様の逸脱が再発する場合には、逸脱を生じた製造手順等の妥当性を再検証することを目的として、GMP省令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査を行うことが考慮されるものであること。
なお、重大な逸脱と判断しなかった場合にあっても、当該逸脱に起因して最終製品又は原薬たる医薬品の有効期間又はリテスト日までの期間中にOOSを生じる可能性が否定できないときは、該当する製品ロットについて、当該逸脱による影響の程度を評価することを目的として、GMP省令第11条の2又は第21条の2の規定による安定性モニタリングを行うこと等が望ましいものであること。
③ 第15条第1項第3号関係
上記①及び②の業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。是正措置及び予防措置の記録については、当該措置の進捗スケジュールに沿って漸次に作成し、その時点での是正措置及び予防措置の内容について遅滞なく品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告及び確認が求められる。
(2) 品質保証に係る業務を担当する組織において、上記(1)①及び②ウ.の確認に関する記録の作成及び保管並びに製造管理者への文書による適切な報告を要するものであること。なお、これら記録の作成及び保管並びに報告は、重大な逸脱が生じた場合に限らないものであること。
① 品質保証に係る業務を担当する組織からの当該報告書を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第1号、第2号及び第4号の業務が行われるものであること。
② 当該報告書を作成し、承認を行う業務については、品質保証に係る業務を担当する組織の職員のうち、逸脱の管理に関して熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
24.第16条(品質情報及び品質不良等の処理)関係
(1) 医薬品の製造業者等が製品に係る品質等に関する情報(以下「品質情報」という。)を得た場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。製品に係る品質情報として、製品の製造に使用した原料等の品質に関する情報も含まれるものであること。あらかじめ指定した者については、製品に係る品質情報を得たときの業務を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第16条第1項第1号関係
当該品質情報に係る事項がその製造所に起因するものであるか否かによらず、得られた品質情報の内容を記載した記録の作成及び保管を要するものであること。当該記録には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.当該記録を作成した日付、当該記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
イ.製品に係る品質情報を最初に得た日付(第一報の入手日)及び関連する追加の品質情報を得た日付
ウ.上記イ.の品質情報を提供した者の名称又は氏名及び所在地又は住所並びに提供した経緯
エ.上記イ.の品質情報に係る事項の発生又は判明した日付及び場所並びに製品品質に好ましくない影響を及ぼす又はそのおそれのある事象の詳細(関連する場所、物品等の画像を含む。)
オ.上記イ.の品質情報に関連する原料、資材及び製品の名称(又は原料、資材若しくは製品の規格に関連付ける参照番号)及びロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は管理単位番号
(関連するロット、製造番号又は管理単位の範囲が直ちに特定されなかった場合には、当該範囲が特定された日付を付記する。)
② 第16条第1項第2号関係
当該品質情報に係る事項がその製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、その原因を究明し、製造・品質関連業務に関し改善が必要な場合には、所要の是正措置及び予防措置をとらなければならないものであること。所要の是正措置及び予防措置をとった上でなおも同様の品質情報又は品質不良が再発する場合には、GMP省令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査を行うことが考慮されるものであること。
③ 第16条第1項第3号関係
上記②の原因究明の結果並びに是正措置及び予防措置の記録を作成し、保管するとともに、品質保証に係る業務を担当する組織への文書による速やかな報告及び確認を要するものであること。
ア.原因究明の結果の記録には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 当該記録を作成した日付、当該記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
(イ) 品質情報に関連する製品について、製造所からの出荷後の状況(関連する製品ロットの出荷先、他の製造所において製造の用に供される製品にあってはその使用状況、最終製品にあっては市場流通の状況、有効期間又はリテスト日までの期間等)に関して調査した結果
(ウ) 品質情報に関連する原料、資材及び製品について、参考品の試験検査を行った結果
(エ) 品質情報に関連する最終製品について、保存品との同一性を確認した結果
(オ) 品質情報に関連する原料、資材及び製品のロット(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は管理単位に係る試験検査記録を照査した結果
(カ) 品質情報に関連する製品のロット(ロットを構成しない製品については製造番号)に係る製造、保管及び出納に関する記録を照査した結果
(キ) 製造所の構造設備及び職員の衛生管理に関する記録を照査した結果
(ク) 上記(イ)から(キ)までの調査及び照査等の結果から特定された原因
イ.是正措置及び予防措置の記録については、当該措置の進捗スケジュールに沿って漸次に作成し、その時点での是正措置及び予防措置の状況について速やかに品質保証に係る業務を担当する組織への文書による報告及び確認が求められる。
④ 第16条第1項第4号関係
上記③の報告及び確認の記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 上記(1)③の確認により品質不良又はそのおそれが判明した場合には、当該品質不良又はそのおそれに関する事項について、品質保証に係る業務を担当する組織から製造管理者への文書による報告を要するものであること。また、製造業者等は、所要の措置(当該品質情報に関連する製品に係る製造販売業者への速やかな連絡、製品回収の判断に必要な情報の提供等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
① 品質保証に係る業務を担当する組織からの当該報告書を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第4号の業務が行われるものであること。
② 当該報告書を作成し、承認を行う業務については、品質保証に係る業務を担当する組織の職員のうち、品質不良等の処理に関して熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
③ 当該製造販売業者への連絡、情報の提供等については、GQP省令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
25.第17条(回収等の処理)関係
(1) 医薬品の製造業者等の製造所において回収された製品(その製造所以外の場所にあった製品が使用、販売等に供されないよう引き取られてきた場合を指し、最終製品以外の製品を含む。以下「回収製品」という。)を保管する場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。なお、当該回収製品がその製造所に起因するものであるか否かによらず、回収製品を保管する場合に適用されるものであること。あらかじめ指定した者については、回収製品の内容等に応じて、その処理に関して熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第17条第1項第1号関係
回収製品を区分して一定期間保管した上で、適切な処理を要するものであること。
ア.回収製品を保管する期間として、その処理が決定されるまでの期間、その製造所に起因する品質不良について原因が究明されるまでの期間等が考えられるものであること。
イ.市場に出荷された最終製品たる医薬品の回収については、当該医薬品の製造販売業者がGQP省令第12条の規定に従って行うものであり、市場から回収された最終製品を保管する場合には、当該製造販売業者との連携が求められる。
② 第17条第1項第2号関係
その回収に至った理由によらず、回収製品の内容を記載した保管及び処理の記録を作成し、保管するとともに、品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者への文書による報告を要するものであること。
ア.回収製品の保管及び処理の記録には、その回収製品の内容等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 当該記録を作成した日付、当該記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
(イ) 回収製品の内容(名称、性状又は剤形、包装の形態及び単位、数量、ロット番号(ロットを構成しない回収製品については製造番号)等)
(ウ) 回収製品に係る製造販売業者の名称、回収製品の保管及び処理に関する指示事項等
(エ) 回収製品を保管した場所及び期間(始期及び終期の日付)、保管に従事した職員の氏名又はイニシャル等
(オ) 回収製品の処理の方法及び結果、処理に従事した職員の氏名又はイニシャル等
イ.上記ア.の記録に基づく文書による報告を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
(2) 使用又は出荷に不適とされた原料(生物由来原料が微生物等により汚染されている場合を含む。)、資材及び製品(中間製品を含む。)の保管及び処理について、GMP省令第17条第1項の規定を準用するものであること。あらかじめ指定した者については、使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品の内容等に応じて、その処理に関して熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第17条第2項において準用する同条第1項第1号関係
使用又は出荷に不適とされた原料、資材及び製品を区分して一定期間保管した後、適切な処理を要するものであること。
ア.GMP省令第11条第1項第4号に規定する試験検査がOOSとなったことにより使用又は出荷に不適とされた原料、資材及び製品について、同項第8号の原因究明のため一定期間保管する場合が考えられるものであること。
イ.製造手順等からの逸脱に起因して使用又は出荷に不適とされた原料、資材及び製品について、GMP省令第15条第1項第1号の影響調査及び同項第2号の原因究明のため一定期間保管する場合が考えられるものであること。
ウ.法第50条から第52条までの規定による記載事項に変更があった場合には、変更前の記載がなされている資材及び製品について、それぞれ使用及び出荷に適さないものとして区分して保管し、適切に処理することが求められる。
エ.使用又は出荷に不適とされた製品(中間製品を含む。)及び原料について、再加工等の処理により使用又は出荷に供することは、製品品質に好ましくない影響を及ぼすおそれがあるほか、承認医薬品に係る製品(中間製品を含む。)及びその原料にあっては承認事項に従っていないおそれが大きいものであること。
② 第17条第2項において準用する同条第1項第2号関係
使用又は出荷に不適とされた理由によらず、その原料、資材及び製品の内容を記載した保管及び処理の記録の作成及び保管、並びに品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者への文書による報告を要するものであること。
ア.使用又は出荷に不適とされた原料、資材及び製品の保管及び処理の記録には、使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品の内容等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 当該記録を作成した日付、当該記録の管理番号及び作成の責任者の氏名
(イ) 使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品の内容(名称、性状又は剤形、包装の形態及び単位、数量、ロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)等)
(ウ) 使用に不適とされた原料又は資材について、その供給者の名称
(エ) 使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品の保管及び処理に関する注意事項等
(オ) 使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品を保管した場所及び期間(始期及び終期の日付)、保管に従事した職員の氏名又はイニシャル等
(カ) 使用又は出荷に不適とされた原料、資材又は製品の処理の方法及び結果、処理に従事した職員の氏名又はイニシャル等
イ.上記ア.の記録に基づく文書による報告を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
(3) 放射性医薬品区分製造所においては、回収され、又は使用若しくは出荷に不適当とされた製品(中間製品を含む。)、原料及び資材のうち放射性物質又は放射性物質によって汚染された物を廃棄処分する場合について、製造取扱規則第2条第5項及び第3条の規定による廃棄を含む適切な管理とすることで差し支えないものであること。
26.第18条(自己点検)関係
(1) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる自己点検に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、自己点検の対象となる業務の内容を熟知している職員を当該自己点検の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。また、自己点検の責任者は、当該自己点検の対象となる業務に従事していない、客観的な立場にあることが求められる。自己点検に係る業務の一部を外部委託業者に委託する場合には、同令第11条の5の規定による適切な管理を要するものであること。
① 第18条第1項第1号関係
製造・品質関連業務が適切かつ実効性をもって行われているかどうかを評価するため、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる業務のうち該当するものについて定期的な自己点検を要するものであること。
ア.GMP省令第5条第1項各号の製造管理者の業務
イ.医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書の作成等に係る業務
ウ.GMP省令第8条の2、第9条第1項第5号ロ及び同条第2項に規定する交叉汚染の防止措置に係る業務
エ.GMP省令第9条、第23条及び第26条に規定する構造設備の保守、点検等に係る業務
オ.GMP省令第10条、第24条並びに第27条第1項及び第2項に規定する製造管理に係る業務
カ.GMP省令第11条第1項、第21条及び第28条に規定する品質保証及び試験検査に係る業務
キ.GMP省令第11条第2項及び第3項に規定する品質保証に係る業務
ク.GMP省令第11条の2第1項及び第21条の2第1項に規定する安定性モニタリングに係る業務
ケ.GMP省令第11条の3第1項に規定する製品品質の照査に係る業務
コ.GMP省令第11条の4第1項に規定する原料等の供給者の管理に係る業務
サ.GMP省令第11条の5第2項に規定する外部委託業者の管理に係る業務
シ.GMP省令第12条第1項に規定する製造所からの出荷の管理に係る業務
ス.GMP省令第13条第1項に規定するバリデーションに係る業務
セ.GMP省令第14条に規定する変更の管理に係る業務
ソ.GMP省令第15条に規定する逸脱の管理に係る業務
タ.GMP省令第16条に規定する品質情報及び品質不良等の処理に係る業務
チ.GMP省令第17条に規定する回収等の処理に係る業務
ツ.GMP省令第19条、第25条及び第29条規定する教育訓練に係る業務
テ.GMP省令第20条第1項に規定する文書及び記録の管理並びに同令第22条、第27条第3項、第30条及び第31条に規定する文書及び記録の保管に係る業務
ト.GMP省令第8条第2項に規定する文書(同令第20条第2項各号の業務の方法に関する事項を定める文書)の作成及び同令第20条第2項各号の業務(文書及び記録の信頼性確保に係る業務)
② 第18条第1項第2号関係
自己点検の結果について、品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者への文書による報告を要するものであること。
ア.自己点検の結果の文書による報告(以下「自己点検報告書」という。)には、その自己点検の内容等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 自己点検報告書の作成及び承認の日付、自己点検報告書の管理番号並びに作成及び承認の責任者の氏名
(イ) 自己点検の対象となった業務、当該業務に係る自己点検の対象期間(例えば、前回の自己点検から今回の自己点検までの期間について始期及び終期の日付)、その期間に当該業務に従事した職員の氏名又はイニシャル等
(ウ) 自己点検に係る作業に費やされた期間(自己点検の始期及び終期の日付)、当該作業を担当した職員の氏名又はイニシャル等
(エ) 自己点検によって検知された不適合その他の望ましくない状況の有無及び詳細(その原因となった又はなり得る状況の特定を含む。)並びに提案される改善(是正措置及び予防措置)
イ.上記ア.の自己点検報告書を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1項第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
③ 第18条第1項第3号関係
自己点検の結果について、記録の作成及び保管を要するものであること。なお、上記②ア.の自己点検報告書が自己点検の結果の記録を兼ねる場合には、別途作成することを要しないものであること。
(2) 上記(1)①の自己点検の結果から製造・品質関連業務に関して改善が必要な場合には、製造業者等は、GMP省令第5条第1項第2号の規定による製造管理者からの報告を踏まえ、所要の措置(GMP省令第6条第1項に規定する責任者の適切な配置、同条第3項に規定する人員の十分な確保、同条第4項に規定する管理体制の整備、その他必要な資源の配分、同令第19条、第25条及び第29条に規定する教育訓練等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
27.第19条(教育訓練)関係
医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる製造管理及び品質管理に関する教育訓練に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、教育訓練を実施する内容を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(1) 第19条第1号関係
① 教育訓練を受ける職員は、製造・品質関連業務に従事し、製品品質に影響を及ぼしうる職員(作業所、設備、器具等の清掃、保守、滅菌、点検整備等の業務に従事する職員を含む。)であること。
② 製造管理及び品質管理に関する必要な教育訓練は、当該職員の従事する業務の種類、内容等に応じて、必要な知識の教育並びに技能及び技術の実技訓練からなるものであり、次に掲げる内容を含むものであること。
ア.GMP概論(関係法令を含む。)
イ.衛生管理概論
ウ.その製造業者等の品質方針、製造所における品質目標、管理体制等、医薬品品質システムの概要
エ.各職員の実務に関する教育訓練(技能及び技術の実技訓練を含む。)
③ 計画的に実施するとは、教育訓練の責任者が定めた教育訓練プログラムに基づいて実施する趣旨であること。
(2) 第19条第2号関係
教育訓練の実施状況について、品質保証に係る業務を担当する組織及び製造管理者への文書による報告を要するものであること。
① 教育訓練の実施状況の文書による報告(以下「教育訓練報告書」という。)には、次に掲げる事項について記載するものであること。
ア.教育訓練報告書の作成及び承認の日付、教育訓練報告書の管理番号並びに作成及び承認の責任者の氏名
イ.教育訓練を実施した日付又は期間(始期及び終期の日付)
ウ.実施した教育訓練の内容
エ.教育訓練を受けた職員の氏名、所属等
オ.教育訓練の責任者の氏名、所属等
② 上記①の教育訓練報告書を踏まえ、製造管理者によりGMP省令第5条第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
(3) 第19条第3号関係
教育訓練の実施の記録の作成及び保管を要するものであること。なお、上記(2)①の教育訓練報告書が教育訓練の実施の記録を兼ねる場合には、別途作成することを要しないものであること。
(4) 第19条第4号関係
① 教育訓練の実効性を定期的に評価し、必要に応じて改善(例えば、教育訓練プログラムの改訂、拡充等)を図るとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
