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○居住不安定者等居宅生活移行支援事業の実施について

(令和3年3月30日)

(社援保発0330第4号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局保護課長通知)

(公印省略)

平素より生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の適切な運用にご尽力いただき、厚く御礼申し上げます。

今般、生活に困窮し、住まいを失った又はそのおそれのある方に対し、居住の確保とその後の安定した住まいを継続的に支援するため、新たに「居住不安定者等居宅生活移行支援事業実施要領」を別紙のとおり定め、令和3年4月1日から適用することといたします。

なお、「居宅生活移行総合支援事業の実施について」(令和2年3月31日付社援保発0331第4号本職通知)は廃止します。

別紙

居住不安定者等居宅生活移行支援事業実施要領

1 事業概要

生活困窮者及び被保護者のうち、居宅生活への移行に際して支援を必要とする者に対して、転居先となる居宅の確保に関する支援、各種契約手続等に関する相談・助言等居宅生活に移行するための支援及び居宅生活移行後に安定した生活を営むための定着支援等を実施する。

2 実施主体

都道府県、指定都市、中核市、市(特別区を含む。)及び福祉事務所を設置する町村(以下、「都道府県等」という。)とする。

ただし、事業の適切な運営が確保できるものと都道府県等が認める社会福祉協議会、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人又は居住支援法人その他の民間団体に本事業の全部又は一部を委託することができる。

3 実施方法

事業の実施方法については、以下のいずれかの方法による。

(1) 直接実施

実施主体において、本事業による支援を行う専門職員を雇い上げ、当該職員が生活困窮者及び被保護者に対して支援を行う。

(2) 委託実施

実施主体と事業者において委託契約を締結し、受託事業者の職員が生活困窮者及び被保護者に対して支援を行う。

なお、委託の方法については、あらかじめ支援対象人数を想定した上で、当該支援の実施に必要と考えられる人件費等を委託費として支払う方法のほか、支援対象者1人あたりの委託単価等を定めた上で、支援の実施にあたって必要な費用を支払う方法でも差し支えないものであること。

(3) 居宅移行支援に対する補助事業の実施

都道府県等が本事業の適切な運営を確保できるものと認める団体に対し、本事業内容に合致する取組を実施する場合に、その事業経費について補助を行う。

4 事業内容

本事業の内容は以下のとおりとする。なお、連携・協力して実施する事業者との関係において、以下の事業内容のうち一部のみ選択的に実施することも差し支えないものであること。

(1) 居宅移行に向けた相談支援

生活困窮者及び被保護者に対して、居宅生活に移行すること及び移行後の転居先となる住宅に関して、希望や意向を聴取するとともに、転居先候補の紹介や不動産業者への同行、契約手続き等に関する助言等の居宅生活の移行に向けた相談支援を行う。

(2) 居宅生活移行後に安定した生活を継続するための定着支援

居宅生活に移行した者に対して、居宅生活を送る上での困りごと等に関する相談や緊急時の連絡への対応を行うほか、定期的な巡回や電話により、食事や洗濯、掃除、ゴミ出し等の生活状況及び公共料金等の支払い状況の確認並びに必要に応じた助言等を実施する。

(3) 入居しやすい住宅の確保等に向けた取組

① 居住支援法人を活用した不動産業者との調整による転居先の開拓、セーフティネット住宅を含む連帯保証人を設けることを入居条件としないなどの生活困窮者等が入居しやすい住宅のリスト化等の転居先候補となる住宅の確保に向けた取組

② 居住支援協議会、地方公共団体の住宅部局、住宅供給公社、宅地建物取引業者、介護サービス事業者等の関係機関との連絡調整体制の構築及び支援を行う専門職員を育成するための研修やアドバイザー派遣の実施等

5 支援対象期間

個々の支援対象者への支援対象期間については、概ね以下の期間を目途とすること。

(1) 居宅移行に向けた相談支援:支援開始から概ね6か月間

(2) 居宅生活移行後の定着支援:転居後1年間

6 事業実施にあたっての留意事項

(1) 居宅生活への移行支援又は居宅生活後の定着支援を行うにあたっては、対象者毎に居宅生活移行又は居宅生活の継続に向けた課題等を把握するとともに、本人の希望、意向等を踏まえた支援計画を作成するなどにより、計画的に支援を実施すること。

なお、居宅生活への移行支援にあたっては、居住の安定確保の観点から、住宅扶助の代理納付や生活困窮者自立支援法における生活困窮者住居確保給付金等の仕組みを有効に活用すること。

(2) 支援の実施にあたっては、適宜、相談支援員及び担当ケースワーカーとのケース会議や生活困窮者自立支援法に基づく支援会議等の活用により包括的支援を行うほか、支援の状況についてこれらの者に対して報告を行うなどにより、連携を密にして支援を行うこと。

(3) 事業者に事業実施を委託又は補助する場合、委託又は補助先の選定に際しては、当該事業者の支援実績等を踏まえて、適切に事業を実施できると認められる事業者を選定することとする。

(4) 無料低額宿泊所を運営する事業者や生活困窮者自立支援法に基づく一時生活支援事業等を受託する事業者に事業の委託等をする場合、当該委託等業務については、無料低額宿泊所の運営に係る管理業務や入居者の状況把握、食事の提供等の業務とは区分して実施される必要があること。

無料低額宿泊所の職員が、無料低額宿泊所及び一時生活支援事業等に係る業務の提供時間外において居宅生活移行等に向けた支援を実施することを妨げるものではないが、その場合、本事業の委託費等相当分については、利用者から受領する利用料や一時生活支援事業等の算定根拠から除くなど、費用の重複が生じないようにすること。

(5) 本事業による支援対象者について、地域の実情に応じて、保護施設入所者を含めて実施しても差し支えないこと。

7 補助基準額

実施主体である自治体の人口により、次のとおりとする。

10万人未満 8,000千円

10万人以上30万人未満 12,000千円

30万人以上50万人未満 16,000千円

50万人以上100万人未満 24,000千円

100万人以上300万人未満 32,000千円

300万人以上 40,000千円

ただし、大都市圏等居住が不安定な被保護者や生活困窮者多い等の事情により、上記によりがたい場合には別途協議に応じる。

8 その他

この実施要領によりがたい特別な事情がある場合は、個別に協議すること。