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○「第4次食育推進基本計画」に基づく健康づくりのための食育の推進について

(令和3年4月1日)

(健健発0401第3号)

(各都道府県・各市町村・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局健康課長通知)

(公印省略)

食育基本法(平成17年法律第63号)第16条第1項に基づく標記計画の決定に伴い、今般、「「第4次食育推進基本計画」の決定について」(令和3年4月1日付け医政発0401第11号・健発0401第16号・生食発0401第26号・子発0401第3号・老発0401第13号厚生労働省医政局長、健康局長、大臣官房生活衛生・食品安全審議官、子ども家庭局長、老健局長連名通知)が発出されたところであるが、健康づくりのための食育の推進の観点から、さらに下記の事項に特段の御配慮をお願いするとともに、その適切な運用に努められたい。

1 地方公共団体による食育推進計画の見直し等について

食育基本法第17条及び第18条において、都道府県及び市町村は、食育推進基本計画を基本として、食育推進計画の策定に努めることとされている。第4次食育推進基本計画の決定に伴う各都道府県・市町村における食育推進計画の見直しに当たっては、関係部局等との連携を十分に図るとともに、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成15年厚生労働省告示第195号)や都道府県及び市町村の健康増進計画の内容及び動向も踏まえ、地域の特性に応じた計画の見直しをお願いする。

また、各都道府県におかれては、管内の市町村の状況を踏まえ、すでに食育推進計画を策定している場合はその見直しを、食育推進計画を策定していない場合はその策定が促進されるよう積極的に働きかけを行い、技術的な支援にも努めていくなど、適切な支援をお願いする。

2 健康づくりのための食育の取組の推進について

(1) 健康寿命の延伸につながる食育の推進について

健康づくりや生活習慣病の発症・重症化の予防に加え、高齢者の低栄養予防やフレイル予防を推進することにより健康寿命の延伸を実現し、子どもから高齢者まで全ての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現することは、「健康日本21(第二次)」の推進においても、食育の観点からも、優先的に取り組むべき課題の一つである。

栄養バランスに配慮した食生活を実践している国民を増やすことは、生涯にわたる心身の健康の確保や、生活習慣病予防の基本の一つである。目標として、「栄養バランスに配慮した食生活を実践する国民を増やす」、「生活習慣病の予防や改善のために、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民を増やす」が掲げられており、これらの目標達成に向けた取組の推進をお願いする。特に、栄養バランスのとれた食事の実践や減塩、野菜・果物の摂取の増加に関する取組については、個人の努力だけでは改善が困難な状況もみられることから、健康無関心層も含めて自然に健康になれる食環境づくりを関係機関・団体、食品関連事業者等、様々な関係者との連携により推進していただくようお願いする。

なお、新型コロナウイルス感染症の流行により、日々の健康づくりや栄養・食生活の重要性が再認識されたことも踏まえ、より一層の取組の充実を図るようお願いする。

(2) 多様な暮らしに対応した食育の推進について

近年、ひとり親世帯、貧困の状況にある世帯、高齢者の一人暮らし等が増え、様々な家庭の状況や生活の多様化により、家庭や個人の努力のみでは、健全な食生活を実践していくことが困難な状況も見受けられる。

地域が果たす役割は一層重要となっており、それぞれの地域の特徴や課題に応じて展開される関係団体等による栄養・食生活支援への理解とともに、栄養・食生活支援が必要な人々への働きかけを関係部局と連携しながら推進していただくようお願いする。

(3) 災害時に備えた食育の推進について

近年、頻発する大規模災害等に備え、災害発生時も健全な食生活の実践ができるよう、家庭における食料品等の備蓄について普及啓発を行うほか、災害時の栄養・食生活支援の具体的内容や体制等を地域防災計画へ位置づけることやマニュアルの整備を図り、関係者が共通の理解の下で取り組める体制整備をお願いする。

(4) 多様な関係者の連携・協力の強化による取組の推進について

食育は幅広い分野にわたる取組が求められるほか、様々な家庭の状況や生活の多様化といった食育をめぐる状況の変化を踏まえると、より一層きめ細かな対応や食育を推進しやすい社会環境づくりが重要であることから、地方公共団体、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティア等、食育に係る様々な関係者と主体的かつ多様に連携・協働した取組が推進されるよう体制の整備をお願いする。

また、食育を国民運動として推進し、これを国民一人ひとりの食生活において実践につなげるためには、地域に根ざし、住民の身近で日々の活動に関わる食生活改善推進員等のボランティアの取組が不可欠であることから、その重要性を理解していただくとともに、ボランティアの育成及び支援をお願いする。

(5) 専門的知識を有する人材の養成・活用について

地域において食育の推進が着実に図られるよう、都道府県や市町村に管理栄養士等の配置の推進をお願いする。特に、管理栄養士等が未配置かつ、食育推進計画が未策定の市町村におかれては、管理栄養士等の配置に努めるとともに、都道府県においては、当該市町村に対し、その配置を促すための必要な支援をお願いする。

また、地方公共団体が実施する食育に関する料理教室や体験活動、各種イベント等において、高度な調理技術を備えた専門調理師等の活用をお願いする。