② 教育訓練の実効性に関して、その教育訓練を受けた職員、組織、部門等ごとに業務の種類、内容等に応じて、必要な知識並びに技能及び技術の習熟度を踏まえ、その業務を適切に遂行できるかどうか、教育訓練の頻度及び内容が適切であるかどうか等を定期的に評価する仕組みが求められる。
28.第20条(文書及び記録の管理)関係
(1) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるGMP省令第2章に規定する文書及び記録の管理に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、管理の対象となる文書又は記録の内容、取扱い、管理の方法、保管の期間等に関して熟知している職員を当該文書又は記録の管理の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第20条第1項第1号関係
GMP省令第2章に規定する文書を作成し、又は改訂する場合には、承認、配付、保管等を要するものであること。当該文書の承認を行う者については、その内容が適正であることに関して責任を有する者を特定し、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
② 第20条第1項第2号関係
医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書を作成し、又は改訂するときは、その作成又は改訂の日付を記載するとともに、それ以前の改訂に係る履歴(作成及び改訂の趣旨及び経緯、承認を行った者の氏名等を記録したもの)の保管を要するものであること。当該履歴については、その文書中に作成及び改訂の日付と併せて記載しておくことで差し支えないものであること。
③ 第20条第1項第3号関係
GMP省令第2章に規定する文書及び記録の保管期間について規定するものであること。なお、GMP省令第22条又は第30条の規定が適用される場合には、同令第20条第1項第3号の規定によらず、同令第22条又は第30条の規定により当該文書及び記録を保管することが求められる。
ア.医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書については、使用しなくなった日から5年間
イ.上記ア.以外の文書及び記録については、作成の日から5年間
の保管を要するものであること。ただし、当該文書及び記録に係る製品の有効期間に1年を加算した期間が5年より長い場合には、教育訓練に係る記録(GMP省令第19条第2号の規定による教育訓練報告書並びに同条第3号及び第4号の規定による記録)を除き、当該製品の有効期間に1年を加算した期間の保管を要するものであること。
(2) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書並びに同令第2章に規定する記録の信頼性(いわゆるデータ・インテグリティ)の確保に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、当該文書及び記録の種類、内容等に応じて、その信頼性の確保に関して熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。いわゆる裏マニュアル、二重記録等の不正な文書及び記録はもとより以ての外であるが、医薬品の製造関連の文書及び記録の信頼性の確保については、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 041“GOOD PRACTICE FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS”等が参考になるものであること。
① 第20条第2項第1号関係
当該文書及び記録について、その作成及び保管における欠落がないよう、作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続的な管理を要するものであること。例えば、作成段階において欠落がないよう必要なチェックを行うほか、作成後において消失、読取り不能等が生じないよう適切なバックアップを行う等が考えられるものであること。
② 第20条第2項第2号関係
当該文書及び記録について、正確な内容であるよう、作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続的な管理を要するものであること。例えば、作成段階において正確な内容となるよう必要なチェックを行うほか、作成後において、内容に不正確な点が判明した場合に必要な訂正を行う、不正な改変等が生じないよう適切な保全措置をとる等が考えられるものであること。
③ 第20条第2項第3号関係
当該文書及び記録について、関連する他の文書及び記録との不整合がない(整合性及び一貫性が保たれる)よう、作成時から保管期間が満了するまでの期間にわたって継続的な管理を要するものであること。例えば、他の文書及び記録との整合性及び一貫性について照合を行う、混同、転記ミス、データのコピーエラーその他作業上の過誤を防止する措置をとる等が考えられるものであること。
④ 第20条第2項第4号関係
当該文書又は記録について、欠落があった場合又は内容に不正確若しくは不整合な点が判明した場合には、その原因を究明し、所要の是正措置及び予防措置をとらなければならないものであること。
⑤ 第20条第2項第5号関係
その他当該文書及び記録の信頼性の確保に必要な業務としては、当該文書及び記録について、作成及び保管に関連する業務に従事する職員への必要な教育訓練の実施、作成及び保管に使用する設備、物品等の点検整備等が考えられるものであること。
⑥ 第20条第2項第6号関係
上記①から⑤までの業務に係る記録の作成及び保管を要するものであること。
≪第2節 原薬たる医薬品の製造管理及び品質管理(第21条―第22条)≫
原薬たる医薬品に係る製品の製造管理及び品質管理については、製造の初期段階(GMP省令第11条の4の規定による原料等の供給者の管理を含む。)から最終の精製、調製、容器へ充填及び閉塞する作業に進むに従って段階的に行うことを基本として、最終の精製工程その他原薬の製品品質に重大な影響を与える工程に関して重点的に製造管理及び品質管理を行うよう、その製造業者等の製造所における医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書に規定しておく必要があるものであること。
ICHの原薬GMPのガイドライン(Q7Aガイドライン)(「原薬GMPのガイドラインについて」(平成13年11月2日付け医薬発第1200号厚生労働省医薬局長通知)参照。)は、PIC/SのGMPガイドラインのパートⅡに組み入れられているところであり、そのQ&A(「原薬GMPのガイドラインに関するQ&Aについて」(平成28年3月8日付け厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課事務連絡)参照。)等とともに、原薬たる医薬品に係る製造・品質関連業務の参考になるものであること。
29.第21条(品質管理)関係
原薬たる医薬品の製造所において品質部門に行わせる当該医薬品(原薬たる医薬品)の参考品の保管について規定するものであること。
(1) 所定の試験検査とは、医薬品製品標準書(承認事項、法第42条第1項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第8条第1項の手順書に基づく試験検査を指すものであること。参考品とする検体を採取する時点において、当該ロットについて必ずしもGMP省令第12条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。
(2) 原薬たる医薬品の参考品の適切な保管条件については、原則として当該医薬品(原薬たる医薬品)が出荷された形態と同等の機能の包装がなされた形態で、通常の輸送状態における保管条件も勘案することが求められる。また、混同するおそれがなく、好ましくない保存状態を避ける方法によるほか、当該参考品を試験検査に用いた履歴(試験検査に用いた日付、数量等を記録したもの)とともに保管する等、適切な保管が求められる。保管期間については、それぞれ製造された日から、次に掲げるとおりとするものであること。
① 有効期間に代えてリテスト日が設定されている医薬品(当該原薬たる医薬品のうち、原薬たる放射性医薬品を除く。)にあっては、リテスト日までの期間又はその製造所からの出荷が完了した日以後3年間のいずれか長い期間
② 上記①以外の医薬品(原薬たる医薬品)にあっては、当該医薬品(原薬たる医薬品)の有効期間に1年(原薬たる放射性医薬品の場合は6ヶ月又は品質リスクマネジメントに基づく適切な日数)を加算した期間
30.第21条の2(安定性モニタリング)関係
(1) 原薬たる医薬品の製造所において品質部門に行わせる当該医薬品(原薬たる医薬品)の安定性モニタリングに係る業務について規定するものであること。
① 第21条の2第1項第1号関係
安定性モニタリングを行う医薬品(原薬たる医薬品)を適切に選定し、必要量の検体の採取を要するものであること。
ア.品質リスクを特定し、評価を行った結果に基づいて適切に選定する限りにおいて、必ずしも全ての包装形態、全てのロットについて安定性モニタリングを行うことを要しないが、その選定の妥当性を示す根拠も含めて、下記⑤の記録の作成が求められる。
イ.安定性モニタリング用の検体を採取する時点において、当該検体を採取するロットについて必ずしもGMP省令第12条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。
② 第21条の2第1項第2号関係
当該医薬品(原薬たる医薬品)の規格のうち保存により影響を受けやすい項目及びOOSとなった場合に当該医薬品(原薬たる医薬品)の有効性又は安全性に影響を及ぼすと考えられる項目について、試験検査の項目として選定を要するものであること。必ずしも当該原薬の規格の項目全てについて試験検査を行うことを要しないが、その選定の妥当性を示す根拠も含めて、下記⑤の記録の作成が求められる。
③ 第21条の2第1項第3号関係
上記①の検体を保管し、上記②の試験検査の項目について、適切な間隔で試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合を含む。)を要するものであること。当該試験検査を行う間隔については、その医薬品(原薬たる医薬品)が有効期間又はリテスト日までの期間にわたって規格に適合しているかどうかを継続的に確認できるよう適切に設定することが求められる。
④ 第21条の2第1項第4号関係
上記③の試験検査の結果に基づき、当該医薬品(原薬たる医薬品)の品質への影響の評価を要するものであること。
⑤ 第21条の2第1項第5号関係
上記①の検体の採取についてはGMP省令第11条第1項第1号に規定する検体の採取と同様に、上記③の試験検査については同項第4号に規定する試験検査と同様に、記録の作成及び保管を要するものであること。また、安定性モニタリングを行う医薬品(原薬たる医薬品)及び試験検査の項目の選定、検体の保管並びに試験検査の結果に基づく品質への影響評価に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 上記(1)④の評価の結果からOOS又はそのおそれ(例えば、有効期間又はリテスト日までの期間中にOOSを生じる可能性を示唆する傾向)がある場合には、当該原薬たる医薬品の製造業者等は、所要の措置(当該医薬品(原薬たる医薬品)に係る製造販売業者への速やかな連絡、医薬品(当該医薬品(原薬たる医薬品)を原料として使用した最終製品たる医薬品)の回収の判断に必要な情報の提供等)をとるとともに、当該措置に係る記録の作成及び保管を要するものであること。なお、当該製造販売業者への連絡、情報の提供等については、GQP省令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
31.第22条(文書及び記録の保管)関係
(1) 原薬たる医薬品に係る製品を製造する場合におけるGMP省令第2章に規定する文書及び記録に関して、同令第20条第1項第3号の規定にかかわらず、当該製品に係る文書及び記録の保管期間を規定するものであること。なお、GMP省令第30条の規定が適用される場合には、同令第22条の規定によらず、同令第30条の規定により当該文書及び記録を保管しなければならないものであること。
(2) 上記(1)の文書及び記録の保管期間については、それぞれ作成の日(医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書については使用しなくなった日)から、次に掲げるとおりとするものであること。
① 原薬たる医薬品に係る製品の製造管理及び品質管理に関する教育訓練に係る記録(GMP省令第19条第2号の規定による教育訓練報告書並びに同条第3号及び第4号の規定による記録)にあっては、5年間
② ロットを構成する医薬品(原薬たる医薬品)のうち有効期間に代えてリテスト日が設定されているものに係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、下記ア.又はイ.のいずれか長い期間
ア.当該文書及び記録に係る医薬品(原薬たる医薬品)のロットのリテスト日までの期間
イ.当該ロットの製造所からの出荷が完了した日以後3年間
③ 上記②以外の医薬品(原薬たる医薬品)に係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、当該医薬品(原薬たる医薬品)の有効期間に1年を加算した期間
≪第3節 無菌医薬品の製造管理及び品質管理(第23条―第25条)≫
無菌医薬品(無菌化された医薬品)には、注射剤(注射用水を含む。)、点眼剤、眼軟膏剤のほか、承認事項に無菌性の規格が設定されている医薬品(無菌性の規格が設定されている外用剤、原薬たる医薬品等)を含むものであること。無菌医薬品に係る製造・品質関連業務については、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス1及びアネックス17のほか、「「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の改訂について」(平成23年4月30日付け厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課事務連絡)、「「最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指針」の改訂について」(平成24年11月9日付け厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課事務連絡)、「第十七改正日本薬局方第二追補の制定により削除された参考情報の取扱いについて」(令和元年6月28日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、監視指導・麻薬対策課事務連絡)等が参考になるものであること。
32.第23条(無菌医薬品の製造所の構造設備)関係
(1) 無菌医薬品区分製造所の構造設備に関して、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を規定するものであり、それらに鑑みて製造所の構造設備が適合しているかどうかを判断するものであること。
(2) 無菌医薬品区分製造所の構造設備については、GMP省令第23条のほか、同令第9条第1項も適用されるものであること。無菌医薬品区分製造所の構造設備についても、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 009“INSPECTION OF UTILITIES”等が参考になるものであること。
① 第23条第1号関係
無菌医薬品に係る製品の作業所のうち、作業室又は作業管理区域について、当該製品の種類、剤形及び製造工程に応じ、清浄の程度を維持管理できる構造及び設備を要するものであること。
② 第23条第2号関係
洗浄後の容器の乾燥作業又は滅菌作業を行う作業室について、洗浄後の容器が汚染されるおそれがない場合を除き、専用であることを要するものであること。
③ 第23条第3号関係
作業室について、次に掲げる構造設備、装置等を要するものであること。
ア.洗浄後の容器の乾燥及び保管を適切に行うために必要な設備
イ.無菌医薬品に係る製品の種類に応じ、その製造に必要な滅菌装置
ウ.無菌操作を行う区域について、フィルターにより処理された清浄な空気を供し、かつ、適切な差圧管理を行うために必要な構造設備
エ.注射剤に係る製品の製造作業を行う作業室にあっては、無菌性保証に影響を及ぼす接液部の配管等について、洗浄が容易で、かつ、滅菌が可能な設備
④ 第23条第4号関係
無菌医薬品に係る製品たる薬剤の調製作業、充填作業、又は無菌医薬品に係る製品の滅菌のために行う調製作業以降の作業(表示及び包装作業を除く。)を行う作業室又は作業管理区域に関して規定するものであるが、当該製品に求められる無菌性保証の度合いを考慮し、弾力的に適用するものであること。
ア.検証された製造手順等により無菌医薬品に係る製品が汚染されるおそれがない場合には、非無菌医薬品の作業所との区別は必ずしも要しないものであること。なお、無菌医薬品に係る製品か非無菌医薬品に係る製品かによらず、医薬品に係る製品への交叉汚染を防止するため、製造手順等について所要の措置がとられていなければならないものであること(GMP省令第8条の2参照。)。
イ.調製作業を行う作業室及び充填作業又は閉塞作業を行う作業室について、当該作業を閉鎖式操作(いわゆるクローズドシステム)の設備により連続して行う場合には、必ずしも作業室が専用であることを要さず、各作業を同一の作業室において行うことは差し支えないものであること。また、注射剤以外の無菌医薬品に係る製品について、充填作業又は閉塞作業を閉鎖式操作(いわゆるクローズドシステム)の設備により行う場合には、必ずしも作業室が専用であることを要さず、各作業を調製作業と同一の作業室において行うことは差し支えないものであること。放射性医薬品に係る製品の調製作業を行う作業室及び充填作業室又は閉塞作業を行う作業室にあっては、必ずしも専用であることを要しないものであること。
ウ.上記イ.の作業を行う職員の専用の更衣室を要するものであること。
⑤ 第23条第5号関係
無菌医薬品に係る製品の製造に必要な蒸留水等(設備及び器具並びに容器の洗浄、試験検査に用いるものを含む。)を供給する設備について、当該蒸留水等(蒸留水のほか、精製水、注射用水等を含む。)の異物又は微生物による汚染を防止する構造を要するものであること。異物又は微生物による汚染を防止する構造としては、例えば、給水パイプ等の材質、形状、適切な傾斜構造、高温度の循環装置等が考えられるものであること。
33.第24条(製造管理)関係
(1) 無菌医薬品区分製造所において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。
(2) 無菌医薬品に係る製品の製造管理については、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第24条各号の業務のほか、同令第10条各号の業務も適切に行わせる必要があるものであること。
① 第24条第1号関係
作業区域について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程及び当該区域で行う作業内容等に応じて、清浄の程度等作業環境の管理の程度の適切な設定及び管理を要するものであること。
② 第24条第2号関係
原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程等に応じて、微生物等の数等必要な管理項目の適切な設定及び管理を要するものであること。
③ 第24条第3号関係
原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、製造工程(保管を含む。)における微生物等による汚染等の防止するため必要な措置をとらなければならないものであること。
④ 第24条第4号関係
製品の無菌性保証に重要な工程等について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程等に応じて、必要な管理値の適切な設定及び管理を要するものであること。
⑤ 第24条第5号関係
製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)について、その用途に応じて、微生物学的項目及び物理学的項目に係る管理値の設定及び管理を要するものであること。
⑥ 第24条第6号関係
無菌医薬品に係る製品の作業所における職員の衛生管理について規定するものであること。
ア.製造作業に従事する職員以外の者について、作業所への立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
イ.動物組織原料の加工、微生物の培養等(その製造工程において現に原料又は材料として使用されているものである場合を除く。)に係る作業に従事する職員による汚染を防止する厳重な手順を定めるとともに、当該手順を遵守する場合を除き、無菌医薬品に係る製品の作業区域に当該職員を立入らせない衛生管理を要するものであること。
ウ.現に作業が行われている清浄区域又は無菌区域への職員の立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
⑦ 第24条第7号関係
清浄区域又は無菌区域で作業する職員の衛生管理について規定するものであること。
ア.当該職員の清浄区域又は無菌区域への立入りに際して、当該区域の管理の程度に応じて、適切な更衣等を要するものであること。
イ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を微生物等により汚染するおそれのある健康状態(皮膚若しくは毛髪の感染症若しくは風邪にかかっている場合、負傷している場合又は下痢若しくは原因不明の発熱等の症状を呈している場合を含む。以下同じ。)にある職員には、その旨を申告させる衛生管理を要するものであること。
34.第25条(教育訓練)関係
(1) 無菌医薬品区分製造所においてあらかじめ指定した者に行わせる無菌医薬品に係る製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、教育訓練を実施する内容を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(2) 無菌医薬品に係る製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練については、GMP省令第25条各号の業務のほか、同令第19条各号の業務も行わせる必要があるものであること。
① 第25条第1号関係
製造又は試験検査に従事する職員に対して、無菌医薬品に係る製品の製造に必要な衛生管理、微生物学その他必要な教育訓練の実施を要するものであること。
② 第25条第2号関係
清浄区域又は無菌区域等で作業に従事する職員に対して、微生物等による汚染の防止に必要な措置に関する教育訓練の実施を要するものであること。
≪第4節 生物由来医薬品等の製造管理及び品質管理(第25条の2―第30条)≫
35.第25条の2(生物由来医薬品等に係る医薬品製品標準書)
(1) GMP省令における生物由来医薬品等とは、次の①から⑧までのいずれかに該当する医薬品を指すものであること。これらの医薬品に係る製造管理・品質関連業務については、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス2B及びアネックス14、関連ガイダンス文書PI 024“INSPECTION OF BIOTECHNOLOGY MANUFACTURES”及びPE 005“PIC/S GOOD PRACTICE GUDELINE FOR BLOOD ESTABLISHMENTS AND HOSPITAL BLOOD BANKS”等が参考になるものであること。
① 生物由来医薬品
② 施行令第80条第2項第3号イに掲げる生物学的製剤(ロットを構成しない血液製剤を含む。)
③ 法第43条第1項の規定に基づき検定を要するものとして厚生労働大臣の指定する医薬品(いわゆる検定医薬品)
④ 遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品
⑤ 遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品を原料として使用する医薬品
⑥ 人又は動物の細胞を培養する技術を応用して製造される医薬品
⑦ 人又は動物の細胞を培養する技術を応用して製造される医薬品を原料として使用する医薬品
⑧ GMP省令第2条第19項の細胞組織医薬品
(2) 生物学的医薬品等に係る医薬品製品標準書については、GMP省令第25条の2各号の事項のほか、同令第7条各号の事項も記載し、品質部門の承認を受け、当該製造所において製造・品質関連業務を適切かつ円滑に行うことができるよう、必要な関連部門、組織及び職員に配付、周知等を行った上で備え置くことを要するものであること。
① 第25条の2第1号関係
原料として使用する人、動物、植物又は微生物から得られた物に係る名称、本質及び性状並びに成分及びその含有量その他の規格の記載を要するものであること。
ア.その他の規格とは、原料として使用する人、動物、植物又は微生物から得られた物の基原、産地、製造管理及び品質管理の方法等、品質の確認に必要な事項を指すものであること。
イ.人又は動物由来の原料を使用する場合には、生物由来原料基準の規定による必要事項も含むものであること。
ウ.人の血液又はこれから得られた物を有効成分とする生物由来医薬品及びこれ以外の人の血液を原材料(製造に使用する原料又は材料(製造工程において使用されるものを含む。)の由来となるものをいう。以下同じ。)として製造される特定生物由来医薬品に係る製品を製造する場合には、原材料である血液が採取された国の国名及び献血又は非献血の別の確認を要するものであること。
② 第25条の2第2号関係
使用動物の規格(飼育管理の方法を含む。)の記載を要するものであること。
③ その他、生物学的医薬品等に係る医薬品製品標準書関係
ロットを構成しない血液製剤に係る医薬品製品標準書については、次に掲げる事項の記載も求められる。
ア.原料とする血液の採取から製品に至る工程において血液が直接に接する容器及び器具器材(採血管、連結管、採血針等を含む。)の規格及び試験検査の方法
イ.原料とする血液の指定
ウ.原料とする血液及び中間製品の保管条件
36.第26条(生物由来医薬品等の製造所の構造設備)関係
(1) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する製造所の構造設備について、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を規定するものであり、それらに鑑みて製造所の構造設備が適合しているかどうかを判断するものであること。
(2) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する製造所の構造設備については、GMP省令第26条のほか、同令第9条第1項及び第23条も適用されるものであること。当該製造所の構造設備についても、PIC/Sの関連ガイダンス文書PI 009“INSPECTION OF UTILITIES”等が参考になるものであること。
① 第26条第1号関係
施行令第80条第2項第3号イに掲げる生物学的製剤(ロットを構成しない血液製剤を除く。)に係る製品を製造する製造所の構造設備について規定するものであること。当該製造所の構造設備については、微生物等(現に原料又は材料として使用されているものを除く。)による汚染を防止する衛生管理が求められる。
ア.製造する製品の種類、製造方法等により、当該製品の製造に必要がないと認められる場合を除き、作業所において、他から明確に区別された室に設けることを要するものとして、次に掲げる設備を規定するものであること。
(ア) 微生物の貯蔵設備
(イ) 微生物接種後の使用動物を管理する設備
(ウ) 使用動物を処理する設備
(エ) 微生物を培地等に移植する設備
(オ) 微生物の培養設備
(カ) 培養した微生物の採取、不活化、殺菌等を行う設備
(キ) 原液の希釈溶液を調製する設備
(ク) 原液の希釈、分注及び容器の閉塞を行う設備
(ケ) 製造又は試験検査に使用した器具器械等の消毒を行う設備
イ.上記ア.(エ)及び(カ)から(ク)までの設備を有する室並びに原料、資材及び製品の無菌試験を行う設備を有する室について、製造する製品の種類、製造方法等に応じて適否を判断する事項を規定するものであること。
(ア) 作業室内に無菌的操作を支障なく行うことができる機能を有する設備が設けられている場合を除き、無菌室であること。
(イ) 上記(ア)の無菌室について、専用の前室を附置するとともに、通常当該前室を通じてのみ作業室内に出入りする構造とし、かつ、当該前室の出入口が屋外に直接面してないものであること。
ウ.上記ア.の設備のほか、次に掲げる設備を要するものであること。
(ア) 使用動物の飼育管理に必要な設備
(イ) 培地及びその希釈溶液を調製する設備
(ウ) 製造又は試験検査に使用する器具器械、容器等の洗浄及び滅菌を行う設備
(エ) 動物の死体その他の汚物の処理及び汚水の浄化を行う設備
② 第26条第2号関係
ロットを構成しない血液製剤に係る製品を製造する製造所の構造設備について規定するものであること。なお、当該製品の製造作業について閉鎖式操作の設備(いわゆるクローズドシステム)により行うことで無菌性を確保できる作業室は必ずしもGMP省令第23条に規定する構造設備を要しないが、閉鎖式操作以外によって製造作業を行う場合には、同条に規定する構造設備を要するものであること。
ア.作業所のうち、血液成分の分離及び混合、薬液の注入及び排出並びに容器の閉塞作業を行う作業室について、血液製剤以外の製品の作業室と区別されていることを要するものであること。
イ.作業所のうち、上記ア.の作業を開放式操作によって行う作業室について、次に掲げる事項に適合することを要するものであること。
(ア) 作業室は専用であること。
(イ) 作業室内に無菌操作を適切に行うことができる機能を有する設備が設けられている場合を除き、無菌室であること。
ウ.作業室に、無菌室で作業を行う職員の専用の更衣設備を要するものであること。
③ 第26条第3号関係
人の血液又は血漿を原料とする製品の製造区域について規定するものであること。ウイルスを不活化又は除去する工程以降の製造工程を行う区域を除き、人の血液又は血漿を原料とする製品の製造区域は、他の区域から明確に区別されており、かつ、当該製品の製造に専用の設備及び器具を要するものであること。
37.第27条(製造管理)関係
(1) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。生物由来医薬品等に係る製品の製造管理については、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第27条第1項各号の業務のほか、同令第10条各号及び第24条各号の業務も適切に行わせる必要があるものであること。
① 第27条第1項第1号関係
製造工程において、製品等を不活化する場合又は製品等に含まれる微生物等を不活化し、若しくは除去する場合には、当該不活化又は除去が行われていない製品等による汚染を防止する必要な措置をとらなければならないものであること。
② 第27条第1項第2号関係
製造工程において生物化学的な技術を用いる場合には、当該製造工程の管理に必要な事項(例えば、温度、pH等)の継続的な測定を要するものであること
③ 第27条第1項第3号関係
製造工程においてカラムクロマトグラフ装置等を用いる場合には、当該装置が微生物等により汚染されることのないよう必要な措置をとるとともに、必要に応じてエンドトキシンの測定を要するものであること。
④ 第27条第1項第4号関係
製造工程において、培地を培養槽中に連続的に供給し、連続的に排出させる培養方式を用いる場合には、当該培養槽における培養条件を維持するため必要な措置をとらなければならないものであること。
⑤ 第27条第1項第5号関係
ア.生物由来医薬品等に係る製品の作業所における職員の衛生管理について規定するものであること。
(ア) 製造作業に従事する職員以外の者について、作業所への立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
(イ) 現に作業が行われている清浄区域又は無菌区域への職員の立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
(ウ) 製造作業に従事する職員について、使用動物(その製造工程において現に使用されているものを除く。)の管理に係る作業に従事させない衛生管理を要するものであること。
イ.このほか、生物由来医薬品等に係る製品の作業所における職員の衛生管理として、製造する製品の種類、製造方法等に応じて、次に掲げる対応が求められる。これらについても、あらかじめGMP省令第8条第1項の手順書に適切に定めておくことが求められる。
(ア) 製造作業に従事する職員が、生菌又は動物を扱っている区域から、他の製品等又は微生物を扱っている区域に入る場合に関して、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の汚染を防止する手順(適切な着衣等の交換を含む。)を策定するとともに、当該職員に遵守させる衛生管理。
(イ) 職員が病原性を有する微生物等に感染することを防止するため、適切なワクチンの接種等を受けさせる衛生管理。また、必要に応じて、当該職員に定期的な検査を受けさせるほか、適切な感染防御措置等(ワクチンの追加接種等を含む。)の衛生管理。
(ウ) 人の血液又は血漿を原料とする製品の製造作業に従事する職員について、必要に応じてB型肝炎ワクチンの接種等を受けさせる衛生管理。
⑥ 第27条第1項第6号関係
清浄区域又は無菌区域で作業する職員の衛生管理について規定するものであること。
ア.製造作業に従事する職員について、消毒された作業衣、作業用のはき物、作業帽及び作業マスクの着用を要するものであること。
イ.清浄区域又は無菌区域で作業する職員について、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を微生物等により汚染するおそれのある疾病にかかっていないことを確認するため、6月を超えない期間ごとに健康診断を要するものであること。
ウ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を微生物等により汚染するおそれのある健康状態にある職員には、その旨を申告させる衛生管理を要するものであること。
⑦ 第27条第1項第7号関係
使用に適していない動物を製造に使用することのないよう、当該動物の管理について規定するものであること。製造に使用する動物について、常時適正な管理の下に飼育するとともに、その使用に当たって健康観察(死体解剖の所見を含む。)を要するものであること。
⑧ 第27条第1項第8号関係
製造の過程において微生物により汚染された物品及び製造に使用する動物の死体の処理について規定するものであること。それらについて、保健衛生上の支障が生ずるおそれがないよう処理を要するものであること。
⑨ 第27条第1項第9号関係
製造に使用する微生物の株の取扱いにおける記録について規定するものであること。次に掲げる事項に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.微生物の名称(株の名称を含む。)及び容器ごとに付された番号
イ.譲受けの年月日並びに相手方の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び所在地)
ウ.生物学的性状及びその検査年月日
エ.継代培養の状況
⑩ 第27条第1項第10号関係
作業室において痘そう病原体、急性灰白髄炎病原体、有芽胞病原菌又は結核菌を取り扱う場合には、当該作業室で使用する器具器械について、製品の種類ごとに標識を付して専用とすることを要するものであること。
⑪ 第27条第1項第11号及び第12号関係
生物由来医薬品に係る製品を製造する場合における、その製造に使用する生物由来原料の管理について規定するものであること。
ア.生物由来原料について、当該製品の医薬品製品標準書(当該医薬品の承認事項、生物由来原料基準の関連する規定等)に照らして適切なものであることを確認するとともに、その結果に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
イ.生物由来原料に関して、厚生労働大臣の定めるところにより記録を要する事項の記録について、GMP省令第30条第1項及び第2項の期間、自ら保管し、又は同令第11条の4第2項の取決めを締結することにより、当該生物由来原料の原材料採取業者等において適切に保管することを要するものであること。
(ア) 「厚生労働大臣の定めるところ」として、現在のところ、生物由来原料基準の第2(血液製剤総則)の輸血用血液製剤総則(8)及び血漿分画製剤総則(8)、第3(ヒト由来原料総則)のヒト細胞組織原料基準(5)、ヒト尿由来原料基準(5)及びヒト由来原料基準(4)並びに第4(動物由来原料総則)の反芻動物由来原料基準(3)、動物細胞組織原料基準(5)及び動物由来原料基準(5)が定められている。
(イ) 「自ら保管」については、その製造業者等において保管する場合のほか、GMP省令第11条の5の規定に従って他に委託して自己の責任において保管する場合であって、当該委託につき支障がないと認められるものを含むものであること。
(ウ) 「原材料採取業者等」とは、生物由来原料の原材料(製造に使用する原料又は材料(製造工程において使用されるものを含む。)の由来となるものをいう。以下同じ。)を採取する業者等をいい、原材料を採取又は作成する業者、原材料から生物由来原料又は更に加工等を経て生物由来原料となる中間体を製造する業者等を含むものであること。
(エ) 「第11条の4第2項の取決めを締結することにより、当該生物由来原料の原材料採取業者等において適切に保管する」とは、GMP省令第30条に規定する保管期間中に製造業者等からの要請に基づき、必要な記録が速やかに提供されるようにすることを含めて、同令第11条の4第2項の取決めが当該原材料採取業者等との間で締結されることを指すものであること。
⑫ 第27条第1項第13号関係
GMP省令第10条第10号に規定する記録(製造記録のほか、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の保管及び出納に関する記録、構造設備及び職員の衛生管理に関する記録を含む。)及び上記⑪の記録について、製造する生物由来医薬品等たる製品のロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に作成及び保管を要するものであること。
⑬ その他(ロットを構成しない血液製剤に係る製品の製造管理関係)
ア.ロットを構成しない血液製剤に係る製品を製造する場合における製造指図書については、次に掲げる事項の記載も求められる。なお、早急に製造作業、試験検査等を行って出荷することを要しない製品(例えば、有効期間が72時間を超える血液製剤)の製造指図書にあっては、当該記載を省略することは差し支えないものであること。
(ア) 当該血液製剤の名称及び製造数量
(イ) 原料とする血液の血液型
イ.ロットを構成しない血液製剤に係る製品の製造作業に関して、製造部門の責任者が製造指図書に基づき、1日に製造作業を行う数種類の製品について、2回以上に分けて指示することは差し支えないものであること。
ウ.ロットを構成しない血液製剤に係る原料、容器及び製品(中間製品を含む。)について、種類ごとに、試験検査の前後のものにそれぞれ標識、区分等を適切に行って保管することが求められる。
エ.ロットを構成しない血液製剤に係る原料(原料とする血液を除く。)の保管及び出納に関する記録には、品目ごと、ロットごと(ロットを構成しない原料については製造番号ごと)に入庫した日付及び数量、出庫した日付及び数量等を記載することが求められる。
オ.ロットを構成しない血液製剤に係る製品の製造記録には、次に掲げる事項の記載も求められる。また、当該製造記録は、原料として使用した血液と容易に照合できるものであることが求められる。
(ア) 当該血液製剤の名称及び血液型
(イ) 原料として使用した血液の特記事項
カ.ロットを構成しない血液製剤に係る製品の保管及び出納に関する記録には、製品ごと、製造番号ごとに、その製造所から出荷した日付及び出荷先を記載することが求められる。
(2) 細胞組織医薬品に係る製品を製造する場合において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。細胞組織医薬品に係る製品の製造管理については、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第27条第2項各号の業務のほか、同令第10条各号、第24条各号及び第27条第1項各号の業務も適切に行わせる必要があるものであること。
① 第27条第2項第1号関係
異なるドナー又はドナー動物から採取した細胞又は組織の取扱いに当たって、混同及び交叉汚染を防止するため必要な措置をとらなければならないものであること。例えば、微生物等により汚染された細胞又は組織の交叉汚染を防止するため、同じ作業室又は作業管理区域で同時期に取り扱うことのないよう、ドナー又はドナー動物ごとに保管し、管理する等が考えられるものであること。
② 第27条第2項第2号関係
原料となる細胞又は組織の受入れ時における確認事項等を規定するものであること。なお、当該細胞又は組織の供給者については、GMP省令第11条の4の規定による適切な管理を要するものであること。
ア.「当該細胞又は組織を採取した施設」とは、ドナーから細胞若しくは組織を採取した医療施設等又はドナー動物から細胞若しくは組織を採取した施設を指すものであること。
イ.当該細胞又は組織を採取する作業の経過に関する記録については、ドナー又はドナー動物から細胞又は組織を採取する過程において細菌、真菌、ウイルス等の汚染を生じるおそれがない旨を確認することができる記録であることが求められる。
ウ.GMP省令第27条第2項第2号イからホまでに掲げる事項のほか、細胞組織医薬品に係る製品の品質の確保に関し必要な事項として、例えば、原料となる細胞又は組織に使用された試薬類の試験検査及び管理の状況等が考えられるものであること。
③ 第27条第2項第3号関係
原料となる細胞又は組織をドナー動物から採取する場合には、採取の過程における微生物等による汚染を防止する措置(例えば、動物感染症に関する最新の知見を踏まえて適切な試験検査を行う等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
④ 第27条第2項第4号関係
清浄区域又は無菌区域において作業に従事する職員の衛生管理について規定するものであること。当該職員が次のア.又はイ.に該当する場合には、当該作業に従事させない衛生管理を要するものであること。
ア.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を微生物等により汚染するおそれのある健康状態にある場合
イ.細胞又は組織の採取又は加工の直前に細胞又は組織を汚染するおそれのある微生物等を取り扱っている場合
⑤ 第27条第2項第5号関係
細胞組織医薬品が施用された患者等に有害事象が発生し、又は出荷した製品に不具合が生じた場合において速やかに必要な情報が得られるよう、細胞組織医薬品に係る製品について、製品ごとに、出荷先施設名、出荷日及びロットを把握するとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
⑥ 第27条第2項第6号関係
配送について、製品品質の確保のために必要な措置(例えば、適切な配送用コンテナ等の配送方法、配送中の管理(温度管理を含む。)等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。なお、当該措置については、GQP省令第7条第4号の規定により当該細胞組織医薬品の製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
⑦ 第27条第2項第7号関係
ドナー動物の受入れ後の飼育管理に関する記録の作成及び保管を要するものであること。当該記録には、GMP省令第27条第1項第7号に規定する飼育管理の状況のほか、例えば、ドナー動物の個体識別等の記載も求められる。
⑧ 第27条第2項第8号関係
上記②、③及び⑥の記録についてはロットごと、上記⑤の記録については製品ごとに作成の上、保管を要するものであること。
(3) 生物由来医薬品に係る製品を製造する場合における、当該製品の製造管理に関する記録のトレーサビリティについて規定するものであること。
原料、資材又は製品(中間製品を含む。)に何らかの問題が判明し、又は当該生物由来医薬品の施用に起因することが疑われる有害事象が発生した場合において速やかに製品及びその製造に使用した生物由来原料のロット又は製造番号を特定し、原因の究明が可能となるよう、当該生物由来原料の管理(原材料の採取を含む。)に関する記録から当該生物由来原料を使用して製造された製品の管理に関する記録までの一連の記録について、トレーサビリティの確保を要するものであること。
38.第28条(品質管理)関係
(1) 特定生物由来医薬品又は細胞組織医薬品の最終製品を製造する場合における、当該最終製品又はその製造に使用した生物由来原料の参考品の保管について規定するものであること。当該参考品の保管については、GMP省令第11条第1項第5号及び第6号は適用されないものであること。
① 最新の科学的な知見に基づいて安全対策が講じられたとしてもウイルス等の感染の原因となる物が入り込む可能性が否定できないため、ロットを構成する特定生物由来医薬品又は細胞組織医薬品の最終製品の参考品について、その安全対策の観点から、他の医薬品の最終製品の参考品(GMP省令第11条第1項第5号参照。)よりも長い期間の保管を要するものであること。なお、当該医薬品の有効期間に1年(放射性医薬品の最終製品にあっては6月又は品質リスクマネジメントに基づく適切な日数)を加算した期間を経過した後は、その製造に使用した生物由来原料の参考品をもって最終製品の参考品に代えることができるものであること。
② 同様に安全対策の観点から、ロットを構成しない特定生物由来医薬品にあっては、その製造に使用した生物由来原料(採血サンプルを含む。)について、当該生物由来原料と最終製品が1対1対応する場合には当該最終製品の製造番号ごと、1のロットを構成する生物由来原料を複数の最終製品の製造に使用した場合には当該生物由来原料のロットごとに、参考品として、他の医薬品の原料の参考品(GMP省令第11条第1項第6号参照。)よりも長い期間の保管を要するものであること。なお、当該生物由来原料のうち、原材料採取業者等が参考品を保管することをGMP省令第11条の4第2項の規定により取り決めているものについては、製造業者等における当該参考品の保管を要しないものであること。その場合には、当該参考品の量、保管条件、試験検査に関する手順等も含め、当該原材料採取業者等との間で適切に取り決めておくことが求められる。
③ 上記①及び②の参考品について、所定の試験検査に必要な量の2倍以上の量とは、ウイルス等の感染の原因の究明等に係る試験検査に要する量の2倍以上の量を指すものであること。
④ ロットを構成する特定生物由来医薬品の最終製品及びロットを構成しない特性生物由来医薬品の製造に使用した生物由来原料にあっては、未知のウイルス等に係る安全対策を考慮して、当該医薬品の有効期間に10年を加算した期間を参考品の保管期間とするものであること。
⑤ 細胞組織医薬品の最終製品(上記④に含まれるものを除く。)にあっては、当該細胞組織医薬品に応じて安全対策を考慮した適切な期間を参考品の保管期間とするものであること。
(2) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合において品質部門に行わせる試験検査に係る業務について規定するものであること。生物由来医薬品等に係る製品の品質管理については、GMP省令第28条第2項各号の業務のほか、同令第11条第1項各号(特定生物由来医薬品又は細胞組織医薬品の最終製品を製造する場合には同項第5号及び第6号を除く。)及び同条第2項各号の業務も計画的かつ適切に行わせる必要があるものであること。
① 第28条第2項第1号関係
検体について、混同及び交叉汚染を防止するため、適切な識別表示による区分を要するものであること。
② 第28条第2項第2号関係
品質管理上重要であり、かつ、製品で実施困難な試験検査については、製造工程の適切な段階での実施を要するものであること。
③ 第28条第2項第3号関係
使用に適していない動物を試験検査に使用することのないよう、当該動物の管理について規定するものであること。試験検査に使用する動物について、常時適正な管理の下に飼育するとともに、その使用に当たって健康観察(死体解剖の所見を含む。)を要するものであること。
④ 第28条第2項第4号関係
試験検査の過程において微生物により汚染された物品及び試験検査に使用する動物の死体の処理について規定するものであること。それらについて、保健衛生上の支障が生ずるおそれがないよう処理を要するものであること。
⑤ 第28条第2項第5号関係
試験検査に使用する微生物の株の取扱いにおける記録について規定するものであること。次に掲げる事項に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.微生物の名称(株の名称を含む。)及び容器ごとに付された番号
イ.譲受けの年月日並びに相手方の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び所在地)
ウ.生物学的性状及びその検査年月日
エ.継代培養の状況
⑥ 第28条第2項第6号関係
試験検査結果の記録について、製造する生物由来医薬品等に係る製品のロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に作成及び保管を要するものであること。
⑦ その他(ロットを構成しない血液製剤に係る製品の品質管理関係)
ア.ロットを構成しない血液製剤に係る試験用血液について、適切な管理が求められる。
イ.ロットを構成しない血液製剤に係る製品(中間製品を含む。)の試験検査に関して、試験検査用の試薬試液の調製に関する記録及びその品質に係る試験検査記録も作成することが求められる。
ウ.上記イ.の記録について、その試薬試液を用いて試験検査された製品に係る血液製剤の有効期間の経過後1年間保管することが求められる。ただし、その血液製剤が他の血液製剤の原料となる場合には、当該他の血液製剤の有効期間経過後1年間保管することが求められる。
(3) 細胞組織医薬品に係る製品を製造する場合において品質部門に行わせる品質保証及び試験検査に係る業務について規定するものであること。細胞組織医薬品に係る製品の品質管理については、GMP省令第28条第3項各号の業務のほか、同令第11条第1項各号(細胞組織医薬品の最終製品を製造する場合には同項第5号及び第6号を除く。)及び同条第2項各号並びに同令第28条第2項各号の業務も計画的かつ適切に行わせる必要があるものであること。
① 第28条第3項第1号関係
ドナー動物の受入れ時及び受入れ後の試験検査を行うことその他必要な業務を品質部門が自ら行い、又は当該業務の内容に応じてあらかじめ指定した者(その製造所の品質部門以外の職員、ドナー動物の供給者、外部委託業者等)に行わせることを要するものであること。
② 第28条第3項第2号関係
上記①の業務の記録について、作成及び保管を要するものであること。
(4) 生物由来医薬品に係る製品を製造する場合における、当該製品の品質管理に関する記録のトレーサビリティについて規定するものであること。
原料、資材又は製品(中間製品を含む。)に何らかの問題が判明し、又は当該生物由来医薬品の施用に起因することが疑われる有害事象が発生した場合において速やかに製品及びその製造に使用した生物由来原料の品質管理の状況を確認し、原因の究明が可能となるよう、当該生物由来原料の品質管理に関する記録から当該生物由来原料を使用して製造された製品の品質管理に関する記録までの一連の記録について、トレーサビリティの確保を要するものであること。
39.第29条(教育訓練)関係
(1) 生物由来医薬品等に係る製品の製造所においてあらかじめ指定した者に行わせる当該製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、教育訓練を実施する内容を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(2) 生物由来医薬品等に係る製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練については、GMP省令第29条各号の業務のほか、同令第19条各号及び第25条各号の業務も行わせる必要があるものであること。
① 第29条第1号関係
生物由来医薬品等の製造又は試験検査に従事する職員に対して、微生物学(必要に応じて、細菌学、ウイルス学等を含む。)、医学、獣医学等に関する教育訓練の実施を要するものであること。当該教育訓練の内容には、化学、免疫学、生物試験法等も含まれうるものであること。
② 第29条第2号関係
無菌区域、病原性を持つ微生物を取り扱う区域等で作業に従事する職員に対して、微生物等による汚染の防止に必要な措置(例えば、バイオハザード等)に関する教育訓練の実施を要するものであること。
40.第30条(文書及び記録の保管)関係
(1) 生物由来医薬品等に係る製品を製造する場合におけるGMP省令第2章に規定する文書及び記録に関して、同令第20条第1項第3号及び第22条の規定にかかわらず、当該製品に係る文書及び記録の保管期間を規定するものであること。当該生物由来医薬品等の施用に起因することが疑われる有害事象が発生した場合において原因の究明が可能となるよう、その安全対策の観点から、他の製品に係る文書及び記録(GMP省令第20条第1項第3号及び第22条参照。)よりも長い期間の保管を要するものであること。
(2) 上記(1)の文書及び記録の保管期間については、それぞれ作成の日(医薬品製品標準書及びGMP省令第8条第1項の手順書については使用しなくなった日)から、次に掲げるとおりとするものであること。
① 生物由来医薬品等に係る製品の製造管理及び品質管理に関する教育訓練に係る記録(GMP省令第19条第2号の規定による教育訓練報告書並びに同条第3号及び第4号の規定による記録)にあっては、5年間
② 特定生物由来医薬品又は人の血液を原材料として製造される生物由来医薬品に係る製品に係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、当該医薬品の有効期間に30年を加算した期間
③ 生物由来医薬品又は細胞組織医薬品に係る製品(上記②の製品を除く。)に係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、当該医薬品の有効期間に10年を加算した期間
④ 上記②及び③以外の製品に係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、5年間(ただし、当該医薬品の有効期間に1年を加算した期間が5年よりも長い場合には、その有効期間に1年を加算した期間。)
≪第5節 雑則(第31条)≫
41.第31条(記録の保管の特例)関係
(1) 生物由来医薬品のうち厚生労働大臣が指定するものに係る製品を製造する場合におけるGMP省令第2章に規定する記録に関して、同令第30条の規定にかかわらず、当該製品に係る記録の保管の特例について規定するものであること。
(2) GMP省令第31条の規定に基づき厚生労働大臣が指定する生物由来医薬品は、今後、必要に応じて指定されるものであり、また、当該製品に係る記録の保管期間も、今後、必要に応じて指定されるものであること。
(3) 上記(1)の記録のうち、当該生物由来医薬品の製造に使用する生物由来原料に係る記録については、GMP省令第27条第1項第12号に規定する記録の保管と同様に、同令第11条の4第2項の取決めを当該生物由来原料の原材料採取業者等との間で締結することにより、当該原材料採取業者等において上記(2)の期間適切に保管することとする場合には、製造業者等における保管を要しないものであること。
<第3章 医薬部外品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理>
医薬部外品の製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理について規定するものであること。製造業者等が医薬部外品に係る製品と医薬品に係る製品を同じ製造施設で製造する場合等において、当該製造業者等が自主的に、医薬部外品に係る製品の製造についてGMP省令第2章の規定に準じた製造管理及び品質管理を行うことは差し支えないものであること。
≪第1節 通則(第32条―第48条)≫
42.第32条(製造部門及び品質部門)関係
(1) 製造所ごとに、法第17条第10項に規定する責任技術者又は法第13条の3第1項の認定を受けた製造所の責任者若しくは当該外国製造業者があらかじめ指定した者(以下「責任技術者」と総称する。)の監督の下に、製造部門及び品質部門を置くことを要するものであること。なお、施行規則第25条第2項第3号及び第35条第2項第3号の区分の製造所(以下「医薬部外品包装等区分製造所」という。)並びに保管のみを行う製造所において、その製造業者等の他の製造所において製造された製品又は製造に使用される原料若しくは資材の保管のみを行う場合には、品質管理に係る業務について、支障がないと認められる限りにおいて、その製造業者等の他の製造所の品質部門が行うことは差し支えないものであること。
(2) 品質部門は、製造部門から独立した部門として、品質管理に係る業務を行うものであること。
43.第33条(責任技術者)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等の製造所において責任技術者が行う業務について規定するものであること。
① 第33条第1項第1号関係
責任技術者は、製造・品質管理業務を統括するとともに、当該業務(保管のみを行う製造所における保管に係る業務を含む。以下同じ。)が適正かつ円滑に行われるよう管理監督する権限と責任を有することものであること。なお、法第17条第10項に規定する責任技術者にあっては、同条第12項の規定により、医薬部外品の製造の管理を公正かつ適正に行うために必要があるときは、製造業者に対し、意見を書面により述べなければならないものであること。
② 第33条第1項第2号関係
責任技術者は、品質不良その他製品品質に重大な影響が及ぶおそれがある場合において、所要の措置が速やかにとられていること及びその進捗状況を確認するほか、必要に応じて、改善等所要の措置をとるよう、当該製造所の職員(GMP省令第34条第1項の責任者を含む。)に指示するものであること。
(2) 製造業者等は、責任技術者の業務を妨げないことはもとより、責任技術者の業務遂行に必要な支援を行うことが求められる。なお、法第18条第4項の規定により、医薬部外品の製造業者は、法第17条第12項の規定により述べられた責任技術者の意見を尊重するとともに、法令遵守のために措置を講ずる必要があるときは当該措置を講じなければならないものであること。
44.第34条(職員)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等の製造所における責任者(製造・品質管理業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者をいう。)の配置、人員の確保等について規定するものであること。
(2) 製造・品質管理業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有するとは、各々従事する製造・品質管理業務の種類及び内容、実務経験、GMP省令第47条及び第53条の規定による教育訓練の経歴等に鑑みて、当該業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有することを、その製造業者等において保証することを趣旨とするものであること。
(3) 医薬部外品の製造業者等の製造所において、製造・品質管理業務の適切な実施を保証するため、十分な人員の確保を要するものであること。
(4) 製造・品質管理業務に従事する職員(責任技術者及び責任者を含む。)の責務及び管理体制について、各々の職責及び権限並びに協働体制の組織図を示す等して、文書により適切に定めることを要するものであること。
45.第35条(医薬部外品製品標準書)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等の製造所において製造される医薬部外品に係る製品(中間製品を除く。なお、製造所から出荷される製品は、GMP省令における中間製品に当たらないものであること。)に関して所定の事項を記載した文書の作成等について規定するものであること。当該文書(以下「医薬部外品製品標準書」という。)は、品質部門の承認を受け、当該製造所において製造・品質管理業務を適切かつ円滑に行うことができるよう、必要な関連部門、組織及び職員に配付、周知等を行った上で備え置くことを要するものであること。なお、必ずしも製造品目ごとに1対1対応させて医薬部外品製品標準書を作成することを要するものでなく、例えば、複数の製造品目で共通する事項を適宜まとめて作成する、ひとつの製造品目に関する事項を記載した複数の文書ファイルで構成する等は差し支えないものであること。
(2) 医薬部外品製品標準書の内容は、GQP省令第20条において準用する同令第10条第5項の規定により医薬部外品の製造販売業者から製造業者等に提供される、適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の実施に必要な品質に関する情報に則したものであること。法第14条第1項に規定する医薬部外品(以下「承認医薬部外品」という。)に係る製品を製造する場合において、医薬部外品製品標準書の内容が当該医薬部外品の承認事項と相違することのないよう管理することは、その品質管理に係る重要な業務のひとつであること。また、GQP省令第20条において準用する同令第7条の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に則した内容であることが求められる。
(3) 医薬部外品製品標準書の記載事項は、その製造所における製造・品質管理業務の適切な実施に支障がない内容及び範囲で足りるものであり、当該製品に係る医薬部外品の他の製造所における製造工程(保管を含む。)、承認事項等の全てについて記載を要するものでないこと。
① 第35条第1号及び第3号関係
「承認事項のうち、当該製造所における製造方法、規格及び試験方法その他必要な事項」及び「製造手順」として、次に掲げる事項のうち、その製造所から出荷する製品に該当するものについて記載するものであること。
ア.製品及びその製造に使用する原料の成分(成分が不明なものにあってはその本質)及び分量並びに規格及び試験検査の方法
イ.容器及び被包の規格及び試験検査の方法
上記ア.及びイ.の規格及び試験検査の方法に関して、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 承認事項の規格(日本薬局方等の公定書又は規格集の規格を参照している場合を含む。)について、製造業者等において管理上必要なものとして自主的に所定の規格より厳格な規格が設定される場合には、当該規格及びその根拠
(イ) 日本薬局方等の公定書又は規格集を参照している試験検査について、当該公定書又は規格集の規定に基づき、規定の試験法に代わる試験検査の方法が規定の試験法以上の真度及び精度がある場合であって当該試験検査の方法が用いられるときは、当該試験検査の方法及びその根拠
(ウ) 承認事項及び日本薬局方等の公定書又は規格集に定められていない規格及び試験検査について、製造業者等において管理上必要なものとして自主的に設定する場合には、当該規格及び試験検査の方法並びにその根拠
(エ) 試験検査が外部試験検査機関で行われる場合には、当該試験検査の項目並びにそれらの規格及び試験検査の方法
(なお、承認医薬部外品に係る製品にあっては、GMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査に係る外部試験検査機関について、当該医薬部外品の承認事項になっていることが前提であること。)
ウ.表示物(最終製品にあっては、販売名及び一般的名称、成分及び分量、用法及び用量、効能又は効果並びに使用上の注意又は取扱上の注意等の所要事項が記載されるもの)の規格及び仕様
エ.製造方法及び製造手順(工程内検査並びに中間製品の規格、試験検査の方法及びそれらの根拠を含む。)
オ.秤量、調製、充填等の作業における標準的仕込み量及びその根拠(GMP省令第41条に規定するバリデーションの結果等)
カ.製品の保管条件及び有効期間又はリテスト日並びにそれらの根拠(安定性試験の結果等)
② 第35条第2号関係
ア.法第42条第2項の規定により定められた基準として、現在のところ、生物由来原料基準が定められている。
イ.薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分については、法第18条第3項の規定により定められた製造業者又は外国製造業者の遵守事項、法第79条第1項の規定により製造販売承認に付された条件等が該当するものであること。
③ 第35条第4号関係
「その他所要の事項」として、次に掲げる事項を含むものであること。
ア.医薬部外品製品標準書の作成、改訂及び承認の日付
イ.医薬部外品製品標準書の作成、改訂及び承認の責任者(承認を行った品質部門の責任者)の氏名並びに配付先
ウ.GQP省令第20条において準用する同令第7条の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項の内容(なお、GMP調査実施者の求めに応じて、当該取決め文書の写しを提示できるようにしておくことが求められる。)
46.第36条(手順書)関係
製造・品質管理業務を適正かつ円滑に行うため、製造所ごとに所定の手順について記載した文書の作成等について規定するものであること。当該文書(以下「GMP省令第36条の手順書」という。)は、当該製造所において必要な関連部門、組織及び職員に配付、周知等を行った上で備え置くことを要するものであること。なお、当該製造所において該当しない業務に関する手順(例えば、保管のみを行う製造所であって回収製品を保管することのない場合におけるGMP省令第36条第9号の手順)については、GMP省令第36条の手順書を要しないものであること。また、必ずしもGMP省令第36条の各号に1対1対応させて作成することを要するものでなく、例えば、当該業務を行う職員、組織、部門等で適宜まとめて作成する等は差し支えないものであること。
改正省令による改正前のGMP省令第32条において準用する同令第8条第1項の衛生管理基準書、同条第2項の製造管理基準書及び同条第3項の品質管理基準書として既に作成され、製造所に備え置かれている各文書については、改正省令による改正後のGMP省令第36条第1項第1号から第3号までの手順について記載した文書とみなすものとし、当該文書の名称等を形式的に変更するためだけの改廃等は要しないものであること。
(1) 第36条第1号関係
① 構造設備及び職員の衛生管理に関する手順は、それら衛生管理に係る業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。製造衛生に係る内容に限らず、試験検査に係る業務等において衛生管理が必要な場合には、当該衛生管理に関する手順も含むものであること。
② 職員の衛生管理は、職員が微生物等により原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を汚染することの防止を目的とするものであること。
③ 構造設備及び職員の衛生管理に関する手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.構造設備の衛生管理に関する手順
(ア) 構造設備の清掃、保守、滅菌等に関する手順(当該清掃、保守、滅菌等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
<施行規則第25条第2項第1号又は第35条第2項第1号の区分の製造所(以下「無菌医薬部外品区分製造所」という。)の場合>
(イ) 作業室又は作業管理区域の清浄度の維持管理に関する手順
(ウ) 無菌操作を行う区域における空気の管理に関する手順
イ.職員の衛生管理に関する手順
(ア) 製造作業に従事する職員以外の者の作業所への立入り制限に関する手順
(イ) 作業所における、入退時の更衣及び手洗い、防護具の着用等に関する手順
(ウ) 職員の健康状態の把握に関する手順
(エ) 作業所における、所持品及び化粧の制限、飲食喫煙の禁止等に関する手順
<無菌医薬部外品区分製造所の場合>
(オ) GMP省令第52条第6号及び第7号に規定する職員の衛生管理に関する手順
(2) 第36条第2号関係
① 製造工程(保管を含む。)、製造設備、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の管理に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、製造設備についてGMP省令第37条及び第51条の規定に適合させる業務を適切に、製造管理について同令第38条各号及び第52条各号の業務(構造設備及び職員の衛生管理に係る業務を除く。)を計画的かつ適切に遂行できる内容であることが求められる。
② 製造工程(保管を含む。)、製造設備、原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の管理に関する手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.GMP省令第38条第1号に規定する製造指図書の作成、承認、配付等に関する手順
イ.製造作業の管理に関する手順
ウ.製造記録の作成等に関する手順
エ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)が適正である旨の確認等に関する手順
(ア) 重要な秤量、計量及び小分け作業については、作業者以外の職員の立会又はそれと同等以上の管理に関する手順を含むものであること。
(イ) 法第59条並びに法第60条において準用する法第51条及び法第52条第2項の規定による事項が記載されている資材及び製品については、当該記載が適正である旨の確認に関する手順を含むものであること。
(ウ) 動物由来の原料を使用して医薬部外品に係る製品を製造する場合には、当該原料が生物由来原料基準の該当する規定に照らして適正である旨の確認に関する手順を含むものであること。
オ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の保管、出納等に関する手順
(ア) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)のバーコード管理システム又はそれと同等以上の管理に関する手順
(イ) 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の取違い防止のための手順
カ.製造設備の清浄の確認等に関する手順
キ.製造設備の点検整備、製造に関する計器の校正等に関する手順(当該点検整備、校正等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
ク.製造管理が適切に行われていることの確認及び品質部門への当該確認結果の報告に関する手順
ケ.その他製造工程等の管理に関する手順
(ア) 作業所における事故の防止、発生時の対応等に関する手順
(イ) 作業環境の管理に関する手順
(ウ) 工程管理のために必要な管理値に関する手順
(エ) 製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)の管理に関する手順
<無菌医薬部外品区分製造所の場合>
コ.無菌医薬部外品に係る製造設備の管理に関する手順
サ.無菌医薬部外品に係る原料、資材及び製品(中間製品を含む。)、製造工程(無菌性保証に係る重要工程を含む。)並びに製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)の管理に関する手順
(3) 第36条第3号関係
① 試験検査設備及び検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第39条第1項各号及び第49条の業務を計画的かつ適切に遂行できる内容であることが求められる。試験検査を外部試験検査機関に依頼して行う場合には、試験検査を依頼する書式のほか、検体の受渡し方法、試験検査の結果の伝達方法等を明確に定めておくことが求められる。
② 試験検査設備及び検体の管理その他適切な試験検査の実施に必要な手順として、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる手順のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の検体の採取等に関する手順(当該検体を採取する場所の特定を含む。)
イ.試験検査記録の作成等に関する手順
ウ.最終製品の参考品の保管及び試験検査に関する手順
エ.試験検査に関する設備及び器具の点検整備、計器の校正等に関する手順(当該点検整備、校正等の方法、間隔、確認方法等を含む。)
オ.試験検査の結果の判定等に関する手順
カ.医薬部外品の製造の用に供される原薬を製造する場合におけるGMP省令第49条に規定する参考品の保管及び試験検査に関する手順
キ.その他適切な試験検査の実施に必要な手順
(ア) 試験検査用の標準品、試薬試液及び試験用水等の管理に関する手順
(イ) 再度の試験検査を行う場合の取扱いに関する手順
(4) 第36条第4号関係
製造所からの出荷の管理に関する手順は、GMP省令第40条第1項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(5) 第36条第5号関係
バリデーションに関する手順は、GMP省令第41条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。バリデーションの計画に関する文書及びバリデーションの結果に関する文書について、それぞれ作成、改訂、承認、報告、保管等に関する手順を含むものであること(なお、下記(12)の手順を適宜参照することは差し支えないものであること。)。
(6) 第36条第6号関係
GMP省令第42条の変更の管理に関する手順は、同条各号の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(7) 第36条第7号関係
GMP省令第43条の逸脱の管理に関する手順は、同条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(8) 第36条第8号関係
GMP省令第44条の品質情報及び品質不良等の処理に関する手順は、同条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(9) 第36条第9号関係
回収処理に関する手順は、GMP省令第45条各号の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(10) 第36条第10号関係
自己点検に関する手順は、GMP省令第46条第1項各号及び第2項の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(11) 第36条第11号関係
教育訓練に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第47条各号及び第53条各号の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。職員の従事する業務の種類、内容等に応じて、教育訓練の責任者が定めた教育訓練プログラムを含むものであること。
(12) 第36条第12号関係
文書及び記録の作成、改訂及び保管に関する手順は、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第48条各号及び第50条の業務を適切に遂行できる内容であることが求められる。
(13) 第36条第13号関係
その他適正かつ円滑な製造・品質管理業務に必要な手順としては、例えば、品質管理に係るGMP省令第39条第2項各号及び第3項の業務に関する手順、製造する製品に係る製造販売業者、外国製造医薬品等特例承認取得者及び他の製造業者等との円滑な連携に関する手順等が考えられるものであること。
47.第37条(構造設備)関係
医薬部外品に係る製品の製造所の構造設備に関して、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を規定するものであり、それらに鑑みて製造所の構造設備が適合しているかどうかを判断するものであること。
(1) 第37条第1号関係
構造設備(GMP省令第51条に規定する構造設備を含む。)について、その用途に応じ適切に清掃及び保守が行われ、必要に応じて滅菌されるとともに、それら記録の作成及び保管を要するものであること。
(2) 第37条第2号関係
製品等により有毒ガスを取り扱う場合には、当該有害ガスの処理設備を要するものであること。
(3) 第37条第3号関係
作業所のうち作業室は、製造する製品の種類、剤形及び製造工程に応じ、じんあい又は微生物による汚染を防止するのに必要な構造及び設備を有していることを要する(ただし、製造設備等の有する機能により当該汚染を防止する効果を得られる場合を除く。)ものであること。
① GMP省令第37条第3号ただし書による場合としては、製造する製品の種類、剤形及び製造工程に応じ、例えば、次に掲げる場合が当てはまるものであること。
ア.製造設備が閉鎖式設備であって、製造作業中に製品のじんあい又は微生物による汚染を防止するに十分な効果が得られる場合
イ.作業室又は製造設備に設置した層流装置等によって、製造作業中の製品のじんあい又は微生物による汚染を防止するに十分な効果が得られる場合
② 医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る製品の作業所にあっては、次に掲げる状態であることが求められる。
ア.最終の精製以後の製造工程において、最終の精製を経た中間製品を容器へ充填及び閉塞するまでの作業(製品等を秤量及び調製する作業を含む。)を行う作業室は、これら以外の製造作業を行う作業室から区別されていること。
イ.最終の精製を経た中間製品を秤量する作業を行う作業室及び粉末等の固形製品のじんあいが発生する調製作業又は容器へ充填及び閉塞する作業を行う作業室には、必要に応じて、じんあい除去装置を備えていること。
ウ.最終の精製以後の製造工程において、異なる原薬(医薬部外品の製造の用に供されるもの)に係る製品の製造作業が同じ作業室で行われる場合には、当該製品の交叉汚染を防止する設備が求められる。
③ 上記②以外の作業所にあっては、原料の秤量作業、製品の調製作業、充填作業又は閉塞作業を行う作業室が、これら以外の製造作業を行う作業室と区別されていることが求められる。
(4) 第37条第4号関係
作業所のうち、原料の秤量作業、製品の調製作業、充填作業又は閉塞作業を行う作業室は、当該職員以外の者の通路とならないように造られていること(ただし、当該作業室の職員以外の者による製品への汚染のおそれがない場合を除く。)を要するものであること。
① 医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る製品の作業所にあっては、最終の精製以後の製造工程において、最終の精製を経た中間製品を容器へ充填及び閉塞するまでの作業を行う作業室に適用することを原則とするものであること。
② GMP省令第37条第4号ただし書による場合について、医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る製品の作業所にあっては、最終の精製以後の製造工程において、上記①の作業室の職員以外の者による製品へのおそれがない場合であって、構造設備等の有する機能により当該製品への汚染のおそれがないときに限られるものであること。
(5) 第37条第5号関係
医薬部外品に係る製品の製造に必要な質及び量の水(設備及び器具並びに容器の洗浄水、試験検査に用いる水を含む。)を他から購入等することにより、製造・品質管理業務に支障がない場合には、製造所において必ずしも当該水の供給設備を要しないものであること。
48.第38条(製造管理)関係
医薬部外品の製造業者等の製造所において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。
(1) 第38条第1号関係
製造指図書には、その製造工程(保管を含む。)に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。製造指図書を作成し、承認を行う業務については、製造部門の職員のうち、当該製造指図書による作業内容を熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。承認医薬部外品に係る製品を製造する場合において、製造指図書の内容が当該医薬部外品の承認事項と相違することのないよう管理することは、その製造管理に係る重要な業務のひとつであること。
① 製造指図書の作成及び承認の日付
② 製造指図書の作成及び承認の責任者(GMP省令第48条第1号の規定による承認を行った者)の氏名並びに配付先
③ 製造作業を行うべき日付及び(必要に応じて)時刻
④ 製品(中間製品を含む。)の名称及び性状又は剤形
⑤ 製造工程で使用する原料等の名称、GMP省令第39条第1項第5号の規定による品質部門からの文書による報告(原料等について試験検査の結果を判定した結果の報告)に基づくロット番号(ロットを構成しない原料については製造番号)及び管理単位番号の指定、使用数量、使用順序、取扱い上の注意事項等
⑥ 製造工程における製品(中間製品を含む。)のバッチサイズ、期待される収量(期待される収量を求めることが困難な場合には標準的な収量)及び収量の許容限度値
⑦ 製造工程における温度、時間その他の工程内管理値等の重要な工程パラメータ、作業所及び設備器具の清浄に関する指示事項及び注意事項等
⑧ その他製造作業に必要な事項(例えば、作業所内における原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の運搬及び一時保管の条件、製造作業の時間的間隔等)
(2) 第38条第2号関係
製品の製造作業は、製造指図書に基づく指示を受けて行うことを趣旨とするものであること。製造指図書に基づかない製造作業が故意に行われることのないよう厳重な手順を定めるとともに、製造指図書からの逸脱が判明したときはGMP省令第43条の逸脱として速やかに所定の対応を要するものであること。
(3) 第38条第3号関係
ロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に製造記録の作成及び保管を要するものであること。製造記録には、その製造工程等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
① 製造記録の作成年月日及び作成の責任者の氏名
② 製品(中間製品を含む。)の名称及びロット番号(ロットを構成しない製品については製造番号)
③ 製造指図書の写し又はその参照番号
④ 製造作業の期間(作業期間)、製造作業の開始、重要な中間段階及び完了の日時、製造作業に従事した職員及び作業主任の氏名又はイニシャル
⑤ 製造工程で使用した原料等の名称、ロット番号(ロットを構成しない原料については製造番号)及び管理単位番号、使用数量(実測値)
⑥ 製造工程を経た製品(中間製品を含む。)の出来高数量、期待される収量又は標準的な収量に対する収率
⑦ 工程内検査の結果及び工程内管理値に適合しない結果となった場合にとられた措置
⑧ 製造作業が製造指図書に従って行われた旨の確認及び確認を行った職員の氏名又はイニシャル
⑨ 製造作業において逸脱が生じた場合における、逸脱の内容及び製造部門においてとられた措置
⑩ その他製造工程で生じた事象、製造工程で用いた製造設備及び器具に関する記録等
(4) 第38条第4号関係
① 製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、それぞれ適正である旨を確認するとともに、当該確認の結果(GMP省令第40条の規定による出荷の可否の決定結果を含む。)に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
② 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)が適正である旨の確認は、GMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査の結果について同項第5号の規定による品質部門からの報告に基づくほか、法第59条並びに法第60条において準用する法第51条及び法第52条第2項の規定による事項が記載されている資材及び製品については、当該記載が適正である旨の確認も含むものであること。
③ 動物由来の原料を使用して医薬部外品に係る製品を製造する場合には、当該原料が生物由来原料基準の該当する規定に照らして適正である旨の確認も含むものであること。
(5) 第38条第5号関係
① 製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、それぞれ適正に保管し、出納を行うとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
② 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の適正な保管及び出納並びにそれらに関する記録については、その原料、資材及び製品に応じて、次に掲げる対応が求められる。
ア.製品等の保管についてはロットごと(ロットを構成しない製品等の保管については製造番号ごと)に、資材の保管については管理単位ごとに、それぞれ明確に標識、区分等がなされていること。
イ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)ごとに、品質部門におけるGMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査が行われる前後で標識、区分等がなされていること。なお、その試験検査の結果から使用又は出荷に不適とされた原料、資材及び製品(中間製品を含む。)についても同様に、標識、区分等して保管し、適切に処理することが求められる。
ウ.法第59条並びに法第60条において準用する法第51条及び法第52条第2項の規定による事項が記載されている資材の保管にあっては、品目別に区分されるとともに、それぞれの保管場所に当該資材の品目名又は品目記号の標識がなされていること。なお、当該記載事項に変更があった場合には、変更前の記載がなされている資材及び製品を区分して保管し、適切に処理することが求められる。
エ.製品等の保管に関して、その品質に影響のないよう適切な保管条件の下で行われていること。関係法令により保管条件が定められている場合には、当該保管条件によること。
オ.原料等の保管及び出納に関する記録には、原料についてはロットごと(ロットを構成しない原料については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに、入庫した日付及び数量、保管中にとられた措置、出庫した日付及び数量が記載されていること。
カ.製品(中間製品を含む。)の保管及び出納に関する記録には、各製品のロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に、入庫した日付及び数量、保管中にとられた措置、出庫した日付及び数量並びに当該製造所からの出荷先が記載されていること。
(6) 第38条第6号関係
製造工程(保管を含む。)に係る構造設備の清浄を確認するとともに、当該確認の結果に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(7) 第38条第7号関係
製造作業に従事する職員の衛生管理を行うとともに、当該衛生管理に関する記録の作成及び保管を要するものであること。当該衛生管理については、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる対応が求められる。
① 製造作業に従事する職員以外の者の作業所への立入りの制限
② 作業所における、入退時の更衣及び手洗い、防護具の着用等
③ 職員の健康状態の把握
④ 作業所における、所持品及び化粧の制限、飲食喫煙の禁止等
(8) 第38条第8号関係
① 製造工程(保管を含む。)に係る構造設備を定期的に点検整備するとともに、当該点検整備に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
② 製造工程(保管を含む。)に係る計器について、校正を適切に行う(当該製造業者等の責任の下、適切な認証機関等に依頼して行う場合を含む。)とともに、当該校正に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
(9) 第38条第9号関係
上記(3)から(8)までの記録により製造管理が適切に行われていることを確認し、当該確認の結果について品質部門への文書による報告を要するものであること。
① 製造部門からの当該文書による報告を踏まえ、品質部門においてGMP省令第39条第3項の規定による確認がなされるものであること。
② 製造管理が適切に行われていることを確認し、当該確認の結果の報告書を作成し、承認を行う業務については、製造部門の職員のうち、製造管理に関して熟知している職員を当該確認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(10) 第38条第10号関係
その他製造管理のために必要な業務としては、例えば、医薬品に係る製品と製造設備を共用する場合における、交叉汚染の防止に係る業務等が考えられるものであること。
49.第39条(品質管理)関係
医薬部外品の製造業者等の製造所において品質部門に行わせる品質管理に係る業務について規定するものであること。
(1) 品質部門の行う試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合を含む。)は、その製造所において取り扱う原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、医薬部外品製品標準書(承認事項、法第42条第2項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第36条の手順書に基づくものであること。輸入製品について、その外国製造業者の製造所における製造工程(保管を含む。)が適切に行われていることを確認するために試験検査を行うとしても、外国製造業者による製造管理及び品質管理を代替しうるものではない。
① 第39条第1項第1号関係
製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに試験検査を行うのに必要な検体を採取するとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.検体を採取する業務は、原則として品質部門の職員が行うものであること。ただし、GMP省令第38条第5号の規定により製造部門が保管している原料、資材及び製品(中間製品を含む。)から検体を採取する業務について、同令第32条第2項に規定する品質部門の独立性が保たれる限りにおいて、品質部門の監督指示の下、当該原料、資材及び製品の保管に従事する製造部門の職員に行わせることは差し支えないものであること。なお、採取された検体たる原料、資材及び製品についても、GMP省令第38条第5号の規定による出納の対象となるものであること。
イ.検体採取記録には、採取した検体に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。なお、下記②ア.の試験検査記録に検体の採取に関する事項が記載される場合には、検体採取記録を別途作成することを要しないものであること。
(ア) 検体採取記録の作成年月日及び作成の責任者の氏名
(イ) 検体の名称及び検体識別番号
(ウ) 上記(イ)の検体が採取された製品等のロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は資材の管理単位番号
(エ) 上記(イ)の検体の採取方法(採取に用いた器具、容器等)及び採取数量
(オ) 上記(イ)の検体を採取した場所及び日時並びに採取の責任者の氏名
② 第39条第1項第2号関係
採取した検体について、製品等についてはロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に、資材については管理単位ごとに試験検査を行う(外部試験検査機関に依頼して行う場合を含む。)とともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。
ア.試験検査記録には、その試験検査に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 試験検査記録の作成年月日及び作成の責任者の氏名
(イ) 試験検査を行った検体の名称及び検体識別番号
(ウ) 上記(イ)の検体の採取場所、性状又は剤形等
(エ) 上記(イ)の検体が採取された製品等のロット番号(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は資材の管理単位番号
(オ) 試験検査を依頼した文書の写し又はその参照番号
(カ) 試験検査の項目及び検体たる原料、資材又は製品の規格
(キ) 試験検査を行った日時、試験検査に用いた設備、器具、計器等及び試験検査に従事した職員の氏名又はイニシャル(外部試験検査機関の場合には、外部試験検査機関の名称及び担当者の氏名又はイニシャル)
(ク) 試験検査で得られた数値(その算出式を含む。)、観察された事象等
(ケ) GMP省令第39条第1項第5号の規定による判定の結果、判定を行った日付及び判定の責任者の氏名
イ.試験検査記録については、試験検査に係る業務の一部を外部試験検査機関に依頼して行う場合にあっても、試験検査を依頼した製造所の品質部門において作成することが求められる。
③ 第39条第1項第3号関係
最終製品(ロットを構成するものに限る。)の参考品の保管について規定するものであること。
ア.所定の試験検査とは、医薬部外品製品標準書(承認事項、法第42条第2項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第36条の手順書に基づく試験検査を指すものであること。参考品とする検体を採取する時点において、当該ロットについて必ずしもGMP省令第40条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。
イ.適切な保管条件については、原則としてその最終製品が市場に出荷された形態(出荷時の包装単位が大容量である等、保管上やむを得ない場合には、市場に出荷されたものと同等の機能の包装がなされた形態)で、通常の流通状態における保管条件も勘案することが求められる。また、混同するおそれがなく、好ましくない保存状態を避ける方法によるほか、当該参考品を試験検査に用いた履歴(試験検査に用いた日付、数量等を記録したもの)とともに保管する等、適切な保管が求められる。
ウ.参考品の保管期間については、その最終製品のロットが製造された日から当該製品(最終製品)の有効期間に1年を加算した期間とするものであること。
④ 第39条第1項第4号関係
試験検査に関する設備及び器具を定期的に点検整備するとともに、当該点検整備に関する記録の作成及び保管を要するものであること。また、試験検査に関する計器の校正を適切に行うとともに、当該校正に関する記録の作成及び保管を要するものであること。
⑤ 第39条第1項第5号関係
ア.上記②の試験検査(外部試験検査機関に依頼して行う場合のほか、GMP省令第39条第2項の規定により外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代える場合を含む。)の結果の判定を行い、当該判定の結果について、製造部門への文書による報告を要するものであること。
(ア) 品質部門からの当該文書による報告を踏まえ、製造部門においてGMP省令第38条第4号の確認がなされるものであること。
(イ) 試験検査の結果を判定し、当該判定の報告書を作成し、承認を行う業務については、品質部門の職員のうち、当該試験検査の規格及び品質保証に関して熟知している職員を当該判定の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(ウ) 同じ検体について行われた試験検査において複数回の測定等の一部がOOSとなった場合の判定に当たっては、当該データの適切な取扱いが求められる。
⑥ 第39条第1項第6号関係
その他品質管理のために必要な業務としては、行われる試験検査に応じて、例えば、試験検査用の試薬試液及び培地の管理、その記録の作成及び保管等が考えられるものであること。
(2) 輸入製品に係るGMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査(外観検査を除く。)に関して、輸入先国におけるGMP基準及び当該GMP基準に対する適合性の確認に関する手続が我が国のものと同等であると認められる場合に、製造業者の製造所の品質部門において、当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代えることができる取扱いについて規定するものであること。
① 医薬品に関して輸入先国におけるGMP基準及び当該GMP基準に対する適合性の確認に関する手続が我が国のものと同等であると認められる場合であって、当該輸入先国の外国製造業者の製造所において医薬品に係る製品として製造された輸入製品を医薬部外品に係る製品の製造の用に供するときは、当該輸入製品に係るGMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査(外観検査を除く。)に関して、製造業者の製造所の品質部門において、輸入先国の外国製造業者が行った試験検査(同令第11条第1項第4号に規定する試験検査)の記録を確認することをもって代えることは差し支えないものであること。
② 輸入製品に係るGMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査を、当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査(医薬品に係る製品として製造された輸入製品については同令第11条第1項第4号に規定する試験検査。以下同じ。)の記録を確認することをもって代えることができる場合にあっても、当該輸入製品の外観検査、同令第44条の品質情報等から品質に疑義が生じたときには、必要な試験検査を行うことが求められる。
③ 輸入先国の外国製造業者の製造所は、法第13条の3第1項の規定による認定を受けている必要があるものであること。承認医薬部外品に係る製品にあっては、当該外国製造業者の製造所を含めて、当該医薬部外品の承認事項になっていることが前提であること。
④ 輸入先国の外国製造業者が行う試験検査に関して、外部試験検査機関で行われる試験検査も含まれうるが、承認医薬部外品に係る製品にあっては、当該外部試験検査機関も含めて、当該医薬部外品の承認事項になっていることが前提であること。
⑤ 製造業者が、輸入製品に係るGMP省令第39条第1項第2号に規定する試験検査を当該輸入製品について輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録を確認することをもって代える場合において、品質部門に行わせる業務については次に掲げるとおりであること。
ア.第39条第2項第1号関係
当該輸入製品が当該外国製造業者の製造所において適切な製造手順等により製造されていることに関して、定期的な確認を要するものであること。当該輸入製品に係る製造販売業者との取決めに基づき、当該製造販売業者がGQP省令第20条において準用する同令第10条第1項第1号の規定により定期的に確認した結果を共有することは差し支えないものであること。
イ.第39条第2項第2号関係
当該外国製造業者の製造所が輸入先国におけるGMP基準に適合していることに関して、輸入先国の所管当局が発給した当該適合を証する文書(GMP証明書若しくは製剤証明書)又はその写しを定期的に(当該証明書に有効期間が定められている場合には当該有効期間ごとに)入手し、確認することは差し支えないものであること。
ウ.第39条第2項第3号関係
品質部門において、上記ア.及びイ.の確認の記録の作成及び保管を要するものであること。
エ.第39条第2項第4号関係
(ア) 輸入先国の外国製造業者が行った試験検査の記録は、次に掲げる事項について記載され、当該外国製造業者の製造所の品質部門において作成されたものであること。
((ア)) 試験検査が行われた製品の名称
((イ)) 製品のロット番号(ロットを構成しない製品については製造番号)
((ウ)) 試験検査が行われた項目及び日付並びに試験検査の結果
((エ)) 試験検査の結果の判定内容、判定の日付及び判定者の氏名
(イ) 品質部門において、上記(ア)の記録から当該輸入製品に係る試験検査が適正である旨を確認するとともに、その確認の記録の作成及び保管を要するものであること。
(3) 品質部門において、GMP省令第38条第9号の規定により製造部門から文書により報告された製造管理に係る確認の結果について、ロットごと(ロットを構成しない製品等については製造番号ごと)に確認を要するものであること。
50.第40条(製造所からの出荷の管理)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等の製造所において品質部門に行わせる製造所からの出荷の管理に係る業務について規定するものであること。
製造管理及び品質管理の結果の評価並びに製品の製造所からの出荷の可否の決定に関しては、当該可否の決定に係る製品について、GMP省令第38条第9号の規定による製造部門からの文書による報告、同令第39条第1項第5号の規定による判定の結果、同条第3項の規定による確認等を踏まえて、その製造所における製造・品質管理業務の状況をロットごと(ロットを構成しない製品については製造番号ごと)に把握した上で、当該評価及び決定がなされるものであること。
(2) 上記(1)の業務(製造所からの出荷の管理に係る業務)を行う者については、品質部門の職員のうち、その製造所における製造・品質管理業務の種類及び内容、当該職員の実務経験並びにGMP省令第47条及び第53条の規定による教育訓練の経歴等に鑑みて、当該業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者を選任し、その職責及び権限を含め、同令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(3) 製造業者等は、上記(1)の業務(製造所からの出荷の管理に係る業務)を行う者が当該業務を行うに当たって、支障を生じないようにしなければならないものであること。
(4) 上記(1)の決定(製品の製造所からの出荷の可否の決定)が適正に行われるまで、製造所から製品を出荷してはならないものであること。
品質部門において製品の試験検査の結果の判定(GMP省令第39条第1項第5号の規定による判定)が適切に行われ、出荷の可否の決定がなされた上で、製品を出庫することが原則であるが、その製造業者等の他の医薬部外品包装等区分製造所又は保管のみを行う製造所における保管のため製品を搬送する場合には、GMP省令第39条第1項第5号の規定による判定が行われる前に製品を出庫することは差し支えないものであること。この場合、その医薬部外品包装等区分製造所又は保管のみを行う製造所からの出荷の可否の決定に際して、当該2製造所における製造管理及び品質管理が適切に行われたかどうかについて包括して評価することを要するものであること。また、そうした出荷の可否の決定に関する手順について、GMP省令第36条の手順書に適切に定めておくことが求められる。
51.第41条(バリデーション)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるバリデーションに係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、バリデーションの対象となる構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該バリデーションの責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第41条第1項第1号関係
バリデーションを行うに当たっては、本通知の第4の2.のバリデーション指針又はこれと同等以上の海外のガイドラインを参照することが求められる。なお、その製造所においてバリデーションの対象となる構造設備、手順、工程等を医薬品に係る製品と共用する場合であって、当該構造設備、手順、工程についてGMP省令第13条第1項第1号の規定によるバリデーションが行われているときは、同令第42条第1項第1号の規定によるバリデーションが行われたものとみなして差し支えないものであること。
ア.第41条第1項第1号イ関係
「当該製造所において新たに医薬部外品の製造を開始する場合」とは、医薬部外品に係る製品について、その製造所において新たに製造を開始(新たな製造品目を導入)する場合を指すものであること。承認医薬部外品に係る製品にあっては、その製造所も含めて、当該医薬部外品の承認事項になることが前提であり、承認事項の一部変更承認において製造所が追加又は変更される場合を含むものであること。
イ.第41条第1項第1号ロ関係
「製造手順等について製品品質に大きな影響を及ぼす変更がある場合」とは、製造所の構造設備、手順、工程等について変更を行う場合であって、その変更が製品品質に大きな影響を及ぼすと考えられるときを指すものであること。製品品質に大きな影響を及ぼすかどうかについては、製造業者等において判断されるべきものであるが、製造手順等の変更はGMP省令第42条の規定による適切な管理を要するものであり、また、承認医薬部外品に係る製品にあっては当該承認事項の一部変更承認を要する可能性があるものであること。
ウ.第41条第1項第1号ハ関係
「その他製品の製造管理及び品質管理を適切に行うために必要と認められる場合」としては、無菌性保証に係る重要工程の定期的なバリデーションが含まれるほか、例えば、製品の試験検査においてOOSが発生又はそのおそれがある場合等が考えられるものであること。
② 第41条第1項第2号関係
バリデーションの計画及び結果について、品質部門への文書による報告を要するものであること。
(2) 上記(1)のバリデーションの結果から、その製造所における製品の製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、製造業者等は、所要の措置(製造手順等の変更等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
52.第42条(変更の管理)関係
医薬部外品の製造業者等の製造所において構造設備、手順、工程等について変更を行おうとする場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、変更の対象となる構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該変更の管理の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(1) 第42条第1号関係
当該変更による製品品質への影響を評価した上で、製品品質に影響を及ぼす場合又はそのおそれがある場合には、当該変更を行うことについて品質部門の承認を受けるとともに、その記録の作成及び保管を要するものであること。なお、製品品質に大きな影響を及ぼす変更については、GMP省令第41条第1項第1号ロの規定により、バリデーションを行うことを要するものであること。
(2) 第42条第2号関係
① 品質部門の承認を受けて変更を行うに際して、当該変更が反映されるべき全ての関連文書(医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書のほか、製造指図書等を含む。)が確実に改訂され、関連する職員への教育訓練等を通じて当該変更の内容が徹底されることを確保することを趣旨とするものであること。なお、それら文書の改訂についても、GMP省令第48条の規定による適切な管理を要するものであること。
② その他所要の措置として、GQP省令第20条において準用する同令第7条第5号の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に基づく、当該製造販売業者への事前の連絡が含まれるものであること。
53.第43条(逸脱の管理)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等の製造所において構造設備、手順、工程等からの逸脱が生じた場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、逸脱が生じた場合における業務を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第43条第1項第1号関係
医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書に定められている事項に限らず、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法に期待される状態が保たれていない場合には逸脱として、その内容の記録を要するものであること。
② 第43条第1項第2号関係
重大な逸脱が生じた場合における業務について規定するものであること。重大な逸脱であるかどうかについては、製造業者等において判断されるべきものであるが、例えば、当該逸脱により承認事項に従っていない又は品質不良のおそれがある場合は重大な逸脱と考えうるものであること。
ア.逸脱による製品品質への影響を評価し、所要の措置(承認事項に従っていない又は品質不良のおそれがある場合における、当該逸脱に関連する製品に係る製造販売業者への速やかな連絡等)を要するものであること。なお、当該製造販売業者への連絡については、GQP省令第20条において準用する同令第7条第6号の規定により当該製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に照らして適切なものであることが求められる。
イ.上記ア.の評価の結果及び措置について、記録の作成及び保管を要するものであること。また、品質部門への文書による報告を要するものであること。
ウ.上記イ.の文書による報告について、品質部門における確認を要するものであること。
なお、重大な逸脱と判断しなかった場合にあっても、その後に製品品質に大きな影響が生じる可能性を考慮した対応(例えば、出荷した最終製品について、参考品の継続的な品質確認等)が望ましいものであること。
(2) 品質部門において、上記(1)②ウ.の確認に関する記録の作成及び保管並びに責任技術者への文書による適切な報告を要するものであること。
① 品質部門からの当該報告書を踏まえ、責任技術者によりGMP省令第33条第1項第1号及び第2号の業務が行われるものであること。
② 当該報告書を作成し、承認を行う業務については、品質部門の職員のうち、逸脱の管理に関して熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
54.第44条(品質情報及び品質不良等の処理)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等が製品に係る品質情報を得た場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。当該製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除いて、当該製造所から出荷した製品に係る品質情報全て(製品の製造に使用した原料等の品質に関する情報を含む。)に適用するものであること。あらかじめ指定した者については、製品に係る品質情報を得たときの業務を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
① 第44条第1項第1号関係
当該品質情報に係る事項の原因を究明し、製造・品質管理業務に関し改善が必要な場合には、所要の措置(GMP省令第36条の手順書のうち、当該製造・品質管理業務に関する手順の改訂等)を要するものであること。
② 第44条第1項第2号関係
当該品質情報の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した記録の作成及び保管を要するものであること。また、品質部門への文書による報告を要するものであること。
ア.製品に係る品質情報の内容の記録には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 製品に係る品質情報を最初に得た日付(第一報の入手日)及び関連する追加の品質情報を得た日付
(イ) 上記(ア)の品質情報を提供した者の名称又は氏名及び所在地又は住所並びに提供した経緯
(ウ) 上記(ア)の品質情報に係る事項の発生又は判明した日付及び場所並びに製品品質に好ましくない影響を及ぼす又はそのおそれのある事象の詳細(関連する場所、物品等の画像を含む。)
(エ) 上記(ア)の品質情報に関連する原料、資材及び製品の名称及びロット番号(ロットを構成しない原料等については製造番号)又は管理単位番号
(関連するロット、製造番号又は管理単位の範囲が直ちに特定されなかった場合には、当該範囲が特定された日付を付記する。)
イ.原因究明の結果の記録には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 品質情報に関連する製品について、製造所からの出荷後の状況(関連する製品ロットの出荷先、他の製造所において製造の用に供される製品にあってはその使用状況、最終製品にあっては市場流通の状況、有効期間又はリテスト日までの期間等)に関して調査した結果
(イ) 品質情報に関連する製品について、参考品の試験検査を行った結果
(ウ) 品質情報に関連する原料、資材及び製品のロット(ロットを構成しない製品等については製造番号)又は管理単位に係る試験検査記録を照査した結果
(エ) 品質情報に関連する製品のロット(ロットを構成しない製品については製造番号)に係る製造、保管及び出納に関する記録を照査した結果
(オ) 製造所の構造設備及び職員の衛生管理に関する記録を照査した結果
(カ) 上記(ア)から(オ)までの調査及び照査等の結果から特定された原因
ウ.改善措置の記録については、当該措置の進捗スケジュールに沿って漸次に作成し、その時点での改善措置の状況について速やかに品質部門への文書による報告が求められる。
③ 第44条第1項第3号関係
上記②の報告により、品質部門の確認を要するものであること。
(2) 上記(1)③の確認により品質不良又はそのおそれが判明した場合には、当該事項について、品質部門から責任技術者への文書による報告を要するものであること。
① 品質部門からの当該報告書を踏まえ、責任技術者によりGMP省令第33条第1項第2号の業務が行われるものであること。
② 当該報告書を作成し、承認を行う業務については、品質部門の職員のうち、品質不良等の処理に関して熟知している職員を作成及び承認の責任者に選任し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
③ 上記①及び②のほか、GQP省令第20条において準用する同令第7条第6号の規定により当該製品に係る製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項に基づいて、当該製造販売業者への速やかな連絡が求められる。
55.第45条(回収処理)関係
医薬部外品の製造業者等の製造所において回収製品を保管する場合にあらかじめ指定した者に行わせる業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、回収製品の内容等に応じて、その処理に関して熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(1) 第45条第1項関係
回収製品を区分して一定期間保管した上で、適切な処理を要するものであること。なお、当該回収製品がその製造所に起因するものであるか否かによらず、回収製品を保管する場合に適用されるものであること。
① 回収製品を保管する期間として、その処理が決定されるまでの期間、その製造所に起因する品質不良について原因が究明されるまでの期間等が考えられるものであること。
② 市場に出荷された最終製品たる医薬部外品の回収については、当該医薬部外品の製造販売業者がGQP省令第20条において準用する同令第12条の規定に従って行うものであり、市場から回収された最終製品を保管する場合には、当該製造販売業者との連携が求められる。
(2) 第45条第2項関係
当該回収に至った理由がその製造所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、回収製品について、その内容を記載した保管及び処理の記録の作成及び保管、並びに品質部門及び責任技術者への文書による報告を要するものであること。
① 回収製品の保管及び処理の記録には、その回収製品の内容等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
ア.回収製品の内容(名称、性状又は剤形、包装の形態及び単位、数量、ロット番号(ロットを構成しない回収製品については製造番号)等)
イ.回収製品に係る製造販売業者の名称、回収製品の保管及び処理に関する指示事項等
ウ.回収製品を保管した場所及び期間(始期及び終期の日付)、保管に従事した職員の氏名又はイニシャル等
エ.回収製品の処理の方法及び結果、処理に従事した職員の氏名又はイニシャル等
② 上記①の記録に基づく文書による報告を踏まえ、責任技術者によりGMP省令第33条第1項第1号の業務が行われるものであること。
56.第46条(自己点検)関係
(1) 医薬部外品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる自己点検に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、自己点検の対象となる業務の内容を熟知している職員を当該自己点検の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。また、自己点検の責任者は、当該自己点検の対象となる業務に従事していない、客観的な立場にあることが求められる。
① 第46条第1項第1号関係
製造・品質管理業務が適切かつ実効性をもって行われているかどうかを評価するため、その製造所における製造工程等に応じて、次に掲げる業務のうち該当するものについて定期的な自己点検を要するものであること。
ア.GMP省令第33条第1項各号の責任技術者の業務
イ.医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書の作成等に係る業務
ウ.GMP省令第37条及び第51条に規定する構造設備の保守、点検等に係る業務
エ.GMP省令第38条及び第52条に規定する製造管理に係る業務
オ.GMP省令第39条及び第49条に規定する品質管理に係る業務
カ.GMP省令第40条第1項に規定する製造所からの出荷の管理に係る業務
キ.GMP省令第41条第1項に規定するバリデーションに係る業務
ク.GMP省令第42条に規定する変更の管理に係る業務
ケ.GMP省令第43条に規定する逸脱の管理に係る業務
コ.GMP省令第44条に規定する品質情報及び品質不良等の処理に係る業務
サ.GMP省令第45条に規定する回収処理に係る業務
シ.GMP省令第47条及び第53条に規定する教育訓練に係る業務
ス.GMP省令第48条に規定する文書及び記録の管理及び同令第50条に規定する文書及び記録の保管に係る業務
② 第46条第1項第2号関係
自己点検の結果について、責任技術者への文書による報告(自己点検報告書)を要するものであること。
ア.自己点検報告書には、その自己点検の内容等に応じて、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
(ア) 自己点検報告書の作成及び承認の日付並びに作成及び承認の責任者の氏名
(イ) 自己点検の対象となった業務、当該業務に係る自己点検の対象期間(例えば、前回の自己点検から今回の自己点検までの期間について始期及び終期の日付)、その期間に当該業務に従事した職員の氏名又はイニシャル等
(ウ) 自己点検に係る作業に費やされた期間(自己点検の始期及び終期の日付)、当該作業を担当した職員の氏名又はイニシャル等
(エ) 自己点検によって検知された不適合その他の望ましくない状態の有無及び詳細(その原因となった又はなり得る状況の特定を含む。)並びに提案される改善
イ.上記ア.の自己点検報告書を踏まえ、責任技術者によりGMP省令第33条第1項第1号の業務が行われるものであること。
③ 第46条第1項第3号関係
自己点検の結果について、記録の作成及び保管を要するものであること。なお、上記②ア.の自己点検報告書が自己点検の結果の記録を兼ねる場合には、別途作成することを要しないものであること。
(2) 上記(1)①の自己点検の結果から製造・品質関連業務に関して改善が必要な場合には、製造業者等は、所要の措置(GMP省令第34条第1項に規定する責任者の適切な配置、同条第3項に規定する人員の十分な確保、同条第4項に規定する管理体制の整備、同令第47条及び第53条に規定する教育訓練等)をとるとともに、当該措置の記録の作成及び保管を要するものであること。
57.第47条(教育訓練)関係
医薬部外品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせる製造管理及び品質管理に関する教育訓練に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、教育訓練を実施する内容を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(1) 第47条第1号関係
① 教育訓練を受ける職員は、製造・品質管理業務に従事し、製品品質に影響を及ぼしうる職員(作業所、設備、器具等の清掃、保守、滅菌、点検整備等の業務に従事する職員を含む。)であること。
② 製造管理及び品質管理に関する必要な教育訓練は、当該職員の従事する業務の種類、内容等に応じて、必要な知識の教育並びに技能及び技術の実技訓練からなるものであり、次に掲げる内容を含むものであること。
ア.GMP概論(関係法令を含む。)
イ.衛生管理概論
ウ.その製造所における管理体制
エ.各職員の実務に関する教育訓練(技能及び技術の実技訓練を含む。)
③ 計画的に実施するとは、教育訓練の責任者が定めた教育訓練プログラムに基づいて実施する趣旨であること。
(2) 第47条第2号関係
教育訓練の実施状況について、責任技術者への文書による報告(教育訓練報告書)を要するものであること。
① 教育訓練報告書には、次に掲げる事項について記載するものであること。
ア.教育訓練報告書の作成及び承認の日付並びに作成及び承認の責任者の氏名
イ.教育訓練を実施した日付又は期間(始期及び終期の日付)
ウ.実施した教育訓練の内容
エ.教育訓練を受けた職員の氏名、所属等
オ.教育訓練の責任者の氏名、所属等
② 上記①の教育訓練報告書を踏まえ、責任技術者によりGMP省令第33条第1号の業務が行われるものであること。
(3) 第47条第3号関係
教育訓練の実施の記録の作成及び保管を要するものであること。なお、上記(2)①の教育訓練報告書が教育訓練の実施の記録を兼ねる場合には、別途作成することを要しないものであること。
58.第48条(文書及び記録の管理)関係
医薬部外品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるGMP省令第3章に規定する文書及び記録の管理に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、管理の対象となる文書又は記録の内容、取扱い、管理の方法、保管の期間等に関して熟知している職員を当該文書又は記録の管理の責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(1) 第48条第1号関係
GMP省令第3章に規定する文書を作成し、又は改訂する場合には、承認、配付、保管等を要するものであること。当該文書の承認を行う者については、その内容が適正であることに関して責任を有する者を特定し、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(2) 第48条第2号関係
医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書を作成し、又は改訂するときは、その作成又は改訂の日付を記載するとともに、それ以前の改訂に係る履歴(作成及び改訂の趣旨及び経緯、承認を行った者の氏名等を記録したもの)の保管を要するものであること。当該履歴については、その文書中に作成及び改訂の日付と併せて記載しておくことで差し支えないものであること。
(3) 第48条第3号関係
GMP省令第3章に規定する文書及び記録の保管期間について規定するものであること。
① 医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書については、使用しなくなった日から5年間
② 上記ア.以外の文書及び記録については、作成の日から5年間
の保管を要するものであること。ただし、当該文書及び記録に係る製品の有効期間に1年を加算した期間が5年より長い場合には、教育訓練に係る記録(GMP省令第47条第2号の規定による教育訓練報告書及び同条第3号の規定による記録)を除き、当該製品の有効期間に1年を加算した期間の保管を要するものであること。
≪第2節 医薬部外品の製造の用に供される原薬の製造管理及び品質管理(第49条・第50条)≫
医薬部外品の製造の用に供される原薬(GMP省令が適用される医薬部外品の有効成分を指す。以下同じ。)に係る製品を、医薬部外品の製造業者等の製造所で製造する場合における追加的な要求事項を規定するものであること。医薬品の製造業者等の製造する原薬たる医薬品が医薬部外品の製造の用に供される場合には、当該原薬たる医薬品の製造管理及び品質管理についてはGMP省令第2章の規定によるものであること。
59.第49条(品質管理)関係
医薬部外品の製造の用に供される原薬の製造所(医薬部外品の製造業者等の製造所)において品質部門に行わせる当該製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)の参考品の保管について規定するものであること。
(1) 所定の試験検査とは、医薬部外品製品標準書(承認事項、法第42条第2項の規定により定められた基準その他薬事に関する法令又はこれに基づく命令若しくは処分のうち試験検査に関する事項を含む。)及びGMP省令第36条の手順書に基づく試験検査を指すものであること。参考品とする検体を採取する時点において、当該ロットについて必ずしもGMP省令第40条第1項の規定による出荷判定が完了していることを要しないものであること。
(2) 医薬部外品の製造の用に供される原薬の参考品の適切な保管条件については、原則として当該製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)が出荷された形態と同等の機能の包装がなされた形態で、通常の輸送状態における保管条件も勘案することが求められる。また、保管期間については、それぞれ製造された日から、次に掲げるとおりとするものであること。
① 有効期間に代えてリテスト日が設定されている製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)にあっては、その製造所からの出荷が完了した日以後3年間
② 上記①以外の製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)にあっては、当該製品の有効期間に1年を加算した期間
60.第50条(文書及び記録の保管)関係
(1) 医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る製品を製造する場合におけるGMP省令第3章に規定する文書及び記録に関して、同令第48条第3号の規定にかかわらず、当該製品に係る文書及び記録の保管期間を規定するものであること。
(2) 上記(1)の文書及び記録の保管期間については、それぞれ作成の日(医薬部外品製品標準書及びGMP省令第36条の手順書については使用しなくなった日)から、次に掲げるとおりとするものであること。
① 医薬部外品の製造の用に供される原薬に係る製品の製造管理及び品質管理に関する教育訓練に係る記録(GMP省令第47条第2号の規定による教育訓練報告書及び同条第3号の規定による記録)にあっては、5年間
② ロットを構成する製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)のうち有効期間に代えてリテスト日が設定されているものに係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、当該ロットの製造所からの出荷が完了した日以後3年間
③ 上記②以外の製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)に係る文書及び記録(上記①の記録を除く。)にあっては、当該製品(医薬部外品の製造の用に供される原薬)の有効期間に1年を加算した期間
≪第3節 無菌医薬部外品の製造管理及び品質管理(第51条―第53条)≫
施行規則第25条第2項第1号又は第35条第2項第1号の区分の製造所(以下「無菌医薬部外品区分製造所」という。)における追加的な要求事項を規定するものであること。無菌医薬部外品(無菌化された医薬部外品)には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第二項第三号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬部外品(平成21年厚生労働省告示第25号)第8号のコンタクトレンズ装着液のほか、承認事項に無菌性の規格が設定されている医薬部外品を含むものであること。
61.第51条(無菌医薬部外品の製造所の構造設備)関係
(1) 無菌医薬部外品区分製造所の構造設備に関して、その製造所における製造工程等に応じて要否を判断する事項を規定するものであり、それらに鑑みて製造所の構造設備が適合しているかどうかを判断するものであること。
(2) 無菌医薬部外品区分製造所の構造設備については、GMP省令第51条のほか、同令第37条も適用されるものであること。
① 第51条第1号関係
無菌医薬部外品に係る製品の作業所のうち、作業室又は作業管理区域について、当該製品の種類、剤形及び製造工程に応じ、清浄の程度を維持管理できる構造及び設備を要するものであること。
② 第51条第2号関係
洗浄後の容器の乾燥作業又は滅菌作業を行う作業室について、洗浄後の容器が汚染されるおそれがない場合を除き、専用であることを要するものであること。
③ 第51条第3号関係
作業室について、次に掲げる構造設備、装置等を要するものであること。
ア.洗浄後の容器の乾燥及び保管を適切に行うために必要な設備
イ.無菌医薬部外品に係る製品の種類に応じ、その製造に必要な滅菌装置
ウ.無菌操作を行う区域について、フィルターにより処理された清浄な空気を供し、かつ、適切な差圧管理を行うために必要な構造設備
④ 第51条第4号関係
無菌医薬部外品に係る製品たる薬剤の調製作業、充填作業、又は無菌医薬部外品に係る製品の滅菌のために行う調製作業以降の作業(表示及び包装作業を除く。)を行う作業室又は作業管理区域に関して規定するものであるが、当該製品に求められる無菌性保証の度合いを考慮し、弾力的に適用するものであること。
ア.検証された製造手順等により無菌医薬部外品に係る製品が汚染されるおそれがない場合には、非無菌医薬部外品の作業所との区別は必ずしも要しないものであること。
イ.調製作業を行う作業室及び充填作業又は閉塞作業を行う作業室について、当該作業を閉鎖式操作(いわゆるクローズドシステム)の設備により連続して行う場合には、必ずしも作業室が専用であることを要さず、各作業を同一の作業室において行うことは差し支えないものであること。また、充填作業又は閉塞作業が閉鎖式操作(いわゆるクローズドシステム)の設備により行われる場合には、必ずしも作業室が専用であることを要さず、各作業を調製作業と同一の作業室において行うことは差し支えないものであること。
ウ.上記イ.の作業を行う職員の専用の更衣室を要するものであること。
⑤ 第51条第5号関係
無菌医薬部外品に係る製品の製造に必要な蒸留水等(設備及び器具並びに容器の洗浄、試験検査に用いるものを含む。)を供給する設備について、当該蒸留水等(蒸留水のほか、精製水等を含む。)の異物又は微生物による汚染を防止する構造を要するものであること。異物又は微生物による汚染を防止する構造としては、例えば、給水パイプ等の材質、形状、適切な傾斜構造、高温度の循環装置等が考えられるものであること。
62.第52条(製造管理)関係
(1) 無菌医薬部外品区分製造所において製造部門に行わせる製造管理に係る業務について規定するものであること。
(2) 無菌医薬部外品に係る製品の製造管理については、その製造所における製造工程等に応じて、GMP省令第52条各号の業務のほか、同令第38条各号の業務も適切に行わせる必要があるものであること。
① 第52条第1号関係
作業区域について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程及び当該区域で行う作業内容等に応じて、清浄の程度等作業環境の管理の程度の適切な設定及び管理を要するものであること。
② 第52条第2号関係
原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程等に応じて、微生物等の数等必要な管理項目の適切な設定及び管理を要するものであること。
③ 第52条第3号関係
原料、資材及び製品(中間製品を含む。)について、製造工程(保管を含む。)における微生物等による汚染等を防止するため必要な措置をとらなければならないものであること。
④ 第52条第4号関係
製品の無菌性保証に重要な工程等について、製造する製品の種類、剤形、特性、製造工程等に応じて、必要な管理値の適切な設定及び管理を要するものであること。
⑤ 第52条第5号関係
製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)について、その用途に応じて、微生物学的項目及び物理学的項目に係る管理値の設定及び管理を要するものであること。
⑥ 第52条第6号関係
無菌医薬部外品に係る製品の作業所における職員の衛生管理について規定するものであること。
ア.製造作業に従事する職員以外の者について、作業所への立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
イ.現に作業が行われている清浄区域又は無菌区域への職員の立入りをできる限り制限する衛生管理を要するものであること。
⑦ 第52条第7号関係
清浄区域又は無菌区域で作業する職員の衛生管理について規定するものであること。
ア.当該職員の清浄区域又は無菌区域への立入りに際して、当該区域の管理の程度に応じて、適切な更衣等を要するものであること。
イ.原料、資材及び製品(中間製品を含む。)を微生物等により汚染するおそれのある健康状態にある職員には、その旨を申告させる衛生管理を要するものであること。
63.第53条(教育訓練)
(1) 無菌医薬部外品区分製造所においてあらかじめ指定した者に行わせる無菌医薬部外品に係る製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練に係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、教育訓練を実施する内容を熟知している職員を責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第34条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。
(2) 無菌医薬部外品に係る製品の製造作業及び試験検査のための教育訓練については、GMP省令第53条各号の業務のほか、同令第47条各号の業務も行わせる必要があるものであること。
① 第53条第1号関係
製造又は試験検査に従事する職員に対して、無菌医薬部外品に係る製品の製造に必要な衛生管理、微生物学その他必要な教育訓練の実施を要するものであること。
② 第53条第2号関係
清浄区域又は無菌区域等で作業に従事する職員に対して、微生物等による汚染の防止に必要な措置に関する教育訓練の実施を要するものであること。
64.改正省令附則第1条(施行期日)関係
改正省令により改正されたGMP省令は、令和3年8月1日から施行するものであること。
65.改正省令附則第2条(厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部改正)関係
(1) 厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号。以下「e文書省令」という。)の規定に基づき、製造業者等は、GMP省令に規定する文書(書面)の作成及び保管、並びにGMP省令に規定する文書(書面)による報告、指示及び配付について、電磁的記録による保存、作成、報告等を行うことができるものであること。
(2) GMP省令に規定する記録については、書面による旨を特段定めておらず、電磁的記録により作成し、保管することは差し支えないものであること。なお、その場合、電子媒体等に保管された記録について、書面への印字やディスプレイ装置への表示を行うための設備及び方法の整備が求められる。
(3) 上記(1)の文書(書面)の作成及び保管、並びに文書(書面)による報告及び配付に関してe文書省令の規定によるほか、上記(2)の記録の作成及び保管に関しても、「医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン」(平成22年10月21日付け薬食監麻発1021第11号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知別添)に示す適正管理が求められる。また、「医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドラインに関する質疑応答集(Q&A)」(平成22年10月21日付け厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課事務連絡別紙)、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス11その他これらと同等以上の海外のガイドラインが参考になるものであること。
66.その他
GMP省令の一部改正に伴って、同令を引用する次の2告示について所要の改正がなされるものであること。
(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第八十条第二項第三号ロ及びニの規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品(平成7年厚生省告示第4号)
(2) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第八十条第二項第七号ホの規定に基づき厚生労働大臣の指定する製造管理又は品質管理に特別の注意を要する医薬品(平成16年厚生労働省告示第441号)
第4 バリデーション指針
1.GMP省令第13条又は第41条に規定するバリデーションを行うに当たっては、当該医薬品又は医薬部外品の製品品質への影響を考慮し、下記2.のバリデーション指針又はこれと同等以上の海外のガイドラインを参照することが求められる。
2.バリデーション指針
(1) バリデーションの目的等
バリデーションとは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される効果を与えることを検証し、これを文書とすることをいい(GMP省令第2条第13項参照。)、当該構造設備、手順、工程等が適切であり、求められる品質の製品が恒常的に得られる旨を実証することを目的として行うものであること。
医薬品の製造業者等にあっては、本通知の第3の11.の(1)⑨のア.からキ.までの事項及び手順をあらかじめ文書としたもの(以下「バリデーションマスタープラン」という。)に基づいて、GMP省令第13条に規定するバリデーションを行うに当たり、当該医薬品のライフサイクルにわたって集積された知見(当該医薬品に係る製品の工程デザイン、商業生産時の日常的な工程確認、GMP省令第3条の4第1項の規定による品質リスクマネジメント及び同令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査の結果から得られたものを含む。)の活用が求められる。また、当該医薬品に係る製品開発又は生産技術の確立がその製造所以外で行われている場合には、GQP省令第10条第5項の規定により医薬品の製造販売業者から製造業者等に適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の実施に必要な品質に関する情報が提供される等、関連する知見及び技術の移転が必要となるものであること。
(2) バリデーションにより検証する事項
GMP省令第13条第1項第1号及び第41条第1項第1号の各場合において、基本的に次に掲げる事項のうち該当するものについて、それが期待される効果を与える旨を検証することが求められる。このほか、期待される効果を与える旨を検証する事項については、工業化研究の結果、既存の類似製品の製造実績等に基づく製品品質への影響、製品の種類、品質特性等を考慮して、バリデーションマスタープランにおいて製造業者等が自ら特定するものであること。
① 製造設備、作業所の環境制御設備、無菌操作のための閉鎖式操作設備等の設備
② 製造用水(製造設備及び器具並びに容器の洗浄水を含む。)を供給する装置又はシステム、作業所の空調処理のための装置又はシステム等の製造を支援する装置又はシステム(計測器を含む。)
③ 製造工程(保管を含む。)
④ 製造設備の洗浄作業
⑤ 原料、資材及び製品(中間製品を含む。)の試験検査の方法(当該試験検査のための装置又はシステムを含む。)
(3) バリデーション計画書
GMP省令第13条第1項第2号及び第41条第1項第2号の規定によるバリデーションの計画に関する文書(以下「バリデーション計画書」という。)には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。医薬品の製造業者等の製造所におけるバリデーション計画書については、バリデーションマスタープランに基づいて作成することが求められる。また、関連する複数のバリデーションを体系的かつ円滑に行うことを目的として、それら全体を総括するプロジェクトをあらかじめ文書とすることが考慮されるものであること。
① バリデーション計画書の作成、改訂及び承認の日付
② バリデーション計画書の作成、改訂及び承認の責任者(GMP省令第20条第1項第1号又は第48条第1号の規定による承認を行った者)の氏名並びに配付先
③ バリデーションの責任者(GMP省令第13条第1項又は第41条第1項のあらかじめ指定した者を指す。以下同じ。)その他関係する職員及び組織の業務等に関する事項
④ バリデーションを行う期間(始期及び終期の日付)
⑤ バリデーションにより検証しようとする事項(設備、装置又はシステム、製造工程、洗浄作業、試験検査の方法等)の概要(その期待される効果等)及びその検証方法(検証のため収集するデータ、そのデータの評価方法及び基準等)
⑥ その他必要な事項
(4) バリデーションの責任者の業務
バリデーションの責任者の行う業務には、次に掲げる業務のうち該当するものを含むものであること。
① バリデーション計画書の作成、改訂等について管理監督する。
② バリデーション計画書に基づきバリデーションが適切に行われるよう管理監督し、関係する職員に必要な指示を行う。バリデーションにおいて収集したデータの適切な記録及び保管について管理監督し、関係する職員に必要な指示を行う。
③ バリデーション計画書からの逸脱が生じた場合において、その逸脱の内容等の記録、検証結果に及ぼす影響の考察及び評価等について管理監督し、関係する職員に必要な指示を行う。
④ GMP省令第13条第1項第2号又は第41条第1項第2号の規定によるバリデーションの結果に関する文書(以下「バリデーション報告書」という。)の作成等について管理監督し、関係する職員に必要な指示を行う。
⑤ 医薬品の製造業者等の製造所においては品質保証に係る業務を担当する組織に対して、医薬部外品の製造業者等の製造所においては品質部門に対して、バリデーション報告書により報告する。
(5) バリデーションの種類等
バリデーションは、GMP省令第13条第1項第1号及び第41条第1項第1号の各場合に応じて、次に掲げる種類に大別される。
① 適格性評価(Qualification)
新たに据え付け又は変更する設備、装置又はシステムについて、個別に又は適宜組み合わせて適格性を評価し、文書とする。通常、以下のア.からエ.までの適格性評価を順次段階的に行っていくことが基本となる。イ.以降の適格性評価では、適切に校正を行った計測器を用いることが求められる。
ア.設計時適格性評価(Design Qualification:DQ)
新たに据え付け又は変更しようとする設備、装置又はシステムの設計が目的とする用途に適しているかどうかを確認し、文書とする。
イ.据付時適格性評価(Installation Qualification:IQ)
新たに据え付け又は変更した設備、装置又はシステムが、適格性が確認された設計、製造業者等の要求に見合う旨を確認し、文書とする。
ウ.運転時適格性評価(Operational Qualification:OQ)
新たに据え付け又は変更した設備、装置又はシステムが予期した運転範囲で意図するように作動する旨を確認し、文書とする。
エ.性能適格性評価(Performance Qualification:PQ)
新たに据え付け又は変更した設備、装置又はシステムが良好な再現性を保って効果的に機能する旨を確認し、文書とすることにより、医薬品に係る製品にあっては医薬品製品標準書に、医薬部外品に係る製品にあっては医薬部外品製品標準書に定められている製造方法、規格及び試験検査の方法等に従って製品が製造されることを保証する。
② プロセスバリデーション(Process Validation:PV)
工業化研究の結果、既存の類似製品の製造実績等に基づく製品品質への影響要因(例えば、原料等の物性、操作条件等)を考慮して設定した許容条件の下で工程が稼働し、求められる品質の製品が恒常的に得られる妥当な工程である旨を検証し、文書とする。
PVには、予測的バリデーションとコンカレントバリデーションがある。
ア.予測的バリデーション
製品の商業生産を開始しようとするときに行うプロセスバリデーション。予測的バリデーションで製造した製品(本来は商業生産品でないもの)を製造所から出荷する場合には、そのバリデーションの結果から当該工程が妥当なものである旨が検証されていることに加えて、GMP省令に規定する要求事項等(承認医薬品及び承認医薬部外品に係る製品にあっては、その承認事項に従っていることを含む。)に適合している必要があるものであること。
イ.コンカレントバリデーション
製品の商業生産と並行して行う例外的なプロセスバリデーション。医療上重要な医薬品に係る製品について、限られた数のロットのみ製造する又は製造頻度が非常に少ない場合、既にバリデーションが行われている工程を改良する場合等に行う。
PVを行うに当たっては、次に掲げる点を考慮することが求められる。
(ア) PVを始める前までに、そのPVで用いる設備、装置又はシステムについて適切に適格性評価を済ませてあること。
(イ) PVを始める前までに、そのPVで用いる試験方法の妥当性について適切に評価を済ませてあること。
(ウ) PVは、原則として、商業生産スケールで製品3ロットを繰り返し製造した結果に基づく又はそれと同等以上の手法により行うものであること。
(エ) 通常、当該工程を経た製品について、その製造所からの出荷の可否を決定する前までに、PVが完了していること。
③ 洗浄バリデーション
製造設備の洗浄作業が、その製造設備で取り扱った製品等の成分残留、その洗浄作業に用いた洗浄剤等の除去について、期待される効果を与えることを検証し、文書とする。製品等の成分残留等の限度値については、その製造設備の材質、当該成分の薬理学的・毒性学的評価等の科学的な根拠に基づく設定が求められる。また、洗浄バリデーションで用いる試験方法については、当該成分残量等を適切に検出し又は定量することができる十分な感度及び特異性が求められる。
④ 再バリデーション
設備、装置若しくはシステム、製造工程、洗浄作業又は試験検査の方法が、据付時に検証され、管理された状態を維持している旨を再確認するため、定期的に適格性評価、プロセスバリデーション又は洗浄バリデーションを行う。
再バリデーションを行う必要性、時期(タイミング)及び項目については、その設備、装置若しくはシステム、製造工程、洗浄作業又は試験検査に係る製品の製造頻度のほか、医薬品に係る製品にあってはGMP省令第11条の2第1項第4号及び第21条の2第1項第4号の規定による安定性モニタリングの評価、同令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査等の結果を踏まえ、製造業者等が定めるものであること。なお、例えば、無菌性保証のための培地充填試験のように、製品品質に大きな影響を及ぼす設備、装置若しくはシステム、製造工程、洗浄作業又は試験検査の方法について検証する再バリデーションは、製品品質の照査等の結果によらず、定期的に行うことが求められる。
⑤ 変更時のバリデーション
設備、装置若しくはシステム、製造工程(使用する原料等を含む。)、洗浄作業(作業に用いる洗浄剤、器具等を含む。)又は試験検査の方法について、製品品質(繰返し製造時の再現性を含む。)に大きな影響を及ぼす変更がある場合(GMP省令第13条第1項第1号ロ及び第41条第1項第1号ロの場合)において、同令第14条又は第42条に規定する変更の管理の一環として、あらためて適格性評価、プロセスバリデーション又は洗浄バリデーションを行う。変更時のバリデーションを行う範囲については、その変更が製品品質に及ぼす影響の内容等を踏まえ、製造業者等が定めるものであり、例えば次に掲げる変更が考えられるが、これらの変更のみに限定されるものではない。
ア.製剤製造の場合
(ア) 湿式造粒⇔乾式造粒の変更
(イ) 撹拌造粒⇔流動層造粒の変更
(ウ) 徐放性製剤における機能性添加剤の変更
イ.原薬製造の場合
(ア) 合成経路の変更(出発物質、最終中間体以降の工程等の変更)
(イ) 圧縮ろ過器⇔遠心分離機の変更
(ウ) 不純物プロファイルに影響を及ぼす製造方法の変更
ウ.無菌医薬品及び無菌医薬部外品に係る製造の場合
無菌性保証に影響を及ぼす滅菌方法等の変更
(ア) 酸化エチレンガス滅菌、高圧蒸気滅菌、乾熱滅菌、放射線滅菌等の滅菌方法の変更
(イ) ろ過滅菌法から最終滅菌法の変更
(ウ) バイオバーデンに基づく最終滅菌法からオーバーキル法への変更
(エ) 粉末注射剤⇔凍結乾燥注射剤の変更
(オ) 無菌性保証に影響を及ぼす容器栓装置又はシステムの変更
(例えば、アンプル容器からバイアル容器(ゴム栓)への変更等。)
(6) バリデーション報告書
バリデーション報告書には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること。
① バリデーション報告書の作成及び承認の日付
② バリデーション報告書の作成及び承認の責任者(GMP省令第20条第1項第1号又は第48条第1号の規定による承認を行った者)の氏名
③ バリデーションの計画書の写し又はその参照番号
④ バリデーションを行った期間(始期及び終期の日付)
⑤ バリデーションを行って検証した事項(設備、装置又はシステム、製造工程、洗浄作業、試験検査の方法等)及び検証の結果
⑥ 製造管理及び品質管理に関する改善の要否、提案される改善等
⑦ その他必要な事項(GMP省令第13条第1項第2号の規定によるバリデーション報告書にあっては品質保証に係る業務を担当する組織に対して、同令第41条第1項第2号の規定によるバリデーション報告書にあっては品質部門に対して、報告した日付等)
(7) その他
医薬品のうち次に掲げるものに係る製品を製造する場合におけるバリデーションについて、必ずしも本バリデーション指針によらず、当該製品の品質リスクを特定し、評価した結果に基づく適切な方法によることは差し支えないものであること。
① あへん系麻薬を原料とする医薬品
② ロットを構成しない血液製剤
③ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十三条第一項の規定に基づき検定を要するものとして厚生労働大臣の指定する医薬品等(昭和38年厚生省告示第279号)により中間製品に検定基準が定められている医薬品